この保険の弱点はここだ!アクサダイレクト生命「働けない時の安心」

提供会社:アクサダイレクト生命

商品名:働けない時の安心

この保険の弱点はここだ!!

参考コラム:
就労不能保険の種類が気になったら
就労不能保険「損保系」、「特化型」、「特約型」の違いを理解しよう
をご覧頂きたい。

 

率直に良い商品だと思う。

本サイトはどの保険商品にも辛口なので、「星4つ」など滅多にない。

ちなみに星5つは、過去につけたことがないので(完璧な商品などあり得ないという理由で)実質的には最高評価だと思って頂いて良い。

就業不能保険としては、かなり後発の商品だが、その分、よく考えて開発されている。

今の時点では、内容、保険料ともにトップレベル。

保障内容を見ると、ライフネット生命の就業不能保険「働く人への保険2」の仕様を丸々パクったような印象だが、

・男女、どの年齢層でも、ライフネットより保険料が安い

・精神疾患も対象になる(但し通算18回まで)

という点で優れている。

保険料に関しては、後追い商品であるため、安いのは当たり前だろうが、精神疾患まで対象としたことは評価したい。

「就業不能」という分野を開拓したのは、生保としてほぼ初めて大々的に就業不能保険を開発したライフネット生命の功績だが、当初から精神疾患を「対象外」としていた。

躁うつ病などの病気は、

「基本的に自己申告」

であり、その真偽は本人にしか分からない。

もちろん本当に苦しんでいる方は大勢いるが、中には「ちょっと落ち込んだだけ」みたいな人もいる。

しかし、精神科医は原則、患者の言うことを全面的に信じるので、わりと手軽に

「しばらくは仕事はしない方が良い(休職のすすめ)」

というような内容の診断書を書いてくれる。

精神疾患での請求がどの程度来るのか?(虚偽のものも含め)

そのリスクの算定が出来ず、ライフネットでは「対象外」とした。と聞いていた。

本商品では「18回まで」という回数制限を設け、長期に支払うリスクを無くすことで精神疾患を対象にしている。

とは言え、この「回数制限」も損害保険会社が出す就業不能保険(会社が全社員を対象にして団体で入るタイプ)には昔からあった考え方で、それを上手くミックスしたのだろう。

独自性は何一つないが、過去、各社が開発してきた就業不能保険を上手く研究し、更に安い保険料で訴求する。

誠に良く出来た商品だと思う。

とは言え、弱点がないわけでもない。




弱点1 支払対象「外」期間が60日しか選択できない

終業不能保険には支払対象外期間というものがある。

働けなくなったからと言って、すぐに給付金が出るわけではなく、一定期間は支払対象「外」の期間がある。

本商品では60日(約2ヵ月)の一択だが、他社(と言うか、この商品がパクった本家のライフネット生命)では60日以外に180日(約6ヵ月)も選べる。

180日より60日の方が「早く受け取れる」ので、契約者にとっては良いだろうが、その分保険料は高くなる。
(保険会社からすれば給付金を支払うリスクが増えるため)

冒頭で「保険料が安い」と言ったが、あくまで

同じ条件であれば(支払対象外期間が60日の場合)

という前提。

ライフネットで180日を選択した場合、当然ながら、そちらの方が安い。

「半年程度なら貯蓄と傷病手当(給与の2/3程度が補償される国の制度)で何とかなる。」
「対象外期間を180日にすることで保険料が安いのであれば、そちらの方が良い。」

と考える人もいるだろう。

選択肢が少ない。という点では弱点と言える。




弱点2 精神疾患の良し悪し

筆者の周りにも躁うつで苦しんでいる人が何人かいるが、その辛さは本人にしか分からず、本当に大変そうだ。

中には

「ちょっと仕事休んだ方が良いのでは?」

と思うケースもあるが、周りの評価や収入を気にして、なかなか実行するのは難しいようだ。

その点、あえて精神疾患を支払対象とした本商品の「勇気」は評価したい。

だが、これを悪用する人は確実にいそうだ。

精神疾患の支払い上限の18回。

つまりは約1年と6ヵ月間、給付金を受け取れるのだから、精神科で虚偽の症状(躁うつ病など)を申告して、

「休職した方が良い」

というような診断書を貰い、それをもって不正受給するような性質の悪い奴のターゲットにされかねない。

このような輩に支払う給付金も、結局は契約者全体で負担するもので、他の契約者の不利益となる。

また、保険会社として、このような不正を許容することは許されないだろう。

とは言え、上手い対策方法はない。

以前、ある保険会社の開発担当者から、精神疾患の給付の条件として、

「保険会社が指定した病院(精神科)で診断を受けてもらうという」

というアイディアを聞いたことがある。

なかなか良い仕組みだと思ったのだが、当の精神科医から、

「本当か嘘かなんて我々も分からないし(実際は何となくは分かるらしいが)、『この病院へ行け』という指示自体が患者さんに『疑われてる・・・』というプレッシャーになって症状を悪化させる」

と言われ断念したらしい。

もちろん本当に苦しんでいる方にはしっかり給付するべきだが、今のところ「嘘つき」を排除するための実効的な方法はない。

また、本当に重篤な精神疾患の患者への対応も難しい。

筆者の知人に長年、統合失調症で苦しんでいた人がいる。

入退院を繰り返していたので、当然働くことが出来ず、国からの障害年金などはあるものの生活は苦しい。

統合失調症などは脳の病気で、誰でもなり得るのだが、日本では依然、

「精神疾患は本人の根性がないからだ!!」

的な偏見もあり(身内ですら)、本当に大変そうだった。

このような方にこそ、「長期間の給付」を実現できると良い。

統合失調症クラスの病気になれば、「ウソをついて病気を装う」ことは難しいだろうし、最近はMRIや髄液検査で、診断の精度が上がってきているとも聞いている。

科学的、医学的な見地に基づいて精神疾患を「立証」出来るなら、それらに関しては18回という回数制限を設けず、がんや脳卒中などと同じ扱いにしても良いのではないだろうか?

精神疾患も対象。という点は弱点でも何でもなく、むしろメリットだが、アクサほどの大手が「精神疾患の就業不能」に手を付けたのであれば、

・不正受給対策

・重篤患者への対応

という課題にもチャンレジして欲しいという「今後への期待」を込めて書かせてもらった。

 

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各社の就労(就業)不能保険の☆評価一覧はコチラ




特約 Good & Bad!!

特約(オプション)で、「満額タイプ」と「ハーフタイプ」がある。

これは、働けなくなってから「1年6ヵ月間」に対して、

・満額(例えば10万円/月で契約していれば、「10万円」)

・ハーフ(例えば10万円/月で契約していれば、「5万円」)

を選択できるもの。

契約者からすれば満額の方が嬉しいが、当然、その分、保険料は高くなる。

満額かハーフか、その選択のポイントは傷病手当。

傷病手当とは、社会保険の制度で、病気やケガで仕事が出来ない場合に、給与の2/3程度を1年6ヵ月間受給出来る。

つまり、この期間は働いていなくても2/3の給与が補償されるので、保険からの給付も

少なくて(ハーフ)良いのでは?

ということ。

筆者としては、会社員であればハーフタイプで十分だと思う。

但し、自営業者などはそもそも傷病手当がないので要注意。

働けない = 即収入減

に繋がるので、初めから満額給付される方が安心だろう。

比較した方が良い商品

アクサダイレクト生命 働けない時の安心 ★★★★☆

アフラック 給与サポート保険 ★★★☆☆

SBI生命 働く人のたより ★★★★☆

ライフネット生命 働く人への保険2 ★★☆☆☆

 

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