この保険の弱点はここだ!アクサ生命「一生保障の介護保険 賢者の備え」

提供会社:アクサ生命

商品名:一生保障の介護保険 賢者の備え

この保険の弱点はここだ!!

参考コラム:
介護保険の基礎を学びたい方は、まず

『民間の介護保険は必要か?「介護保険の考え方」』
『介護付き終身保険のメリット・デメリット』
をご覧いただきたい。

介護/認知症保険の総論について以下でも音声にて解説してます!!

 

それでは、この商品の弱点について解説をしていこう。

商品としては、

介護付終身保険

というものに分類される。

通常の終身保険は「死亡・高度障害」で保険金が支払われるが、「介護付」になると、介護状態や認知症などに該当した場合も支払い対象となる。

つまり、亡くなる前に介護になれば「手前で(死亡しなくても)」保険金が受け取れるということ。

保険料は、まあ、こんなもんかな。という感じ。

とは言っても、そもそも介護付終身保険を出している保険会社は、このアクサと、あとはジブラルタ、住友の3社しかなく、それらと比べても、高くも安くもないという印象。
(性別、年齢などによっても異なる)

なお、介護付終身保険は普通の終身保険より保険料が割高(概ね+10%程度)に設定されている。

保険会社からすると、介護がつくことにより、通常の死亡より「手前」で保険金を用意しないといけない。

運用期間も短くなる。

そのため、「ちょっと上乗せして貯めておいてください」ということになるのである。

結局のところ、

「割高なプレミアム(保険料)を支払ってまで、介護を対象にする必要があるか?」

という点が検討のポイントだろう。

とは言え、仮に「介護も心配だから、保障の対象の方が良い」と思っても、この商品はやめた方が良いと思う。

具体的な弱点で解説する。




弱点1 「介護」の定義が厳しい

本商品で「介護」と定義されているのは、以下の条件。

条件は2種類ある。

「認知症」と「介護の状態」

このどちらかに該当すれば良いのだが、特に「介護の状態」のハードルが相当高い。

1 認知症

器質性認知症と診断され、意識障害のない状態で見当障害があり、かつ他人の介護を要する状態。

よりかみ砕いて説明すると、

器質性認知症と診断され(認知症を発症し)、

意識障害のない状態で見当障害があり(過去、現在などの時間の概念が薄れ、記憶が曖昧、親しい人の顔が分からない、など)、

かつ他人の介護を要する状態(自分1人では生活できない)。

という感じだろうか。

この一文は介護系の商品では良く見られるもので、どこの保険会社でも基準は一緒。

特にアクサ生命だけが厳しいということはない。

2 介護の状態

以下の条件の時に支払い対象となる。

・常時寝たきりであること

・更に、ベット周辺の歩行が出来ないこと

・「着替え」、「入浴」、「食事」、「排泄」のうち2つが自分で出来ない

この3つ、全てに当てはまらないといけない。

大前提として「常時、寝たきり」なのだから、歩行も着替えも入浴も自分では出来ないのでは?

そう突っ込みたくなるが、この条件は他社に比べて相当厳しい。

症状が相当進み、介護と言うよりは終末期に近いイメージだろう。

対して、他社では公的制度の「要介護2」に該当したら支払う。というものが多い。

「常時、寝たきり」より、要介護2の方が随分と軽い。

つまりその分、手前で給付金を受け取れるということ。

率直なところ、要介護2でも「まあまま症状がすすんでいる状態」ではあるが、そのあたりにお金を受け取れるならまだ良い。

本商品では認知症の場合、他社と同じような条件だが、そうではない介護状態(頭はしっかりしているが、体が動かない)場合、かなり症状がすすまないと支払い対象とならないことがデメリットである。

 

参考コラム:
介護保険の基礎を学びたい方は、まず

『民間の介護保険は必要か?「介護保険の考え方」』
『介護付き終身保険のメリット・デメリット』
をご覧いただきたい。

他社の介護保険の☆評価一覧は、コチラ




弱点2 終身払しかない

保険料の支払い方には、有期払」と「終身払」の2つがある。

・有期払
60歳払込、65歳払込などがあり、終身保険の場合、その年齢まで保険料を支払えば、保障は一生涯続く。

・終身払
一生涯保険料を支払っていく。死亡するまで保険料を負担する。

いつまで支払えば良いか「ケツ」が決まっている有期払に対し、終身払は、何歳まで保険料を支払わないといけないか分からない。

また、収入のない老後にまで支払いが続くのも不安だろう。

このようなことから、ほとんどの人が有期払を選択する。

しかし、本商品では有期払という選択肢がなく、終身払しか用意されていない。

これは明確なデメリット。

例えば、40歳男性の場合で、保険金500万円の保険料は14,295円とのこと。

これを65歳まで支払った場合、総支払保険料は約429万円となるので、この時点で「死亡」か「介護」になれば500万円を受け取れ、約71万円ほど得をすることになる。

しかし、75歳まで支払った場合、総支払保険料は約600万円となり、保険金500万円を超えてしまう。

もし仮に85歳まで長生きすれば総支払保険料は約772万円にもなり、500万円を受け取っても大赤字。

目安としては75歳くらいまでに介護にならないと元が取れないようになっている。

しかも弱点1で説明した通り、本商品の「介護」のハードルは高い。

個人差はあるものの、75歳と言うと

「ちょっと最近、お父さん(もしくはお母さん)おかしくなってきたね」

という感じで、認知症や介護の「入口付近」であることが多い。

ここから「かなり認知症がすすんだ状態」か「常時寝たきり」になるまでには結構時間がかかるので、介護になったとしても、結局は保険金以上の保険料を負担する可能性が高いだろう。

以上2点から、本商品はおすすめしない。

比較した方が良い商品

朝日生命 あんしん介護 ★★☆☆☆

ジブラルタ生命 米国ドル建介護保障付終身保険(低解約返戻金型) ★★★☆☆

SOMPOひまわり生命 認知症保険 笑顔をまもる認知症保険 ★★★☆☆

明治安田生命 認知症ケアMCIプラス ★★☆☆☆

 

参考コラム:
介護保険の基礎を学びたい方は、まず

『民間の介護保険は必要か?「介護保険の考え方」』
『介護付き終身保険のメリット・デメリット』
をご覧いただきたい。

他社の介護保険の☆評価一覧は、コチラ