この保険の弱点はここだ! 第一生命「こども応援団 Mickey(ミッキー)」

提供会社:第一生命

商品名:こども応援団 Mickey(ミッキー)

この保険の弱点はここだ!!

参考コラム:
学資保険をどうしたらいいか悩んでいる方は
『学資保険はこう考えろ!!』
をご覧いただきたい。

 

第一生命の学資保険「こども応援団 Mickey(ミッキー)」

率直なところ、

「著作権は大丈夫なのか?」

と思ってしまうが、第一生命は東京ディズニーランドのオフィシャルスポンサー。

ランドのビッグサンダー・マウンテン、シーのセンター・オブ・ジ・アースにはその看板が大きく掲げられている。

その協力な関係で「Mickey」の名称くらい使っても問題ないのだろう。

さて、その商品内容だが、18歳、19歳、20歳、21歳、22歳の5回に分けて受取るタイプの学資保険だが、貯蓄商品としては「弱い」

学資を目的にするなら、ソニー生命、日本生命、明治安田、富国の方が返戻率は良い。

が、保険として考えると、なかなか面白い。

本商品には「A型」、「B型」、「C型」の3つのタイプがある。

A型は、以下の条件に当てはまった場合に「払込免除」になる。

・悪性新生物(がん)・・・悪性新生物と診断(診断されただけでOK)
・急性心筋梗塞・・・60日以上の労働制限、または、手術
・脳卒中・・・60日以上の後遺症、または、手術
・所定の身体障害・・・身体障害者手帳の等級が1~3級
・所定の要介護・・・公的介護保険の要介護2以上、または、所定の状態(約款P24)が180日以上

これらの状態になった際には、以後の保険料がタダになるので、つまり、そこまでに支払った分で将来の学資が手に入ることに。

B型は他社の学資保険と同じく「死亡」の時だけ、払込が免除される。

「親が生きていれば積み立てた分をちょっと増やして返す。親が死んだら、その場合も本来積み立てるはずだった金額を返す。」

「どんな状況になっても子供の学資を用意する」

これが学資保険の目的なので、このB型が通常型。

そしてC型は死亡しても免除されない。

つまり、お父さんが亡くなっても、残されたお母さんが保険料を支払う必要がある。

なんじゃそりゃ?

と思ったが、約款を読んで納得した。

C型は「持病などがあり保険に加入できない人用」のプラン。

そのため「無告知(体の状態について何も言う必要がない)」での加入が可能となっている。

C型は保険機能がないので、単純な貯金と考えれば良いだろう。

このように選択肢を豊富に用意しているのは他社ではあまり見かけない。

以前、明治安田でも「がんなら免除」という学資保険を提供していたが、今はやめてしまった。

返戻率の話はとりあえず置いておいて、学資保険としてはなかなか面白い取り組みだと思う。




弱点1 返戻率が低い

サイトの情報では、15年間払込(子供が0歳の場合、15歳までに支払う)のケースが掲載されていたが、冒頭でも述べた通り返戻率はおおむね低調。

実際の契約例を見てみよう。

契約例:親 男性30歳、子 0歳 300万円を貯める場合。

A型 100.8%
B型 102.1%
C型 102.7%

A型は「払込免除」の範囲が広く、C型は「払込免除」がない。

そのため、他社と比較するならB型だろう。

この場合、まったく同じ条件で、明治安田104.1%、ソニー生命、日本生命は105%程度。

そういう意味では、本商品は学資保険として考えると他社より弱い。

 

参考コラム:
学資保険をどうしたらいいか悩んでいる方は
『学資保険はこう考えろ!!』
をご覧いただきたい。

他社の学資保険の☆評価一覧は、コチラ




弱点2 C型は「誰でも入れる」が、定期預金と変わらない

本商品のC型は

「誰でも入れる(体が悪くても)」

という特徴があるが、反面、たとえ死亡しても、残った方の親が支払いを続けていかないといけない。

つまり、保険としての機能は一切なく、通常の定期預金と変わらないと言える。

筆者の計算によれば、C型の102.7%という結果を得るためには、0.25%程度の金利が必要。

2019年9月現在、ネットバンクを中心に0.25%程度の金利をつける定期預金があるにはあるので、そちらに預けておいても結果はほぼ同じだろう。

自分でやる定期預金であれば、例えば父親が死亡した場合、「ちょっと経済的に厳しい」という時には一時的にやめることが出来る。

しかし、保険であればそのような休憩をすることは出来ない。

また、今後、金利が上向けば、定期預金に預けておいた方が良かった。となる可能性もある。(逆に金利が今より下がった場合は、学資保険の方が良かった。となる。)

反面、定期預金だと、使おうと思えばいつでも自由に使えてしまうので、貯蓄が苦手な人は危険。

保険であれば、有無を言わさずに引き落とされるし、使いたくても使うことが出来ない。

C型に関しては、「学資保険」でも「自分で定期預金(0.25%程度のもの)」でも、結果はどちらでも同じだが、どちらが良いかは、その人の性格(堅実か、放漫か)によるだろう。

少々余談になるが、筆者は個人的にはA型が良いと思っている。

本サイトは

「自分の入る保険の弱点・デメリットをしっかり理解しよう」

ということがコンセプトなので、商品の良い部分を褒めるのが目的ではないのだが、学資保険にがんや心筋梗塞、脳卒中などの三大疾病の保障を付けるのは賛成。

他社にも広がって欲しい。

学資保険というと、どうしても返戻率ばかりに目が行くが、「〇〇生命の方が良い」などと言っても、低金利の現状では所詮は2,3%程度の差。

要はドングリの背比べ。

だったら、このA型を「保障」として考えても良いのではないか?

確かに返戻率は低いが、100%は越える。

この学資保険の保険料を支払っている間の15年間。

子供を育てながら、住宅ローンなども重なり、どの家も大変な時期となる。

そんな時に、がん、心筋梗塞、脳卒中などになれば将来への不安感は相当なものとなる。

しかし、A型であれば、少なくとも「学費」については考えなくても良くなるので、お父さん、お母さんにとっては気が楽だろう。

確かに他の学資保険に比べ、2,3%程度の返戻率は下がるが、言い換えれば、その2,3%で

15年間の三大疾病の保障 → 数百万円の学費分

が得られていることになる。

数%の返戻率にこだわるよりは、こちらの方が良いのではないか?

このような保険機能の充実があってこその学資「保険」だろう。

それでこそ「保険で貯める」必然性がある。

あくまで筆者の個人的感想。

また、別途、医療保険、三大疾病保険などで、すでにしっかりとした保障があり、

「別にがん(心筋梗塞、脳卒中)になっても大丈夫」

という方は、あくまでも返戻率を追求した方が良いだろう。

以上、余談。




弱点3 面談必須

第一生命だけに限った話ではないが、このような学資保険は「客寄せパンダ」としての機能がある。

はっきり言って、学資保険なんてまったく儲からないだろう。

それどころか、赤字なのではないか?とも思う。

要は、お客様との接点を持つためのマーケティング用商品。

そのため、ネットや郵便では加入できない。

絶対に面談が必須で、第一生命の営業マン、多くの場合、セールスレディーと会わないといけない。

筆者もこの業界が長いので、保険会社が顧客との面談を望む気持ちは分かる。

特に学資保険は「子供が生まれた若い世帯」との接点を持てるので、第一生命のような古い会社からすれば、喉から手が出るくらい面談の機会が欲しい。

しかし、どんなレベルの人間が来るか分からないのは正直、嫌だ。

これも第一生命に限った話ではないが、保険のセールスマンはどこの会社も玉石混交。

FP資格を持ったちゃんと勉強した人間もいれば、基礎的なことも知らないまま営業の現場に出ている人間もいる。

アホな営業マンが来て、学資保険の話もそこそこに他の商品の売り込みをされても不快だし、その後、「担当」として付きまとわられるのも困る。

特に生保レディーにはそのような印象が強いだろう。

とは言え、今はそこまではない。

第一生命も、昔は「強烈なおばさん」が大勢いたが、最近では随分若返りが進み、コンプライアンスの関係で「しつこさ」もそれほどではなく、あっさりしてるらしい。
(我々の業界の「あっさり」が普通の世界では「十分しつこい」に当たるのだが・・・)

そういう意味では、そこまで身構える必要もないが、学資保険は「客寄せパンダ」なので、

医療保障は?

死亡保障は?

と他の商品の話もされるだろう。

まあ、これは仕方ない。

どこの保険会社に連絡しても基本的には同じ目にあう。

もしくは保険ショップに行っても、学資保険の手数料などスズメの涙程度なので、他の商品に話を展開していくだろうし、そういう教育を受けているはずだ。

何事もネットと郵送で済む時代。

「会わないといけない」

というのは弱点と言えるだろう。

注意点

学資保険に入る時は、出来るだけ「年払」を選択すること。

保険会社からすれば、毎月、保険料を引き落とさないといけない月払より、年に1回で済む年払の方が手間がかからず、その分、保険料をディスカウントしてくれる。

支払う保険料が安くなる(ディスカウント)されるのに、将来受け取れる学資は月払と同じなのだから、その分、お得。

おおよそ1%程度、返戻率が良くなる場合が多い。

 

参考コラム:
学資保険をどうしたらいいか悩んでいる方は
『学資保険はこう考えろ!!』
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商品の構成

学資の受け取り方

学資は17歳もしくは18歳から、

17歳、18歳、19歳、20歳、21歳
18歳、19歳、20歳、21歳、22歳

など、計5回受け取るタイプ。

例:300万円 → 60万円を5回

第一生命の学資保険の払込免除について

払込み免除のタイプ

A型(こども応援団)・・・契約者の死亡、所定の状態
B型(Mickey)・・・契約者の死亡
C型(mickey)・・・払込免除なし

※C型は、契約者の告知不要

A型の「所定の状態」は下記の通り

・悪性新生物(がん)・・・悪性新生物と診断
・急性心筋梗塞・・・60日以上の労働制限、または、手術
・脳卒中・・・60日以上の後遺症、または、手術
・所定の身体障害・・・身体障害者手帳の等級が1~3級
・所定の要介護・・・公的介護保険の要介護2以上、または、所定の状態(約款P24)が180日以上

払込期間について

・5年、10年、もしくは子が15歳まで、17様まで、など選択は豊富。

・子の年齢によって、選択できるプランに制限ある

その他

出産予定日の140日前から加入可能。
流産または死産の場合、契約を無効とし払込保険料を全額返還。

 

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