この保険の弱点はここだ!FWD富士生命「医療ベスト・ゴールド」

提供会社:FWD富士生命

商品名:医療ベスト・ゴールド

この保険の弱点はここだ!!

参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。

それでは、この商品の弱点について解説をしていこう。

FWD富士生命の「医療ベスト・ゴールド」

通常の医療保険は「入院1日あたり、いくら(例:5,000円)」というような形だが、この商品は

1回入院したらいくら(10万円~30万円で選択:一部年齢制限あり)

というもの。

たとえ1泊2日でも、100日入院しても受取れる給付金は変わらない。

これを他社では「入院一時金」と言い、オプションで用意されていることが多い。

それも内容は同じで「入院しただけで10万円」というようなもの。

つまりは他社でオプション扱いのものを、この商品ではメイン扱いにしている。

一言で言えば「変わった保険だな」という感じ。

弱点1 主契約だけでは弱すぎる

30歳男性 終身払い 一時金10万円で、保険料は1,378円

年間16,536円。10年間で約16.5万円。20年間で33万円。

要は20年間で4回入院して、10万円×4=40万円で、ようやくペイする計算。

結局のところ、1回の入院で得られるお金の上限が決まっているので、おのずと利益の上限も決まってしまう。

長期入院した場合などで10万円なので、これだけでは保障としてあまりに未熟。

「1泊2日でも10万円もらえる!!」

という短期的なメリットにつられてはいけない。

保険はあくまで、本当に大変な状況の時のために入るもの。

目先の金より、「本当に大変な状況」を念頭において保険を選ぶべきだろう。



弱点2 入院保障特約と手術給付保障特約を付けて一人前。そうすると高い。

入院一時金がメインとされているので、ここに通常の保険のように「入院日額(入院保障特約と言う)」と「手術給付保障特約」、「先進医療特約」を追加して、ようやく「他社並」の医療保険に仕上がる。

弱点1でも述べた通り、一時金だけでは長期入院に対応できず、脳卒中などの重篤な病気になって長い間病院にいなくてはいけない時に役に立たない。

そんな時のために入院の日額(何日入院したか)で給付を受けられる入院保障特約は必死だろう。

また手術給付保障特約を付けておけば手術の際に給付を受けられる。

それと先進医療。

これらの3つをセットにすると以下のようになる。

前提条件:30歳 男性 終身払い 1入院の上限 60日

この構成を、医療保険として売れ筋のオリックス生命やアフラックなどで組むと、2400円~2600円程度で実現できる。

もちろんそれぞれ比較すると細かいメリット・デメリットはあるが、それほど大きな違いはない。それなのに600円~800円程度の差がつく。

通常の医療保険として検討するなら、この商品に魅力はない。

当然、年齢や性別によっても結果は異なり、年齢が上がると、ややこの商品は価格競争力を増すが、それでもそこまで良いわけではない。



弱点3 会社の知名度

FWD富士生命という名前を聞いた方は少ないだろう。

元々AIG傘下だった富士生命を香港のFWDが買収して誕生した会社。

つまりは香港資本の外資系ということになる。

なお、FWD自体はPCCWという大きな財閥の保険部門で、資金も潤沢。

それがアジア各国で保険会社を買収して、あっという間に一大勢力になった。

その点、信用不安はないが、まだ日本に来て間もないので知名度は低い。

成熟した日本市場を開拓するために、この医療ベストゴールドをはじめ特徴的な商品を投入しているが、まだまだ様子見という感じもする。

新しモノ好きの人なら良いが、別に今の段階でこの会社を選ばなくても良いのでは?とも思う。

 

参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

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他社の医療保険の☆評価一覧は、コチラ

商品の構成について

商品構成はシンプルで、特約や特則(どちらもオプション)も少ない。

入院一時金

5万円から30万円まで選択可能

契約年齢によって契約できる上限が決まっている。
0~5歳:5万円
6歳~17歳:10万円
18歳~60歳:30万円
61歳~65歳:15万円
66歳~80歳:10万円

入院1回につき、入院一時金が受け取れる。

入院一時金が10万円の場合
「1泊2日以上の入院」は、10万円(入院一時金×100%)
「日帰り入院」は5万円(入院一時金×50%)
となっている。

主契約は、これのみ。

保険料は、30歳男性 入院一時金10万円で、毎月1,378円。

しかし、弱点1で書いた通り、これだけでは片手落ち。保障内容としては弱すぎる。

これだけに入るのなら、そもそも加入せずに自分でお金を貯めておいた方がマシである。

他社の主契約に含まれている「入院日額」や「手術給付」の保障は特約をセットすることで対象とすることができる。

以下、付加できる特約について説明する。



先進医療特約

保険適用外の先進医療を受けた際、通算2,000万円までの実費を保障。

さらに、先進医療一時金(先進医療給付金×10%)が受け取れる。

保障内容、保険料ともに他社と同等レベル。

なお、他社では先進医療特約が10年更新になっている場合もあり、そうなると10年毎に保険料が上がっていく。

今後、先進医療が今より一層広がれば、必然的にその支払いをする特約の保険料も値上がりする可能性が高く、出来ればずっと保険料が変わらない「終身型」の方が望ましい。

本商品の先進医療特約は終身型なので、その点はグット。

先進医療特約についての詳細は以下の記事をご参照いただきたい。

先進医療特約は「終身型」を選びなさい!!

継続入院一時金特約

病気やケガで30日以上継続して入院したときに継続入院一時金が受け取れる。

1回の入院で一時金は、2回まで受け取れる。
つまり、30日目、60日目で受け取れ、主契約と合わせて3回受け取れる。

メインの契約の一時金が、30日おきに受け取れるようなイメージ。

7大生活習慣病での入院の場合は、回数無制限となっている。

30歳男性で継続入院一時金30万円の場合、特約保険料は、1,207円

長期入院としての備えとしては悪くないが、この特約の場合、「30日」を経過しないと受取れないこと。

例えば29日で退院した場合は対象外となるので、そのような場面を想定すると後述する「入院日額タイプ」の入院保障特約の方が良い気がする。



3大疾病保険料払込免除特約

以下の条件に当てはまった場合、以後の保険料が免除される。

・がん(悪性新生物):診断

・心疾患:手術 または 15日以上の入院

・脳血管疾患:手術 または 15日以上の入院

他社に比べ、心疾患、脳血管疾患と範囲が広く、条件も「手術または15日以上の入院」となっており、優れている。

特約の保険料はおおよそ10%くらいで、条件がいいぶん他社より若干高め。

筆者の個人的な見解では医療保険の保険料そのものがそれほど高額ではないので、わざわざ別途保険料を支払ってまで「払込免除」をつける必要はないと思っているが、このあたりは個人の感覚だろう。

詳細は、「医療保険の払込免除は必要か?」をご参照頂きたい。

特定疾病一時金特約

がん(悪性新生物、上皮内新生物)、心疾患、脳血管疾患にかかり、下記の事由に該当した場合、一時金が受け取れる。

・がん(悪性新生物、上皮内新生物):診断

・心疾患:手術 または 15日以上の入院

・脳血管疾患:手術 または 15日以上の入院

ただし、上皮内新生物の場合は、一時金×50%となっている。

また、それぞれの給付金は、2年に1回を限度に受け取れる。

30歳男性で特定疾病一時金50万円の場合、特約保険料は、1,164円

他社に比べても劣りも優れてもいない。

 

参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

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入院保障特約

入院日数に応じて、入院給付金(日額給付)が受け取れる。

他社の主契約部分に該当する内容。

1回の入院で支払限度日数は60日となっている。

入院日額の範囲は、2,000円~15,000円から選択可能。

こちらも契約年齢により上限が設定されている。
0~5歳:5,000円
6歳~17歳:10,000円
18歳~60歳:15,000円
61歳~65歳:15,000円
66歳~80歳:10,000円

30歳男性で入院日額5,000円の場合、特約保険料は、896円

筆者の個人的な感覚では、この医療保険に加入するなら、この特約が必須だと思うが、弱点2で述べた通り、これらをセットにすると他社に比べ高くなる傾向がある。

また、この特約だけでは1回の入院が「60日限度」なので、次項の7大生活習慣病無制限特約も付けておいた方がベター。

7大生活習慣病無制限特則

入院保障特約に付加できるオプション。

7大生活習慣病で入院した場合に、支払限度日数を無制限にできる。

30歳男性で入院日額5,000円、無制限特則ありの場合、特約保険料は、1,022円

無制限特則なしと比べ、+126円となっている。



手術総合保障特約

手術を受けた際に、手術給付金が受け取れる。

保障の対象となる手術は、公的医療保険制度に連動した約1,000種。

受け取れる金額は、
入院中の手術:手術給付金
日帰りの手術:手術給付金×25%
放射線治療、骨髄移植術、骨髄幹細胞採取術:手術給付金
となっている。

手術給付金の範囲は、5万円から20万円から選択可能。

30歳男性で手術給付金10万円の場合、特約保険料は、672円

たかだ10万円の手術給付金にしては、特約保険料は割高だと感じる。

そもそもこの商品は入院一時金がメインとなっており、10万円から30万円の一時金を受け取れるので、それを手術給付金の「代わり」と考えて、この特約は付けなくても良いかもしれない。

指定難病一時金特約

指定難病を発病した時に、一時金が受け取れる。

指定難病とは、パーキンソン病、もやもや病、潰瘍性大腸炎などの法律で定められた331種の病気をさす。

この特約は10年更新となっている。

30歳男性で100万円の場合、保険料は、136円

保険料は安いが、それだけ可能性が低い。ということ。

しかし、なってしまうとなかなか大変な病気ばかりで、実際に苦しんでいる人も多い。

この特約はなかなか良いと思う。

他社でも同様の特約が広がる事を願う。



無事故給付金特約

保険期間は10年で、5年毎に入院一時金の給付を受けなかったときに、無事給付金が受け取れる。

保険料は、30歳男性、無事故給付金30万円の場合、毎月4,295円

5年分の特約保険料は、257,700円で、入院がなければ30万円が受け取れることになる。

5年間で25.7万円支払って、30万円受け取れるなら4.3万円儲かるので、

「わりの良い運用」

のような気もしてしまうが、それは違う。

実際に入院した場合には「無事故」ではないので、積み立ててきたお金は没収されてしまう。

つまり、5年単位で4万円程度儲かったとしても、どこかで一度でも入院すれば25万円を一気に損することになり、それまでの儲けを「吐き出す」ことになる。

また、この特約を付けることで、

無事故給付金が欲しいがために、入院給付金を請求しない

というような事態も想定される。

例えば、10年目の無事故給付の満期直前の9年11ヶ月目に1泊2日の入院をした。請求をすれば10万円の給付金が受取れる。

こんなケースを想定して欲しい。

通常の流れで給付金を請求してしまったら、10万円を受取れるが、それまでの無事故給付金の積立金が没収されてしまう。

だったら入院したことを保険会社に黙っておいて、30万円貰った方が得

となる。

筆者ならそう考える。

10万円を受取るために、それまで積み立てた25万円を捨てるより、少し待てば30万円になるのだから。

が、これは大きな間違い。

そもそも、この特約に入っていなければ、普通に請求して10万円のプラスとなる。

しかし、この特約では25万→30万円となるが、5万円しか儲かっていない。

結局はこんな特約に入っていない方が得なのだ。

余計な計算と気苦労をしただけのこと。

この手の特約は「入院した時の保障」というシンプルな目的を複雑にして本質をごまかしてしまう。

言ってみれば、自分の健康をタネに保険会社と博打をしているようなもので、あまり品のよい商品とは言えない。

本当に健康に自信があって、ずっと無事故給付金を受取り続ける自信があるなら良いが、だったらそもそも医療保険なんて入らなければ良い。

何とも気持ちの悪い特約である。

 

参考コラム:
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