この保険の弱点はここだ!太陽生命「認知症治療終身保険」

提供会社:太陽生命

商品名:認知症治療終身保険

この保険の弱点はここだ!!

参考コラム:
介護保険の基礎を学びたい方は、まず

『民間の介護保険は必要か?「介護保険の考え方」』
『介護付き終身保険のメリット・デメリット』
をご覧いただきたい。

 

太陽生命はやたらと認知症系の保険に力を入れていて、この商品の他にも

ひまわり認知症予防保険(解説はコチラ)

がある。

本商品を分類するなら、介護に関する保険「介護保険」の中の一分野である「認知症保険」

更に、その中でも持病がある人でも入りやすい「緩和型」ということになる。

かなり端の端をついたマニアックな商品。

商品スペック自体は極めてシンプル。

・器質性認知症と診断され
・見当識障害が180日以上続く

この2つに該当した場合に一時金が受け取れる。

器質性、見当識障害など小難しい言葉が並んでいるが、弱点の解説の中でそれらの用語についても触れていきたい。

 

参考コラム:
介護保険の基礎を学びたい方は、まず

『民間の介護保険は必要か?「介護保険の考え方」』
『介護付き終身保険のメリット・デメリット』
をご覧いただきたい。

他社の介護保険の☆評価一覧は、コチラ




弱点1 認知症は介護の中の「一部」に過ぎない

商品自体の弱点というわけではないが、まず大前提として、認知症の保険に入ったからと言って「これで介護の心配はない」と考えるのは大間違いだ。

巷の認識として、

介護 = 認知症

という誤解があるが、実際のところ介護を必要とする人のうち、認知症は約半分程度。

他の半分は身体障害によるものや、高齢による寝たきりなどで、頭はしっかりしている場合も多い。

そもそも介護を必要とする人は

男性の33%前後 3人に1人
女性の50%前後 2人に1人

である。

男性より女性の方が確率が高いのは、男性は介護に至るまでにがんや脳、心臓などの病気が原因で亡くなってしまうからで、総じて長生きの女性の方が介護になる可能性が高い。

一方、認知症の方は各種の統計データを見ると2025年には高齢者の1/5、約20%程度がかかると推測されている。

しかし、これも男女比で言えば女性の方が多く、理由は先ほど同じく「総じて長生きするから」

そのため男女比で言えば

男性の15~18%
女性の22~25%
全平均 20%

といったところではないか?

そうなると男性33%、女性50%が「介護は必要」なので、さらのその半分の男性15~18%、女性22~25%が「認知症による介護」ということになる。

以上、介護と認知症の「確率」を理解すると、本商品は「あくまで認知症に限ったもの」であり

介護全体をカバーするものではない

ということが良く分かる。

もちろんそんなこと分かってるよ。

ということであれば良いが、もし認知症と介護をごっちゃにして考えているようなら、一度頭を整理した方が良いだろう。




弱点2 保険金を受け取るハードルが意外と高い

本商品の保険金の給付条件は冒頭でも述べた通り、以下の2つ。

・器質性認知症と診断され
・見当識障害が180日以上続く

器質性認知症とは、脳が損傷を受けていて、それのための身体、精神に障害がある状態を言うのだが、分かりやすく言えば

結構重い認知症

と言うこと。

軽い物忘れとか、そんなレベルではない。

更に見当識障害、これは時間の概念や、今どこにいるか分からない、相手が誰か分からないという状態。

この全てではなく、どれか1個でも当てはまれば良いのだが、この状態が180日続いて、ようやく給付される。

これは結構ハードルが高い。器質性認知症はわりとすぐ診断されるが、見当識障害が出るレベルまでは結構時間がかかる。

他社では「要介護1(もしくは2)と認定されたらOK」というところが多いが、器質性認知症と見当識障害180日以上となると、要介護1というレベルではない。

要介護2、もしくは3くらいなので、結構症状が進まないと受け取れないということになる。

当然、そこまで保険料も負担しないといけない。

認知症になったら貰える

というわけではないので要注意。

 

参考コラム:
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『民間の介護保険は必要か?「介護保険の考え方」』
『介護付き終身保険のメリット・デメリット』
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弱点3 認知症にならなければ大損

結局、この保険は得なのか、損なのか、65歳 男性の例で計算してみよう。

65歳 男性
認知症治療保険金 300万円
保険料 4,722円/月

各年齢までの総支払保険料

75歳まで 約57万円
80歳まで 約85万円
85歳まで 約113万円
90歳まで 約142万円

どの年齢でも、先の条件(器質性認知症+見当識障害)に当てはまれば300万円を受け取れるので、得をすることになる。

筆者自身も認知症の父を10年間介護した経験があるが、その経験から言えば、この条件に当てはまる平均年齢は80歳近辺ではないかと思う。

データ上、認知症の初期発症は75歳近辺に集中しているが、そこからかなり症状が進行しないと、この保険の給付条件に満たないので、あくまで勘だが、75歳から5年。80歳近辺ではないか。

そうなると、それまでに約85万円の保険料を負担していることになる。

弱点1でも解説したが、認知症になる男性は全体の15~18%くらいなので、だいたい6人に1人くらい。

つまり、この保険に入っている男性の「6人に1人」が運悪くなのか、運良くなのか分からないが保険金を手にする。

言ってみれば保険会社が胴元となって、男性6人がそれぞれ85万円、合計510万円を拠出し、誰か1人が300万円を受け取る「賭け」

もちろん6人の中には80歳前に亡くなる方もいるので、その人は85万円までは支払わないかもしれないが、逆に80歳を超えてもお元気で保険料を払い続ける人もいるので、「6人の平均保険料負担期間」は80歳くらいではないかと思う。

少々下品に表現するなら

「一口85万円」
「当選確率1/6」
「賞金300万円」

のクジのようなものだが、これをどう考えるかは人それぞれ感想が分かれるだろう。

筆者の率直な感想としては、85万円→300万円と「約3.5倍」になるのは嬉しい。

また、実際にこの保険の給付の条件に該当するくらいの「進行した認知症」だと、なかなか家族だけで面倒を見るのは現実的ではない。

そうなると施設の費用などを考えれば300万円があるのと、ないのでは大きく違うだろう。

でも一口85万円かぁ~

無駄にするのも嫌だなぁ~

という感じ。

結局のところ、お金さえしっかり準備しておけば良いだけの話なので、認知症になった時に

とてもじゃないけど300万円なんて用意出来ない・・・

という方は、85万円を捨てる覚悟で毎月4,722円を支払うしかないし、

いざとなったら自分で用意出来る

という人は、わざわざ85万円を捨てるリスクをとってまで、この保険に入る必要はないのではないだろうか?




弱点4 1年目、2年目は保険金が「超」少ない

この商品は「緩和型」

つまり、持病があったり、健康状態に不安のある人が入る保険なので、保険会社としても「様子見」の期間を2年間設けている。

例えば保険金が300万円の場合、支払い条件に該当しても1年目だと10%(30万円)、2年目だと20%(60万円)しか受け取れない。

弱点と言うか、商品の仕様だから仕方のない話だが、他に認知症保険にはこのような条件がないものが多い。

とは言え、弱点2でも書いた通り、本商品の給付条件はハードルが「高い」ので、加入して2年で

認知症発症 → 見当識障害が180日以上続く状態

になることは、かなり稀だろう。

あまり気にしなくて良いかと思う。




比較した方が良い商品

明治安田生命 認知症ケアMCIプラス ★★☆☆☆

朝日生命 あんしん介護 ★★☆☆☆

 

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