この保険の弱点はここだ!チューリッヒ生命「収入保障保険プレミアムDX」

提供会社:チューリッヒ生命

商品名:収入保障保険プレミアムDX

基本商品の競争力

参考:割引・年齢毎の保険料が気になる方は、
『収入保障 各社の保険料比較』
をご覧いただきたい。

 

チューリッヒ生命の「収入保障プレミアムDX」はネット申込専用の商品。

元々は「収入保障プレミアム」という収入保障タイプの商品を2019年4月にリニューアルしたもの(以前の商品名に「DX」が付いた。ベタな変更)

以前の商品「収入保障プレミアム」は「ネット専用の収入保障保険」というはなかなか珍しいもので、また保険料も安かったので昔(2018年以前)は非常に競争力のある商品だった。

しかし、他社が2018年に入って、ドンドン保険料を下げていったのに対し、チューリッヒは以前の保険料を維持していたがため保険料で負けるようになり、相対的に魅力がなくなっていた。

チューリッヒの基本戦略は「安い保険料」をアピールすることにあるので「きっとどこかで大きな勝負をかけてくるだろう。」と思っていたのだが、2019年4月、いよいよ動いた。

その変更内容は、以前(収入保障プレミアム)はオプションとして選べた

・ストレス性疾病保障付就業不能保障特約(働けないリスクをカバーする特約)
・就業不能状態保険料払込免除特約(保険料免除系の特約)

が基本セットとなったこと。その分、保険料は高くなる。

基本セットになったということは「外せない」ということでもあり、この特約に魅力を感じる人なら良いが「別に必要ない」と考えている人にとっては「余計なものが付いている」ということになる。

「死亡保障だけで良い」、「シンプルな収入保障が欲しい」

そんな人にとっては完全に検討の対象外。

チューリッヒのスタンスとしては収入保障単体の保険料競争からは撤退し、「死亡」と「働けない」リスク、その両方を同時にカバーしたいという人だけに絞って商品を提供するということだろう。

はっきり言って、本商品の保険料は高い。

しかし、それは「死亡・高度障害」に「就労不能」がついているのだから当然のことで、本商品ではこの就労不能の部分を

ストレス性疾病保障付就業不能保障特約

という特約でカバーしている。

この特約はかなり特徴的で、その内容が保険料を高くしていることは間違いない。

つまりこの商品の良し悪しは、この特約をどう評価するか?にかかっている。




まずはこの特約の基本スペックだが、以下の条件に該当した場合、就労不能と認められて保険金が給付される。

1 悪性新生物(がん)、急性心筋梗塞、脳卒中、肝硬変および慢性腎不全

→ 60日以上の就労不能状態

2 不慮の事故による傷害

→ 所定の身体障害の状態(片目の失明、片手が動かない、片足が動かない、等)

3 ストレス性疾患(注1)

→ 60日以上の入院

注1:ストレス性疾患とは、以下の疾病を指す。
統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害/気分[感情]障害/神経症性障害
ストレス関連障害および身体表現性障害/摂食障害/非器質性睡眠障害/胃潰瘍
/十二指腸潰瘍/潰瘍性大腸炎/過敏性腸症候群/更年期障害

1と2に関しては、他社の就労不能系の商品でよく見かける条件だが、特徴的なのは3のストレス性疾患。

統合失調症や気分障害(躁うつ病:双極性障害)などを対象として「60日以上入院すれば」就労不能として年金を支給。

しかも「60歳まで」というような契約をしていれば、その満期まで(60歳)支払ってくれる。

他社の商品ではこのような病気は対象外としているところがほとんどで、その点、この商品の取り組みはかなり意欲的だと言える。

対象の病気の一覧を見ると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍な、更年期障害など

「これで60日以上の入院はないだろう・・・」

というものも多い。

更年期障害で60日以上入院したという話は聞いたことがないし

実際にはそういう方もいるのかもしれないが、相当稀だと思う。

この病気の中で最もリスクが高いのが統合失調症だろう。

ほとんどの人が自分とは縁がないと思っているかもしれないが、統合失調症の生涯発生率は0.85%と、120人に1人が発症している計算。

実は交通事故などで死亡したり障害を負うより、よっぽど確率が高い病気である。

筆者の知人でもこの病気で苦しんでいる人がいるが、実際のところなかなか難しい病気で、一生涯付き合っていかないといけない方も多い。

また重度になれば60日間くらいは余裕で入院するので、そのような方にとって「長期間、毎月年金を受け取れる」のは非常にありがたいことだろう。

また気分障害(躁うつ病:双極性障害)も対象になっており、こちらも長い間苦しんでいる人が多数いる。

ただ、気分障害で60日以上の入院となると、なかなかハードルが高く

「自殺の可能性があるので監視が必要」

など、かなりの重症ではあるが、そのような場合にも給付されるのであれば本人からすれば助かる。

いずれにせよ、他の保険会社が避けていたこれらの精神疾患についても保障を提供するという「取り組み」自体については筆者は高く評価する。

が、保険商品としてはまた別の話である。

残念ながら、本商品には弱点が多い。

 

参考:割引・年齢毎の保険料が気になる方は、
『収入保障 各社の保険料比較』
をご覧いただきたい。

各社の収入保障保険の☆評価一覧はコチラ




弱点1 保険料が高く、オーバースペック気味

先にも述べた通り、統合失調症などの難しい病気にも救いの手を伸ばしている点、保障内容としては良い。

が、いかんせん保険料高すぎる。

具体例を見てみよう。

30歳 男性
見積条件:年金支払保証期間「1年」
保障内容
死亡年金   10万円/月 60歳まで
就労不能年金 10万円/月 60歳まで

保険料
非喫煙優良体割引適用 → 6,410円/月
標準体型(割引なし)  → 8,120円/月

例えば、比較対象として、他社の商品でこれと「ほぼ同じような」保障内容を組むなら

収入保障保険(死亡+高度障害のみ)

と、

就労不能保険

を組み合わせることで実現できる。

そうすると、以下のようになる。
(各商品は当サイト調べて保険料が安い、もしくは実績豊富な商品を選択)

30歳 男性(非喫煙優良体の場合)
収入保障 60歳 10万円 → 1,685円/月(FWD富士生命)
就労不能 60歳 10万円 → 2,390円/月(ライフネット生命)
  合計            4,075円/月

30歳 男性(標準体の場合)
収入保障 60歳 10万円 → 2,440円/月(アクサダイレクト生命)
就労不能 60歳 10万円 → 2,390円/月(ライフネット生命)
  合計            4,830円/月

非喫煙優良体で6,410円 → 4,075円(2,335円の差)
標準体で8,120円 → 4,830円(3,290円の差)

とプレミアムDXの方が1.5倍~2倍程度保険料が高いこいとが分かる。

もちろんプレミアムDXの優れている点もある。

1 一度、就労不能に該当すれば、復職しても60歳まで年金が受け取れる。
 注:比較対象のライフネットでは復職したら給付は終了。

2 就労不能の条件に「ストレス性疾患(精神疾患など)」が含まれる。
  注: 比較対象のライフネットでは精神疾患などは対象外。

 

1に関しては、ライフネットの就労不能は「復職したら給付は終了」するが、プレミアムDXでは一度給付が始まれば最後まで受け取れる。

こう聞くと「だったら最後まで受け取れる方が良いでしょ?」と思う人が多いだろう。

もちろんそれはその通りだが、その分保険料が高い。

また、復職出来たのであれば、収入もあるのだから、別に給付が止まっても困りはしない。

本当に困った時だけ助けてくれれば良い。復活すればあとは自分で何とかする。

そう考えるのであれば、割高な保険料を支払う必要はないだろう。

2に関しては冒頭でも述べた通り、精神疾患で苦しんでいる人にとっては素晴らしい保障だと思う。

だが、並んでいる病気の一覧を見ると「60日以上入院しそう(年金に該当)」なのは、統合失調症、重度の気分障害、重度の摂食障害、重度の胃潰瘍くらいかなぁ・・・という気がする。

どれも確かに怖い病気ではあるが、これだけのために1.5倍から2倍程度の保険料を負担することが妥当なのか?と言われると疑問。

保険は「あれも心配、これも心配」となると保険料ばかりが高くなってしまう。

ある程度は「全てのリスクはカバー出来ない」という割り切りも必要。

その点から言えば、本商品は「手厚く」はあるが、オーバースペック気味だと感じる。




弱点2 就労不能保険として完全ではない

引き続き就労不能の話。

本商品で就労不能部分を担当している「ストレス性疾病保障付就業不能保障特約」は、前述の取り、

・悪性新生物(がん)
・急性心筋梗塞
・脳卒中
・肝硬変
・慢性腎不全

の5つの疾病と、不慮の事故による障害、そしてストレス性疾患が就業不能年金の対象となる。

が、逆の言い方をすれば、これ以外は対象とならない。

実際のところ、これらの病気で「全体の9割程度」はカバーしていると思われるが、世の中には色々な病気がある。

例えば若年性認知症などで、身体は健康でも脳の病気で働けなくなることもあるだろう。

そのような病気になった時、この保険ではカバーできない。

対して、就労不能を専門とした保険は、どんな病気、事故でも関係なく

「働けない」

時に支払われる。

実務としては、医師が「働けない」と診断すれば保険金を支払う。

就労不能という点では「どんな病気でもOK」という方が安心であり、その点、本商品では範囲が限定されていることがデメリットと言える。

 

参考:割引・年齢毎の保険料が気になる方は、
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弱点3 担当者がいない

ネット経由での申し込みなので当然担当者がいない。

手続きは全てネット上、もしくはカスタマーセンター経由となる。

もちろん人によっては

「保険の担当者なんて鬱陶しいだけ、必要ない」

という人もいるだろうし、実際のところ、保険業界には自分の利益しか考えていないクズのような奴も多いので、要らないと言えば要らない。

ただ、本商品はいささか複雑な構成で、死亡だけでなく就業不能もセットになっている。

死亡だけの保険なら「死んだら払う」と分かりやすいので、遺された家族が請求するにしても別に面倒なことはないが、就業不能は「働けない」ということを証明するために、多少のテクニックが必要になることがある。

と言うのも、本商品の就業不能の定義は以下のようになっていて、一見して分かりにくい。

入院をされている状態、または5疾病により医師の指示を受けて、軽い家事および必要最小限の外出を除き、自宅等で治療に専念している状態。
なお、軽労働または座業ができる場合は、自宅等で治療に専念しているとは言わない。

パッと読んでも「軽い家事」や「最小限の外出」はOKなのに「座業(座っての作業:事務)」はダメなどと、イマイチ意味が分からない。

例えばがんで入退院を繰り返しているような状況で、調子が悪い時は寝たきりだが、調子が良い日は簡単な料理くらいは出来る。

そんな状況であれば事務仕事くらいは可能だろうが、それが出来るなら「ダメ(支払対象外)」ということ。

恐らくこの文章の主旨としては

「働いていて何かしらの仕事をして、収入を得ているなら対象外ですよ」

という意味だと思うのだが、このあたりの解釈は社内の査定部門の支払決定プロセスや、過去の支払い事例、もしくは拒否された事例を知っている者でないと分からない。

要は「働けない」という状態は人によって異なり判断が難しいので、報告の仕方一つで印象が変わってしまう可能性がある。

このような時、結保険会社としては医師の診断書に重きを置いて判断するのだが、実はこれが一筋縄ではいかない。

ドクターというのは何と言うか「変人」が多いので、空気が読める人なら「就業不能の申請」ということを理解して、嘘ではない範囲で「自宅で絶対安静」などと内容を盛ってくれるが、時に変わった奴にあたってしまうと「簡単な軽作業なら可」などと頼んでもいない余計なことを書いてくる場合がある。

こうなると受け取った保険会社の方も困る。

基本的には支払ってあげたいのに「軽作業が可」などと書かれては約款に抵触してしまい対象外となってしまう。

しかも一度提出した診断書は「無かったこと」には出来ない。

こんな時、契約者と保険会社の間にしっかりした担当者が入っていれば

「診断書はこう書いて下さい。この文言があるとベストです。逆にこんなコメントはいりません。」

などと指導してくれる。

このような細かいテクニックはカスタマーセンターのオペレーターは教えてくれないので「担当者がいて良かった」ということになる。

しかしながら、逆にアホな担当者だと「これで大丈夫です」と言ったのに全然違った、などということもあり、そうなるとカスタマーセンターの方がよっぽど正確だし、頼りになる。

つまりは、出来る担当なら、いないよりいた方が良いし、特に就業不能の請求などの「難しい作業」では力を発揮する。

しかし、本商品には担当者はいないので、このあたりは表現や微調整も含め「全て自分でやる覚悟が必要」ということだけは理解しておきたい。




弱点4 割引制度が「非喫煙優良体」しかない

本商品では、保険料の割引制度として「非喫煙優良体」しかない。

・タバコを吸うか?
・最高血圧は129mmHg以下か?
・最低血圧は84mmHg以上か?

の3つの質問があるものの、一つでも「いいえ(No)」だと、即座に「標準体」に分類され一切の割引が受けられない。

これに対して、他社では、まずタバコを吸わない、ということで「非喫煙割引」が効き、次に身長、体重、血圧などに異常がないと「健康体割引」が効く「二段構え」となっている。

例えば、本商品と同じく「死亡と就労不能」をセットにするというアプローチをとっているあいおい生命の「新総合収入保障保険」などでは、タバコ、健康、ゴールド免許と3つの割引制度を用意しており、それらが個別に利用できる。

割引が効きにくい、という点は弱点(デメリット)と言える。

 

参考:割引・年齢毎の保険料が気になる方は、
『収入保障 各社の保険料比較』
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特約(オプション)について

前述したとおり特約(オプション)とはなってはいるが、外すことはできない。

-ストレス性疾病保障付就業不能保障特約(Z03)

5疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中、肝硬変、慢性腎不全)と、交通事故による就業不能。
更に他社では保障対象外のストレス性疾病による就業不能も対応している珍しい保障。

-就業不能状態保険料払込免除特約

ストレス性疾病保障付就業不能保障の支払対象となった場合に、以後の保険料が免除される特約。

比較した方が良い他社商品は?

-ストレス疾病保障付就業不能保障特約から

SOMPOひまわり生命 じぶんと家族のお守り ★★★☆☆

三井住友海上あいおい生命 新総合収入保障 ★★★★☆/★★☆☆☆

 

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