提供会社:アクサ生命
商品名:アクサの一生保障の終身保険 保険料長期割安型
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この保険の弱点はここだ!!
アクサの一生保障の終身保険 保険料長期割安型
という長い名前が表す通り、本商品はアクサ生命の「低解約型」の終身保険。
低解約型というのは、保険料を支払っている間は解約返戻金が低く抑えられている、という意味で、本商品でも返戻率が70%程度に設定されている。
例えば35歳でこの保険に加入し、65歳まで支払う。という条件であれば、「35歳-65歳」の間に解約をすると大きく損をすることになる。
しかし、65歳を超えると(支払いを終えると)一気に返戻金が増え、100%を超える。
100%を超えるということは、支払った分以上の返戻金が戻ってくるということ。
パンフレットを見ると、
35歳 男性 死亡保障1,000万円 65歳払込の場合で、
総支払保険料 9,457,200円
解約返戻金(65歳時) 6,787,000円(71.7%)
解約返戻金(66歳時) 9,709,000円(102.6%)
となっている。
つまり、支払い期間中の65歳までは7割程度の返戻金しかないが、支払いを終えた66歳の時には100%を超えていることが分かる。
「65歳まで払えば、お金が増えて戻ってくる。保険にタダで入っているようなものです!!」
「お金も増えて、保障もあり、老後資金にもなります!!」
これが保険セールスの現場で使われる決まり文句で、確かに間違ってはいない。
だが・・・
ちょっと利回りが低すぎるな・・・・
という気がする。
具体的には「弱点」で触れていきたい。
弱点1 今、やるべきか?
これは本商品だけに限った話ではなく「終身保険全体」の弱点。
まず、少々小難しい話になるが、終身保険を検討するならしっかりと理解しておきたいポイントがある。
それは、
終身保険に入るのは、国債を買うようなもの
ということ。
保険会社によって多少の違いはあるが、基本的に終身保険の運用は日本国債や地方債(地方公共団体が発行している債券)と呼ばれるもので運用される。
その理由は「安全性第一」だから。
借金大国のわが国が発行する日本国債が本当に安全なのか?という点については色々と議論があるが、とりあえずは日本が破綻しない限りは大丈夫だろう。
終身保険の運用は国債。
だから毎月支払っている保険料はコツコツ国債を買っているようなもので、そこに保険会社が「保障(死んだら〇〇〇万円)」というオマケをつけている。
それが終身保険の実態である。
で、今の低金利。
国債の利回りは個人向けのものでも0.05%。
プロである金融機関が「プロ同士」で売り買いするものに関しては、ほぼ0%である(2019年11月時点)
つまり、ほとんど運用益が出ない。
もう一度、先ほどの契約例を見てみよう。
35歳 男性 死亡保障1,000万円 65歳払込の場合
総支払保険料 9,457,200円
解約返戻金(65歳時) 6,787,000円(71.7%)
解約返戻金(66歳時) 9,709,000円(102.6%)
35歳から65歳まで、30年間も運用しても「2.6%しか」増えないのである。
単純計算で年に0.09%しか増えていない。
また、保障としても死亡時に1,000万円なのに、945万7,200円も支払うことになり、95%は自分で貯めているようなものだ。
これが5年前なら、1,000万円に対して、800万円くらいの支払いで済んでいたし、返戻金も30年で110%くらいにはなっていた。
今は運用環境が悪すぎるので、終身保険の魅力がないのである。
そのため
「今やる必要があるのか?」
という点は考えた方が良い。
このような背景から、今はどこの保険会社の終身保険も、
・保険料が高い(ほとんど自分で貯める)
・返戻金が低い(運用として魅力がない)
という二重苦に陥っている。
また、本商品のような「低解約型」は途中に解約が出来ない。
終身保険に加入することは、今の「悪い条件」で、超長期(10年から30年)にわたってお金を預ける約束をしてしまうようなもの。
正直なところ筆者としては、やるべきではないと思う。
死亡保障は掛け捨ての安いもので用意しておいて、運用は別のものでやった方が良いだろう。
もちろん「運用も考えたくない。でも掛け捨ても嫌だ」という面倒くさがりの人はこの商品でも良いかもしれないが、それでもせめて外貨建終身(ドルなど)も検討した方が良い。
あまりに条件が悪すぎる。というのが本音。
弱点2 商品スペックとして「まあまあ」
前述のような理由で、終身保険はどこの会社も似たりよったりで、全般的に魅力がないのだが、それでも会社ごとに多少の違い(保険料、返戻率)がある。
本商品は「まあまあ」と言ったところ。
低解約型の終身保険ではオリックス生命のライズなどが強いが、それに比べると、保険料も返戻率もやや見劣りする。
(年齢、性別などによっても異なるので一概には言えないが・・・)
と言っても、1%の違いとかそんなもので
「どんぐりの背比べ」
程度の話だが、どうせ入るなら、少しでも条件の良い方がよいだろう。
特約Good & Bad!!
終身保険の特約(オプション)として、以下が用意されている。
生活障害保障型低減定期保険特約
死亡したときや次の状態に該当した場合に保険金が受け取れる。
お支払い事由は次の通り、
・所定の高度障害状態
・所定の要介護状態が180日継続
・急性心筋梗塞で60日以上の労働制限が継続、脳卒中で60日以上の後遺症が継続
・不慮の事故による障害が原因で、所定の障害状態
受取れる保険金は、基準保険金額×残存年数
※残存年数が5年以下の場合は、基準保険期間×5
となっている。
なお、下記の「非更新型家族収入特約」と重複して付加はできない。
非更新型定期保険特約
死亡したとき、または、高度障害に該当した時に、保険金が受け取れる。
非更新型家族収入特約
死亡したとき、または、高度障害に該当した時に、この特約の保険期間終了まで毎年、年金が受け取れる。
なお、上記の「非更新型生活障害保障型低減定期保険特約」と重複して付加はできない。
災害割増特約
交通事故などの不慮の事故が原因で死亡したとき、または高度障害に該当したときに保険金が受け取れる。
障害特約
災害割増特約と同様に不慮の事故が原因で死亡した時、障害状態となったときに保険金が受け取れる。
災害割増特約と異なる点は、災害割増特約が、死亡と高度障害のみに対して、障害特約は、障害の等級に応じて保険金を受け取ることができる。
リビングニーズ特約(無料)
余命が6か月以内と判断される場合、生存中に将来の死亡保険金に変えて保険金が受け取ることができる。
なお、受け取れる保険金は、最高3,000万円となっている
指定代理請求特約(無料)
保険金などの受取人が保険金などを請求できない場合、受取人のかわりにあらかじめ指定された方が請求できる特約。
請求できないケースとは、請求を行う意思表示ができない場合(認知症や昏睡状態)や余命6か月を知らされていない場合など
年金払移行特約(無料)
保険料払込期間満了後に死亡保障に代えて、全部または一部を年金に代えることができる。
つまり、解約返戻金を年金で受け取れる特約。
年金の種類は、ふたつ
・終身年金(10年保証期間付)
・確定年金(5年、10年、15年、20年)
以上が、主契約のほかに保障を充実させることのできる特約。
生活障害保障型逓減定期特約などは、就労不能をカバーしてくれるので内容としては悪くないが、それ以外の特約には特に目を引くものはない。
なお、どんな特約でも、終身保険と「セット」にするのはやめた方が良い。
セットにしてしまうと、メインの契約である終身保険を解約する時に、一緒に特約(オプション)も解約しないといけないから。
終身保険の保険料は安くはない。
この商品が低解約型で、途中でやめると損をしてしまうと言っても、何かしらの経済的な事情で解約せざるを得ない場合もある。
そんな時にオプションまで一緒になくなってしまうと、
「加入時より年齢が上がった」
状態で、他の商品に入りなおさないといけないので損。
セットにすると多少の割引があるが、それでもそれぞれ契約は分けておいた方が良い。
他に検討した方が良い商品
保険料、返戻率を比較するなら
同じアクサ生命で検討するなら
(何か事情があってアクサ生命に入らないといけない場合)
アクサ生命 アクサの長期保障の定期保険 LTTPフェアウインド ★☆☆☆☆