この保険の弱点はここだ!アフラック生命「ツミタス」

提供会社:アフラック生命
格付:A+(S&P)
商品名:ツミタス

この商品のポイント!!

アフラックのツミタスは「将来の資産形成(貯蓄)」と「保障」を兼ね備えた商品。

テレビCMではそう広告されている。

詳しくは「弱点」の項目にて解説するが、評価はご覧の通り星1つ。

基本的には「入らない方が良い」というのが筆者の判断。

まずは商品の概要から解説していきたい。

本商品は

1 現役時代にお金を貯める

2 老後にそのお金を「保険化」する

という二段構えの構成になっており、保険商品としての特性は1と2の時期ではかなり異なる。

保険料を支払っている間の保障は「死亡」、「介護(要介護2以上)」、「災害死亡」の3つだが、死亡と介護の保険金は

既払込保険料(それまでに支払った保険料)

となっているので、単に自分のお金が戻ってくるだけだ。

これでは保険とは呼べない。

唯一、保険機能として認められるのは「災害死亡(交通事故など、病死以外の死亡)」であり、この場合には

既払込保険料 × 1.1倍

の保険金が受け取れる。

自分が支払った総額に10%程度(+0.1倍)の上乗せがされるだけではるが、一応は保険機能が効いているとは言える。

但し、災害死亡などは全体の死亡から見れば1%以下なので、保険としてはほとんど意味がなく、この時期は「単にお金を貯めているだけ」と考えた方が良いだろう。

ここで貯めたお金は保険料支払期間を終えた後、正式に「保険」に換えることが出来る。

選べるコースは以下の6つ。

1 介護・死亡同額コース

2 介護重点保障重点コース

3 死亡保障コース

4 医療保障コース

5 確定年金コース

6 終身年金コース

ここからはサイトに記載してある実例を挙げて説明していきたい。

サイトには30歳 男性の契約例がある。

保険料は毎月8.940円で、これを30歳から60歳まで支払う。

その総額は3,218,400円。

保険料支払期間を終えて、60歳時点で解約すると3,863,415円と、約65万円ほど増えている。

返礼率で言えば120%なので、30年間で約20%、年平均で0.67%ほどの「利子」が付いたと思うと分かりやすい。

話を戻す。

つまり、貯まったお金は386万円であり、このお金を「原資」として、各コースの保障や年金に換えるわけだ。

1の介護・死亡同額保障コースでは、死亡時や介護(要介護2以上)の時に500万円の保険金が受け取れる。

2の介護重点コースは、その名の通り「介護を重視する」もので、介護時の保険金が500万円より上がるが、逆に死亡時の保険金はその時の解約返戻金となる(500万円以下)

なお、2の介護重点コースを選んだ場合に「介護保険金がいくらになるか?」という点については、その時に利率によって決定されるので、現時点では分からない。(他のコースでも同様)

3の死亡保障コースは逆に死亡保障が増額されるが、介護時の保険金はなくなる。

4の医療保障コースは、先の386万円で亡くなるまでの「一生涯の医療保険」を買うようなもので、こちらも具体的な保障内容は現時点では分からないが、おそらく「入院1日あたり1万円」というような感じになるのだろう。

5の確定年金コースはシンプルな年金で、386万円を5年、もしくは10年の年金で受け取れる。

その5年、10年の間も年金原資はアフラック側で運用されるため、一括で386万円を受け取るより多少は増えるのだろう。

最後の6の終身年金コースは、年金が終身(生きている限りずっと)受け取れるのだが、保険会社としても契約者がどれほど長生きするかは分からないため、一般的には10年年金の金額よりもかなり低い金額が提示されるケースが多い。

以上が商品概要。




この保険の弱点(デメリット)はここだ!!

その1 やめられない&低金利

本商品は「低解約返戻金型」と言って、保険料を支払っている間に解約をすると、返戻金がかなり減ってしまう。

参考コラム:低解約返戻金型とは何か?契約者、保険会社双方のメリットとは?

途中解約にはかなり重いペナルティがあるため、原則的には一度入ったらやめられないと思った方が良い。

但し、低解約返戻金型はデメリットだけでもない。

契約終了までしっかりと支払えば、そこからは返戻金が一気に上がる。

サイトにある例によれば、30歳男性が60歳まで支払った場合で約20%程度増えるとのこと。

だが、イマイチ物足りない。

一昔前の「金利ゼロ」の時代であればこの水準でも「アフラック、頑張ってるなぁ」という評価が出来たが、今は金利の上昇局面。

保険会社の運用は原則的には国債で行われるが、その国債の利回りも本稿執筆時(2025年1月)で1%を超えている。

そのような中で「30年もの長期間」にわたって契約者のお金を預かり、更にはその期間中に肝心の保険機能がほとんどない(災害死亡だけ)という状態で+20%というのはちょっとショボいな、という印象。

資産運用への意識が高まっている中で、

・途中解約できない(損をする)

・30年+20%

・更に保障はほとどない

という条件に魅力を感じる人がどれほどいるかは甚だ疑問である。

目先(保険料支払期間中)に何のメリット(保障など)がないのに、単に低金利でお金を積み立てることに意味があるのだろうか?・・・・

基本的には「やめておいた方が良いんじゃない?」という感じ。

その2 老後に必要な保障なんて若い頃に分かるはずがない

本商品のデメリットは前項「その1」で語りつくしてしまった感もあるが、一応は保険商品なのでその方面からもコメントしておきたい。

本商品では保険料支払終了後に、「好きな保障」を選べるようになっているが、率直に言って数十年後の自分、もしくは日本がどうなっているか?なんて予測出来ない。

そんな予測不可能な未来を「今から備える」ということには意味がないように思える。

結局のところ

「何があるか分からないからお金だけは貯めておいた方が良いよね」

という点のみが正解で、であるならばわざわざ本商品でなくても、外貨預金や株や投資信託をやっておいた方がリターンははるかに大きいだろう。




この保険の弱点、こう考えろ!!(解決策)

うーん、解決策と言うか、逆にこの商品「入った方が良い人」とはどんな方なのだろうか?

そう考えることによって、この商品に入るべき「理由(解決策)」が見えるような気もする。

まず、大前提として

・運用に全く興味がなく、銀行にお金を入れっぱなし

の人にとっては「銀行よりは増える」という点において、ややメリットがある。

だが、本商品には肝心の「保険」がない(災害死亡を除いて)

一方、通常の終身保険や一部の年金商品などでは

「貯める(銀行よりマシ)」&「死亡保障」

という2つを両立できるので、保障が何もない本商品よりはそちらを選ぶ方が合理的である。

しかし、本商品が30年で20%というパフォーマンスであるのに対して、終身保険や年金保険などは「やや劣る」のも事実。

実際には2,3%程度の差だとは思うが、本商品の方が保険がない分、多少は利率が良いのだろう。

結局はこの点を評価できるか?ということだ。

何も運用なんかしていないし、今後もやるつもりはない。

安全に運用出来て「銀行よりはマシ」であれば、そこにお金を積み立てたい。

保険も別にいらない(もしくは既に他である)

保険なしでも、30年で20%ならOK

そういう人なら、本商品も「アリ」なのかもしれない。

実際にはそんな人ほとんどいないんじゃないの?という気もするが・・・・

付けるべき特約!!

本商品には特に特約などは用意されていない

口コミ・評判(販売側から)

謝礼Amazonギフトカード300円!! アナタの口コミ教えて下さい!!
保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。

口コミ・評判(契約者から)

なし

比較検討した方が良い商品

なかなか独特の商品であり、類似商品は他社にはない。

「日本円で(外貨ではなく)お金を貯めたい」、「そのために保険を使いたい」という方であれば、終身保険がお勧め。

以下の商品が当サイトで高評価を付けている。

オリックス生命 終身保険RISE[ライズ] ★★★★☆

オリックス生命 特定疾病保障保険With(ウィズ) ★★★☆☆

ソニー生命 バリアブルライフ 変額終身保険 ★★★☆☆

SOMPOひまわり生命 終身保険 一生のお守り ★★★☆☆

SOMPOひまわり生命 特定疾病保障保険 ★★★☆☆

SOMPOひまわり生命 特定疾病前払式終身保険 ★★★☆☆

PGF生命 がんばる終身(逓増型終身保険) ★★★☆☆

マニュライフ生命 こだわり終身v2 ★★★☆☆

楽天生命 スーパー終身保険 ★★★☆☆

また、年金を貯めながら若いうちの死亡保障がついているものもある。

プルデンシャル生命 リタイアメントインカム ★★☆☆☆
似た商品はソニー生命、ジブラルタ生命、PGF生命にもある。(当サイトでは未解説)




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編集後記

初稿:2025年1月9日