この保険の弱点はここだ!フコクしんらい生命「医療自在FS」

提供会社:フコクしんらい生命

商品名:医療自在FS
ハローキティの医療保険

この保険の弱点はここだ!!

参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。

フコクしんらい生命は、富国生命の系列で、主に銀行窓販向けや保険ショップ向けの商品開発・提供をしている会社。

そのため、一般的な知名度はないが、ちょっと前には円建の個人年金では有力なプレイヤーだった。

さて、本商品だが、そもそも、あまり見かけない商品だろう。




みずほ銀行とか、信用金庫など、フコクしんらい生命と関係が深いところで保険の相談をして、

「医療保険を検討したい」

と言えば、紹介されることもあるかな?という感じ。

この記事をお読みになっているということは「この商品を売り込まれた」ということだろうが、それはなかなか貴重な体験だ。

と言うのも、筆者自身、保険相談などを多くやっているが、この商品に入っている人も、検討している人も見たことがない。

珍獣のような商品。

しかしながら介護系の保障(オプション)に力を入れているので、もしかしたら高齢者向けには結構売れているのかもしれない。

保障内容としては、

素直じゃないなぁ・・・

という印象。

どれもこれも「一捻り(ひとひねり)」している。

ドガンッ!!とストレートで来るのではなく、カーブやフォークで医療保険大手との真っ向勝負を避けているが、そのカーブやフォークも「キレ」がない、という感じ。

全般的に「小手先」のテクニックに走っており「医療保険の本質」からはズレている。その点でもカーブ、フォーク的である。

本当に大変な状況を想定した商品というよりは、病気の入り口でサラッとお金を払って「あとは頑張って!!(知らん)」というイメージを受ける。

商品としては、「初期給付型」と呼ばれるもので、とにかく入院をすると5日分の日額はまとめて受け取れる。

例えば、日額5,000円のプランで、1泊2日の入院をした場合、5,000円×2日で1万円の給付金しか受け取れないが、そんな場合でも5日分、つまり2.5万円は受け取れる。

要は最低保証のようなもの。

なお、5日以上入院した時には、1日あたり5,000円が上乗せされていく。

普通の医療保険と比較すると、こんな感じ。

短期入院の場合(1~4日)
・本商品  1~4日の入院でも5日分貰える
・他社商品 1~4日の入院だと、実際に入院した分だけ

長期入院の場合(5日以降)
・本商品  5日分+5日を超えた分を日数分
・他社商品 実際に入院した分だけ

つまり、他の一般的な医療保険と比較すると、4日以内の短期入院の時はメリットがあるが、5日以上の長期入院の時にはどちらも同じ(入院した分だけ)ということ。

これに加え、在宅治療中でも受け取れる「特定在宅治療支援特約」や、軽度の介護状態をカバーする「軽度介護保障特約」などを売りにしているようだが、この辺りも「だいぶ弱いかな」という感じ。

このあたりは弱点(デメリット)の解説で触れていきたい。




弱点1 「支払い1回」のみが多い

在宅療養(在宅自己注射法、在宅人工透析法、在宅酸素療法)となった時に一時金が受け取れる「特定在宅治療支援特約」

三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)で入院した時に一時金を受け取れる「三大疾病入院一時金特約」

どちらも給付は1度きり。

対して、他社では、1年に1度などの条件があっても、原則「何度でも」というところが多い。

率直なところ、まとまったお金とは言え「1回こっきり」貰っても実際には大して役には立たない。

在宅治療は短期的に終わるものでもなく、長い闘いとなるものだし、特にこの特約が対象としている「注射、人工透析、酸素療法」などは、一過性のものではない。

治療の初めに数十万(サイトの契約例では25万円)を貰ったところで、「ないよりはマシ」という程度だろう。

また、三大疾病に関しても、1回目よりは2回目、3回目の方が恐い。

特にがんなどは再発、転移を繰り返すこともあり、初回よりは、2回目、3回目の方が深刻になってくる。

そのような時にこそ「一時金」があった方が経済的にも、精神的にも(どちらかと言えば精神的に)支えになるのだが、本特約は1回のみ。

こちらも「ないよりはマシ」ではあるが、「本当に困った時のための保険」という観点に立てば、2回目、3回目の「より困った時」には役に立たない。

もちろん、これらの特約は「1回こっきり」であるので、他社の同様のオプション(何度でも)に比べれば保険料は安く見える。

また、名前も他社と似たような名前になっているので、単純に比較してしまうと「あら、良いじゃない!!」などと思ってしまうかもしれないが、内容が違う。

安かろう悪かろうということ。




弱点2 軽度介護保障特約は「薄口」

サイトやパンフレットを見る限り、この特約(軽度介護保障特約)が一押しの様子だが、内容は薄い。(以下はパンフレット上の契約例)

認知症の「予防」として、予防・治療給付金を3万円、2年に1回受け取れる。

また、軽度であっても認知症と診断された時には5万円、更に症状が進行し、要支援認定を受けた場合は20万円、それが要介護となると80万円が受け取れる(注:要支援認定時に20万円を受け取っていない場合は、まとめて100万円となる)

2年に1回受け取れる「お小遣い」の3万円が、何故に認知症の予防につながるのか?

軽度の認知症と認定され、5万円を受け取って、何をしろと言うのか?

等々、突っ込みどころが満載。

また3万円の「お小遣い」に関しても、基本的に自分で貯めているだけで、その分の保険料を上乗せされているということ。

2年に一回のお小遣い、軽度でも5万円。

全て目先の話だな。という感じ。

また、実際に介護になったとしても、マックス100万円程度の給付で、これも「ないよりはマシ」という程度。

介護は平均でも5年、下手をすれば10年以上の長い闘いとなる。

入口で100万円渡されてもな・・・というのが率直な感想。

とは言え、これが200万円なら良い、300万円なら良い、という話をしているわけではない。

筆者はそもそも、介護のリスクを「保険」で賄うことには否定的である。

将来、介護のお世話になる確率は、男性1/3、女性1/2と言われる。

男性は認知症などになる前に、脳や心臓やがんで死亡してしまうが、女性は男性の比べ、それららのリスクが低く長生きをするため「結果的に」介護状態になる可能性が高い。

男1/3、女1/2

どちらも、かなりの高確率と言えるのが、これは保険会社からすれば、

男性の契約者の1/3、女性の契約者の1/2には給付金を払わないといけない

ということになる。




そのため、介護系の保険の保険料は総じて高くなる。

簡単に言えば、そこで積み立てた保険料を男性3人のうち1人が、女性2人のうち1人が「総取りする」という構図になっている。

だが、逆に言えば男性3人のうち2人が、女性2人のうち1人が「ただの払い損」となるわけだ。

貰える可能性も、貰えない可能性(お金を捨てるだけ)も高い。

それが介護保険の本質である。

本商品でもそれが当てはまる。

保険料をちゃんと計算すれば、男性は100万円のうちの1/3程度、女性は1/2程度を積立てるようになっているはず(実際には保険会社側の利益もあるので、それ以上払うことになる)

それを「運悪く認知症になった人」が受け取るのである。

筆者の考えでは、介護に関するリスクは「自分でちゃんと貯金をする」ことでカバーするべき。

なる可能性もあるが、ならない可能性もあるし、そもそも老後のリスクは認知症だけでもない。

そのためにも、しっかりと資産形成をしていくことこそ重要で、認知症だけにフォーカスして1/3(もしくは1/2)の勝負のために、無駄な保険料を払う必要はないと考える。

むしろ、認知症であってもなくても、どちらでもしっかり手元に入ってくる年金商品のようなものの方がまだ良いのではないだろうか?

そもそもがそのように考えているところに、本特約は、更に「手前だけに注力」している構成なので、筆者としてはお勧めしない。

薄口

という厳しい評価とならざるを得ない。




弱点3 各特約の更新が何故か85歳まで

これ、一番の謎

各特約が85歳までしか更新できない。

認知症も、三大疾病も、85歳以降も起こりえる。

その後はどうしろと言うのか?

それまで長年保険料を支払ってきて、85歳で放り出される。

医療保険として、根本的なところが担保されていない。

弱点4 先進医療が5年更新。かつ、通算1,000万円まで

これは些細な弱点。

保険適用外の先進医療特約を受けた際に実費を補償してくれる先進医療特約。

それが通算1,000万円まで。しかし、他社では2,000万円までは主流。

また、本特約は5年ごとに保険料が更新される。毎回上がるわけでもないだろうが、それでも「上がる可能性はある」ということ。

他社では終身(一度入れば、先進医療特約の保険料はずっと同じ)というところもあれば、10年更新というところもあるが、それに比較して5年はかなり短い。

金額が少ない(1,000万円と2,000万円)、頻繁に更新が来る、この2点からして明白な弱点と言える。

また、特定在宅治療支援特約に関しても5年更新である。(参考情報)

なお、先進医療特約の詳細については、以下コラムをご参照頂きたい。

先進医療特約は終身型を選びなさい!!




参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。

他社の医療保険の☆評価一覧は、コチラ

商品の構成について

入院日額

5,000円~10,000円から選択可能

5日以内の入院は、日額×5日分をまとめて受け取れる。

入院支払限度日数

30、60、120日から選択可能

手術給付金

入院中の手術:日額の10倍
外来手術  :日額の  5倍
放射線治療、先進医療、骨髄移植、骨髄ドナー:日額の10倍

が受け取れる。

ここまでが主契約(メイン部分)

以下、特約(オプション)の説明




先進医療特約

先進医療を受けたときに、先進医療にかかる技術料を実費で通算1,000万円まで保障。

本特約は、5年更新となっている。

先進医療特約の保険料は、今後増加していく傾向にあり、本特約のような更新タイプだと、将来保険料が値上がりしていく。

他社では、「終身タイプ」もあるので、更新タイプより、値段の変わらない「終身タイプ」の方が好ましい。

軽度介護保障特約

それぞれの状態によって4つの介護保障がついている。

基準特約保険金額:100万のケースで各保障を説明する。

・認知障害給付金:5万円(基準の5%)
所定の認知症と診断された時に受け取れる。

・要支援給付金:20万円(基準の20%)
要支援1、2に該当した時に受け取れる。(支払は、1回のみ)

・軽度介護給付金:100万円(基準の100%、ただし要支援給付金の支払後は、基準の80%)
要介護1以上、所定の要介護状態、高度障害状態に該当した時に受け取れる。(支払は1回のみ)

・予防・治療給付金:3万円
2年毎に生存している場合に、受け取れる。

介護保障定期保険特約

認知症や要介護状態になった時に、保険金が受け取れる。

・認知症診断給付金:200万円
認知症と診断されたとき(支払限度は、1回のみ)

・介護保険金、特約高度障害保険金:200万円
要介護2以上、高度障害状態に該当した時、保険金が受取れる。

なお、介護保険金、特約高度障害保険金のいずれかを受け取った場合、
この保険は消滅する。




三大疾病入院一時金特約

三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)で入院した時に、一時金が受け取れる。

なお、支払は、1回のみ。

七大生活習慣病特約

がん、糖尿病、高血圧性疾患、心疾患、脳血管疾患、腎疾患、肝疾患で入院、手術を受けた際に、下記の給付金が主契約に上乗せされる。

例:日額5,000円の場合、七大疾病を原因として入院した場合、+5,000円され、日額10,000円となる。

・生活習慣病入院給付金
入院5日目まで 日額×5日分
入院6日以降 日額×日数分

・生活習慣病手術給付金
入院中の手術:日額の10倍
外来手術  :日額の  5倍
放射線治療、先進医療、骨髄移植:日額の10倍

特定在宅治療支援特約

下記の特定在宅治療を開始した時に、一時金(日額×50倍)が受け取れる。

対象の特定在宅治療は、在宅自己注射療法、在宅人工透析療法、在宅酸素療法の3つ。

支払限度は、1回のみ

保険期間は5年で、最長85歳まで更新できる。

参考コラム:医療保険、何が良いの?と迷ったら
『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。

他社の医療保険の☆評価一覧は、コチラ