この保険の弱点はここだ!アフラック「アフラックの健康応援医療保険」

提供会社:アフラック

商品名:アフラックの健康応援医療保険

 

この保険の弱点はここだ!!

参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。

この商品、もうちょっと話題になっても良さそうなものだが、あまり評判を聞かないし、ほとんど広告も見かけない。

個人的には「いよいよアフラックがネットに本腰を入れてきたな」という印象。

かなり意欲的な商品だろう。

本題に入る前にアフラックのマーケティング戦略について話をすると、この会社は本当にマーケティングが上手い。

元々は日本津々浦々に小規模の代理店網を築き、アフラックのがん保険だけを販売しているようなおばちゃんが、この会社を支えていた(今もバカに出来ない販売力がある)

一度、調布の本社に行ったことがあるが、ロビーにはトップセールスの妙齢の女性の写真がズラーっと並んでいて、ある種の宗教団体的な雰囲気に正直引いた。
(まあ、どこの保険会社も似たようなところがあるが)

最近では広告を大量に流し、自社のブランド力を高め、通販系や保険ショップでの販売に力を入れている。




しかし、ネットに関しては、あまり積極的ではない印象を受けていた。

と言うのも、アフラックのような「老舗」はネットでは勝負しにくいのだ。

ネットで商品を展開する場合、当然、先行するネット生保と保険料の水準を合わせないといけない。

要は安くなければ売れないということ。

しかし、アフラックは保険料の安さを売りにしているわけではないので、ネットで割安の商品を出すと過去の商品との整合性が取れないのである。

ネット商品の方が劇的に安くなってしまうと、場合によっては、過去の契約者からクレームになることもあるし、

「同じアフラックなのに、ネットの方が安いから切り替える」

ということになれば、今まで散々頑張ってくれた代理店から、アフラック本体が客を奪うことにもなりかねない。

このあたりには保険業界独自の事情がある。

例えばアフラックの代理店A社がXさんから契約を頂いた。

この場合、Xさんの契約の販売手数料はアフラックからA社に払われる。
(契約が続く限り一定金額が払われる。とは言え、1件ごとの金額はたかが知れたもの。年間数百円程度)

しかし、このXさんがアフラックのネット商品に切り替えた場合、Xさんはアフラックとダイレクトに繋がる。

当然A社は担当でなくなってしまうので、販売手数料は払われなくなる。

Xさんからすれば、変わらずアフラックと契約しているつもりなのだが、A社にとっては打撃で、

「アフラック本体に客を吸い取られた!!」

となるわけだ。

実際のところ、それで失う販売手数料など数百円程度なので、金銭的なことで怒る人はいないだろうが、どちらかと言うと「筋」の問題。

「我々が頑張ってアフラックを支えてきたのに、ネットで直接販売をやるとは・・・」

我々を切り捨てるのか!!

という感情論の方が強くなる。

とは言っても、今の時代、ネットを無視するわけにもいかないので、このあたりのバランスは難しい。




で、この商品。

個人的には、そんな事情も考慮した上で

「おお、アフラック、かなり攻めたな」

とは思う。

大きな特徴は2つ

・保険料に割安感がある

・健康還付金(お小遣い制度)がある

ということ。

保険料については結構頑張っている。

そもそもアフラックは保険料の安さを売りにしているわけではないが、それでも既存の商品と比較すると、本商品はかなり割安
(それでも他社比較で一番安いわけではない。詳細は弱点1にて後述する)

健康還付金は、最近他社でも似たようなものが流行ってきているが、それを追随したもので、かつ他社よりシンプルに出来ている。

基本的には毎年アンケート(身長、体重、血圧、血糖値、肝臓系の数値)のようなものに答えれば良いだけ。

他社のように変なアプリを入れて行動管理されるようなこともないので手軽。

これらの還付金が受け取れれば、実質的には保険料のディスカウントに繋がるので、それを加味すれば保険料はより安くなる。

保険料だけで見れば、今までのアフラックの契約者より「かなり条件が良い」ことは事実。

なかなか面白い商品だが、テレビCMはもちろん、ネット広告もあまり見かけないのは、今までの代理店網や保険ショップを刺激したくないからかもしれない。

まずは様子を見ながら秘かに始めた。という感じだろう。

では、具体的な弱点を挙げて行こう。




弱点1 ネット生保と比べると、まだ「割高」

シンプル&保険料の安さ、が売りの本商品だが、かと言って一番安いわけでもない。

医療保険の比較は、各社条件が異なり、それを「完全に一致」させることが難しいので単純には比較できないのだが、30歳の各社の保険料(入院日額1万円)を見てみると、条件次第ではネオファースト生命(健康割引適用)やチューリッヒ生命の方が安くなる。

参考例:30歳 男性

アフラック(本商品)2,379円/月
      →還付金が戻ってきた場合の実質負担 2,187円/月
条件:30日型、但し重大疾病は120日+手術5万円+先進医療

ネオファースト生命 2,076円/月
条件:健康料率適用 60日型、三大疾病無制限+手術5万円+先進医療

チューリッヒ生命 2,152円
条件:120日型(全ての病気、ケガが120日まで保障)+手術5万円+先進医療

ネオファースト生命の場合、健康料率(タバコを吸わない、BMI、血圧に異常なし、など)が適用されればアフラックより条件が良い上、保険料も安い。

チューリッヒ生命の場合でも「全ての入院、ケガを120日まで(アフラックは原則30日まで)」と条件を良くしても、保険料が安い。

アフラックの方も「健康還付金」を受け取れることを前提とすれば、これらの会社にかなり肉迫出来るが、それでもアフラックの方が安いというところまではいかない。

このあたりは、多少高くてもアフラックブランドで押し切れる、と思っているのかもしれないが、ネットで保険に申し込みをするような層がアフラックを「ブランド」と考えるかどうかは微妙なところだろう。

弱点2 特約が何もない

保障内容は入院1日あたり1万円、手術5万円、そこに先進医療特約(実費2,000万円まで補償)が付いているというシンプルなもので、特約(オプション)的なものは何もない。

流石に今どき、ネット専業の生保でも特約くらいはいくつか用意しているのに、本商品には何もない。

選択肢が狭まってしまう。という点では弱点だろう。

だが、これも仕方がない。

膨大な過去の契約を抱えるアフラックだからこその事情だろう。

例えば、本商品で色々特約を付けることが出来るようにする。

別段、技術的には何も難しい話ではない。

既にあるオプションを提供するだけなのだから、その気になればすぐ出来る。

しかし、そうなると過去の契約者が加入している保障内容を、そのままネットで再現出来てしまう。

そして、恐らく保険料も安くなる。

切り替える人も出てくるだろう。

そうなれば、既存の代理店から

「どういうこと?うちを潰す気?」

というクレームが殺到。




そのあたりも配慮し、「あえて」何も出来ないようにしているのではないだろうか?

代理店から何か言われても

「まあ、あんな商品(ネット商品)は、何の特約も付けれないですから、誰も切り替えませんよ」

などと茶を濁すことが出来る。

以上筆者の想像。だが、当たらずとも遠からず、という感じではないだろうか。

弱点3 支払限度が30日、重大疾病でも120日まで

1回の入院で支払われるのは、30日までなので、例えば40日入院した場合、30日を超えた10日分は対象外(日額1万円が受け取れない)

ただ、この30日ルールには特例があり、入院した原因が重大疾病(下記6つ)の場合、上限が120日まで延長される。

・所定のがん(悪性新生物)
・心疾患
・脳血管疾患
・肝疾患
・腎疾患
・膵疾患

この中で入院が長くなる傾向があるのは、がん、そして脳血管疾患(脳梗塞、脳卒中など)だろう。

どちらも120日(約4カ月)を超えることは稀だが、がんに関しては白血病、脳に関しても、重度の障害が残った場合などはリハビリも含めて120日超えもあり得る。

他社では三大疾病無制限(がん、脳、心臓で入院した場合は日数制限が無制限)などがあるので、安心感で言えばそちらの方が上。

筆者の個人的な感想としても120日を超えるのは相当なので「まずない」とは思うが、入院で本当に怖いのは長期入院。

万が一、120日を超えた場合には「丸裸」になってしまうので、その点はやや心配。

また、交通事故などで脊髄を損傷、複雑骨折で長期のリハビリが必要、などの場合も長期入院となる可能性があるが、その場合は120日ですらなく「30日」が適用される。

そのようなケースでは、本商品は役に立たない。




弱点4 180日ルールが特殊

医療保険の多くには180日ルールというものがある。

例えば、胃潰瘍で20日入院、退院後「180日以内」に再び胃潰瘍で20日入院した。

こんなケースでは、この2つは連続した入院と見なされる。

1回目の入院と2回目の入院に相関関係があるため、同一の入院と判断するわけである。

そのため、本商品の場合、1回目で既に20日を消費しているので、2回目の入院では20日のうち初めの10日分しか対象にならない。

前項で説明した「30日ルール」があるからだ。

1回目、2回目が連続した入院となるため、合計40日の入院となり、そこに30日ルールが適用され

オーバー分の10日は対象外

となるのである。

しかし、これは多くの医療保険で同じルールなので仕方ない。

1入院の限度が30日であれば、他社でも同様のことが起こる。

しかし、本商品が特殊なのは「違う病気やケガでも180日以内は同じ入院と見なす」ということ。

先ほどの例では、1回目、2回目ともに胃潰瘍なので「同じ病気」だ。

「同一の入院」とされても納得できる。

だが、本商品の場合、例えば

1回目 胃潰瘍で20日間
2回目 交通事故で30日間

このようなケースで、1回目、2回目に相関関係がなくても「同一の連続した入院」と見なす。

そのため、ここに30日ルールが影響し、2回目の交通事故は前回の胃潰瘍とは何の関係もないのに、30日間のうち当初の10日間しか支払対象とならない。

オーバーした20日分の給付は受け取れない。

このあたりの詳細は、以下のコラムでも詳細を解説している。

180日ルールとは?通常型、変則型の違いを解説




弱点5 先進医療は、10年更新

これは些細な弱点。

メイン部分(日額1万円)の保険料はずっと変わらないが、先進医療特約の部分だけは10年ごとに「上がる」

先進医療特約は、保険適用外の先進医療を受けた際に、その実費を2,000万円まで支払ってくれるものだが、実際に先進医療を受けた時には、大いに役に立つ保険である。

現状、どこの保険会社も、この特約に関しては100円/月、前後で提供している。

しかし、今後も100円で提供し続けられるかは意見が分かれる。

今はまだ、先進医療を受ける人がそれほど多くはないが、今後は増加するだろう。

日本の社会保障制度はひっ迫しており、新しい治療法を全て「保険適用(3割負担)」に認定することは出来ない。

そのため、新しい治療については、しばらくは先進医療指定をしておいて、

受けるなら実費でどうぞ

というスタンスになるはず(と言うか、もうなっている)

そのため、今後、先進医療を受ける人が増えて、その請求が保険会社に行けば、当然、給付金額も増加し、保険会社としても

いやー、月100円ではやっていけませんわぁ~

となる可能性がある。

そうなった時に、10年更新であれば更新時に保険料を上げることが出来るので、保険会社としては安心だ。

対して、加入時の先進医療特約の保険料がずっと変わらない会社もある。

将来のリスクは保険会社が負う、ということだろうが、消費者からすれば、こちらの方が嬉しい。

ずっと保険料が上がらないからだ。

本商品は残念ながら前者。10年ごとに保険料が上がる。

とは言え、数十円、数百円の話なので、そこまで気にする必要はないだろうが、他社では「変わらない」ところがある以上、弱点とは言える。

先進医療特約の詳細については、以下コラムをご参照頂きたい。

先進医療特約は終身型を選びなさい!!




この保険の弱点、こう考えろ!!(解決策)

致命的なのは、限度30日しか選べない(弱点3)と180日ルール(弱点4)

どちらの弱点も、長期入院に対応出来ないという点で痛い。

が、アフラックというブランドでありながら、保険料が安いのは魅力的。

重大疾病でも120日までしかフォローされないので、それ以上の入院や「働けない」という状況を想定して、就労不能保険などに入っているのであれば、この商品で短期から中期の入院だけをカバーする、という考え方はありだと思う。

特にブランドにはこだわらない、という方は、他のネット生保の方が良いかもしれない。

その場合、文末の「検討した方が良い他社商品」に掲載した他社ネット生保がライバルとなる。

参考コラム:弱点(デメリット)との付き合い方

商品の構成について

本商品は、パッケージタイプであるため、性別、年齢に関係なく保障内容は同じ。

加入できる年齢は、20歳~59歳

各年齢、性別ごとの保険料は次の通り

30歳 男性:2,379円 女性:2,369円
40歳 男性:3,309円 女性:2,969円
50歳 男性:4,849円 女性:4,169円

入院日額

入院した場合に1日につき10,000円

入院支払限度

1回の入院あたりの支払限度日数:30日
重大疾病(悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、肝疾患、腎疾患、膵疾患)で入院した場合、支払限度日数は+90日で最長120日までとなる。

手術・放射線治療給付金

1回につき50,000円

先進医療給付金

先進医療にかかる技術料と同額を通算2,000万円まで保障。
なお、先進医療の保障のみ10年更新となっている。詳細は弱点5を参照のこと。

健康還付金

年1回判定を行い、健康年齢が実年齢より低ければ、キャッシュバックを受けることができる。

判定自体はwebサイトやスマホから可能。

還付金の金額は、契約年齢、性別で金額が決定されている。

下記は、それぞれの一例
30歳 男性:2,300円 女性:1,500円
40歳 男性:3,400円 女性:2,300円
50歳 男性:4,400円 女性:2,900円

例えば、30歳男性の場合、判定をクリアすれば年に1回2,300円が還付される。

月にならせば、約192円ほど。

この分が実質的に保険料のディスカウントになっている。

以上の保障が基本セット。
日額を変更したり、支払限度日数を変えたりすることはできない。

口コミ・評判

なし。実際にご加入された方の口コミをお待ちしています。

謝礼Amazonギフトカード300円!! アナタの口コミ教えて下さい!!
保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。

 

検討した方がいい他社商品

ネット生保

アクサダイレクト生命 アクサダイレクトの終身医療 ★★★★☆

チューリッヒ生命 終身医療保険 プレミアムDX ★★★☆☆

参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。

他社の医療保険の☆評価一覧は、コチラ

編集後記

約款

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。