この保険の弱点はここだ!オリックス生命「Relief W」

提供会社:オリックス生命

商品名:死亡保障付医療保険 Relief W(リリーフ・ダブル)

この保険の弱点はここだ!!

参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。

リリーフ・ダブルはオリックス生命の販売する、死亡保障と終身医療保険がセットになった商品。

この商品は、我々の世界でも人によって評価が分かれる。

「良い商品」と言って、これを積極的に売る人もいる一方、「イマイチ」と評する人もいる。

筆者としては「高齢者には良いんじゃない?でも若い人はやめておいた方が良い」という感じ。

商品の構成としては、

医療保険の日額を選ぶ(例:1日5,000円など)
  ↓
死亡保障(一生涯保障:終身)の金額が自動的に決まる(日額の500倍)

と分かりやすい。

別途、手術給付金は日額の20倍。

そのため、保障の構成としては以下のようになる。

日額 3,000円   死亡保障 150万円 手術   6万円
日額 5,000円   死亡保障 250万円 手術 10万円
日額 10,000円 死亡保障 500万円 手術 20万円

あとはそこに先進医療特約を付けるか、付けないかを選択するだけ。

本商品の最大の売りは「保険料が安い」ということ。




実例を挙げて説明しよう。

例:
30歳 男性 
日額10,000円 
死亡保険金500万円
先進医療特約付き
65歳払済(65歳まで払い切れば、その後は保険料を負担しなくても保障が一生続く)

保険料は11,015円

この11,015円で、入院した時に1日1万円、死亡すれば500万円が一生涯保障されるということ。

総支払保険料は30歳~65歳の35年間で約463万円を払う計算。

これが安いのか?高いのか?普通の方にはいまいちピンと来ないだろう。

そこで、本商品を「他の商品」で同じような構成にしてみたい。

使う商品は同じくオリックス生命のものが分かりやすいだろう。

この商品は先ほども述べた通り、「一生涯の死亡保障」+「一生涯の医療保障」の組み合わせて、これと同じような保障を組むためには、下記のような構成が近い。

オリックス生命 終身保険 ライズ   500万円
オリックス生命 医療保険 新キュア 10,000円/日

先ほどと比較をするため、どちらも65歳払済とする。

この場合、保険料は以下のようになる。

オリックス生命 終身保険 ライズ   9.420円
オリックス生命 医療保険 新キュア  3,855円
  合計               13,275円 

保障の内容として、細かいところでは違いはあるものの、「ほぼ同じような内容」でリリーフ・ダブルでは11,015円で済む。

13,275円と11,015円。

約17%もディスカウントされていることになる。

そのため、これをもって「保険料が安く、良い商品だ」と評する向きもある。

「セットにすることによって安くなる。」

まるでマクドナルドのような話だが、実はそんな単純なことでもない。

そのあたりを弱点で触れていく。

弱点1 解約返戻金がない

本商品の最大のデメリットだろう。

この商品が、実質的に「終身保険」と「終身医療保険」を組み合わせたものであることは先に触れたが、セットになっているから安くなっているわけではなく、

解約返戻金がない

ことが安さの理由である。

この話をするためには「終身保険とは?」ということを理解する必要がある。

先に比較対象として挙げたオリックス生命の終身保険「ライズ」

こんな例を出した。

30歳 男性 死亡保険金500万円 65歳払済 保険料 9,420円

30歳から65歳まで35年間、毎月9,420円を払う。総額は約396万円になる。

要は396万円を積立てれば、保険会社は「一生涯、いつ死亡しても500万円の保険金」を用意してくれる。ということ。

これは逆に保険会社の立場から見れば、

「396万円を契約者が死亡するまでに500万円にしておかないといけない」

ということになる。




そのために、保険会社は一生懸命「運用」するわけだ。

もちろん若くして亡くなる方もいるが、それはごく少数で、ほとんどの人は65歳まで払い切ってから、その後死亡する。

それが75歳なのか、90歳なのか、いつ亡くなるはその人次第だが、全体の平均は「平均寿命」近辺だと思っておけば良いだろう。(男性の場合83歳)

30歳 男性の場合、83歳までに53年の「時間」があるから、保険会社はお客さんが積み立てた396万円を、だいたい80~85歳くらいを目処に500万円になるように運用していく。

このように保険会社が長年保険料を運用していくので、例えば契約者が70歳くらいで「保険を解約したい」と言った時には、運用途中のお金を返してくれる。

それが解約返戻金だ。

70歳くらいにもなれば、ほとんどのケースで「払ったより多い金額」が戻ってくる。

先ほどの例で、支払い総額が396万円なら、410万円とか、420万円くらいが返戻金として手元に帰ってくるイメージ。

これが終身保険の仕組みである。

しかし、本商品は「ほぼ終身保険と同じ」でありながら、解約返戻金がない。(もしくはほぼない)

解約返戻金については、以下のようになっている。

保険料を支払っている間 なし
保険料を支払いきった後 入院日額の20倍(1万円だったら20万円)

毎月11,015円を負担していても、それを支払っている間(65歳まで)には解約しても一円も戻ってこないし、仮に払い切った後も20万円しか戻って来ない。

要は一度始めたら解約できない。ということ。

逆の言い方をすれば「解約しないと決められるなら良い商品」とも言える。

ちなみに本商品の保険料が安い理由は「セットになっているから」というより、「返戻金がない」ということの方が大きい。

保険会社からすれば、本商品は途中で返戻金を用意する必要もないし、そのため「まず解約しないだろう」という目論見が立つ。

そのため、通常の(途中で解約されるリスクのある)終身保険より、腰を据えて運用を行うことが出来る。

また、途中解約をした場合、それまでの保険料の大部分を「没収」出来るので、それも利益になる。
注:驚くべきことだが、大きく損をすると分かっていても「払えない」というような事情で途中解約する人が一定数はいる。

少々、意地悪い言い方だが、それらの「没収分」があることも想定して、保険料を計算しているのかもしれない。

一定量の没収があれば、その分、他の人の保険料を安くしても成立する、という理屈である。




弱点2 中高齢者には良い、若者には「うーん」

弱点1でほぼ言いきってしまったが、本商品は入るなら「解約しない」と決める必要がある。

そのため50代、60代などの「先が見えている人」なら、保険料も安いし、良い選択肢だと思う。

しかし、20代、30代の人はどうだろうか?・・・

「絶対やめられない」

というような商品にあまり若いうちから入るのもどうなのかとは思ってしまう。

特に本商品は「死亡」と「医療」がセットになっていて、どちらだけを解約して、どちらかだけを残す、というようなことは出来ない。

このブログでも何度も言っているが、医療保険に関しては「ブーム」のようなものがあり、20年も経つと商品構成が大きくガラッと変わってしまう。

例えば、今から20年前には、今では主流になっている先進医療特約などのは、その考え方すらなかったし、同じく、現在では当たり前の「初日から給付」というのもほとんどなかった(入院5日目以降などが多かった)

これも国の医療体制、社会保険制度が変わったため、それに合わせて民間の医療保険が「変わった」ためであり、今後、10年、20年後も同じことが続くだろう。

そうなると、この保険の医療保険も「古い」ものになってしまう。

そうなった時に、この保険は医療保険だけを見直すことは出来ないし、かと言ってやめるわけにもいかないので、別の医療保険に入りつつ、この保険も

「あまり意味がないんだけど(特に医療保険)・・・・」

などと思いながら、続けないといけない。

目先の保険料は安く感じるが、「やめられない」という観点で考えると、長い目で見れば無駄な出費になる可能性もある。

また20代、30代であれば、これから結婚、出産、家の購入、もしくは人によっては起業など、人生の転機が多く訪れる。

本商品のように「一生続けないとダメ」というような重石は、あまり早いうちから持たない方が良いような気もする。

ただ、保険料的に割安であることは事実なので、「これくらいなら絶対払える。絶対やめない」という程度であれば、別に止めはしない。

弱点3 120日限度

本商品は1入院あたりの限度が原則60日。

その入院した原因が以下の7つの病気(七大疾病)の時は60日が120日まで拡大される。

①がん(悪性新生物・上皮内新生物) 
②心疾患
③脳血管疾患
④糖尿病
⑤高血圧性疾患
⑥肝硬変
⑦慢性腎不全

対して、他社では3大疾病「無制限」特約や、7大疾病「無制限」特約などがあり、1入院あたりの上限が無制限になるものが多い。

120日と無制限。

比較すれば無制限の方が良い。

とは言え、実際のところ120日でもまず問題はないとは思う。

憂慮するとすれば、白血病(がん)や脳梗塞・脳内出血(脳血管疾患)あたりで、これなどは120日を超える可能性もある。

そのような時に限れば「無制限」の方が安心。

些細な点ではあるが、他社に比べ劣ってはいるので弱点とした。




参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。

他社の医療保険の☆評価一覧は、コチラ

商品の構成について

商品構成はシンプル。

入院日額

3,000円から12,000円まで、1,000円刻みで選択可能。

入院限度日数

60日

七大生活習慣病(がん、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、高血圧性疾患、肝硬変、慢性腎不全)で入院した場合は、1入院の支払限度日数は、120日

手術給付金

手術を受けた場合、1回につき日額の20倍が受け取れる。(日額5,000円なら10万円、日額10,000円なら20万円)

手術の他、放射線治療、骨髄移植、先進医療、骨髄肝細胞の採取術(ドナー提供)を受けたときも手術給付金が受け取れる。

公的医療保険制度の給付対象となる手術(約1000種)を保障。

死亡保険金

亡くなった場合、日額の500倍が受け取れる。

日額10,000円とすると、死亡保険金500万円となる。

ここまでが主契約となっている。

先進医療特約

保険適用外の先進医療を受けた際、通算2,000万円までの実費を保障。

さらに、先進医療給付金の10%相当額(1回の療養につき50万円限度)が受け取れる。

保障内容は他社より優れているが、保険料は高めだが、保険料はずっと変わらない。

対して、先進医療特約だけ10年ごとに保険料が上がっていく保険会社も多い。

このあたりの詳細は以下の記事をご参照いただきたい。
先進医療特約は「終身型」を選びなさい!!




参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

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をご覧いただきたい。

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改定履歴

2020年8月11日初稿