提供会社:SOMPOひまわり生命
商品名:連生終身保険
この商品の弱点はここだ!!
うーん、古い。
古い商品だ。
筆者自身も「連生終身保険」という響きを久ぶりに聞いた。
先日、ある会合でたまたま会ったひまわりの関係者に「連生終身保険って、まだ売れるの?」と聞いたところ、
「れ、連生終身ですか?・・・ああ、そんな商品もありましたね・・・」
というような反応で、彼は入社して10年ほど経過しているが、今までこれが売れているところを1回も見たことがないそうだ。
まあ、昔はそれなりに売れていたのだが、今となっては「化石」のような商品でもある。
連生終身は、保険会社によっては「夫婦連生終身保険」などとも言うが、要は夫婦のセット保険である。
本商品の場合、A型とB型があり、A型には生存給付金がある。B型にはない。
生存給付金は
・保険料払込終了後
・5年毎に「夫婦が揃って生きていれば」受け取れる
・お小遣い
のようなもので、保険金(夫婦合算)の10%が支給される。
例えば、夫の死亡保険金が500万円、妻が500万円の場合、合計は1,000万円になるので、生存給付金はその10%の100万円ということになる。
実際の契約例を見てみよう。
夫 30歳 妻 30歳
保険金 1,000万円(夫 500万円、妻 500万円)
保険料:31,250円
払込期間:65歳
この契約で得られるものは、以下の4つ
・夫が死亡時に保険金 500万円
・妻が死亡時に保険金 500万円
・保険料払込期間中に夫が死亡した場合、以後の保険料は免除(妻の保険は続く)
・保険料払込が完了する65歳意向、夫婦二人が生存していれば5年毎に生存給付金100万円
(65歳、70歳、75歳、80歳、85歳・・・)
先の保険料 31,250円を30歳から65歳まで支払うと、総支払保険料は約1,313万円となる。
夫も妻も「いつかは死亡する」ので、500万円×2=1,000万円は必ず戻ってくるため、1,313万円との差額、313万円は「老後の生存給付金」で回収しなくてはいけない。
一回100万円なので、65歳、70歳、75歳、80歳で「4回ゲット」すればプラスに転じる。
つまり、80歳まで夫婦元気であれば、1,313万円支払って1,400万円ゲットとなる計算。
男性の平均寿命が82歳、女性が87歳なので「平均」であれば1,400万円を回収出来る。
逆に、夫婦どちらかが80歳までに死亡してしまえば、
保険金 500万円 × 2人 +生存給付金100万円 × 3回 =1,300万円
となるので「払い損」ということになる。
そもそも人1人だって「早死にか、長生きするか分からない」のだから、夫婦二人となればもっと分からない。
そのため、本商品に入って「儲かるか?それとも損をするか?」というのも、何とも言えないということになる。
では、次に生存給付金が「ない」B型。
こちらはシンプルだ。
先ほどと同じ例(夫婦ともに30歳、保険金500+500万円、65歳払)で、保険料は23,880円。
トータルで1,003万円を支払い計算。
これで死亡保険金は1,000万円(夫500万円、妻500万円)なので、3万円のマイナスということになる。
ここから分かることは、
・B型はほぼマイナスになる
・A型は夫婦で長生き、少なとも80歳以上まで生きれば多少はプラス
ということだ。
で、ここで大事なことを言いたい。
何で一緒に入らないといけないの?
つまり、これが連生終身保険の最大の弱点(デメリット)である。
少なくともB型には何のメリットもない。
30歳の夫が同じひまわり生命の終身保険(低解約返戻金型終身保険)に、500万円、65歳払で入れば11,940円、妻は11,555円で済む。
合計23,495円。
それをセットにした連生終身保険では23,880円になる、わずか400円程度ではあるが「値上がり」してしまっている。
なお、この「値上がり」にはちゃんと理由がある。
連生終身の場合、「夫が保険料払込期間中に死亡した場合、以後の妻の保険料も免除される」というルールなので、要はこの400円はその分の保険料である。
だが、わずかこれだけのメリットのために「夫婦をセットにする」には、あまりに根拠が薄い。
そもそも離婚するリスクだってあるわけだから、夫婦仲良くセットにするのではなく、別々に入っておいたほうが良いだろう。
A型にしても、たしかに「夫婦揃って長生きすれば多少儲かる」かもしれないが、そんな不確実なことを信じるより「どっちが死んでもちゃんと資産が作れる」ということのほうが大事。
こちらも「夫婦別々に保険に入って」、「『確実に受け取れる』年金保険などに入る」ほうが良いに決まっている。
という事で、本商品には全く良い面はない。
なお、昭和の頃は、結婚すれば家に入る女性も多かったし、今よりうんと離婚率が低かったので「夫のオマケで妻にもちょっとだけ保険を」という商品が結構あった。
保険会社も、今のようにITが進化しておらず、契約を紙で管理していたので「セットにする」ことでコストダウンが図れる。
そのため死亡保障や医療保険に「妻特約」というのが多く存在したのである。
連生終身保険などは、その名残りとも言えるが、まあ、今の時代にはそぐわない。
まさに「化石」と言える。
口コミ・評判(販売側から)
ひまわり生命専属代理店勤務さんからの口コミ
・なし
謝礼Amazonギフトカード300円!! アナタの口コミ教えて下さい!!
保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。
口コミ・評判(契約者から)
・なし
比較した方が良い他社商品は?
他社にも連生終身保険が残っているところもあるが、比較するまでもない。
夫婦で別々に入ったほうが良い。
編集後記