保険屋は嘘つき。
自分の手数料のことしか考えていない。
だから・・・・
騙されないように気をつけよう。
これが世間一般の保険屋へのイメージだろう。
そして、それは大枠当たっている。
10年以上、この業界を内部から見てきたが、95%以上の営業マンは
なるべく手数料が高い物を売りたい
と思っているし、そうなるようにトークを組み立てている。
掛け捨ての保険の手数料は結構高いし、今であれば外貨建てなども意外と高い。
しかも外貨建ては貯蓄商品なので、保険料が高くなる傾向もあり、例えば毎月「5万円の貯蓄」という感覚で外貨建て保険に入ると、その営業マンには
初年度(1年目)に30万円程度の
次年度(2年目~8年目くらいまで) 毎年5万円程度
の手数料が入る。
毎月5万円だから、年間60万円となるが、「初年度」に関して言えば、その半分は営業マンの収入。
その後も、毎年5万円だから「約1か月分」は営業マンの懐に入る計算だ。
年間60万円、8年分で480万円支払って、営業マンの実入りは、65万円(1年目 30万+2~8年目 5万×7年)となるのだから、13.5%が「手数料」ということになる。
これを「高い」と感じるか、「妥当」と感じるかは人それぞれだろう。
サラリーマンや主婦などは「ぼったくりやがって!!」と怒るが、自身で会社を経営している社長などは、商売は利益を得ないと継続しないということを理解しているので、「そんなもんじゃないの?」と、意外と冷静。
別の言い方をすれば、1,000円で販売している物の仕入れ値が865円で、一個売るごとに135円(13.5%)儲かる。と言われれば、「まあ、そんなものか」と思う方は多いのではないだろうか?
例えば、AとBの2つの商品がある。
売値はどちらも1,000円。
A 1,000円 仕入れは999円
B 1,000円 仕入れは700円
お店にしてみれば、同じ1,000円だが、Aは1円しか儲からないのに対し、Bは300円儲かる。
どちらを売りたいか?
と言われれば、やっぱりBだろう。
保険屋も同じだ。
どうせなら利益幅(手数料)が大きい商品を売りたい。
一方、お客さん側から考えると、Aを買った方がお得感がある。
しかし、A、Bの商品をこう言い換えるとどうだろうか?
ドリアンとメロン
どちらも1,000円だが、ドリアンの仕入れは999円、メロンは大量に仕入れたので1個700円。
もちろんドリアンが好きな方もいるだろうが、あまり好んで食べるようなものでもない。一方メロンは好きな人も多いだろう。
保険の商品でも、これと同じことが多々ある。
商品A
「どう考えても、このお客さんに合ってない商品で、しかも手数料も安い」
商品B
「このお客さんに合っている上、手数料も高い」
これなら、後者の商品を勧めた方が、お客さんも営業マンもウィンウィンである。
出来ればこの状態が望ましい。
が、逆にこういう状況もある。
商品A
「この商品はお客さんに合っているが、手数料が安い・・・」
商品B
「この商品はお客さんに合っていないが、手数料が高い。イッヒッヒッヒ」
このような時に、無理くりBを勧める人がこの保険業界には多い。
いや、「多い」と言い切ってしまったが、とは言え全体から見れば2,3割程度だ。
ほとんどの営業マンは、ちゃんとお客様にニーズを把握して、しっかりとしたセールスを行っている。
内心は手数料のことを気にしているが、これは人間だから仕方ないだろう。
冒頭で、保険屋は
なるべく手数料が高い物を売りたい
と思っているし、そうなるようにトークを組み立てている。
と言ったが、これはマインドの話で、営業マンである以上は当たり前。
しかし、それをどこまで強行するかは、売り手側の良心の呵責の問題で、あくまで私の感覚として
2,3割は悪いのがいる
という感じだ。
では、この「悪いの」を見抜くにはどうしたら良いか?
残念ながら、そんな方法はない。
まず、外見ではわからない。
この業界の人間は皆外面が良く、身なりもピシッとしているし、愛想も良いし、話も上手い。
また、本心から「あなたに合っている」と思って勧めているのか、「これは手数料が高いから」と思って勧めているのかは本人にしか分からない。
はっきり言って、お客さんは
まな板の鯉
なのである。
言い方一つ、説明の仕方一つで商品の印象は変わるし、デメリットを過小に、メリットを過大に伝えることも、その営業マンの腹一つ。
目に見えない保険と言う商品を買うのはそこが難しいし、売るほうからすれば都合が良いのである。
だから、
勉強するしかない
騙されないためには賢くなるしかないのである。
その努力を怠るのであれば、良い営業マンにあたって良い買い物をするか、悪い営業マンにあたって騙されるかは「運次第」ということになる。
勧められた商品をしっかりと分析する。
そして、それが本当に自分に合っているか考える。
本サイトもその一助にはなるだろう。
その上で、更に営業マンが自分の提案にこだわって下らないことを言ってくるのであれば、別の営業マンを探せば良いのである。
なんせ保険屋なんて掃いて捨てるほどいる。
しつこく電話をしてきても全て無視。
これは余談ながら成績不振の奴ほどしつこいし、そういう奴に限って生活に困っているので、自分本位の提案をしてくる傾向がある。
そんな奴に付き合って、大事な資産を食い荒らされる必要はないだろう。
と言うことで、
「保険屋に騙されないためにはどうすれば良い?」
と聞かれた時は、こんな話をする。我ながら良い話だと思うのだが、実際のところ、皆、
「んなこと言われなくても分かってるよ!!」
という顔をする。
そのため、仕方なく「では、たった一つでその保険屋の本性が分かる質問がある」という話をするのだが、これも皆、
そんなものがあるのなら早く言えよ。
という反応。
それは、
「保険は保険と割り切っているので、なるべく安い掛け捨てを提案してもらえますか?」
というもの。
しかも、
「保険で貯蓄には興味がない。株や投資信託でちゃんとやっているので、ご安心を。」
「医療保険も貯蓄で賄えると思うので、必要ない。」
と付け加えて欲しい。
保険屋としては、こういうお客さんが一番旨味がない。
保険料も安くなるし、商談としても「一番安い掛け捨てを探す」というだけなので、面白味もないのである。
が、同時に
「手ごわい」
とも感じる。
何故なら保険の本質。
「保険はあくまで保険であって、貯蓄ではない。」
ということをしっかりと理解している人だからだ。
ここで、「流石ですね。かしこまりました。」と気持ちの良い対応をしてくるのは大抵は良い営業マンであることが多い。
逆に「そうおっしゃる方も多いのですが、実は保険で貯蓄するメリットもうんぬん」などと屁理屈を言ってくる奴は、あまり信用出来ない。
とは言え、これもあくまで一つの基準にしか過ぎず、やっぱり王道は「勉強すること」なのだが・・・・
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