この保険の弱点はここだ!メットライフ生命「つづけトク終身」

提供会社:メットライフ生命

商品名:つづけトク終身

 

この商品の弱点はここだ!!

参考コラム:終身保険総論 終身保険の「まとめ」

メットライフ生命の終身保険

何というか、玄人からすると「良いのに、悪い」という感じ。

「おっ!!」と思うような、良い点もあるのに、「何でだよ!!」という悪い点もある。

一言で言えば

惜しい!!

文字を大きくしてしまうほど、そう思う。

商品の内容としては、終身保険に災害特約、障害特約をセットにしたもの。

災害特約とは、交通事故などで亡くなった場合に保険金が上乗せされるもので、障害特約は何かしらの原因で障害状態になった際、その重さに応じて一時金が受け取れるもの。(重い障害であればあるほど給付金は高額)

これらが標準セットになっていて「外せない」ので、その分保険料が割高に設定されている。

車で言えば「◯◯パッケージ」というような特別仕様車で、始めからオプションがセットになっている分、高いという感じ。

逆に良い点は、利率が「10年ごとに変わる」ということ。

これは円建の終身保険では珍しい。筆者の知る限りメットライフだけ。

注:昔は利率変動型の終身保険などが、他社でも結構あったが、今はほとんどなくなった。

円建の終身保険というのは、保険料を預かっている保険会社としても、日本国債や地方債などで運用するしかない。

将来の保険金支払のためのちゃんと準備しないといけないので、顧客から預かったお金をリスキーなものには投資出来ないのである。

しかし、今は超低金利。

国債の利回りもたかが知れている。

保険会社としも苦しいところだ。

そのため、現時点での積立利率は0.60%となっている。

一昔前は1%台だったので、ほぼ半分になってしまったわけだ。

他社商品の場合、加入時の利率が今のように「超低い」と、それがそのまま固定されてしまう。

つまり、20年も30年もずっと低いのである。

しかし、本商品では10年ごとに「変わる」

そのため、将来、日本経済が良くなって、金利も高くなったら(可能性は低いが)、その時は利率も上がるのである。

このようなチャンスがあることは嬉しい。

今の超低金利でも、終身保険に入りたい、入らないといけないという人はいるだろうから、そのような人にとっては「10年後に再挑戦」出来ることは良いことだ。

このような利点があるのに、冒頭でも述べた通り「余計なオプション」が付いていることで、保険料が割高になってしまっているところが残念。

では、弱点の解説に入る。




弱点1 保険料が高い。逆さやになる契約も。

まあ、先程述べたことがそのまま弱点。

災害死亡、傷害特約などがセットになっているため、保険料が高い。

そのため、

支払保険料 > 保険金

というような事態も起こりえる。

つまり、保険金より、支払った保険料の方が多いということ。

実際の例を見てみよう。

40歳男性
払込期間:60歳
保険金額:1,000万円
月払保険料:44,490円
総支払保険料:10,677,600円

1,000万円の保険金を受け取るために、1,066万円を払わないといけない。

もちろん、先程は「余計なもの」と言ったが、災害死亡も傷害特約も、そのような場面(交通事故死や、後遺障害が残ったような場合)になれば、その分、多目の保険金を手にすることが出来るので、役には立つ。

そういう意味では「余計」とまでは言えないが、やはり、そのサービスに見合った対価を払わねばならず、それが重荷となって「逆ザヤ」になってしまうのである。

弱点2 利率が10年更新

メリットがデメリットにもなり得る。

10年ごとに「再度利率を見直してくれる」ということは、良いことではあるが、それがマイナスに働くこともある。

例えば、今の本商品の利率は0.6%だが、これは「下限」であり、これ以上下がることはない。(逆に上限は5%)

しかし、2020年10月時点の話で言えば、他社の終身保険の利率は0.7~0.8%程度のところが多く、メットライフはかなり低めである。

他社  0.7~0.8%が固定(ずっと一緒)
本商品 0.6%(しかし10年ごとに見直し)

となっているので、仮に10年後の金利状況が今より良くなり、0.8%を大きく超える、例えば1%台までいけば、

「ああ、この商品を選んで良かった」

ということになるだろう。

しかし、10年後も市場環境が悪かったら・・・

その時は、ずっと0.6%ということになってしまう。

今の状況を考えると、各国政府が金利を上げられるとも思えず、特に日本はかなり難しいだろう。

そうなると、「ずっと0.6%」という悪夢もあり得る。

だったら、低くても0.7~0.8%で「固定」してくれていた方が、まだマシということに。

筆者としては、10年ごとに利率を変えるという「試み」は高く評価したが、今の日本の状態、特に日銀のムチャクチャなやり方を見ていると、

10年後ですら、金利なんて上げられるのだろうか?・・・・

と、かなり懐疑的である。

仕組み自体は面白い商品なのだが、他社の終身保険でまだ高い利率を提示してくれるところで、「固定」で入った方が良いかもしれない・・・・




弱点3 保険金が自由に選べない

まあ、これは商品の仕様なので、仕方がないが、保険金が200、300、500、1,000万円の4つからしか選べない。

筆者の経験上、終身保険を選ぶ際、

「1,000万円はちょっと保険料が高すぎて無理だけど、700万円なら」

というような人は結構いる。

本商品では500の次が、一気に1,000になってしまうので、そこの「間」がないのはマイナス。

保険金くらい自由に設定させれば良いのに。とも思うが、まあ、何か裏事情があるのだろう。

基本商品の競争力

・一生涯の保障で「死亡」と「高度障害」を保障

・貯蓄性があるため、将来的に解約返戻金を老後の生活資金などに活用出来る。

・払込期間は、60歳、70歳、90歳から選択可能

・契約年齢は、20~70歳

保険料例
55歳 払込期間:70歳 保険金額:1,000万円
月払保険料:59,210円 累計:10,657,800円

特約(オプション)について

災害死亡給付特約

不慮の事故により死亡、高度障害になって場合に保険金が受け取れる。
標準セットとなっており、原則、外せない。

傷害特約

不慮の事故により死亡または身体障害状態に該当した場合に保険金が受け取れる。
なお、保険金額は、身体障害の状態に応じて決められた割合となる。
標準セットとなっており、原則、外せない。

リビング・ニーズ特約

余命6ヶ月と判断された場合に死亡保険金の一部が受け取れる。

三大疾病保険料払込免除特約

悪性新生物と診断、心疾患、脳卒中で20日以上入院した場合に、それ以後の保険料が免除される。

年金移行特約/年金支払特約

解約返戻金や死亡保険金を原資とし年金受取ができる。

比較した方が良い他社商品は?

オリックス生命 終身保険RISE[ライズ] ★★★★☆

マニュライフ生命 こだわり終身v2 ★★★☆☆

2 件のコメント

    • 情報提供ありがとうございます。
      ネットでは20~70歳までしか見積もりが取れないため、このように記載させて頂きました。
      約款には明確な記載がないものの、本商品は営業マンとの面談方式なので、実務ではおっしゃる通り、「0歳(生後三か月以上)~満80歳」まで取り扱っているのかもしれません。
      該当項目に追記させて頂きました。

  • のん へ返信する コメントをキャンセル

    メールアドレスが公開されることはありません。