提供会社:ニッセイ・ウィルス生命
商品名:アットウィル 年金型
アットウィル 米ドル年金型/豪ドル年金型
ページコンテンツ
この保険の弱点はここだ!!
参考コラム:ドル?株?介護を付けた方が良い? 一時払保険の賢い選び方総論
ニッセイ・ウィルス生命は、日本生命グループの一社で、銀行窓口向けの商品の企画、販売を担当している。
本商品は、標準的な一時払年金商品で、商品名は「アットウィル」だが、実際に販売されている金融機関では名前が変わっており、当サイトが把握している限りでは、以下のようになっている。
NKフェスタ:SMBC日興証券
エムソリューションⅣ:三菱UFJモルガンスタンレー証券
賢者の年金:三井住友銀行
夢つながる年金、ながいき年金 三菱UFJ銀行
野村証券:ニッセイウィルス定額年金
みずほ銀行:みらいの果実
悠々時間シリーズ
みずほ証券、いちよし証券、東海東京証券、あおぞら銀行、山陰合同銀行、滋賀銀行、荘内銀行、東邦銀行、広島銀行、北都銀行、横浜銀行、秋田銀行、社阿波銀行、池田泉州銀行、大垣共立銀行、関西みらい銀行、京都銀行、熊本銀行、群馬銀行、埼玉りそな銀行、十八親和銀行、十六銀行、第四北越銀行、千葉銀行、福岡銀行、みなと銀行、りそな銀行、愛知銀行、大分銀行、香川銀行、富山銀行、宮崎銀行、武蔵野銀行
特に「悠々時間シリーズ」は、かなり多くの金融機関で扱っているため、商品名としてはこちらの方がメジャーかもしれない。
基本的には、日興証券、三菱UFJモルガン、三井住友銀行、三菱UFJなどの「大手」は、それなりの販売数が見込めるので
「専用の名前を使って良いでゲス」
という感じで、その会社専用の商品を演出しているが、地方銀行などは、あまり売上が見込めないので「悠々時間ブランド」を使わせているような印象。
なお、悠々時間の中でも、各金融機関ごとに、悠々時間、悠々時間アドバンス、悠々時間アドバンス2、悠々時間アドバンス2Plus、悠々時間プレミアム、など「差別化」しているようにも見えるが、中身はほとんど一緒。
円建、米ドル、豪ドルがあり、加入時に決定した固定利率で運用されていく。
年金開始は0年(預けてすぐ)から10年後まで1年刻みで選択できる。
0年とは、つまり「預けた直後から年金が開始する」ということ。
逆に10年は預けて10年間は運用で元本を増やし、10年後、その元本を年金形式で支払う。
なお、年金の受け取り方は
・確定年金(5,10,15,20,30,36,40年 別名:自分できっちりプラン)
・年金総額保障付終身年金(別名:つかながらのこすプラン)
・ながいき年金プラン(別名:あとからたくさんプラン)
の3つから選択可能。
注:扱っている金融機関によって、この他にも「受取り方のバリエーション」が存在するものの、上記3つが基本。
確定年金とは、例えば10年を選択した場合、
10年間は必ず支払う。死亡したら遺族に払う
というもの。
また、その受取総額は原則的には「支払った以上」となるように設計されている。
つまり「損」はないということになるのだが、これはあくまで円を選択した場合で、米ドル、豪ドルの場合は為替リスクが伴う。
この点は弱点2にて述べたい。
年金総額保障付終身年金の方は、その名の通り身が終わるまでの年金(終身年金)なのだが、この場合、「年金開始から1,2年」など、早期で亡くなってしまうと払い損になる可能性がある。
そのため、「年金総額保障」というセーフティネットが付いている。
前述のように「早く亡くなってしまった」場合でも、その後も遺族へ年金を支払い「支払った以上は返す」と約束しているのである。
ただし、こちらも米ドル、豪ドルでは為替リスクが付きまとう。
ながいき年金プランは、当初の年金額が少なく抑えられており、その後、〇年後(5年後など)に年金額が増えるタイプ。
こちらも「払い損」はないように設計されている。
65歳までは働くつもりだが、勤務先とも業務委託契約などになり給与も下がった。そのため、多少は年金が欲しい。そして5年後の65歳で完全引退するので、その時は、それなりの金額の年金が欲しい。そんな人向けのプランなのだろう。
以上、商品概要。
弱点1 初期費用がかかる
本商品では、加入時に初期費用がかかる。
円で4%、米ドル、豪ドルで5.5%。
例えば1,000万円預けた場合、円なら40万円、米ドル、豪ドルなら55万円を契約時に取られるということ。
はぁ?金預けて、初期費用取られるの?
と思う方も多いだろう。
だが、この手の「一時払系の保険商品」には初期費用を取られるものが少なくない。
逆に「初期費用を取らない」ということを売りにしている商品もある。
結局のところ、保険会社の利益を「最初に抜かれる」か「時間をかけて徐々に抜かれるか」だけの違いである。
で、どちらが良いのか?
うーん、これが難しい。
一般論としては、初期費用を取る会社はその後の運用利率が「高め」に設定されており、初期費用を取らない会社は運用利率が「低め」に設定されている。
例えば、長生きして、年金も長期間受け取るような場合には、
「始めにいくらか取られても利率が高い方が良い」
とも言えるが、逆に早く死んでしまうのであれば、
「初期費用がなく、スタートから元本100%を丸々運用してくれる」
方が良い。
結局のところ「何歳まで生きるのか?」という点が明確でないと、この2つは比較のしようがないし、そしていつ死ぬかなんて誰に分からない。
75歳まで生きたら?80歳まで生きたら?85歳まで生きたら?
このように死亡年齢ごとに各社の「初期費用あり、なし」の様々な商品を比較してみて「多分、私は〇歳くらいで死ぬだろうから、これが良いかな」と適当に決めるしかない。
一般論としては、平均寿命を超えるのであれば「初期費用あり(利率が高い)」の方が良い場合を多い。
本稿を書いている2022年11月時点での本商品を利率を見る限りは、初期費用なしのタイプの商品よりは利率は高い印象を持つ。
弱点2 為替リスク
冒頭でも書いたが、本商品雄パンフレットを見ると、やたらと「元本分は年金で受け取れる」という記載が多い。
高齢者向けの商品だけに、「損はないですよ!!」という点を強調したいのだろう。
だが、元本を保証するのは、あくまで「その通貨ベースでの元本」である。
例えば、1,000万円を米ドルで1ドル140円で預けたとする。
まず初期費用5.5% 55万円を引かれるので、この時点で元本は945万円となり、それを米ドルに変換すると、67,500ドルになる。
保障されているのは、この67,500ドルである。
例えば、この後年金を受け取って、その総額が80,000ドルだとする。
売り文句通り、「元本以上」は受け取れているが、この時の為替レートが1ドル110円なら、日本円換算では880万円となり、支払った1,000万円より120万円ほど損をしていることになる。
本商品の弱点と言うよりは、ドル建保険すべてに共通するデメリットではあるが、一応、注意喚起のためにここに記しておく。
2022年、多くの方が実感した通り、ドルが急激に高くなり、国民生活を直撃した。
ドルは上がる時は上がる。
逆に下がる時には下がる。
利率が4%、5%あったところで、為替そのものが10%も20%も動けば、そこまでの利益など一瞬で吹き飛ぶ。
1ドル130円以上で買うのであれば、将来的に「それ以下になる可能性も高い」と認識しておいた方が良いだろう。
弱点3 市場調整価格
本商品には市場調整価格がある。
途中解約する時には、これによって手痛い損害を被ることもあるので要注意。
市場調整価格については、以下コラム参照。
参考コラム:市場価格調整とは?
この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)
非常にシンプルな内容なので、悪い商品ではないと思う。
本商品は主に高齢者向けなので、個人的には
「どうせ暇なら保険会社任せにしないで、勉強して自分で運用すれば?」
という気もしているが、利率も高めなので、
「うーん、でも自信もないし、面倒だから・・・」
というような方は、金融機関の窓口で口車に乗せられて入っても良いのではないか?
何とも皮肉めいた言い方をしているが、悪意はない。
ただし、やりすぎ注意。
為替も長い時間の中ではどう動くか分からず、そこで損をする人も大勢いる。
外貨でやるなら、資産全体の1/3程度にしておいた方が良い。
また、円建は「利率が1%程度で低すぎる」のでやるべきではないと考える。
口コミ・評判(販売側から)
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保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。
口コミ・評判(契約者から)
なし
比較した方が良い商品
同種の商品はかなり多くの保険会社から販売されているが、販売している銀行によって、商品名がころころ変わるので、一概に「これと比較した方が良い」とは言いにくい。
保険ショップ、他の銀行など、2,3か所を周って
「これを勧められているのだが、同じようなものでもっと良い利率のものはあるか?」
と聞いてみると良い。
筆者の経験では、ニッセイ・ウィルスの利率は常に上位3つくらいには入っているとは思うが、利率は月に2回変わるので、タイミングによっては他社商品の方が良い場合もあるだろう。
編集後記: