提供会社:プルデンシャル生命
商品名:終身保険
この商品の弱点はここだ!!
参考コラム:終身保険総論 終身保険の「まとめ」
プルデンシャル生命のスタンダードな終身保険。
知人に聞くと2020年11月時点での利率は0.75%とのこと。
まあ、何というか隔世の感がある。
私がこの業界に入ったのは1990年代。今から20年以上前の話だが、その頃のプルデンシャルの終身保険と言えば、予定利率が4%とか5%とか
尋常じゃないくらい高い
というのが有名で、それを同社の営業マン、通称「ライフプランナー」が売りまくっていた。
外から見ていても「凄い商品だな」と感じたが、そこから20数年。
いよいよ0.75%まで下がってしまったか。という感じ。
ただ、これでも他社よりはまた高い方かもしれない。
他社では0.6%というところもあるし、非公開にしてしまっているようなところもあるので、今の状態では「まだマシ」という感じか。
利率がこれくらい下がってしまうと、保険料がかなり高くなってしまう。
まずは、終身保険の基本的な仕組みを解説したい。
例えば30歳の男性が終身保険1,000万円に入る場合、予定利率が1.5%程度であれば、毎月の保険料は2万円程度で済む。(65歳払込)
これを65歳くらいまで払うと、総支払保険料はだいたい800万円前後。
つまり、800万円払えば、1,000万円を終身で保障してくれる。
いつ亡くなっても1,000万円の保険金があるので、
・若いうちに死亡(保険料を払っている途中) → 保険金1,000万円
・歳をとってから死亡(保険料を払い終わってから) → 保険金1,000万円
ということとなり、つまりは、どのタイミングでも自分が払った以上の保険金が受け取れることになる。
もちろん、あくまで保険的な観点で見れば、亡くなるなら早ければ早いほうが、
「支払った保険料」と「保険料の」差額
は大きくなるので、保険効果が高いということ(本人にとっては悲劇だが)
予定利率が1.5%程度であれば、このような終身保険のメリットが享受できるのだが、これが0.75%程度になってしまうと、保険会社としても預かったお金を以前ほど高利回りで運用出来ないということなので、
終身保険 1,000万円
に対して、総支払保険料は900万円程度となってしまう。
毎月の保険料も2万円→2.2万円くらいに上がるイメージ。
要は同じサービスをうけているのに、過去より随分と高くなってしまった。ということ。
プルデンシャルに勤める知人も
「ほとんど売れてないよ。普通の終身保険は」
とこぼしていた。
この終身保険に入るなら、オリックス生命やマニュライフ生命の方が商品としては優れているだろう(リンクは文末の「比較した方が良い商品は」を参照)
と、言うことで商品としてはかなり「弱い」
では、追い打ちをかけるように弱点の解説に。
弱点1 低解約型がないため、保険料は高い
他社の終身保険には「低解約型」というものもあることが多いのだが、本商品にはそれがない。
低解約型とは保険料を支払っている間は、仮に解約をしてを解約返戻金が「60%程度に抑えられている」というもので、つまり、途中で解約をすると大損。
言い換えれば「解約出来ない」とも言える。
契約者にとって、これは大きな不利益ではあるが、一方メリットもある。
通常の終身保険より保険料が安いのである。
また、将来の返戻率も普通の終身保険よりは高く設定されていることが多い。
保険会社からすれば、低解約型は「解約されない」という安心感があるので、腰を据えて運用を行うことができるので、
低解約型にするかわりに、保険料をディスカウントしますよ(将来の返戻金にも多少色をつけますよ)
ということだろう。
終身保険というのは、原則的には一度入れば、解約はしないことの方が多い。
どうせ解約しないなら、低解約型で「保険料も安く」、「返戻金も高い」方が良い。
そう判断する方が合理的だろう。
しかし、前述した通り、プルデンシャル生命の終身保険には「低解約型」という選択肢がないので、「低解約型あり」の終身保険に比べると、保険料はどうしても高くなってしまう。
なお、同社には「低解約返戻金型平準定期保険」という商品もあり、こちらは100歳までの定期保険となっている。
100歳までの保険なので、「ほぼ終身保険と同じです。」というような説明がされているようだ。
こちらの商品なら「低解約型」であるので、通常の終身保険よりは保険料は安い。
同社の終身保険に入るなら、まだこちらの方がマシという感じ。
なお、余談ながら、100歳を超える人は、現在のデータで100人1人程度と言われているが、今後はどうだろうか?
なんとなく100人に2,3人くらいは「100歳以上まで長生き」するような気もする。
そうなると、こちらの商品に入っている場合、100歳までの「定期(期間限定)」なので、仮に100歳を超えて死亡した場合、保険金は出ない。
自分自身が100歳以上まで生きる!!
そう思っている人は少ないが、寿命だけは誰にも分からない。
その点、100歳定期よりは、終身の方が安心ではある。
第三者的には
「終身保険に低解約型を設ければ良いのに・・・」
とは思うものの、同社の商品はいつも「一ひねり」することが多く、何故か
・普通の終身保険
・低解約型の100歳定期
という、少々変わった商品ラインナップとなっている。
弱点2 ライフプランナーの良し悪し
同社ではライフプランナー制度というものを取っており、
「マイドクター(医師)、マイロイヤー(弁護士)、マイライフプランナー」
という標語をもとに、医師、弁護士などと同じように、お金の専門家として契約者世帯のアドバイザー的な役割を目指している。
要は「他の保険屋とはちょっと違いますよ」というブランドを確立しようとしているのだが、実態としてはただの営業マン。
人材についても、玉石混交。
筆者の知り合いのライフプランナー中にも、こちらが頭が下がるほど勉強している人がいる一方
「よくそれで客先に出れるな・・・」
と呆れるほど、ものを知らない人もいる。
もちろん、これはどこの保険会社でも似たようなものなのだが、プルデンシャルの場合、自分たちで「俺たち凄い!!」と敷居を高くしまっているだけに、ダメな人と会った時のギャップが凄いのだろう。
「えっ、プルデンシャルなのに?そんな感じなの?・・・」
プルデンシャルがピカピカに輝いていたころを知っている筆者としては、随分とがっかりすることも多い。
保険の見直し相談などに乗っていても、プルデンシャルの場合、商品そのものより、ライフプランナーへの悪口と言うか、
「調子が良いのは始めだけ。契約後は何のフォローもない」
というような声が多いのも事実。(同様のことがソニー生命のライフプランナーにも言える)
では、実際にアフターフォローが弱いのか?と言うと、別に他社に比べて、遜色があるわけでもないのだが、初めに
「ライフプランナーとして一生涯担当します」
「家族のようなお付き合いを」
などと、初めに熱くぶち上げてしまっているので、そのギャップが契約者に「がっかり感」を与えるのでは?と推測している。
また、同社は退職者が多い。
国内生保などが、退職者を減らすために、歩合給より固定給を重視するような「施策」を打っているのに対し、同社は変わらず「完全コミッション制(完全歩合)」を貫いているので、どうしても食えずに辞めていく人間が多い。
これは仕組み上仕方がないのだが、契約者からすればたまったものではない。
要は「みなしご」になってしまうわけで、これも見直し相談などで不満の原因となる一因だろう。
今まで述べてきたように、そもそも商品も良くはないので、よほどライフプランナーに魅力があって「この人に担当して欲しい」と思わない限り、この商品を選ぶ理由はないだろう。
基本商品の競争力
・一生涯の保障で死亡保障
・貯蓄型のため、解約返戻金を教育資金、老後の資金として活用できる
・払込期間は、終身払、短期払から選択できる。
短期払は、10~30年(5年刻み)、55~85歳(5年刻み)
・保険金額は、200万円~7億円(10万単位)で選択可能
特約(オプション)について
付加できる特約は多数、ただし、わざわざセットにするようなものはない。
終身保険に、特約をセットしてしまうと、万が一、終身保険を解約した時に、それらの特約も一緒に解約されてしまうので、できれば別々の契約にしておいた方が良い。
解約返戻金抑制型家族収入特約(高度障害療養加算型)
無解約返戻金型平準定期保険特約
無解約返戻金型逓減定期保険特約
災害死亡給付特約
障害特約
無解約返戻金型入院特約(一時給付型)
無解約返戻金型新手術給付特約
無解約返戻金型がん入院特約
無解約返戻金型先進医療特約
無解約返戻金型就労不能障害特約
無解約返戻金型就労不能障害一時金特約
疾病障害による保険料払込免除特約
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保険金等の支払方法の選択に関する特約(無料)
ナーシングケア特約(介護前払特約)(無料)