提供会社:住友生命
(格付:S&P A+)
商品名:グランドパスポート
この保険の弱点はここだ!!
本商品は、一応は定期保険に分類されるものの、98歳までの保障なので実質的には終身保険だと思って良い。
数字的(保険料、返戻率など)には「結構頑張ってる」そんな印象を持つ。
住友生命で販売されている「終身保険」の方は保険料も高く、返戻率も低いが、本商品は他社比較でも「勝負は出来るかな?」という感じ。
別にこの商品でなくても良いが、付き合いがあって「住友に入らないといけない」というような事情があるのであれば「別に良いんじゃない?」というところ。
強くは勧めないが、強く反対もしない。
参考コラム:「お付き合い保険」の断り方と「お付き合い保険」に入るメリット
実際の契約例を見てみよう。
30歳 男性
保険料 :1万円/月
保険金 :464.90万円
支払期間 :60歳まで(30歳から30年間)
総支払保険料:360万円
このケースでは、毎月保険料を1万円支払えば、保険金が464.9万円用意されているということ。
なお、将来の返戻金は以下のようになっている。
60歳時点(保険料払込完了直後) 393万円(返戻率:109.17%)
65歳時点 402万円(返戻率:111.67%)
冒頭で述べた通り、この数字自体は悪くない。
ここでは本商品が「比較される」であろう終身保険と比べてみたい。
当サイトでも高評価の「オリックス生命 終身保険 ライズ」で、先の条件に極力合わせると、以下のようになる。
30歳 男性
保険料 :10,448円/月
保険金 :470万円
支払期間 :60歳まで(30歳から30年間)
総支払保険料:376万円
60歳時点(保険料払込完了直後) 406万円(返戻率:108%)
65歳時点 415万円(返戻率:110.3%)
保険金は住友生命464.90万円に対して、オリックスは470万円
保険料は住友生命10,000円に対して、オリックスは10,448円
保険金100万円あたりの「単価」は住友生命 2,151円、オリックス2,223円とほぼ同じ。
返戻率は60歳、65歳時点で比較しても、1%弱、住友の方が高い。
住友だけでなく、日本生命、第一生命などの「国内大手保険会社」というのは基本的にコスト構造が高く、そのためどの商品も総じて保険料が高くて、返戻率も悪い傾向があるのだが、本商品はオリックス生命という「商品力だけで勝負している保険会社」を相手にしても見劣りしていない。
筆者は正直なところ関心している。
が、本商品には重大な弱点がある。
それは保障が98歳までということ。
98歳定期とは、98歳まで「期」間を「定」めた保険ということなので、98歳を超えて亡くなった場合、保険金はない。
そして返戻金も80代に入ると一気に急降下し、98歳で「ゼロ」になる。
つまり「98歳までに死ななくてはいけない」のである。
なお、98歳を超えて亡くなるのは、現状では100人に1,2人程度だが、今後は長寿化の影響で3,4人になると言われている。
そのような人は、本保険に入っていても保険金もなく、80代で
「あれ?もしかして私、98歳超えるかも・・・」
と思って保険を解約して返戻金を得ても、その時には損をしてしまう可能性が高い。
このような落とし穴があるため、オリックスなどの「バリバリ今風の保険会社」を相手にしても、遜色がない数字が出せるのである。
端的に言えば、80代で解約して損をする人、98歳を超えて亡くなって完全に保険料を全額捨てた人のお金を「原資」として、それを他の契約者に配っているということになる。(極めて言い方は悪いが、これが事実)
その損をするのがアナタかもしれない、という話。
確率的には2,3%なので、そこまで心配する必要はないのだが、他の会社で「死ぬまで面倒見ますよ」と言ってくれる終身保険という商品があるのだから、「98歳まで限定」という無用のリスクを背負う必要もない。
そのため「頑張ってるなぁ」とは思いながらも、星2つ評価とした。
なお、余談ながら終身保険も実は105歳で終わる。
ただ終身保険の場合、105歳を超えたからと言って保険金がゼロになるわけではなく、105歳時に生きていても死亡時の保険金をお支払いしてしまうのである。
私がこの業界に入った20数年前には「滅多にないこと」だったのだが、昨今の長寿化で最近では「ちょくちょくある」らしい。
なんとも恐ろしい時代だ・・・
そう考えると、普通の終身保険の方が良いかもしれない。
口コミ・評判(販売側から)
なし
口コミ・評判(契約者から)
・なし
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比較した方が良い商品
編集後記