Q3 「医療保険」や「がん保険」に関する質問です
今までのご回答
Q1 既婚、子供なし
Q2 死亡保障 必要なし
既婚お子様なしで「死亡保障は必要ない」とお答えになったアナタに次の質問です。
病気や怪我で入院した時に役に立つ「医療保険」に関しては、どのようにお考えでしょうか?
こちらも「必要ない!!」派と、「必要!!」派の意見、そして保険まとめ編集部のアドバイスを参考に、ご自身の考え方に近い方をご選択下さい。
必要ない派の意見
・3割負担で済む社会保険や、高額療養費制度などを使えば、実際にはさほどお金はかからないのでは?実際に入院した時は、自分の貯蓄で賄えば良い。
・勤務先の福利厚生で「入院した時の保障」があるので必要ない。
・医療保険やがん保険に入っていても、受け取れるのは50万円、100万円程度。それくらいなら貯金してあるから大丈夫。
・あった方が良いとは思うが、毎月の保険料を支払うのが無駄・・・この分を貯金しておきたい。
必要派の意見
・確かに社会保険制度はあるが、それでもタダではない。食事代や差額ベット代などは実費なので、統計でも入院1日あたり2万円くらいはかかると出ている。保険はあった方が安心。
・入院によって収支のバランスが崩れる。病気や怪我で入院して大変なのに「貯金が減る!!」と感じるのはストレス。
・医療保険の保険料なんて数千円程度だし、それをケチっていざ入院した時に後悔するのはイヤ。
・がん保険だけは必要。身内でがんで亡くなった人がいるが、結構お金がかかったと聞いている。やはり保険は有効だと思う。
・先進医療特約だけは欲しい。いざ高額の先進医療を受けないといけない、という時に実費はキツイ。最悪の場面を想定して先進医療だけはカバーしたい。
保険まとめ編集部からアドバイス
医療保険に関しては、必要ない派、必要派、どちらの意見にも「なるほど」と納得出来る部分はあります。
筆者もそれなりの貯金があれば「最悪入っていなくても大丈夫」だとは思います。
実際問題として、1ヶ月を超えるような長期の入院は「滅多にない」ものでもありますし、仮に1か月以内の短期の入院であれば、そこまでびっくりするくらいのお金はかかりません。
かかったとしても、せいぜい20万円、30万円程度なので、それくらいであれば手持ちの貯金でなんとかなる方が多いのではないでしょうか。
では「必要ない」という結論で良いのかと言うと、そう単純な話でもありません。
逆に「入っておいた方が良い場面」とはどんなケースなのでしょうか?
まず、長期入院です。
昔に比べ、入院期間が短くなったとは言え、長期入院がなくなったわけではありません。
交通事故や、スポーツ中の事故などの怪我や、脳に関する病気(脳卒中などで麻痺が残った場合)には、未だに数ヶ月の入院をすることもあり、このような場合には、毎月それなりの金額が必要になります。
高額療養費制度などもありますが、入院中の食事やクリーニング費用、差額ベット代などは対象外ですし、身の回りのお世話のために、定期的に家族が病院を訪れれば、その都度交通費などの費用もかかります。
そうなれば、高額療養費制度を使ったとしても毎月10~15万円程度の「支出」が発生するので、それが数ヶ月に及べば、結構な金額になるでしょう。
次に考えられるのは先進医療です。
日本の社会保険制度が逼迫していることは、誰もが知るところですが、その影響から昨今の新しい治療法は「とりあえずは先進医療枠で」という流れになっています。
保険適用としていしまうと、国が7割を負担しなくてはいけないため、当初は自己負担の先進医療として導入し、その治療の結果や対象となる患者数などの統計を取ってから、必要に応じて「保険適用」とするのです。
最近では白内障治療の「多焦点眼内レンズ手術」などが、その一例で、これも長らく先進医療で40、50万円かかっていましたが、ようやく保険適用手術に「格上げ」されました。
なお、40、50万円程度であれば、まだ自分で何とかなるレベルですが、先進医療の中でも「がん」に関する治療はケタ違いに高額で、1回500万円、600万円(重粒子線治療など)というようなものもあります。
「この治療さえ受ければ助かるかもしれない」
そのような状態になった時、まさにお金のある、なしが生死を分けることになる。
欧米では昔からこのような傾向がありますが、財政難に苦しむ日本でも同じような状態になってきているのです。
このような時、医療保険の特約などに用意されている先進医療特約に入っていれば、2,000万円までは治療費の実費を負担してくれるので、これが「あるか、ないか」は大きな違いでしょう。
なお、長期入院も先進医療も「稀な話」ではあります。
実際には、このどちらも経験せずに亡くなる方もいるので(それでも亡くなる直前には数ヶ月程度入院することが多いですが)、必ずしも全員に該当することではありません。
しかし「起こり得ること」ではあり、それが誰に起こるかはわかりません。
最後に筆者が「最も大事」だと思うのは、入院時の精神的な面です。
「入院=保険からお金がもらえる」
ということは、日々接する大量のテレビCMなどにより、日本人のほとんどの脳裏に刷り込まれています。
これが医療保険に入らずに、実際に入院した際、意外なショックを与えます。
一言で言えば
「ああ、入っておけば良かったなぁ」
という後悔です。
2,3日から1週間程度の入院であれば、後悔を感じたとしてもさほどのことでもないですが、がんや心臓、脳などの大きな病気で入院した場合などは、そもそも身体も心も弱っていますから、その場面で「お金がもらえる」のか「お金が出ていくだけ」なのかは、結構な違いです。
「医療保険不要派」が唱える「保険料を貯めておいて、その分を入院した時にそれを使えば良い」というのは、ある程度事実なのですが、人間の心理というのはそこまで割り切れるものでもなく、やはり手元のお金が減るのは嫌なもので、逆にボーナス的にもらえるお金は(仮にその原資が自分の支払ってきた保険料だったとしても)嬉しいものなのです。
その効果は、入院という非日常ではより一層強く出ます。
筆者自身は、これこそ医療保険の最大の効果だと思っています。
つまり、
「不幸中(入院)の幸い(給付金)」
ということで、これがもたらし精神的な効果は意外とバカになりません。
1日入院していれば1万円貰えると思えば、一方的にお金が出ていくだけの状況よりは入院生活も前向きになれます。
最低限の保障、具体的には1日あたり5,000円くらい、そして長期入院に備えられるように三大疾病無制限(がん、脳、心臓が原因で入院した場合、給付日数が無制限になる)、そこに先進医療特約を付けた程度であれば、毎月2,000円、3,000円くらいなので、
「そこまで高いものでもないので、ないよりはあった方が良いんじゃない?」
というのが筆者の感想です。
また、結婚をしている場合、家の貯金は「二人で貯めたもの」なので、一方が入院したことで、それが目減りしてしまうのは多少の引け目にもなります。
もちろん「アナタが入院したせいで貯金が減った!!」などとなじる妻(もしくは夫)などいないと思いますし、もしこんなことを言われたのであれば、退院後に別々の道を歩んだ方が良いでしょうが、それでも二人で築いた貯金は出来れば減らない方がベターです。
以上のことから、医療保険が必要か、もしくは必要ないかをご判断頂ければと思います。