提供会社:明治安田生命
商品名:しっかりそなえるがん終身保険
この保険の弱点はここだ!!
加入範囲は50歳から90歳となっているので、中高年、高齢者向けのがん保険。
骨太ながん保険だと思う。
後ほど詳細を解説するが「自由診療で1億円まで」というのが最大のアピールポイント。
その分、保険料はやや高いが、そもそも日本生命、第一、明治安田などの旧来の国内大手生保は保険料が高めに設定されているので「明治安田」というブランドを考えれば「まあ、こんなもんかな」という感じ。
商品は主契約(メイン部分:必ず契約しないといけない)と、特約(オプション部分:選択制)に分かれていて、主契約は
・がん診断一時金
がんです。と言われれば50万円、100万円などの一時金を受け取れる。
・がん薬物治療給付金
抗がん剤、ホルモン剤、分子標的薬などを行った月ごとに10万円などを給付。
の2つ。
短期間で治るがんは「一時金給付」で、治療が長期化するがんは「月額給付」でカバーしている。
長短どちらのがんにも対応出来る形になっている。
オプションは以下の3つ。
・特定自費診療がん薬物治療保障特約
保険適用外の自費診療をカバー。治療に関わる実費を通算1億円まで給付。
・がん先進医療保障特約
がんの先進医療を受けた場合、実費を通算2,000万円まで給付。
・がん治療充実終身保障特約
入院や手術、放射線治療を受けた場合、「月ごと」に10万円を給付。
また死亡時にも10万円が給付される。
以上、商品概要。
では、弱点。
弱点1 特約が5年更新(特定自費診療特約の考察)
「弱点」と言うような話でもないが、本商品の特約について、以下2つは5年更新となっている。
・特定自費診療がん薬物治療保障特約
・がん先進医療保障特約
そのため、5年毎に保険料が上がる「可能性」があるということを理解しておいた方が良い。
特に特定自費診療がん薬物治療保障特約の方が大幅に上がる「かも」しれない。
参考コラム:先進医療特約は「終身型」を選びなさい!!
これは、おそらく「特定自費診療がん薬物治療保障特約」に関係したものではないだろうか?
この特約では「通常の保険適用外」で、かつ「先進医療でもない治療」を対象としている。
実際の例としては「未承認の抗がん剤」などを使った治療が対象で、これらの治療を受けた場合の実費を通算1億円まで支払ってくれる。
「1億円まで」というのはかなり挑戦的で、大手の明治安田にしては「責めたな」という感じ。
但し、何でもかんでも支払うわけではなく、以下のようなルールがある。
・医薬品について
-適応外薬または未承認薬であること
-米国National Comprehensive Cancer Network(NCCN)ガイドラインが推奨する治療方針に基づき処方または投与される医薬品であること
・病院について
-がん診療連携拠点病院等
-日本臨床腫瘍学会認定研修施設
・一回あたりに給付金額について
-適応外薬は薬物治療を受けた時点の薬価基準に定められている薬価の2.5倍
-未承認薬は国内外の医薬品の価格の2.5倍
要は「何の科学的根拠もない怪しい薬を、怪しいクリニックなどで受けるような治療」はNGということ。
また、一回あたりの給付金額も「薬価の2.5倍まで」となっている。
これ、ちょっとわかりにくいので補足をしたい。
治療を行う場合には、抗がん剤(薬)そのものの価格もあるが、それに伴う入院費や医師、看護士のコストなどもかかる。
一旦、自由診療となると、これらのコストを全て「自費」となるので、それらを合わせるとかなりの高額になってしまう。
注:ちょっとした風邪で病院に行っても1,500円くらい取られるが、これも3割負担での話。医師と5分、10分話しをするだけで、実際には5,000円ほどかかっている計算で、医師のコストがいかに高いか分かるだろう。
これらの費用を「青天井」で出すわけにもいかないので、
「諸々の費用を合わせて薬価の2.5倍までね」
というルールを設けているのだろう。
参考コラム:国立がん研究センター 未承認薬を用いた場合の、患者さん自らが支払う医療費
さて、この特約。
内容としては、相当素晴らしい。
実際に自由診療を選択する場合、ここまで手厚い保障があればかなり心強い。
他社のがん保険でも最近、自由診療を意識したような特約が販売されているが、どれも「毎月20万円支払う」というようなものばかり。
自由診療などは数百万円、数千万円という単位であるので、正直なところ「焼け石に水」でしかない。
対して、本商品では「1億円まで」というのだから、これに入っていれば心置きなく自由診療に挑戦出来るだろう。
が、保険会社側からすると読めないので怖い。
どの程度利用されて、どの程度支払うのか?
何とも予測しにくいだろう。
そのため「5年更新」にしているのだと思う。
まずは、様子見で5年やってみて「予想以上に支払いが多いな・・・」と思えば、次回以降、特約保険料を上げる。
「まあ、予想の範囲だったな」と思えば、同じ水準を維持する。
そのようなコントロールが出来るように、わざと5年という短い期間で更新させているのだろう。
実際のところ、自由診療までやる方は多くはない。
だが、「やらない理由」は主に経済的な理由であり、やりたくても出来ない方の方が多い。
そのような方が、本商品に入っていれば気兼ねなく自由診療を行うことが出来る。
今回「1億円まで払う!!」という商品が出てきて、結果、どうなるかのか?
ビジネスとして成り立つなら他社も追随するだろうし、逆に5年後「とんでもない赤字」になって、特約保険料がバカ高くなるかもしれない。
このあたりも非常にチェレンジブルで、将来が楽しみである。
明治安田には是非、5年後に結果発表をしてもらいたい。
何人が使って、いくら支払って、結果、何人が助かったのか?
このあたりの数字が出てくると、保険と自由診療というテーマにおける有用なデータになるだろう。
この保険の弱点、こう考えろ!!(解決策)
がんの真のリスクにフォーカスした良い商品だと思う。
特に「特定自費診療がん薬物治療保障特約」については、仮に自由診療を選択せざるおえない状況になった場合、
この保険に生命を救ってもらった
というような可能性もある。
短期で治るがん → 一時金
長期療養のがん → がん薬物治療給付金 + がん治療充実終身保障特約
先進医療のがん → 先進医療特約
自費診療のがん → 特定自費診療がん薬物治療保障特約
このように、どのレベルのがんにも対応出来るようになっている。
なお、筆者の個人的な感想では「一時金はそこまで多くなくて良いのでは?」とも思う。
本商品は50歳以上の方が対象であり、年齢的に見ても、それなりに貯金はあるだろうから、50万円程度をもらったところで、「だから何?(もちろん嬉しいだろうが)」という感じでもある。
プランを作るなら、長期療養のがんや、先進、自費診療のがんなどの「ヤバいがん」に対応出来るようにしておき、「軽いがん」に対応する一時金などは少なめでも良いと思う。
参考コラム:抗がん剤治療特約は付けるべきか?
筆者の知る限り、自由診療などで高額の給付をしてくれるがん保険は少ない。
セコム損保のメディコムなどは自由診療などに対応しているが、その他の商品ではほとんどないように思う。
但し、冒頭でも書いたが保険料は高め。
また、強烈な売りは「自由診療 1億円」という部分しかなく、その他の一時金や、抗がん剤の毎月給付などは「他社にもよくある」ものである。
そんとあめ、自由診療に興味がないのであれば、他社のがん保険の方がおそらく安いだろう。
保険ショップなどに行って「一時金+抗がん剤で毎月給付されるタイプのがん保険を」と言えば、複数社の見積がすぐに出てくるので、それらと比較してみると良い。
口コミ・評判(契約者から)
・なし
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比較した方が良い商品
アフラック 生きるためのがん保険寄りそうDays ★★★★☆
編集後記