提供会社:明治安田生命
商品名:ベストスタイル健康キャッシュバック
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この保険の弱点はここだ!!
参考コラム:古い日本の保険会社が提供する「パッケージ型商品」総論
動画(音声)でも解説!!
「ベストスタイル健康キャッシュバック」は、最近流行りの「健康だと保険料が安くなる系」の商品。
毎年の健康診断結果を提出すると、その結果に応じて「キャッシュバック」を受けられるというもので、この分野で先行している住友生命の「vitality」を意識しているのだろう。
相当量のCMを流しているので、かなり力を入れている様子。
従来の保険は一度入ると、原則その保険料が続くが、この商品では
「健康であれば」
キャッシュバックが受けられて、実質的に保険料が下がる。
その点では新しい。
何より、自社の加入者の健康情報を取得できるので、明治安田クラスの保険会社がこれをやれば相当なビッグデータとなる。
「死んだらお金を払います」
というのが保険会社の基本ビジネスだが、これらのデータを元に
「より健康で長生きするには?」
というアプローチが出来るので、次のビジネス展開のきっかけとしても面白い。
弱点を見ていこう。
各社の総合保障(パッケージタイプ)の☆評価一覧は、コチラ
弱点1 ごった煮的な保障内容
筆者は国内生保の主力商品である「パッケージ型」には否定的である。
色々な保障が『ごった煮』のように入っており、複雑で分かりにくい。
例えば本商品では、以下のような3つの「似たような」特約がある。
1 生活サポート終身年金特約
2 介護サポート終身年金特約
3 給与・家計サポート特約
1は障害1級もしくは2級、要介護3以上の場合が対象で、加入時に設定した金額を一生涯受取れる。
例えば「年間180万円」という契約をしていれば、それが亡くなるまで保障されるということ。
これは、
不幸にも障害状態や介護状態になってしまったら・・・
というリスクに対応している。
2はその名の通り「介護状態(要介護3以上)」になった場合、一生涯の給付が受けられるのだが、こちらは「介護」に重きを置いているため、公的な介護保険制度の対象となる40歳以上が対象。
3は入院や在宅療養で「30日以上働けない状態」の時に、2年間を限度に給付が受けられる。
1と2は保障範囲も似ているのだが、1が「広範囲(障害+介護)」、2が「介護限定」となっており、このあたりもややこしい。
2の給与・家計サポートも「就労不能」に対応している保障のような印象だが、給付は2回(2年分)しか出ないので、完全な就労不能保険とは言い難かったり・・・
これらのことは、保険のプロである筆者も、約款と睨めっこしてようやく理解出来るような内容で、やはり「複雑」と言わざるを得ない。
素朴にそう思う。
弱点2 個々の特約が弱い
とにかく「何でも出来る」という商品構成で、死亡、入院、手術、就労不能、介護など、全てのリスクに対応した特約がズラッと並んでいる。
が、一つ一つが弱い。
イチイチ挙げるとキリがないが、ざっと以下のような感じ。
・介護系の特約をメインに据えているが、支払い条件が「要介護3以上」、しかし、他社の介護の商品では「要介護2以上」を支払い条件としている。
要介護2の方が3よりも「軽い」ので、その分、貰いやすい。と言える。
・重度疾病継続保障特約は「脳卒中」、「急性心筋梗塞」、「重度の糖尿病、高血圧性疾患、慢性膵炎」、「慢性腎不全」、「肝硬変」で
約款所定の条件
に当てはまった時に、一時金を支払う特約。
例えばこの特約を100万円付けておけば、それぞれの状況になった時に100万円を受け取れる。
しかし、約款を確認すると、そのハードルは結構高い。
例として急性心筋梗塞を挙げると「60日以上の労働制限」とある。つまり2か月間働けない状態のこと。
また、これらは「それぞれの病気で1回づつ」しか受け取ることができない。
急性心筋梗塞などは何度もおこす人も多いが、それでも「初回だけ」ということ。
対して、他社ではこのような保証を「医療保険の特約(オプション)」で用意している場合が多く、支払い条件は会社によって様々だが、一番条件が良いものでは
・入院もしくは手術をすること
というものもある。それだけ支払われやすい。ということ。
また回数に関しても、「初回だけ」ではなく、1年に1度を上限に何度でも。というようなところが多い。
などなど、総合パッケージゆえ、個々のパーツを他社の専門的な商品と比べるとどうしても「弱い」という感想になる。
しかし、全否定するつもりはなく「保障内容としてはそこそこ良い」ということは付け加えておきたい。
一つ一つの特約だけを見ると、「他社の方が良いところがある」となってしまうが、とはいえ「決定的に悪い」わけではない。
ざっと見ただけでも30以上の特約(オプション)が用意されているので、ニーズをくみとって
しっかり組み立てられれば
悪い商品ではない。
他社の「死亡」「医療」「介護」「就労不能」の全ての分野で専門的な商品を組み合わせれば、本商品より「良い保証」を作ることは可能だが、おそらく保険料も相当高くなる。
全体的にまんべんなく保障されていて、保険料もそこそこ(とは言え、安くはない。詳細は弱点4に後述)という感じ。
参考コラム:古い日本の保険会社が提供する「パッケージ型商品」総論
各社の総合保障(パッケージタイプ)の☆評価一覧は、コチラ
弱点3 セールスマンの力量による
前項で「しっかり組み立てられれば悪くはない」と言ったが、それを契約者側が自分の知識で行うのは不可能だろう。
似たような内容の特約が多く、それぞれの詳細も約款を見ないと分からない。
そのため、この商品を使って「自分に合った保険」を作れるかどうかはセールスマン(多くは女性の生保レディー)の力量によるところが大きい。
明治安田の営業マンは3万2,000人いるらしい。
もちろん、しっかりとした経験を積み、約款を読み込んでいる方も大勢いると思うが、「そうでない人」も大勢いるだろう。
率直なところ、この複雑な商品をちゃんと理解するのは簡単なことではない。
経験、知識ともに豊富な方に当たれば良いが、そうでない場合は何だか良く分からないオプションを色々付けられて、契約者どころか営業マン自身も「よく分かってない」という状況になることもある。
「相手に任せる」
という度量と信頼がないのであれば、もうちょっと分かりやすい商品を自分で選んだ方が良いのではないか?とも思う。
弱点4 割引が効いても高い
この商品の売りは「健康ならキャッシュバック」を受けられるということ。
提出した健康診断結果が良好であれば、最大1ヶ月分(健診の結果によって0.5ヶ月分、0.1ヶ月分になることもある)の保険料が明治安田の自分のアカウントに入金される。
つまるところ「保険料1か月分が帰ってくる」ということで、これは保険料の「8%割り引き」と同じことを意味する。
例を挙げて説明する。
たとえば保険料1万円の場合、年間の支払いは12か月分で12万円になる。
そこに1万円戻ってくれば11万円で済む。
本来の12万円のものが、11万円になるので、その割引率は
11万円 ÷ 12万円 = 91.6% → 8.4%の割引
となる計算。
では他社に比べて、本商品の保険料は安いのか?高いのか?
結論から言えば、「恐らく高い」、「割引をされても高い」という、何とも歯切れの悪い回答となる。
このようなパッケージ型の商品は他社比較が難しい。
色々な特約が付いているため、個々の保険料が把握しずらく、比較しようにも、それぞれの「パーツ」の金額が分からない。
また、「明治安田にしかない」というような保障もあり、例えば生活サポート終身年金特約などは
・障害1,2級、要介護3以上で、
・一生涯、年金が受け取れる
・保険料は10年更新
というもの。
他社で
・要介護2以上で、(要介護3以上より条件は良い)
・一生涯、年金が受け取れる
というような商品があるが、保険料は一定(終身型)で、10年更新のものはない。
完全に条件を揃えることが難しいので、保険料の高い安いも論じられないのである。
少々、いやらしい言い方だが、わざと複雑な保障を出して「比較されないように」しているのでは?とも思ってしまう。
とは言え、国内生保のパッケージ型商品は「総じて高い」というのが相場
本商品も
「10年更新の定期保険(死亡保障)」
だけは、明治安田のサイトのシミュレーションで、おおよその保険料の推測ができた。
その結果、
30歳 男性 1,000万円(10年更新)
という条件で、保険料が1,500円~1,900円/月くらいなのではないかと思う。
注:色々なパターンで保険料を算出してみて、その差額から推測。
対して、今、定期保険で一番安いメディケア生命の定期保険であれば同条件で977円/月。
1.5倍から2倍程度高い。
あくまで定期保険の部分だけの比較だが、単純な死亡保障だけでもこの差がある。
割引が効いたとしても、他社に比べると割高なのではないだろうか。
この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)
保障内容としては悪い商品ではないし、健康キャッシュバックというのも新しい取り組みとして面白いと感じる。
しかし、保障内容が複雑で、保険料も安くはない。
信頼出来る営業マンがいて「明治安田の〇〇さんに任せたい」もしくは「ずっと任せてきたので、新商品(今まで入っていた明治安田の商品を本商品に)切り替える」というような人であれば良いが、新規で入るのであれば、別にこの商品にこだわる必要はないのではないか?
死亡、医療、就労不能、介護など、それぞれの分野別に専門商品を比較検討した方が、自分に合った保障が選べて、保険料も安く済むだろう。
ただし、「親族が、友人が明治安田のセールスマンで断れない・・・」というようなケースもあるだろう。
保険を断る = 人間関係にヒビが入る
という難しい場合だ。
このような時には、覚悟して入るのも一つだと思う。
そのあたりの考え方は以下のコラムにまとめたので、ご参考までに。
「お付き合い保険」の断り方と「お付き合い保険」に入るメリット
比較した方がいい他社商品
死亡保障なら
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医療保障なら
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