提供会社:日本生命
商品名:収NEW1(入院継続時収入サポート保険)
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この保険の弱点はここだ!!
同社の看板商品である総合保障タイプの商品「みらいのカタチ」を形成する一つである医療保険「NEW in 1」を補足するためのオプション的な商品。
これ単体でどうこういうことではなく、全体のバランスの中でこの「パーツ」をどう位置付けるか?というところだろう。
商品の開発意図としては、
「長期入院リスク & プチ働けないリスク」
のカバーという感じ。
14日以上入院をすると、給付月額6か月分を受け取れる。
給付月額とは「10万円」とか「15万円」など、加入時に決めておくもので、これの6か月分なので、10万円なら60万円、15万円なら90万円ということになる。
まず、この商品を理解するには、昨今の入院事情を知る必要がある。
「14日以上」というのが一つのポイント。
現状の診療報酬制度では、14日以下の入院に点数が高くつき、入院が14日を超えると点数が低くなるようになっている。
端的に言えば「14日以内に患者を退院させる病院を評価しますよ」ということ。
そのため病院からすれば、患者をなるべく14日で出そうとする。
同じ1台のベットがあれば、14日周期で患者を回した方が効率良く稼げるからだ。
一昔前は1ヵ月程度の入院が当たり前だった「がん」ですら、最近では14日以内に退院し、以後は通院で、というところが増えている。
この観点から「14日以上の入院」というのは、病院からしても
「金どうこうという話ではなく、この患者は14日では外に出せない」
と判断したことになり、要は「結構重い病気、怪我」ということになる。
当然、14日を超えて1ヵ月、2ヵ月の入院を要することもあるし、仮に退院出来たとしても「すぐに社会復帰」とはいかないことが多い。
場合によっては、脳系の病気などで後遺障害が残ってしまうこともあるだろう。
このような場面で、本商品ではまとまったお金を手にすることが出来るので、ありがたいと言える。
販売の現場でも「長期入院や働けない時に役にたつ」という説明がされているようだ。
「14日以上入院すれば6ヵ月分」というのは非常に分かりやすいし、実際に助かる場面も多いだろうから、その点は評価できる。
反面、後述する「弱点1」で述べるように「就業不能」にはとても対応できるようなものではなく、
「本当にピンチに対しては内容が薄い」
という気もする。
帯に短し、タスキに長し、という感じ。
そのため2つ星評価とした。
以上、商品概要。
では、弱点。
弱点1 本当の「働けない(就業不能)」には対応出来ない
本商品は「14日以上の入院」を条件に6か月分の給付月額が受け取れるのだが、あくまで入院が条件。
そのため、14日以下の入退院を繰り返す、長期の自宅療養、長期の就業不能などでは給付月額を受け取ることが出来ない。
大きな病気や怪我などをした場合、初回こそ「14日以上の入院」をすることが多いので、本商品からの給付月額を受け取ることが出来るかもしれないが、2回目以降は「再び14日以上の入院」をする必要になり、これは相当ハードルが高い。
例えば、就業不能の原因として一番多い「がん」
外科的手術でがんを取りきれず、毎月の抗がん剤治療で「がん細胞を叩く」というような長期戦になった場合、1回あたりの入院は1週間程度であることが多いので、本商品は対象とならない。
現状の保険診療点数の制度上、そもそも「14日以上の入院をさせてくれる」ということは、かなり重い病気や怪我であることは既に述べたが、それが「半年以内」に治る保障はなく、それ以上の治療や、一生涯その病気と付き合っていかないといけない、というような可能性もある。
そのような場面で、本商品は「1回だけ数十万円を払った」だけで終わってしまうので、「本当のピンチ」には役に立たないのでは?とも思う。
例えば、初回14日以上入院で、一時金ゲット。再び半年後に14日以上の入院で一時金ゲット。というような「スーパーラッキー」な事態が起これば継続的に給付金を受け取れるが、実際にはなかなか難しいだろう。
それくらい14日以上の入院というのは、意外とハードルが高い。
弱点2 支払い対象外が意外と多い
弱点というよりは、注意喚起情報。
本商品の約款 P121(リンク)を見ると、「支払い出来ない場合」として、以下が列挙されている。
1 保険契約者または被保険者の故意または重大な過失
2 被保険者の犯罪行為
3 被保険者の精神障害の状態を原因とする事故
4 被保険者の泥酔の状態を原因とする事故
5 被保険者が法令に定める運転資格を持たないで運転している間に生じた事故
6 被保険者が法令に定める酒気帯び運転またはこれに相当する運転をしている間に生じた事故
7 被保険者の薬物依存
8 頸部症候群(いわゆる「むちうち症」)または腰痛でいずれも他覚所見のないもの(原因の如何を問わず。)
「意外と色々あるね」という感じ。
犯罪行為、泥酔、無免許運転、薬物依存などなど「まあ、それは対象外でも仕方ないよな」というものがほとんどだが、8の「むちうち」はちょっと気になる。
貰い事故等で、むちうちになってしまうことはあり得ることであり、それを「認めない」というのは、かわいそうな気もしてしまう。
実際問題として「むちうちで14日以上入院」することはほとんどないだろうが、稀に本人しか分からない違和感が長期間継続することもなくはない。
一昔前は、反社会的勢力の人間が「むちうちで長期入院して、病院で寝ながら入院給付金をせしめる」というような詐欺が多く、おそらくはそれらの悪用を許さないための処置だろうが、「本当に辛い」というようなケースの支払も拒否してしまうことになるので、「なんか揉めそうな一文だな」という印象を持つ。
この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)
14日以上入院するような病気や怪我は、実際に我が身に起こるかなり大変なので、そのような時に一時金を受け取れる本商品は「ないよりはあった方が良い」とは思う。
だが「本質的に必要か?」と言われると微妙。
確かに6か月分の一時金は嬉しいが、かりに1,2ヵ月程度で社会復帰できるのであれば「過剰」だし、先に述べたように半年、1年の「働けない」が続くのであれば「過少」
「帯に短しタスキに長し」という感じで、中途半端な印象。
予算があるなら付けておいても良いけど、無理してつけなくても良いのでは?
むしろ「長期に働けないリスク」について真正面から考え、専用の就業不能保険などに入っておいて方が良い。(後述「比較検討した方が良い商品一覧」を参照のこと)
こんな感じか・・・
口コミ・評判(販売側から)
なし
謝礼Amazonギフトカード300円!! アナタの口コミ教えて下さい!!
保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。
口コミ・評判(契約者から)
なし
比較した方が良い商品
T&Dフィナンシャル生命 働くあなたにやさしい保険2 ★★★☆☆
編集後記: