提供会社:ニッセイ・ウィルス生命
商品名:年金新時代:熊本銀行、十八親和銀行、百五銀行、福岡銀行
みらいの気持ち2:みずほ銀行
悠々時間 アドバンス2plus:足利、伊予、北九州、きらぼし、静岡、中国、西日本シティ、百十四、北陽、北海道、もみじ、山口銀行、他
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この保険の弱点はここだ!!
日本生命グループにて、銀行窓口販売用の商品の企画・販売を手掛けるニッセイ・ウィルス生命。
本商品は同社から販売されている一時払年金商品の中でも「低解約型」という分野に分類される商品。
内容はシンプルで、一時金で預けたお金を「円」、「米ドル」、「豪ドル」を一定の利率で運用していき、満期を迎えたらそれを「一時金」か「年金」かで受け取るというもの。
利率は「選択した通貨」と「預けたタイミング」、「年齢(84歳まで or 85歳以上)」で変わり、本稿を書いている2022年11月時点では以下のようになっている。
円建:据置期間 20年 0.99%
米ドル:据置期間 3年 3.45%から10年 3.97%まで(期間が長くなるほど利率は上がる)
豪ドル:据置期間 3年 2.86%から10年 3.78%まで(期間が長くなるほど利率は上がる)
なお、商品の内容は全く同じだが、販売されている金融期間ごとに商品名が異なっている。
当サイトで把握しているのは、以下の通り。
年金新時代:熊本銀行、十八親和銀行、百五銀行、福岡銀行
みらいの気持ち2:みずほ銀行
悠々時間 アドバンス2plus:足利、伊予、北九州、きらぼし、静岡、中国、西日本シティ、百十四、北陽、北海道、もみじ、山口銀行
ある程度まとまった販売数が見込めるみずほ銀行のみ「みらいの気持ち2」という名称を与え、年金新時代と悠々時間アドバンスp2lusの2つのブランドは地方銀行がシェアしているような形となっている。
本商品の特徴としては、冒頭でも述べた通り
低解約型があること
なのだが、一時払の商品での低解約型というのは珍しい。
本商品には死亡給付金100%型と70%型がある。
この2つに触れる前に、まずは「普通はどうなのか?」という点について解説したい。
この手の一時払系の年金商品は、お金を預けた後に死亡した場合
死亡保険金 = 解約返戻金 or 預けたお金 どちらか多い方
であることが多い。
例えば1,000万円を預けて、米ドルに1ドル130円で監禁した場合、76,923ドルになる。
これが3%で運用されていたとしよう。
3年後には84,055ドルになっているが、この時点で契約者が死亡した。
このケースであれば、死亡保険金は84,055ドルとなる。
これを米ドルで受け取ることも可能だし、円換算で受け取ることも出来る。
その場合、円のレートによって、以下のような金額になる。
1ドル 120円 1,008万円
1ドル 130円 1,093万円
1ドル 140円 1,176万円
これが「よくある一時払年金」の死亡保険金のルール。
だが、本商品では死亡保険金を100%か70%のどちからを選ぶ形になっている。
先の例で言えば、1,000万円を1ドル130円で預けて76,923ドルなので、
100%で76,923ドル、70%で53,841ドルとなる。
運用の途中で死亡した場合、本来であえば運用益が上乗せされているはずなのだが、100%の場合でもそれらは受け取れず、元本分しか戻ってこない。
その点では100%であっても、「低解約型」と言える。
更に70%であれば、死亡保険金そのものは預けた元本の7割しかないので、大きく損をする可能性が高い。
これが低解約型。
しかし、このようなデメリットがある反面、無事満期を迎えれば「低解約型でない場合」に比べて大きく増える。
これがメリットとなる。
参考コラム:低解約返戻金型とは何か?契約者、保険会社双方のメリットとは?
以上、商品概要。
では弱点。
弱点1 高齢者同士のギャンブルのようなもの
死亡時に保険金が「少なくなる」低解約型は、反面、満期まで生きていれば返戻金が増える。
つまりこれは、
早期に死亡し、保険金で損をした人(主に70%の方)の分を、生き残った人たちに分配している
ということだろう。
長生きすれば勝ち、早く死ねば負けということ。
本商品のターゲットは主に高齢者だと思うが、言ってみれば高齢者同士が自分の命をネタにギャンブルをしているようなものとも言える。
早く死んだAさんが損した分(30%)を、長生きしたBさん、Cさん、Dさんで分ける。
それが返戻金に反映されるということ。
だが、パンフレットや設計書(設計書をご提供頂きましたCさんありがとうございます!!)を見る限り
「そこまでは増えないな」
という印象で、70%型でも通常の一時払年金の返戻率より多少良い程度。
であるならば、死亡した時に損をするようなリスクを抱える低解約型でなくても良いのでは?とも思う。
弱点2 解約時の返戻金が死亡保険金額が上限
本商品では、途中の解約時の返戻金については
一時払保険料を上限とする
と決まっている。
これは、運用で増えた分や、市場調整価格で増えた分なども保険会社の没収されてしまうということ。
例を見てみよう。
先ほどのように1,000万円を130ドルで変換し、76,923ドルとして、年3%で運用した場合、毎年の運用益が上乗せされていく。
また、途中で解約した場合、市場調整価格というものがあり、これは損をすることもあれば得をすることもあるのだが(詳細は以下コラム参照)これで得をした場合でも、その分は受け取れない。
参考コラム:市場価格調整とは?
返戻金の最高金額は76,923ドルまでとなっている。
逆に市場調整価格で損をしたり、解約時のペナルティである解約控除で削られたりすれば、その時は「減額後の金額」しか受け取れない。
契約者に随分不利だな。とは思う。
弱点3 市場調整価格、解約控除について理解しておくこと
別に弱点ではないし、一時払系の商品にはほとんどこれがあるが、解約時には市場調整価格と、解約控除の2つがある。
死亡した場合や、満期まで契約を保持した際には関係のない話だが、途中解約時にはこれら「違約金」のようなものが発生するので、しっかりと理解しておくこと。
市場調整価格がマイナスに振れ、更にそこに解約控除もダブルでかかると、意外と「痛い目」に合うこともある。
あまり舐めてかからないほうが良いし、いざ解約した時に「聞いてない」などと文句を言っても、取り合ってはくれないので注意すること。
参考コラム:市場価格調整とは?
参考コラム:解約控除とは何か?
この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)
まあ、やめておいた方が良いと思う。
「死亡時に保険金が減る」というデメリットがある低解約型を選ぶ「対価」は「満期時の返戻金が増える」というものだが、メリットとデメリットのバランスが悪い。
本商品は主に高齢者をターゲットにしているが、率直に言って65歳を超えたら、いつ死ぬかなんて分からない。
健康な人でもいきなり大病をして、あっという間に死んでしまうこともあり、人の運命など分からないのだ。
そのような時に「ああ、俺が死んだら保険金70%かぁ・・・」などど思うのも癪に障るし、そのストレスの方が悪い。
そもそも良い歳して、欲をかいても仕方がないではないか?
やるなら、普通の一時払年金にしておきなさい。という感じ。
なお、同社にはアットウィルという「低解約型でない」定率運用の一時払年金もあるので、やるならそちらの方が良いと思う。
口コミ・評判(販売側から)
なし
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口コミ・評判(契約者から)
なし
比較した方が良い商品
かなり特殊な商品なので、類似したものはない。
しかし「普通」の利率固定型の方が良いと考える。
編集後記: