提供会社:オリックス生命
商品名:養老保険
基本商品の競争力
隠れた名品。(だが新規契約は受け付けていない。詳細は文中参照)
但し、あくまで「円建の養老保険」という限られた分野での話ではある。
基本的には法人向けである。
養老保険を使った「福利厚生プラン」というものがあり、過去、オリックスでその制度を導入した企業が「追加契約」をするために「仕方なく」用意している商品。
オリックスの関係者に聞いても「本当はやめたいのですが、そういうわけにもいかない」とのこと。
福利厚生プランとは「全社員(入社3年目以降、などの条件を付けることが多い)」が保険に入ることで、それを会社の福利厚生(会社が保険を提供する)の一部とするもの。
福利厚生なので、保険料の1/2が損金として処理出来る。
しかも、支払った保険料は貯まっていて、10~15年後くらいの返戻率は、おおよそ「100%」を超える。
企業からすれば、保険料の1/2を損金にすることで、利益を圧縮し、法人税を減らすことが出来きて、しかもお金も貯まっているので、いざという時の内部留保として期待出来る。
さらに「オマケ」で社員の死亡時の保障にもなるので、一昔前は、このプランをやっている企業は多かった。
で、オリックスの養老はその頃から「返戻率が良い」と評判だったので、引き続き、これを継続している企業では追加のニーズがある。
新入社員が入ってきて、保険の加入資格(入社3年目以降など)を満たした場合、この保険に入れないといけないからだ。
そのため、オリックスも追加用に養老保険を用意しておかないといけない、という事情。
そもそも養老保険など、この低金利化では保険会社に何のメリットもない。
預かった保険料で国債を買っているような商品なので、基本的には保険会社はその「利ザヤ」を抜くというビジネスモデルなのだが、この低金利では利ザヤを抜きようもなく。
一昔前(アベノミクス前)には、まだ「抜けた」のだが、今はもう無理。
そのため、昔売ったお客様向けに、利益なしで提供し続けている。
保険会社としては辛いところだが、まあ、金融機関である以上、ケツをまくるわけにもいかん、というところだろう。
このような事情から、昔、福利厚生プランを提供していた保険会社は、未だに養老保険を提供しているのだが、その中でもオリックスはかなり頑張っている。
筆者の知る限り、返戻率は一番高い。
「他もボチボチやってるんだから、オリックスも下げれば良いじゃん」
とは思うのだが、どんな矜持があるのが知らないが、今でもわりと良い返戻率を維持している。
ということで、星3つ。
別の商品自体が良いわけでもなく、法人が今から福利厚生プランを導入するのなら、ジブラルタが提供している「ドル養老」や、もしくはソニー、あんしん、メットライフあたりが提供している「変額養老」などを使った方が絶対が良いが、それでも、他社の養老保険と比べれば
良い
と言わざるをえない。
オリックスの意地を評価した。
ただし、本商品は現在では新規の契約は引き受けておらず、「過去にオリックスで養老保険に入っている法人だけ」を対象にしている。
要はメンテナンス用として続けている商品。
弱点1 返戻率低く、中高年で元本割れ
昔の養老と言えば、「10年間で95万円支払って100万円返ってくる」というようなものがスタンダードだったが、現在では中高年以降では元本割れする。
「105万円支払って、100万円戻ってくる。」そんな感じ(なお、「99万円支払って100万円」という感じではあるものの、若い年齢層ではまだ元本割れはしない)
だが、これは仕方がない。
先にも述べたように養老保険は貯蓄型の保険で、そのほとんども国債で行っている。
現在の国債の利回りは0.2%前後。
100万円預けて、年間2,000円しか増えない。
こんな状況では、契約者から保険料を預かったところで、運用のしようもない。
しかも、一応は保険なのだから、契約者が亡くなれば保険金を支払う。
極端な話、入った翌日に死亡すれば保険会社は大損だ。
・養老保険は支払った保険料のほとんどが将来返ってくる保険
・しかし、増やす方法もない・・・・
・それなのに、死亡時には保険金を払わないといけない
こんな逆風の中では、将来の返戻率を下げるしかない。
という事で、死亡率が高くなる40代くらいからは、支払った保険料より、解約返戻金の方が少なくなってしまうのである。
運用益では純粋な保障コストが賄えない、ということ。
だが、それでもオリックスはまだ「マシ」な方。
参考コラム:
払込免除特約について悩まれている方は・・・
『保険に「払込免除特約」は必要か?』
をご覧いただきたい。
比較した方が良い他社商品は?
現状、おそらく返礼率は一番良い。
比較する、というより、もし円建養老での福利厚生プランを継続しているなら、そもそもそれを見直した方が良い。
ドル建養老や、変額養老などに変更した方が、今後のことを考えると良い気もする。
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編集後記
約款