提供会社:PGF生命
商品名:終身保険NEO
終身保険PG
PGF終身保険<円建・平準払>
ページコンテンツ
この商品の弱点はここだ!!
PGF生命は、正式名称を「プルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命」と言い、米国プルデンシャル生命のグループ会社。
あまりに会社名が長いのでPGFと略している。
主に銀行窓口用の商品を企画・販売している。
本商品は扱っている金融機関によって、以下のように名前が異なっているが、基本的な中身はほとんど同じ。
終身保険NEO
三菱UFJ銀行
終身保険FG
足利銀行、群馬銀行、十六銀行、新生銀行、南都銀行、広島銀行
北國銀行、三重銀行、琉球銀行、SMBC信託銀行、三井住友信託銀行
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
PGF終身保険
野村証券
本商品は極めてスタンダードな日本円建ての終身保険の「基本タイプ」と、そこに介護の保障をセットにした「介護タイプ」の2種類がある。
注:野村証券で扱っている「PGF終身保険」のみ基本タイプだけの提供(介護タイプがない)
基本タイプ 死亡時 or 高度障害時に支払対象
介護タイプ 死亡時 or 高度障害時 or 介護時に支払対象
介護での保険金支払に関しては、以下の2つの条件の「どちらか」に該当することが必要
1 要介護2以上の認定
2 PGF生命所定の介護状態
2の「PGF生命所定の」というものに関しては、歩行、寝返り、入浴、排泄、食事、着替えなどの項目の中から、「これが出来ない」、「これは介助が必要」などと一つずつ判定をしていき、それらの総合点で「介護状態か否か」を判断する方法。
しかし、2の条件はかなりハードルが高く、これに該当するなら、
とっくに要介護2に認定されているのでは?
という感じ。
実際のところ「要介護2以上」だと思っておいて良い。
また介護の保険金に関しては、死亡時の保険金を100として、そのうち何%を支払うか?という設定が可能になっている。
選択肢は10%、30%、50%、100%の4つ。
例えば保険金が1,000万円で50%を選択していた場合、先の介護の条件に該当すれば500万円(50%)を払い、残りの50%は死亡時に払うという仕組み。
このパーセンテージが上がれば上がるほど、保険料は高くなる。
その理由は支払うタイミング。
「死亡時」より「介護」の方が手前で保険金を支払う可能性が高い。
平均寿命(死亡のタイミング)より、平均介護開始年齢(要介護2以上)になる方が若いからだ。
今、日本人の平均寿命は男性82歳、女性87歳だが、要介護2になる平均年齢は諸々のデータを見ると(はっきりしたデータはないので、色々なデータを見た上での筆者の感覚)、男性75歳、女性80歳くらい。
つまり保険会社からすれば、死亡より介護の方が「5年くらい早く支払う可能性がある」ということになる。
言い換えれば、運用出来る時間が「5年短い」ということ。
保険会社は契約者に一定の金額を積み立ててもらって、それを運用し
「いつかその時(死亡や介護)が来るまで」
に、当初約束した保険金を用意する。
例えば、10年後に1,000万円のお金(保険金)を用意しようとした場合、運用利回りが1%だとすると、906万円の原資があれば、10年後に1,000万円にすることが出来る。
しかし、これが「5年短い」場合、運用期間は5年間しかない。
そうなると同じ条件(年1%)であれば、952万円の原資が必要となる。
つまり契約者からすれば、約46万円ほど「多めに」積み立てないといけないのである。
以上の説明は、あくまで仮定の話ではあるものの、
介護の保障が付く
↓
その分運用期間が短くなる
↓
それは契約者が積み立てないといけないお金が増えることを意味する
↓
その分、保険料は高くなる
このような図式が成り立つわけだ。
だからこそ、介護の割合を増やせば増やすほど保険料は高くなる。
以上のことから、本商品の保険料には以下のような法則がある。
保険料 安 ⇔ 保険料 高
基本プラン<介護10%<介護30%<介護50%<介護100%
さて、本商品は主に金融機関の窓口で販売されていることを冒頭で述べたが、そもそも銀行の窓口で保険の相談をするのは高齢者が多い。
若い人なら、ネットや保険ショップなどに行ってしまうので、銀行で相談する人は少ないからだ。
そのため、本商品にも「高齢者受け」しそうな介護が付いている。
介護は心配・・・だけど、そのために介護の保険に入るのももったいない・・・・
そんなことを思っている高齢者が多いのだが、本商品であれば「基本的には終身保険」なので、いつかは死亡した時に保険金が受け取れる。
しかし、もし手前で介護状態になった時には、その時には介護保険金も受け取れるため、
介護になっても貰える(死亡保険金)
介護にならなくても貰える(介護保険金○○%+死亡保険金)
ということで、損がないように感じるのである。
銀行の窓口でそのようなことを言われた人も多いかもしれない。
だが、そこには少々誤解もある。
そのあたりを弱点(デメリット)で解説していきたい。
弱点1 「介護」のコストは上乗せで払っている
本商品は保険料などの情報がパンフレットに載っておらず、銀行の窓口にいかないと分からない。
しかし筆者も、保険料を調査するためだけに銀行に行くほど暇ではないし、本商品に入る気は一切ないので、そんな客に対して窓口の職員の時間を割くのも気の毒だ。
そこで、ここではあくまで「イメージ」でお話をしたい。が、多分そこまで大きくは外れていないだろう。
「Aさん 50歳 男性」がこの保険に入る場合を想定してみよう。
その場合、各プランによって保険料は以下のようになる。
基本プラン 1,000万円(死亡、高度障害) 55,500円/月(65歳払込)
介護プラン30% 1,000万円(死亡、高度障害、介護)58,000円/月(65歳払込)
注:あくまでイメージ。実際の保険料はご自身で確認を
基本プランは55,500円を50歳から65歳までトータル999万円払うことになる。
これで1,000万円の死亡保障が一生涯続く。
対して、介護プランではトータル1,044万円を払う計算で、保険金1,000万円を超えてしまっている。
999万円と1,044万円。そのさがは45万円だが、これが「介護」のために払っているお金だ。
介護になった時に300万円(1,000万円の30%)を受け取るためのコストとして45万円を払っている。と考えれば分かりやすい。
なお、両プランとも介護にならずに死亡すれば、受け取れるのは「同じ1,000万円」なので、その場合、この45万円は「掛け捨てしていた」ということになる。
ここで重要なのは、
介護の時に「手前」で300万円を貰うためのコストとして45万円は妥当なのか?
ということ。
筆者は「必要ない」と考える。
もし介護になって、お金が必要なのであれば、終身保険を一部解約して解約返戻金を受け取れば良い。
例えば75歳くらいで要介護2程度に相当したとしよう。
75歳くらいまで行けば、基本プランの終身保険でも解約返戻金は90%台までは立ち上がっているはずだ。
先程の保険料比較で見て頂いた通り、基本プランではトータルで999万円と、保険金1,000万円のほとんどを自分で払う計算。
ここで積み立てた999万円のうち、解約をすれば少なくとも940、950万円くらいは戻ってくる。
であれば、それを使えば良い話。
介護時30%とか、50%とか、良くわからない設定をしなくても、
「自分の判断で解約して、好きなだけ使えば良い」
ということ。
いざとなれば返戻金を利用すれば良いのだから、本商品の場合、基本プランで十分で、介護プランで「余計なお金」を払う必然はないと考える。
弱点2 そもそも加入する必要があるか?
「介護タイプ、必要なし」という点を理解頂いた上で、もう一歩、この商品に踏み込みたい。
保険料の話に戻るが、先の例で、50歳男性の場合、1,000万円の保険金で999万円を積み立てていた。
なお、繰り返すが、本商品の保険料は正確には分からない。
しかし、筆者が同種の他社商品を見た感じでは、保険料はこれくらいだと思って間違いない。
999万円で、1,000万円の保険金。
これ意味あるか?
という話。
もちろん50歳で入って、65歳までに死亡すれば1,000万円の保険金が受け取れるので、全く意味がないものでもない。
しかし、老後のことを考えれば999万円を払って、保険金1,000万円というのは、あまりに効率が悪い。
さらにこそに「介護のための追加費用」を払うのが、いかにバカらしいかは前項で説明した通り。
なお、「999万円を支払って1,000万円」という現象は、何もこの商品だけに限ったことではない。
オリックス生命など、いくつかの「まだマシ」という会社があるだけで、ほとんどの保険会社が似たような感じ。
背景にはアベノミクス・日銀の異次元緩和がある。
ジャブジャブにお金を発行し、2%の物価上昇を狙ったが、その弊害として「超低金利」となってしまった。
保険会社の運用は実質的には国債に限られているので、この超低金利は致命傷。
国債の利回りも年0.02%とかそんなものなので、保険会社も
「お金預かっても増やせないよ・・・」
という状態なのである。
そのため保険金1,000万円を得るために999万円を積み立てて下さい。などという馬鹿げた状態になっている。
そういう意味では、今は円建ての終身保険に入るタイミングではない。
保険金非課税枠のためや、何かの理由で死亡保障が欲しいなど「どうしてもやらないといけない理由がある」ということでなければ、筆者としては「やめておいた方が良い」と思う。
弱点3 低解約返戻金型がない
終身保険には低解約返戻金型という商品がある。
このタイプは「保険料を支払っている間の解約返戻金が低く抑えられている」という特徴があり、つまり途中で解約をすると大損をしてしまう。
しかし、その分、ある一定期間をすぎると一気に返戻金が上がる。
一般的にこのタイプの方が、普通の終身保険より返戻金が高くなる。
今、終身保険に入るなら、「まだ」低解約型の方が良い。
本商品にはこのようなタイプは用意されていないので、他社の「低解約返戻金型」の方が良いかもしれない。
弱点4 窓口で入る必要があるか?
そもそも論で申し訳ないが、終身保険は契約期間も長い商品で、主に老後のために入るようなもの。
それを銀行の窓口で入る必要があるだろうか?
銀行窓口で保険に入る大きなデメリットが、担当者がコロコロ変わってしまうということで、長くても3年、早いと半年程度で交代してしまう。
それで息の長い終身保険をしっかりメンテナンスしていけるのだろうか?
また、銀行の窓口には「保険会社から来ている人間」も多く配属されている。
結局のところ銀行員は保険のことは分からないので、各保険会社に「人出し(営業マンの派遣)」を依頼し、各保険会社はそれに応え自社で教育した営業マンを出向させる。
大手家電量販店(ビックカメラなど)の売り場に、各メーカーから派遣された販売員が立っていることがあるが、あれと同じ。
そのような販売員は、一見公平に商品を紹介してくれるように見えて、どこかで自社の商品を売り込む。
これと同じようなことは銀行窓販でも発生している。
派遣元の商品を販売した方が評価されるので、どうしても出身保険会社の商品を勧めてしまうのだ。(まあ、気持ちは分かる)
これも本商品(ならびにPGF生命)だけの問題ではないが、銀行窓販の構造的な問題である。
長期的なフォローが期待出来ない
どこまで公平なのか微妙(もちろん人にもよるが)
このような観点から、筆者は銀行窓口で保険に入るべきではないと思っている。
基本商品の競争力
・一生涯の障の死亡保障。更に介護の保障を付加することも可能。
・介護の保険金は、全体の保険金の10、30、50、100%から選択可能。
・払込期間は、終身払、短期払から選択できる。
短期払は、10~30年(5年刻み)、55~85歳(5年刻み)
・保険金額は、200万円~7億円(10万単位)で選択可能
・「介護タイプ」の保障は、要介護2以上または所定の介護状態が180日以上継続に該当した場合、介護保険金額受け取れる。
介護保険金の支払事由に該当した場合、以後の保険料は免除される。
特約(オプション)について
付加できる特約は多数、ただし、セットする必要性が高いものは見当たらない。
保険料払込免除特約(Ⅰ型)
疾病障害による保険料払込免除特約
災害死亡給付特約
リビングニーズ特約(無料)
介護前払特約(無料)
保険金等の支払方法の選択に関する特約(無料)