この保険の弱点はここだ!ニッセイウェルス生命「ニッセイ・ウェルス終身医療保険」

提供会社:ニッセイ・ウェルス生命

商品名:ニッセイ・ウェルス終身医療保険(野村證券)
終身保険プレミアム医療プラス(東海東京証券)
富士のまもり(静岡銀行、山梨中央銀行)
みらいのまもり(きらぼし銀行、熊本銀行、富山銀行、名古屋銀行、福岡銀行、他)

この保険の弱点はここだ!!

何か不思議な商品だな。

という印象。

一時払で預けたお金を「円のまま」もしくは「米ドル」、「豪ドル」のどれかにして、ニッセイウェルスはそれを運用していく。

通常、運用にはリターンがあり、それは利率や利回りという形で表現される。

例えば1%であれば、1,000万円に毎年10万円(1%)ずつ増えていくということ。

だが、本商品ではそのリターンが「お金」ではなく「医療保障」となっている。

要は「預けたお金から得られる金利」を保険料として「医療保険に入っている」ようなイメージ。

医療保険としては、ごくごくスタンダードなもので、内容は以下の通り。

・入院日額(病気や怪我で入院1日あたりいくら、という形で受け取れる)
・手術給付金(手術を受けた場合、入院日額の10倍)
・放射線医療給付金(放射線治療を受けた場合、入院日額の10倍)
・1回の入院60日型、120日型を選択

この「入院日額」や「60日型 or 120日型」は預ける金額や通貨によって変わってくる。

パンフレットを見る限り、円建で預ける最低金額の500万円の場合、入院した時の保障は入院1日1,000円程度のようだ。

これがドルになると、円よりは利率が良いので、医療保険の内容も手厚くなる(1日30ドル:3500円など)

なお、この医療保険には「健康給付金」というお小遣いが付いていて、3年間入院をしなければ入院日額の10倍が受け取れる。

1日1,000円であれば1万円ということ。

また、仮にこの期間中に入院していたとしても、その時に受け取った給付金が「10日分以下」であれば、その差額は貰える仕組み。

言ってみれば、入院してもしなくても「10日分」のお小遣いは必ず貰えるということ。

以上、商品概要。

では弱点。




弱点1 運用益を保険料に医療保険に入っているだけ

何度も述べてきた通り本商品の「オマケ」は医療保険だが、別に無料でついてくるわけではない。

実際には預けたお金の運用益が、そのまま保険料として充当されているだけ。

だったらその運用益を貰って、自分で医療保険に入れば良くない?

それが筆者の感想。

本商品で提供される医療保険は極めてシンプルなもので、がん、脳梗塞、急性心筋梗塞などに関するオプションなどは何もない。

であるならば、一時払に使う保険料を別の商品に預けて、そこから得られるお金で自分で好きな医療保険に入った方が良いだろう。

特に外貨の場合、年3,4%程度のリターンが得られるので、例えば1,000万円預けた場合、年、30万、40万円のリターンがある(為替リスクは考慮していない)

それが全て医療保険(しかもそれほど内容の良いものではない)に消えてしまうのは勿体ないかな?とも思う。

弱点2 途中解約厳禁!!

本商品、初期契約時に6%(ドルの場合、円は3%)の手数料が取られる上、11年以内の解約は80%しか戻って来ない。

更に11年経過後も1%づつしか返戻金が増えず(11年経過直後に81%ということ)、元本を回復するまでに30年もかかる。

金融商品として見れば「最悪」である。

仮に入るなら「絶対解約しない」と決めないといけない。

途中、想定外に長生きして老後の生活費が足らなくなった、家のリフォームをしないといけなくなった、などなど高齢者には不測の事態が多い。

それらも加味した上で

「この程度の金額なら途中で解約することは100%ない」

という確信を持てないならやめておいた方が良い。




弱点3 告知がある

本商品では極めて簡単ではあるが告知がある。

1 3ヶ月以内に医師より入院、手術、検査を勧められたか?

2 過去5年以内にがん、心臓、脳系の病気になっていない

そこまで厳しいハードルではないものの、高齢者だとひっかるかる人も結構いるだろう。

特に心筋梗塞やがんなどは一度くらいやっている人も多いので、そのような人は入れない。

他社の外貨建一時払商品は「保険金の非課税枠」の利用を目的としているため「告知なし」のものが多い。

保険金非課税枠については、以下コラムを参照して頂きたい。

参考コラム:保険金の非課税枠とは?使用する保険商品の流行り廃り

誰でも入れるわけではない。という点では他社商品より自由度が低い。

まあ、オマケとして医療保険があるため、「誰かれ構わず入れる」わけにはいかないのだろう。

弱点4 証券会社から医療保険に入る必然性・・・

元も子もないことを言うが、本商品を販売している窓口は証券会社が多い。

証券会社で医療保険に入る。

焼き肉屋でトンカツを頼む的な不自然さがある。

実際に入院して証券会社の人間に連絡しても「はあ」という感じで、保険会社のサポートセンターの電話番号を伝えられるだけだ。

餅屋は餅屋。

実際に入院した時の社会保険的な手続きや、各病気の治療法、経緯などは絶対的に保険屋の方が詳しいし、役に立つ。

本商品の目的である「医療保険」が欲しいなら、証券会社を通さず、ちゃんとした保険屋から契約した方が良い。

この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)

まあ、一つ星評価という点からもやめておいた方が良いだろう。

本商品に入るような方は、高齢者が多く、目的としては

・少しでも増やしたい

・保険金非課税枠を利用したい

というような感じではないか?

保険金非課税枠の利用に関してはも「本商品でも出来る」が、増えるという点については絶望的。

医療保険というオマケが付くものの、特典としてはちょっと弱いかな?という感じ。

そもそも論になるが、本商品にお金を預けるような方々は富裕層なのだろうから、別に医療保険なんてなくても良いだろう。

入院して1日、1,000円とか3,000円程度貰ったところで仕方がない。

何だかよく分からいもの(医療保障)に釣られて、解約出来ないものにお金を預けるより、シンプルに一定の率で増えるような保険(終身保険など)の方が良いと思うが・・・・




口コミ・評判(販売側から)

販売担当者様より

医療保険というのは、何故か欲しがる人が多くて「お金を預けるだけで一生涯の医療保険がついてくる」と言うと、意外と食いつきが良い。
特に全く運用などせずに、ずっと普通預金に数千万円入れっぱなしというような方は、保険金非課税枠を絡めて「保険に変えるだけで医療保険が」という話と、「3年ごとにお小遣い」という話に興味を持って貰える。この分析でもあるように、実際には「金利」を「保険料」に使っているだけで、経済合理性としてはお金で受け取った方が良いと思うのだが、高齢者にとっては目先の利回りより、体調を崩した時に役に立つ医療保険の方が良いのかもしれない。プロの目から見れば「何だこれ?」という感じなのは分かるが、現場では意外と売れているし、何より「お金を定期預金しておいても何のメリットはない」ことは事実で、それを保険に預けなおすだけで、医療保険というオマケがついて、ご本人が喜んでいるのであれば、それはそれで良いのでは?と思う。

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保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。

口コミ・評判(契約者から)

なし

比較した方が良い商品

類似商品はないが、通常の一時払年金や終身保険などをお勧めする。

T&Dフィナンシャル生命 生涯プレミアムジャパン5 ★★★★☆

JA共済 一時払終身共済 ★★★☆☆

JA共済 生存給付特則付一時払終身共済 ★★★☆☆

大同生命 一時払逓増終身保険 ライフギフトα ★★★☆☆

ニッセイ・ウィルス生命 アットウィル 年金額 ★★★☆☆

編集後記:

約款