提供会社:SBI生命
商品名:終身医療保険 Neo
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この保険の弱点はここだ!!
参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら
『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。
SBI生命はその名の通りSBIグループの保険会社で、主にネット販売を主流としているが、一部大手保険ショップなどでは対面方式でも扱っている。
なお、本稿は当サイトの読者である、保険代理店勤務 Xさんから
「良い商品なので、取り上げて欲しい。」
という要望に基づいて執筆している。
なお、Xさんの現場ならではのご意見は大変参考になるので、それは文末「口コミ(販売側から)」に記載させてもらった。
本商品を検討するなら是非ご参照頂きたい。
Xさん > 情報提供、ありがとうございます。
さて、本商品。ネット生保の医療保険としては「ようやく本気を出してきた」という感じがする。
SBI生命の前作、終身医療保険「も。」は、ネット生保の医療保険としては何とも中途半端で、そのため当サイトでも星1つとしたが、本商品は文句なく4つ星。
コンセプトとしては、「分かりやすく」、「安い」というネット生保の王道を行っている。
率直に良い商品だと思う。
まず保険料を大きく下げてきた。
ネット生保の場合、まず比較されるのは「保険料」であり、その部分で訴求出来ないと、まず負ける。
その点を考慮し、従来より保険料を3,4割下げてきた印象。
これで、他ネット生保(ライフネット、アクサダイレクトなど)とようやく互角の勝負が出来るのではないか?
また、ネット生保には珍しく、優良体料率が設定されている。
1 過去1年以内に喫煙をしていないか?
2 身長と体重のバランスであるBMIが18以上、27以下か?
という2つの質問をクリアできればOK。
「健康ですね」ということで保険料が安くなる。
他社では、この2つに加え「血圧の異常がないか?」ということも聞いてくるところが多いが、ネット生保ゆえに、このあたりは簡略化しているのだろう。
主契約は日額5,000円から15,000円まで、1,000円刻みで設定出来るようになっており、1回の入院日数制限も「60日型」と「120日型」から選択。
そこに、以下のオプションを付けることで、自分好みの保障内容にすることが出来る。
・8大疾病支払日数限度無制限特則
・先進医療特約
・終身入院一時給付金特約
・終身女性疾病特約
・終身通院特約
・3大疾病保険料払込免除特約
・終身在宅医療特約
各特約の内容を見ても、ライバル各社の状況に合わせているし、保険料も割安に抑えられている。
また、ネット生保には珍しく「特別保険料」や「特定疾病不担保・部位不担保」が設定されているので、かなり「入りやすい」
特別保険料とは、通常の方より「やや健康状態に問題がある」ような方でも、割増保険料を支払うことで保険に加入出来るシステム。
例えば、血糖値が高い、血圧が高いなどの方が、普通の保険料は2000円だが「割増」された2,500円で加入出来るということ。
また特定疾病不担保・部位不担保は、一定期間、その病気、その部位が原因の入院は支払い対象外にすることで、加入出来る仕組みである。
例えば、過去に胆石などをやった方は、普通の方に比べて、再び胆石になる可能性が高い。
そのような場合、契約者間の公平さを揃えるために
「加入してから3年間は胆石で入院しても支払い対象外(それ以外の病気は払う)」
とするのである。
この条件を飲めば入れる。
もちろん胆石のリスクもあるが、病気はそれだけではないので、胆石を理由に「入れない」よりは良いだろう、ということ。
この不担保で素晴らしいのは「精神及び行動の障害、睡眠障害」の不担保が設定されていること。
当サイトでも何度か触れているが、うつ病などの精神疾患系に保険は本当に厳しい。
医療保険においても「うつ病は駄目」と一発NGが出る保険会社がほとんどである。
だが、本商品はそのような病気でも「不担保」さえ了承すれば入れる。
もちろん精神疾患で入院した場合には、支払対象外となってしまうが、うつ病で入院するというのは相当重いので、あまりあるケースではない。
それよりは他の病気で入院するリスクのほうがよほど高い。
今まで「うつ病」というだけで加入を断られてきた方にとっては、希望の光だろう。
本来、このような割増保険料や不担保などは「事務処理に手間がかかる」ので、ネット系ではやらないのだが、SBI生命ではそこの分野にも果敢に挑戦している点は評価出来る。
なお、このような病歴がある方は、正確な告知をしたほうが良いので、ネットではなく対面方式の保険ショップなどに行ったほうが無難。
以上、商品概要。
では弱点。
弱点1 優良体の告知が曖昧・・・
本商品、4つ星評価ということで、さしたる弱点はない。
だが、少々気になるのは優良体の告知。
過去1年以内にタバコを吸っていないか?
BMIが18から27の間か?
という2つの質問をクリアするだけで、割安の保険料が適用されるが、これ、質問に「はい」とクリックするだけで適用される。
中:筆者自身で、ネット上で本商品の申し込み寸前まで手続きをしてみた。
ネット生保なので仕方がないが、他社の保険ではタバコのチェックなどにはニコチン検査(大きな綿棒を舐める)等を行うことが多い。
但し、このニコチン検査、ニコチンを高精度で検出する試薬が結構高いらしく、保険会社にとっては重荷となっており、最近では実施しない会社も増えている。
要は「契約者の言うことを信じる」ということ。
SBI生命の場合、更にネット生保であり、契約者と直接会えないので(一部代理店では面談方式だが)、検査などやりようがない。
そのため、仕方なしに「検査なし」としているのだろう。
告知そのものが「契約者の言い分を信じる」という前提ではあるものの、例えば、がんに罹患しているのに「がんでない」とウソをついて加入すれば、仮にその後給付金を支払う段階で、健康保険証の使用履歴を追えばその事実が分かる。
一般的な病気は、ウソをついても、後からバレる可能性が高いのだ。
だが、喫煙の有無と、BMI(体重、身長)などは、後からは調べようがない。
「加入する日までは1年間喫煙してましたが、入った翌日から吸い始めました」
「加入する1,2ヶ月前にダイエットをして、BMIを27以下にしましたが、そのリバンウンドで太りました」
こんな言い訳をされたら、保険会社側はそれを覆すことなど出来ない。
要は調べようがないということ。
ニコチン検査をやめた他社の知人にこのことを聞いてみたが、
「その通り。後からは調べようがない。性善説でやっている」
と言っていたが、実際には「急に」非喫煙が適用された契約が増えたようで、まあ推して知るべしだろう。
となると、これはもう「言ったもん勝ち」ということになる。
もちろん、保険会社としてもそのリスクを十分加味した上で保険料を設定しているのだろうが、筆者のように保険業界が長い人間からすると、どうも腑に落ちない。
「タバコを吸っている」、「BMIが27以上」と正直に告知した者が損をしているようで、このあたりは保険会社の「公平さ」という観点から問題があるようにも思う。
なお、これをもって「嘘をついても良い」と言っているわけではない。
実際、告知義務違反をすると、それが発覚した時に契約そのものを解除されることもあるし、そもそも入院などをした時に「バレないかなぁ・・・」とドキドキすることが、弱った病身には一番良くない。
ネット生保ゆえに難しいところもあるが、非喫煙割引を設定するのであれば、サイト上で「告知義務違反」について、もう少し注意喚起するなど、対策をしても良いのではないか?
なお、どうでも良いがSBI生命のサイトはダサすぎる。
まるで10年以上前のサイトのようなデザインで、これは絶対にリニューアルしたほうが良い。
弱点2 先進医療が10年更新
本商品の特約の中で先進医療特約だけが10年更新となっている。
そのため、10年ごとに保険料が上がる可能性がある。
このあたりは、以下コラムをご参照頂きたい。
参考コラム:先進医療特約は「終身型」を選びなさい!!
弱点3 終身在宅医療特約は「弱い」
本商品の特約には割とスタンダードなものが多いが、終身在宅医療特約だけはちょっと変わっている。
これは退院後の在宅医療に対応したもので、入院の短期化(医療費削減)のために
「病院で出来ることが終わったら、なるべく家で療養してもらう」
という昨今の方針に沿った特約と言える。
ニーズはかなりあるだろう。
その趣旨は素晴らしいのだが、いかんせん内容がしょぼい。
給付のルールとしては、1か月の間に1回以上在宅医療を受けたときに、入院給付金日額の6倍(6万円限度)を受け取れるのだが、例えば入院日額が5,000円の場合、その6倍は3万円ほど。
また、70歳以上はさらにこの半額(50%)となってしまう。
つまり1.5万円。
もちろん内容がしょぼいので保険料も安い(30歳 男性 日額5,000円、終身払の場合で+258円)
だが、これで「終身在宅医療」と謳ってしまうのは、随分大きくでたなぁ、という気がしてしまう。
薄味の特約。
この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)
前項で重箱の隅をつついたようなことを言ったが、全体的には良く出来ている商品だと思う。
SBI生命自体、規模も小さく、広告にもそこまで力を入れていないので、そもそも本商品に気づく人も少ないと思うが、
なるべく安い保険料でシンプルな保障内容を
そんな風に考える方にはオススメ。
特約も過不足なく揃っているので、筆者なら「先進医療特約」、「8大無制限」を付けて、予算があるなら「3大疾病一時金」を付ける。
前述の通り、病歴がある方でも入りやすいので、そのような方にとっても有力な候補となるだろう。
なお、病歴がある場合、ネットでの手続きよりは、告知方法などについて細かく教えてくれる対面方式のほうがベター。
そのため、できれば保険ショップなどに行ったほうが良い。
保険の弱点(デメリット)、どう考えれば良いの?という方は・・・
参考コラム:弱点(デメリット)との付き合い方を参照!!
商品の構成について
商品構成はシンプル。
入院日額
5,000円から15,000円まで、1,000円刻みで選択可能。
入院限度日数
60日、120日から選択可能。
手術給付金
日帰り手術 日額の5倍
入院中の手術 日額の10倍
重大手術 日額の40倍(がん、開頭手術、開腹手術、など)
放射線治療 日額の10倍
付けるべき特約!!(8大疾病無制限、先進医療)
8大疾病支払日数無制限特則
がん、高血圧疾患・大動脈瘤、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、肝疾患、膵疾患、腎疾患
以上、8つの病気が原因で入院した場合に、1回あたりの入院日数が無制限(これをつけないと60日、もしくは120日で終わってしまう)になるオプション。
長期入院こそ最大のリスク。
がんや脳系の病気は、長くなるケースもあるので付けておいたほうが無難。
先進医療特約
保険適用外の先進医療を受けた際、通算2,000万円までの実費を保障。
10年更新型ではあるが、保険料は安い。
詳細は弱点2を参照のこと。
参考コラム:先進医療特約は「終身型」を選びなさい!!
付けても良いかも?な特約!!(三大疾病一時金、女性疾病、払込免除)
終身3大疾病一時給付金特約
がん、心疾患、脳血管疾患の際に一時金(1年1度が限度)
がんは診断、心疾患、脳血管疾患も「入院すれば」払うので、条件は良い方。
予算があるなら付けておいても良い。
参考コラム:
終身女性疾病特約
がんや所定の女性疾病で入院した場合、メインの契約に上乗せして支払われる。
また、ちぶさ再建術や、子宮、子宮附属器の手術でも給付金が受け取れる。
女性特有の病気だからと言って、特にお金がかかるわけでもないのだが、実際問題として50代前半まではリスクが高い。
こちらも予算に余裕があれば、という感じ。
参考コラム:特約考察!!女性疾病は必要か?
3大疾病保険料払込免除特約
がん(診断のみ)、心疾患(1日以上の入院 or 手術)、脳血管疾患(1日以上の入院 or 手術)に該当した時、以後の保険料が免除される。
条件は良いが、その分保険料は高い。
感覚的には保険料全体が5割ほど高くなる。
医療保険自体の保険料がさほど高いものではないので、それが免除されること自体、生活にさほどの影響を及ぼすとも思えない。
だが、好きな人は好き。
まあ、そこまで反対する理由もないので「お好きにどうぞ」という感じ。
参考コラム:保険に「払込免除特約」は必要か?
付ける必要なし、な特約!!(入院一時金、終身通院)
終身入院一時給付金特約
入院した際に一時金を受け取れるオプション。
30歳 男性 終身払の場合、1回5万円で+465円。
年間 5,580円、10年間で5.5万円、30年で17万円。
つまり30年間で、4回入院(20万円:5万円×4回)して、ようやく3万円儲かる程度。
5万円貰えれば、それはそれで嬉しいだろうが、「自分が積み立てたお金が戻ってきただけ」でもある。
原則必要ない。
終身通院特約
退院後の通院で、入院日額の60%(5,000円なら3,000円)を受け取れる。
30歳 男性 終身払 3,000円で+213円。
年間2,556円。10年で2.5万円、30年で7,7万円。
30年間で26回通院して「ほぼトントン」
1回3,000円程度もらったところで、さほどの足しにならないだろう。
保険の本筋には関係のない薄味な特約。
これも原則いらない。
参考コラム:通院特約は付けるべきか?
口コミ・評判(販売側から)
保険代理店勤務さんからの口コミ
昨年改訂(新発売)されたSBI生命の医療保険です。
・FWDの優良体と比較して、要件が喫煙の有無とBMIのみと明確(FWDは肝臓数値等以外にも告知内容によっては標準体になってしまう)
・鬱等の精神系の疾患に対して精神部位不担保にて引き受け可能(他だとネオファースト/T&Dくらい?)
SBI生命の方針で、営業担当が全国に数名しかおらず、埋もれてしまっているのが現状ですので…。
謝礼Amazonギフトカード300円!! アナタの口コミ教えて下さい!!
保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。
口コミ・評判(契約者から)
・なし
比較検討した方が良い商品
アクサダイレクト生命 アクサダイレクトの終身医療 ★★★★☆
SOMPOひまわり生命 健康をサポートする医療保険 健康のお守り ★★★★☆
チューリッヒ生命 終身医療保険プレミアムZ/プレミアムZ Lady ★★★★☆
参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら
『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。