この保険の弱点はここだ!朝日生命「保険王プラス」

提供会社:朝日生命

商品名:保険王プラス

この保険の弱点はここだ!!

死亡、医療、介護、就労不能、貯蓄などなど。

1つの保険に色々な機能を詰め込んだこのような商品を「パッケージ型」と言い、日本の古くからの大手生保はどこも似たような商品を持っている。

参考コラム:古い日本の保険会社が提供する「パッケージ型商品」総論

動画(音声)でも解説中!!

様々なメニュー(本商品では「ユニット」と言う)の中から、好きなものだけを選べることから、

カフェテリア型

などとも言われるが、基本的にはごった煮のような印象で、一つ一つの保障は、それだけに特化した他社の専用商品(就労不能保険、介護保険など)に比べると弱いし、保険料も総じて高い。

本商品も「保険王プラス」という名称は、あくまで全体のイメージを表すもので、具体的な商品があるわけではない。

実際には、保険王プラスの下にある以下の商品群から構成されている。

・医療保険
・生活習慣病保険
・がん保険
・収入サポート保険(メンタル疾患特約)
・軽度介護定期
・軽度介護終身保険
・介護終身年金保険
・介護一時金保険
・認知症介護終身年金保険
・認知症介護一時金保険
・普通定期保険
・長期生活保障保険
・新長期生活保障保険
・普通終身保険
・7大疾病終身保険
・利率変動積立保険

これらの色々なパーツ(ユニット)を使って、保険を組み立てていく。

しかし、そもそも一つの保険会社に全ての保障を任せる必要はない。

保険会社によって得意、不得意があるのだから、

死亡       A社
医療       B社
就労不能 C社
収入保障 D社

など、機能ごとに、それに強みを持つ保険会社を選んだ方が合理的である。

朝日生命の営業マンに義理がある。どうしても朝日生命が良い。

そんな方でなければ、本商品をすすんで選ぶ理由はないと考える。

各社の総合保障(パッケージタイプ)の☆評価一覧は、コチラ




弱点1 大手の中では安い。しかし、新興の保険会社に比べると高い

このようなパッケージ商品は朝日生命だけでなく、日本生命、第一生命、住友生命などからも販売されているが、その中でも朝日生命の保険料は

ちょっと安い

という印象。

ライバル各社に比べると知名度で劣るため、保険料で値ごろ感を出している。

また、保険の内容自体も、悪くはない。

例えば、この商品の中のユニット(パーツ)の一つである収入サポート保険などでは、

・要介護1以上
・身体障害手帳1~3級

で支払い対象となるが、これは「ハードルが低い」

つまり、受け取りやすいということ。

他の大手と比べると、保険料も割安で、条件も良いのだが、それも大手間での話。

新興の保険会社と比較すると、どうしても保険料の高さが目立つ。

例えば、以下の条件で比較してみる。

30歳 男性 60歳まで
就業不能時には120万円/年の給付

朝日生命 収入サポート保険       4,464円
アクサダイレクト生命 働けない時の安心 2,200円

安さを売りにするネット生保と比較するのは可哀そうだが、保険料は半分程度。

両者の支払い基準などはやや異なるものの、どちらも「働けない」場合は給付金を受け取れるので、同じような保障なのに、この差は大きいだろう。

筆者も、このようなパッケージ型(朝日生命だけに限らず)を、

「同じような保障をパーツごとに他の保険会社で組みなおすとどうなるか、計算して欲しい」

という要望を受けたことがある。

要は、保障内容が変わらず、安くなるか?ということだが、ほとんどのケースで、2割程度保険料が下がる。

どうしても割高感は否めない。

 

各社の総合保障(パッケージタイプ)の☆評価一覧は、コチラ




弱点2 終身保険の「払済」、「契約者貸付」が出来ない

約款をチェックしていて、これに気付いた時は驚いた。

保険王プラスのユニットの一つ「普通終身保険(低解約型)」

終身保険とは、その名の通り「終身(一生涯)」の保険で、例えば

終身保険 500万円

というプランに入っていれば、加入してすぐに亡くなっても、100歳で亡くなっても保険金を受け取れる。

終身保険は、はっきり言ってしまえば、

「自分で保険金を貯めているようなもの」

なので、500万円の終身保険であれば、その9割、約450万円くらいは自分で積み立てないといけない。

これは解約すると戻ってくるので、貯金機能がある。

そのため、保険王プラスのサイトにも、普通終身保険の説明文に、

「貯蓄性(キャッシュバリュー)がある」

と明記されている。

この終身保険の基本的な機能に普通は「払済」と「契約者貸付」がある。

しかし、本商品では提供されていない。

払済とは、

「支払いを途中で辞め、今まで貯めてきた返戻金で減額した終身保険にする」

という変更手続きのこと。

何を言っているのか分からないと思うので、ここでも例を挙げて説明しよう。

30歳男性が終身保険 500万円に加入。

支払期間は30年(60歳まで)

この場合、30年間支払えば「一生涯500万円」の保障が得られる。(60歳で払い切れば、その後も保障が続く)

しかし、何かしらの事情で途中に支払うことが難しくなることがある。

不景気による給料減、リストラ、子供の教育費増加などなど、長い人生の中では色々とあるので、

毎月の保険料がシンドイ・・・・(特に終身保険は高いので・・・)

ということが起こりえるのである。

これが45歳の時に起こったとする。

本来の契約期間は30歳から30年間なので、ちょうど15年間、折り返し。

ここで払済の手続きをとると、

・今後、保険料は発生しない
・終身保険の金額が500万円→250万円に減額され、以後、保障が一生涯続く
注:この時の金額(250万円)は保険会社によって計算方法も違うので、あくまで一例。

ということになる。

途中までしか支払っていないので、満額の500万円ではないけれど、250万円は今後も保障します。ということ。

営業の現場では、この「払済」はわりと良く使われているのだが、本商品ではこれが出来ない。

出来ないということは、絶対に払い続けるか、解約して返戻金(だいたいの場合、目減りしている)を受け取らないといけないということ。

契約者からすればマイナスだろう。

次に、契約者貸付だが、これはシンプルな話で、貯蓄性のある保険の場合、普通は

解約返戻金の90%まで

は貸付を受けることが出来る。(別途、金利はかかる)

ある段階での解約返戻金が200万円だとすれば、その90%、180万円までは契約者が保険会社からお金を借りることが出来るのである。

一時的な出費が発生した時に、便利で、特に経営者などは、銀行にお願いするより早いので、これを使って急場を凌ぐことが多い。

が、これも出来ない。

自分で貯めたお金なのに、貸してもらえないということで、自由度が低い。

この2つは明確な弱点と言える。

なお、あまり使用することはないので、ここでの詳細の説明は割愛するが、他にも

・保険料振替貸付
・延長保険

の2つが出来ない。これも他社では普通に出来ること。

特約 Good & Bad!!

とにかく沢山の特約(ユニット)がある。

終身保険、学資保険、年金保険などの「貯蓄系」は他社と比較してあまり良くない(返戻率が低い)

それ以外の特約(ユニット)は総じて保障内容は良い。

あとは保険料次第。

但し、弱点1で述べた通り、全体的に割高なので、それを許容できるかどうか。

比較した方が良い商品

筆者はそもそも「パッケージ型」には否定的。

そのため、日本の大手保険会社の同様のパッケージ型と比較しても意味がない。

それぞれのニーズに合わせて、分野ごとに商品を選択した方が良いだろう。

 

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