この保険の弱点はここだ!フコクしんらい生命「だいじょうぶ」

提供会社:フコクしんらい生命

商品名:だいじょうぶ
ハローキティの定期保険

この保険の弱点はここだ!!

富国生命の子会社である「フコクしんらい生命」が販売する定期保険。

フコクしんらい生命は主に信用金庫向けに保険商品の開発・販売を行っている。

そのため、本商品も信用金庫の保険相談で紹介されることが多いだろう。

ハローキティーが「大丈夫だぁ」と志村テイストで語りかけてくるような気がして、心強いのか、心細いのか良く分からない。

商品の構成は定期保険+色々な特約(オプション)とう構成で、オプションの中では、介護系に力を入れている。

信用金庫で保険の相談をする方などは、ほとんどが高齢者だろうから、その層をターゲットにした商品なのだろう。

定期保険が「メイン(主契約)」とはなっているが、実際には認知症・介護に不安を持っている方向け。

また、2年毎に3万円のお小遣いがもらえるような、

「認知症、介護が心配だけど、掛け捨ても嫌」

というようなお年寄りの心をくすぐる仕掛けもあり、このあたりはなかなかうまい。




率直な感想として、保険の商品としては良く出来ているし、保険料も「高齢者向け」にしては安く押さえている印象で、保険会社として結構努力している感じはする。

その点「ネット生保より保険料が高い」だけのただの定期保険より、工夫は凝らしている。

そのため、★2と評価させてもらった。

ただ、それでも筆者は本商品はオススメしない。

と言うのも、本商品だけに限らず、高齢者の保険加入にはネガティブだからだ。
(本商品は別に高齢者専用ではないが、実際には高齢者が多いだろうから、その層に向けて書いている。)

保険に入らず、自分で貯めておいた方が良い

というのが筆者の考え方。

しかしながら「高齢者の不安」というものはなかなか厄介で、数字でいくら説明しても

「でも心配なんだよね・・・」

と堂々巡りになってしまうことも多い。

そのような方が、本商品に入っておくことで「安心」出来るのであれば、まあ、それはそれで良いんじゃない?という気もする。

そのあたりを弱点(デメリット)で解説していきたい。

弱点1 原則、高齢者は「保険」に入るべきではない

30歳と70歳、どちらが死ぬ確率が高いか?

何を当たり前のことを聞いているのかと思われるかもしれないが、大事なことなので、まずは「大前提」の話をしたい。

死ぬ確率が高いのは、当然70歳だ。

数ヶ月で亡くなってもおかしくはない。

このリスクの「差」は、そのまま保険料に反映される。

本商品で定期保険(死亡時に支払う)200万円の保険料は、30歳男性で484円。対して70歳だと5,454円。

10倍以上違う。つまりリスクも10倍違うということ。

ここで少し話は変わるが、保険会社の立場になって、この保険料を見てみよう。

30歳男性が40人いるとしよう。

その40人に「200万円の定期保険」を提供した場合、保険会社が10年間で集められる保険料は、

484円×12ヶ月×10年×40人分=約232万円

となる。

ここから分かること。それは、保険会社が

「30歳の男性は10年以内(40歳までに)に40人のうち1人くらいは亡くなる」

と考えているということ。




232万円を集めて、1人が死ねば、そのご遺族に200万円を払い、32万円が利益として残る。

そういう計算をして、484円という保険料を集めているわけである。

注:実際にはもっと確率は低く、保険会社側の取り分が大きいのだが、ここでは話をわかりやすくするために40人ということにしている。

対して、70歳。

ここでは4人の70歳がいるとしよう。

保険料は5,454円。この4人から10年間で集められる保険料は、

5,454円×12ヶ月×10年×4人 = 約261万円

261万円を集めて、200万円を払う。

この場合でも、保険会社は「70歳男性は4人のうち1人が10年以内に亡くなる」ことを想定しているのである。

30歳男性が10年以内に亡くなる確率 1/40

70歳男性が10年以内に亡くなる確率 1/4

ちょうどリスクは10倍程度ということになるだろう。

この話には保険の本質が表れている。

それは、

誰かがもらう保険金(ここでは200万円)は、他の誰かの保険料

ということ。

これも「当たり前の話」と言われれば、それまでの話ではある。

次に考えなくてはいけないのは、必要性だ。

30歳男性の場合、妻子がいても、まだ若いので貯蓄などは少ないことが多い。

そのため、一家の大黒柱が死んでしまえば、家族は路頭に迷ってしまう。

だからこそ保険が「必要」

しかも、30代で亡くなる確率は低いので、前述の通り保険料は安いから、入りやすい。

しかし70歳はどうだろうか?

そもそも死ぬ確率が高い。最終的には100%である。(まあ、これは全員そうだが)

正直、あとは各人のタイミングだけという状態。

だからこそ保険料も高い。

先程の計算で言えば、「4人に1人が死ぬ」という前提に保険料が計算されているので、言ってみれば70歳老人4人でギャンブルをやっているようなものだ。

「死んだ人が他の3人が払った保険料を総取りする」

ということ。




どんな場合でも保険会社は契約者同士のギャンブル、その胴元に過ぎない。

若いうちは多い参加者同士で、歳を取れば少ない参加者同士で、それを取り合うわけだ。

この4人の70歳にフォーカスした場合、長生きした3人は、各々が10年間で

5,454円×12ヶ月×10年=約65万円

を払い(負け)、亡くなった1人がそれを総取り(勝ち)するのだが、そもそもこの

「勝つ可能性も、負ける可能性も高いギャンブル」

に参加する必要性があるのだろうか?

率直なところ筆者は「止めておいた方が良い」と考えている。

少なくも自分なら、こんな勝負には乗らない。

掛け金65万円を失う確率が75%(4人中3人)、200万円を貰える確率が25%。

65万円を失うのが嫌だ。

逆に200万円を貰えれば、もちろん嬉しいだろうが(その時にはこの世にいないが)、65万円の掛け金を拠出したわりには、そこまで大きな金額だとも思えない。

であるなら、自分で65万円を運用するか、もしくは自分のやりたいことのために使う方が良い。

中には「200万円を子どもたちのために残してあげたいから。毎月5,454円くらいなら払えるし」という方もいるだろう。

しかし、その結果、65万円を3/4の確率で失うことになるので、むしろ毎月子どものために5,454円を積み立ててあげた方がよっぽどマシではないか?

これが数字の話。

結論としては、

高齢者は保険に入るべきではない。保険料分を貯めておけ!!

というのが筆者の意見である。

なお、ここまでは死亡した場合の保険(定期保険)を例にして説明したが、これらは介護や認知症の特約でも同じ話。

例えば、70歳の男性が「介護保障定期保険特約 200万円」に入ったとする。

保証内容は認知症と診断された段階で40万円、さらに症状がすすみ要介護2以上に認定された場合、もしくは死亡した場合、200万円が受け取れる。

要は認知症になれば 40+200で合計240万円、認知症を患わずに死亡した場合は200万円ということ。




保険料は9,778円。

10年間で約117万円を払う計算となる。

この特約の場合、70歳男性であれば「2人」での取り合いという感じだろう。

117万円×2=234万円

70歳男性が10年以内に「認知症になるか」、「死亡する」確率はほぼ1/2程度。

死亡する可能性だけなら、1/4だが、そこに「認知症になる」ことを加えると、1/2に上がるわけだ。

だから、この保険料を集めているのである。

たしかに認知症は怖いので、そのような時に240万円をもらえれば、ないよりはマシだろう。

しかし、反対に117万円を捨てる可能性も1/2はあるということ。

筆者なら、こんな丁半博打のような保険には入らずに、自分で117万円を運用するか、117万円のままでそのまま持ち続ける。

認知症になれば、その時に117万円を使えば良いし、ならなければならないで、その後(80歳移行)に備えて於けば良い。

以上がお金の話。

が、このような話を高齢者にしても「それでも、やっぱり不安だから」という話になり、堂々巡りになることが多い。

しかし、その気持も、分からないでもない。

体に色々な不具合が出てきて「ああもうそろそろ死んじゃうのかな」と思えば、保険に入っておこう、という発想になるのだろう。

それであれば、まあ入っても良いのではないだろうか?という気持ちもある(矛盾はしているが)

毎月払える範囲で「これで、なにがあっても大丈夫」という精神的な安息を得られる。

これはこれで価値があるし、実際に亡くなって保険金を受け取る「勝者」になる可能性も高いのだから。




弱点2 85歳までしか更新出来ない

本商品は主契約の定期保険が100歳まで、その他の特約(オプション)は85歳までしか更新出来ない。

特約は以下の3つが用意されているが、単純な話、85歳以降はどうすれば良いのか?

・軽度介護保証特約
・介護保障定期保険特約
・がん保障定期保険特約
・特定疾病保障定期保険特約

この中で、がんに関しては85歳までにならなければ、その後がんを罹患する確率は減る。

しかし、軽度介護や、介護などは、85歳以降に発症する可能性も高い。

特に女性は長生きだから、85歳くらいまではピンピンしていて、80代後半などになって、認知症などが始まる方もいる。

介護系の保険商品は終身タイプ(一生涯保障)が多いのは、このような理由からだ。

85歳までしか更新出来ない、というのはそもそも介護の商品としては、やや片手落ちのような気がする。

弱点3 がん保険金は一度しか受け取れない

がんと診断された時に一時金を受け取れる「がん保障定期保険特約」

これが1度きりしか受け取れない。

他社の医療保険の特約などにある「がん診断給付金」は1年に1回などの上限はあるものの、何度でも受け取れる。

がんで怖いのは転移、再発などをして、入退院を繰り返す場合。

1回目よりは、2回目、2回目よりは3回目の方が深刻で、そのような時こそお金があった方がありがたい。

また保険料も高い。

60歳男性 がん保険金 400万円の場合で、保険料は12,516円。

10年間で150万円も払う計算となり、仮にこの間にがんになれば400万円を受け取れるが、ならなければ150万円を捨てることになる。

老後の貴重な生活費。

なるかならないか分からないものに150万円も捨てる可能性があるなら、自分で貯めておいても良いのでは?とは思う。

更には前述の通り、再発、転移という「最悪の場面」で使えないようなものなら、尚更である。




商品構成

主契約(定期保険部分)に関しては、以下の通り。

契約年齢:6歳~80歳
保険金額:100万円~7億円
保険期間:55歳~100歳(1歳刻み)、5~30年(5年きざみ) 更新可能年齢は不明

特約

・軽度介護保障特約(生存給付金特則付)

軽度の認知症を発症した歳のための特約。

-契約後、2年毎に3万円(1万円、5万円も選択可)のお小遣いを受け取れる。
-軽度認知症の歳に5万円、要支援1で20万円、要介護1で80万円を受け取ることが出来る。

しかし、保障は薄味。

認知症の「入り口」で100万円を貰っても、何かの役に立つとも思えない。

保障内容が薄口な分、保険料は安いが、あってもなくてもどちらでも良い保険。

・介護保障定期保険特約

要介護2以上で一時金。一時金は100~500万円の間で設定可能。

また、認知症と診断された場合は、別途、一時金の20%が給付される。

介護系の商品として「要介護2以上で払う」という条件は、他社と比較しても「そんなもんかな」という感じ。

保障として悪いものではないが、弱点1で解説した通り、保険料も高く、自分で貯めておいた方が良いのでは?と感じる。

・がん保障定期保険特約

がんと診断された場合、もしくは死亡した場合に一時金を受け取れる。100~500万円の間で設定可能。

こちらも保険料は高く、わざわざ保険に入る必要はないのでは?とも感じる。

検討した方が良い他社商品

安い定期保険が欲しいなら

メディケア生命 メディフィット定期 ★★★★☆

SBI生命 クリック定期!NEO ★★★☆☆

介護の保障が欲しいなら

PGF生命 米国ドル建終身保険(介護タイプ) ★★★☆☆