この保険の弱点はここだ!ソニー生命「変額個人年金」

提供会社:ソニー生命

商品名:変額個人年金

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この保険の弱点はここだ!!

ソニー生命の販売する変額個人年金。

「変額」とは、その名の通り「額が変わる」という意味。

自分で指定した投資先に保険料を振り分けるため、運用成績によって

・将来受け取る年金額

・年金開始前に途中で死亡した場合の死亡保険金

が変わる。

単純に言えば「運用成績が良ければ年金が増える(死亡保険金も増える)」、「運用成績が悪ければ年金は減る」と言うこと。

まず、大前提を言えば、極めて複雑な商品で、その中身はほぼ投資信託と変わらない。

そのため、ある程度、知識を持った人でないとやるべきではないだろう。

これから説明する「弱点」を読んで、「なるほど」と理解出来る知識レベルであれば良いが、そうでないならやめておいた方が良い。

まずは商品をざっと解説していきたい。

本商品。率直なところ「変額年金の商品」としては悪くはない。

保険業界内でも、ソニーの変額は「運用が上手い」という定評がある。

本商品を勧められた人も、セールスマンからそのような話を聞いたかもしれない。

しかし、別段、ソニー生命が全ての運用を行っているわけではない。

裏側には野村、日興、大和、フィデリティ、モルガンスタンレーなどの証券会社が設定しているファンドがあって、ソニーが契約者から集めたお金の大部分はそこに投資されている。

で、その結果は一つだけ良いのがあるが、他は「まずまず」と言ったところ。

昨今の株高で、どの投資信託も調子が良いので、ソニー生命の投資先がひときわ良いというわけでもない。

そのため、過去の推移を見ても、周りが落ちている時にはきっちり落ちているし、周りが上がっている時にもきっちり上げている。

但し、他社の変額商品では資本の関係(その保険会社のグループ内に証券会社がいる場合など)で、手数料が高い割に、大したパフォーマンスを出していない

「どうしょうもないファンド」

が入っている場合もある。

このようなファンドは、下がる時にはちゃんと下がるのに、上がる時に「上がりきらない」という現象が起こり、結果的に「大したパフォーマンスが出ない」ということになる。

ソニー生命の場合、そのようなことはない。

そういう意味では「投資先の目利き」としては極めて正当な判断をしている印象である。

なお、投資先(ファンド)は以下の8種類が設定されている。

・株式型
・日本成長株式型
・世界コア株式型
・世界株式型
・債券型
・世界債券型
・総合型
・短期金利市場型

変額年金にしては、選択肢は多い。

そして、以下がソニー生命が発表している、各ファンドの過去の推移。

*1 2018年度の実績。毎年変動する。

この表の見かたを、一番左端にある「株式型」を例にとって説明する。

毎年、上がったり下がったりしているのが分かる。

2000年から2003年あたりにかけた、-19.1%、-13.6%、-24.8%などはITバブル崩壊の影響。

2007年、2008年の-28.7%、-35.9%はリーマンショックである。

このように上がり下がりがあり、1986年の運用開始から、

「+50.16%増えた。」

ということを表すのが「設定来騰落率」である。

年平均では+1.26%ほど資産を増やしてきたことになるが、実際には毎年「手数料」が引かれる。

手数料には「特別勘定運用費用」と「信託報酬」の2つがある。

特別勘定運用費用はソニー生命の手間賃と考えれば分かりやすい。ファンドを運営するにあたっての諸々の費用である。

信託報酬は、そのファンドが投資している先に「投資信託」があった場合、その投資信託を運用している金融機関に支払う手数料である。

どちらも契約者が負担する。

上記の表では、2019年3月時点での資産状況から、本サイトがおおよその信託報酬を算出してみた。

これらの費用は毎年変動するが、まあ、そこまで大きくはブレない。

株式型では、年平均1.26%のリターンがあるが、先の手数料が引かれるため、実質は1%程度に落ち着くことになる。

このファンドが設定されたのが1986年。

分かりやすく説明すれば、その時にまとめて1000万を預けておけば、毎年複利で1%の利益が付くことになる。

これだけを見れば「なんだそんなもんか」と思う方も多いだろうが、一方で驚異的なパフォーマンスを出しているファンドもある。

真ん中の「世界株式型」である。

これは、モルガンスタンレーがアドバイザーとして投資先を決めているファンドで、1999年の設定から、騰落率が771.1%。

0.5756%と高い手数料を引いた後でも毎年平均10.9%という結果を残している。

投資先を見ると、マイクロソフトやアルファベット(グーグル)などのIT系を中心に「ここ10年の勝ち組」に上手く投資できている。

その結果だろう。

逆に「日本成長株型」、「世界債券型」などは、目標としているベンチマーク(経済指標:ファンドはそれに勝つことを目標にする)に負けている始末で、何とも冴えない。

業界内ではソニーの変額では「総合型」を推す声が多いのだが、うーん、3.60%はそれなりのような気もするが、ほとんど国債で運用している債券型でも4.05%のリターンが出ている。

総合型こそ、その保険会社の底力、バランス感覚が出るはずなのに、最も安全とされる債券に負けているようではどうなのか?
(とは言え、国債の価値がガタガタになった直近10年で見れば、総合型の方が圧勝だが・・・)

最後に短期金利市場型だが、これは全く意味が分からない。

0.11%程度のリターンのために変額保険など選ぶ理由がないだろう。

何を意図してこのファンドを設定したのか分からないが、ファンドの資産が133億円もあることに驚く。

こんな分野にそんな金額が集まっているのだが、せめて債券に入れておけば良いではないか?

ソニー生命のライフプランナーも

「短期金利市場型より債券型の方が良いですよ」

くらいのアドバイスをしてあげては?とは思う。

さて、商品説明の前置きが長くなった。

なお、冒頭でも書いたが、この時点でチンプンカンプンなら、本商品はやめて、まずは投資のイロハ的な本を読むことをお勧めする。

もしくは、将来のリターンが明確になっている年金保険を選んだ方が良い。

では具体的な弱点の解説に移る。

 

参考:積立・貯蓄・資産運用にかかわる商品について
他社の終身保険の☆評価一覧は、コチラ
他社の外貨建終身保険の☆評価一覧は、コチラ
他社の積立・年金保険の☆評価一覧は、コチラ
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弱点1 本当に変額保険でなければいけないか?

この弱点はソニーの変額個人年金だけに限った話ではなく、保険会社が販売する変額系商品全ての当てはまるのだが、変額年金の中身は投資信託とほぼ同じ。

だったら投資信託で良いのではないか?

そもそも変額保険は手数料が高い。

先に述べた「特別勘定運用費用」と、投資先に投資信託が含まれている場合の「信託報酬」

それだけではなく、「保険として手数料」も取られる。

例えば毎月1万円支払ったとしても、その1万円がまるまる投資されるわけではない。

あくまで保険なので、保険会社の手数料が引かれるのである。

手数料の額は原則非公開で、ソニー生命でも公表していないが、ここでは分かりやすく10%としよう。

1万円支払って、10%の手数料が引かれ、実際に投資されるお金は9,000円ということになる。

更にそこから、前述の「特別勘定運用費用」と場合によっては「信託報酬」が引かれる。

一方、普通に投資信託を買えば「信託報酬」だけで済む。

最近は信託報酬も下落傾向が続いており、各社の「安値合戦」になっているので、自分で選べるならその方が良いだろう。




弱点2 まずiDeCoをやること

この商品を検討する動機は、

「生命保険料控除の枠を使いたい」

ということが多い。

生命保険料控除枠は、所得税の場合、年間保険料8万円を支払えば4万円。住民税の場合、5.6万円を支払えば、2.8万円が控除される制度。

例えば年収が500万円程度の方であれば、所得税、住民税合わせて20%の税率だろうから、8万円以上の年金保険に加入すれば、年間6,800円くらいの還付がある。

8万円支払って6,800円戻ってくるわけだから、金利にすれば8%以上と、今の低金利下ではあり得ないほどのリターンがある。

だからこそ、この枠は使った方が良い。

だが、最近ではiDeCo(個人型確定拠出根金)もある。

こちらは、支払った保険料の全額が控除される。

いくらまで加入できるかは、立場(会社員、公務員、専業主婦など)と勤務先の会社の年金制度によっても異なるが、上限1.2万~2.3万円まで掛けられることが多い。

iDeCoでも投資先は自分で選ぶので、変額保険とほぼ同じ。

証券会社にiDeCo用の口座を開けば、選択肢はソニー生命の比ではないくらい多いし、信託報酬も安いものが沢山あるので、そちらの方が良いだろう。

しかも、いくら支払っても4万円しか控除されない生命保険料控除と違い、掛け金は全額控除。

その分、戻ってくる還付金も多い。

だからこそ、

・まずはiDeCo

・それでも投資できるお金があるなら、あくまで個人年金保険料控除の「枠」を使うためだけに、控除枠を全額使えるぎりぎりの年間8万円を変額個人年金に投資する

・さらに投資できるなら、投資信託をNISAなどで買う

・NISAも埋まってるなら、普通の証券口座

という考え方が良い。

そういう意味では、変額個人年金には、せいぜい毎月7千円(年間8.4万円)~1万円(年間12万円)くらいの投資で良いのではないか?

高い手数料を負担してまで、2万、3万もやる必要はないと考える。




弱点3 別に今やらなくても良い

これも本商品だけに限った話ではなく、変額商品全般、しいては投資信託にも言えることだが、はっきり言って今はどれも高い。(2019年9月時点の話)

冒頭に掲載した過去の推移を見ればわかるが、10年おきに株価はガクンと落ちる。

米中の貿易摩擦をきっかけとした今の不安定な世界情勢。

次の「ショック」は近いだろう。

出来ればその時に始める方が良い。

もしくは早く節税効果が欲しくて「今すぐやりたい」ということなら、とりあえずは値下がりしにくい債券に入れておくこと。

ドカンと下がった時に債券の資産を全て株式(国内でも海外でもどちらでも良いが、筆者なら海外にする)に変更すれば良い。

ソニー生命の変額個人年金でも、そのようなことが出来る。

なお、この手の商品は、よく分かっていない保険の営業マンが

「ドルコスト平均法で投資するので、高い時に始めても大丈夫です」

などと説明することが多いが、ドルコスト平均法だとしても、なるべく高い時に買うのは避けた方が良いだろう。

自らすすんで高値つかみする必要はないのだから。

月払、年払であればこのような方法でリスク回避出来るが、一時払であれば特に今はやるべきではない。

本商品で一時払をすると、支払った瞬間「初期費用」を引かれて目減りする。

100支払って95くらいになるイメージ。

それで債権に入れておいても、減りはしないが、それほど増えないので100に戻るまで数年はかかる。

他のファンドに入れれば、先の通り、高値つかみになる可能性もあり、一度にドカンと預けるのは今はタイミングが悪い。

 

参考:積立・貯蓄・資産運用にかかわる商品について
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