この保険の弱点はここだ!ソニー生命「変額個人年金」

提供会社:ソニー生命

商品名:変額個人年金

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この保険の弱点はここだ!!

ソニー生命の販売する変額個人年金。

「変額」とは、その名の通り「額が変わる」という意味。

自分で指定した投資先に保険料を振り分けるため、運用成績によって

・将来受け取る年金額

・年金開始前に途中で死亡した場合の死亡保険金

が変わる。

単純に言えば「運用成績が良ければ年金が増える(死亡保険金も増える)」、「運用成績が悪ければ年金は減る」と言うこと。

まず、大前提を言えば、極めて複雑な商品で、その中身はほぼ投資信託と変わらない。

そのため、ある程度の知識を持った人でないとやるべきではないだろう。

これから説明する「弱点」を読んで、「なるほど」と理解出来る知識レベルであれば良いが、そうでないならやめておいた方が良い。

まずは商品をざっと解説していきたい。

本商品。率直なところ「変額年金の商品」としては悪くはない。

保険業界内でも、ソニーの変額は「運用が上手い」という定評がある。

そしてこの商品の売りは何と言っても「世界株式」だろう。

設定来騰落率という、運用開始してからどれくらい価値が上がったか?という指標が745.66%と群を抜いている。

ソニー生命の関係者に話を聞くと、

「世界株式にお金を入れたいと言ってあちら(お客さん)から連絡が来る」

というのだから凄い。

本件に関しては後述したいが、このファンドを除くと、他のファンドに関しては、過去5年の実績を見ると「まあ、こんなもんかな」という程度。

但し、他社の変額商品では資本の関係(その保険会社のグループ内に証券会社がいる場合など)で、手数料が高い割に、大したパフォーマンスを出していない

「どうしょうもないファンド」

が入っている場合もある。

このようなファンドは、下がる時にはちゃんと下がるのに、上がる時に「上がりきらない」という現象が起こり、結果的に「大したパフォーマンスが出ない」ということになる。

その点、ソニー生命の場合、そのような「外れファンド」はランナップにない。

そういう意味では「投資先の目利き」としては極めて正当な判断をしている印象である。

なお、投資先(ファンド)は以下の8種類が設定されている。

・株式型
・日本成長株式型
・世界コア株式型
・世界株式型
・債券型
・世界債券型
・総合型
・短期金利市場型

変額年金にしては、選択肢は多い方だろう。

そして、以下がソニー生命が発表している、各ファンドの過去の推移。

注:2020年7月13日現在。

この表の見かたを一番左端にある「株式型」を例にとって説明する。

毎年、上がったり下がったりしているのが分かるだろう。

2000年から2003年あたりにかけた、-19.1%、-13.6%、-24.8%などはITバブル崩壊の影響。

2007年、2008年の-28.7%、-35.9%はリーマンショックである。

このように上がり下がりがあり、運用開始以後から、

「+8.58%増えた。」

ということを表すのが「設定来騰落率」である。

このファンドが設定されたのが1986年で、そこから33年経過して+8.58%だから、大したことはない。

但し、このファンドは株価がもの凄い高い時期にスタートしたので、始まった時期が悪いという面もある。

その後の低迷を経て、ようやく最近「元に戻った」という方が正しいだろう。

これだけを見れば「なんだそんなもんか」と思う方も多いだろうが、一方で驚異的なパフォーマンスを出しているファンドもある。

先ほども挙げた、真ん中の「世界株式型」である。

これは、モルガンスタンレーがアドバイザーとして投資先を決めているファンドで、1999年の開始から騰落率が745.66%。

そもそもがアメリカの株高ブームに上手く乗った上、投資先を見ると、マイクロソフトやアルファベット(グーグル)などのIT系を中心に「ここ10年の勝ち組」に上手く投資できている。

その結果だろう。

逆に「世界コア株式」、「世界債券型」などは、目標としているベンチマーク(経済指標:ファンドはそれに勝つことを目標にする)に負けている始末で、何とも冴えない。

総合型もスタート時からの騰落率は214.11%とそれなりに良い感じもするが、ここ数年は

2016年 +5.5%
2017年 +7.1%
2018年 +2.0%
2019年 -3.8%

と「まあまま」という感じ。きっと公社債の割合が多いので、そこまで株高のメリットをつかめないのだろう。

最後に短期金利市場型だが、これは全く意味が分からない。

0.11%程度のリターンのために変額保険など選ぶ理由がない。

何を意図してこのファンドを設定したのか分からないが、ファンドの資産が133億円もあることに驚く。

こんな分野にそんな金額が集まっているのだが、せめて債券に入れておけば良いではないか?

ソニー生命のライフプランナーも

「短期金利市場型より債券型の方が良いですよ」

くらいのアドバイスをしてあげては?とは思う。

さて、商品説明の前置きが長くなった。

なお、冒頭でも書いたが、この時点でチンプンカンプンなら、本商品はやめて、まずは投資のイロハ的な本を読むことをお勧めする。

もしくは、将来のリターンが明確になっている年金保険を選んだ方が良い。

では具体的な弱点の解説に移る。

 

参考:積立・貯蓄・資産運用にかかわる商品について
他社の終身保険の☆評価一覧は、コチラ
他社の外貨建終身保険の☆評価一覧は、コチラ
他社の積立・年金保険の☆評価一覧は、コチラ
他社の変額保険の☆評価一覧は、コチラ




弱点1 保険関係費が痛い(全額投資出来ない)

まず、結論から言うが、筆者は投資信託の方を勧める。

変額保険と投資信託の最大の違いは、

変額保険 支払った保険料が全て投資にまわらない

投資信託 支払った掛け金が全て投資にまわる
(1%以下の多少の手数料が発生する場合もあるが、微々たるもの)

ということ。

例えば変額保険の場合、毎月1万円を投資しても、それが全額ファンドに投資されて運用されるのではなく「保険関係費」というものが取られた後のお金が投資にまわる。

保険会社が販売している変額保険はどれもこの「保険関係費」が徴収されるため、これは別にソニー生命だけの話ではない。

これは保険会社側のコスト。手間賃や純粋に死亡時の保険を提供するための費用である。

では仮に1万円を投資した場合、どの程度の「保険関係費」が取られるだろうか?

契約者としては気になるところだが、これは公表されていない。

だが、10~20%前後であることが多い。

ソニー生命の変額の場合、筆者の手計算だが13~15%程度ではないか?と推測している。

つまり1万円の保険料のうち、純粋に投資にまわっているのは87%の8,700円程度ということ。
(性別、年齢などによっても異なるので一概には言えないが・・・)

変額保険は、一応は「保険」なので死亡時には「ちょっとだけ」保険金が上乗せされたりする。

そういう意味では「ただ取られているだけ」ではないものの(意味はある)、やはり毎月の投資が十数パーセント天引きされてしまうのは痛い。

であるならば、100%投資できる投資信託の方が良い。

繰り返すが、本商品、変額保険としては悪いものではないが、しかし、資産形成を目的にするなら筆者なら投資信託にする。

なお、ソニー生命の関係者にこのことを言うと、冒頭でも述べた

「多少の手数料を取られても『世界株式』というモンスターファンドに投資出来るのがメリット」

と言うのだが、筆者は「良い時期は既に終わった」と思っている。

これからの株式市場は読めない。

アメリカ市場が大波乱をおこせば、このファンドはそれに大きく影響される。

過去10年、このファンドは確かにすごかったが、今後10年も凄い、ということではない。

筆者は高値掴みになると思う。

あくまで個人的な感想だが。




弱点2 税金面では、まずiDeCo

この商品に加入すると、

「生命保険料控除」

の対象となる。

年金保険料控除ではない。

毎月積み立てるような形で保険料を支払い、かつ商品名も変額個人年金という名前から、てっきり年金保険料控除の枠かと思うが違う(筆者も実はそう思っていたのだが、コメントにてご指摘頂いた)

これはマイナスだろう。

生命保険料控除の枠は、大抵の人が既に使っていて埋まっていることが多いので、この商品に支払う保険料は控除の面では無駄になる。

せめて年金控除枠が使えれば良い。

年金保険料控除枠は、所得税の場合、年間保険料8万円を支払えば4万円。住民税の場合、5.6万円を支払えば、2.8万円が控除される制度。

例えば年収が500万円程度の方であれば、所得税、住民税合わせて20%の税率だろうから、8万円以上の年金保険に加入すれば、年間6,800円くらいの還付がある。

仮に8万円支払って6,800円戻ってくると考えれば、金利にすれば8%以上。

今の低金利下ではあり得ないほどのリターンがある。

下手な運用より手堅い。

だからこそ、この枠は使った方が良い。

むろん生命保険料控除枠も、まだ空いている人もいるだろうが、本商品の性質的にも年金控除枠の方がありがたい。

一方、iDeCo(個人型確定拠出根金)は支払った掛け金の全額が控除される。

いくらまで加入できるかは、立場(会社員、公務員、専業主婦など)と勤務先の会社の年金制度によっても異なるが、上限1.2万~2.3万円まで掛けられることが多い。

iDeCoでも投資先は自分で選ぶので、運用の印象としては変額保険とほぼ同じ。

証券会社にiDeCo用の口座を開けば、選択肢はソニー生命の比ではないくらい多いし、信託報酬も安いものが沢山あるので、そちらの方が良いだろう。

仮に本商品で「生命保険料控除枠」を使えたとしても所詮は4万円しか控除されないが、iDeCoであれば掛け金は全額控除。

その分、戻ってくる還付金も多い。

だからこそ、まずはiDeCoだと思う。




弱点3 別に今やらなくても良い

これも本商品だけに限った話ではなく、変額商品全般、しいては投資信託にも言えることだが、はっきり言って今はどれも高い。(2020年7月時点の話)

コロナ禍で一度は落ち込んだが、実体経済とかけ離れた「謎の株高」を演じている。

やるにせよ、もうちょっと待った方が良いかもしれない。

どうしても「今すぐやりたい」ということなら、とりあえずは値下がりしにくい債券に入れておくこと。

ドカンと下がった時に債券を他の資産に変更すれば良い。(スイッチング)

その時に「世界株式」が下がっていれば、良い選択肢となりうる。

そのための準備として始めるなら、悪くはないかもしれない。

まあ、それでもiDeCoの方が良いと思うが(iDeCoでもスイッチングは可能)

なお、この手の商品は、よく分かっていない保険の営業マンが

「ドルコスト平均法で投資するので、高い時に始めても大丈夫です」

などと説明することが多いが、ドルコスト平均法だとしても、なるべく高い時に買うのは避けた方が良いに決まっている。

自らすすんで高値つかみする必要はないのだから。

 

参考:積立・貯蓄・資産運用にかかわる商品について
他社の終身保険の☆評価一覧は、コチラ
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他社の積立・年金保険の☆評価一覧は、コチラ
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