提供会社:太陽生命ダイレクト
商品名:スマ保険(入院一時金保険)
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この保険の弱点はここだ!!
参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら
『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。
太陽生命がネット専用で販売している商品。
本商品。「コロナに対応する保険」として注目が高く、様々な媒体などでも取り上げられることが多い。
コロナ対応医療保険!!と大々的に銘打つあたり、なかなか商売上手ではある。
が、商品としては保険料も高く凡庸。
本来なら星1つでも良いのだが、コロナ対応というのもいち早く打ち出した「勇気」を評価して星2つとした。
本商品、入院一時金を軸として、様々なオプションが付けられる仕様になっているが、それぞれのオプションも保障、保険料ともに特筆するべき点はない。
注:本稿では、最も契約が多いと思われる「入院一時金メイン+オプション」を想定して原稿を書いているが、商品構成上は「がん・重大疾病予防保険」、もしくは「働けなくなったときの保険」をメインに据え、そこにオプションを付ける構成も可能。詳細は文章下部の「商品の構成」を参照。
入院一時金とは「入院しただけで」受け取れる一時金のことで、本商品では1万円から30万円までを選択出来る。
通常の医療保険では「入院1日5,000円(入院日額タイプ)」など、「入院した日数」に応じて受け取れるものが多く、この場合、1泊2日なら1万円(5,000円✕2日)、2泊3日なら1.5万円となる。
対して一時金タイプであれば、例えば10万円の場合、1泊であろうが、2泊であろうが、入院日数に関係なく10万円を受け取れるので、短期入院の場合などには良い。
反面、入院が長くなると、入院日額タイプであれば1日5,000円であっても30日入院すれば15万円(5,000円✕30日)になるし、60日なら30万円となるが、一時金タイプは10万円だけ。
つまり、短期入院には強いが、長期入院には弱い。それが一時金タイプである。
昨今、短期入院が増えている関係で、このような商品は増えている。
冒頭でも述べた通り、本商品は一時金タイプであり、そこに以下のオプションを付けることで商品が構成されている。
・がん・重大疾病予防保険
・働けなくなったときの保険〔Ⅰ型〕
・感染症プラス入院一時金保険金
・生活習慣入院一時金保険
・手術保障保険
・先進医療保険
・死亡に備える がん・重大疾病予防保険
この中の「感染症プラス入院一時金保険」が、
新型コロナでも払う!!
と強調したことにより、コロナ対応保険として注目されているのだが、はてどうか?
では弱点(デメリット)を見てみよう。
弱点1 保険料が高い
本商品、マーケティングが上手いと言えばそう言えなくもないが、私のように業界歴が長い者から見ると、少々「やりすぎ」と言うか、文言に誤解を招くような表現が多すぎる気がする。
そのあたりを解説していきたいが、まず明確な弱点から。
年齢や性別にもよるが、本商品は高い。
そのあたりを検証してみよう。
例えば30歳 男性の場合。
保険期間:10年(10年ごとに更新するタイプ)
入院一時金 10万円
このような構成で、保険料は1,270円となっている。
なお、この時点では、太陽生命肝いりの「コロナ対応」である感染症プラスなどのオプションは付けずに比較したい。理由は後述する。
これに対しては、同じく一時金タイプで、当サイトでも評価が高い(星4つ)のメットライフ マイフレキシィを比較してみよう。
保険期間:終身
入院一時金 10万円
こちらの保険料は920円。1,270円に比べ350円も安い。しかも、スマ保険の方は「10年定期」で10年ごとに保険料が上がっていくのに対し、メットライフの方は終身なので、以後保険料は変わらない。
通常、終身型よりは10年定期のほうが安いのだが(若いうちは入院するリスクが低いため)、本商品に関しては
「10年定期なのに終身より高い」
という状態で、正直なところ「話にならない」というレベルである。
なお、40歳 男性の場合、太陽生命 2,813円、メットライフ 1,335円(いずれも一時金10万円の場合)となり、年齢が上がるほど、その保険料も差が開いていく印象。
そのため、本商品を検討する上では「保険料がむちゃくちゃ高い」という点を認識しておいた方が良い。
弱点2 新型コロナでつりすぎ?!感染症プラスは本当に「プラス」なのか?
では、本商品の本丸。「感染症プラス」に話はうつる。
前項で比較した入院一時金に、感染症プラスを付けた場合、以下のようになる。
保険期間:10年(10年ごとに更新するタイプ)
入院一時金 10万円
感染症プラス入院一時金 10万円
保険料 1,510円
感染症プラスを付けない「入院一時金」が1,270円なので、「感染症プラス入院一時金」は240円であることが分かる。
ここで一応、交通整理をしておきたい。
入院一時金と、感染症プラス入院一時金。
この2つを見ると、感染症プラス入院一時金の方が、通常の入院一時金より「プラス(範囲が広い)」と誤解する方がいるのではないか?そう思っている。
しかし、そうではない。
入院一時金が「入院すれば何でも対象(新型コロナももちろん対象)」であるのに対し、プラスの方は「偶発的な怪我+一部の感染症(新型コロナ含む)」であり、逆に範囲は狭くなっている。
約款を読むと、感染症プラス入院一時金の正式名称は「災害入院一時金」とある。
本来は、交通事故やスポーツ中の事故などを原因として入院を対象にした「災害」の入院の時に一時金を出すオプションに、今回、感染症で入院した場合も対象とするとしたものが「感染症プラス災害入院一時金」である。
であるならば、「感染症プラス災害入院一時金」とすれば良いのだが、マーケティング上の理由からだろうが「災害」の二文字を取ってしまっている。
事実、約款には
「販売にあたり、一部の主契約等に愛称を付けています。」
という一文があり
災害入院一時保険金 → 感染症プラス入院一時金保険
と記載してある。
そのため、商品サイト上には「感染症プラス入院一時金」と表記されているのだが、これはかなり誤解を招く表記で、
「愛称なら、何でも良いのかよ!!」
と思わなくもない。
入院一時金は「原因を問わず入院すれば何でも払う」ので、1,270円/月だが、プラスの方は範囲が狭いが故に+270円/月となっている。
だが、実際に新型コロナで入院すれば、入院一時金もプラスも両方とも受け取れるので、先の加入例で言えば、10+10で20万円を受け取れることになる。
しかし、ここで冷静に考えてもらいたい。
新型コロナで入院して、本当に20万円が必要なのだろうか?
現時点で新型コロナの治療費は全額国が負担してくれるので、入院に関してお金はかからない。
また、可能性は低いながらも、仮に重症化し、数ヶ月も働けない状態になったとしたら、20万円程度は焼け石に水だ。
帯に短し襷に長しで、保険としてはあまり上等なものではないような気がする。
コロナが怖いのは分かるが、実際問題として「怖い病気」はコロナだけではない。
がん、脳、心臓など、長期入院や死に直結する病気は沢山あるし、自分の置かれている状況とそれらのリスクを考えて、「ちゃんとした保険」に入るべきだ。
「コロナ怖い!!」とパニックになって、ほとんど役に立たない(&高い)商品に入る必要はないのでは?と思う。
また、更に深刻なのは、本商品が「わざとコロナ」を誘発する可能性があること。
例えば先の例で言えば、30歳 男性が4,020円支払って、この保険に入り、10日後以降に「わざとコロナ」になれば60万円貰えることになる。
今のオミクロン全盛の頃なら、ちょっと友人知人をあたれば「感染者」にたどり着く。
その人からコロナを貰えば、立派な感染者。
症状があってもなくても、「だるい」とか「頭が痛い」とか言って病院を受診し、自宅療養すれば支払い対象になる。
そして、60万円貰ってすぐに保険を解約すれば、丸儲けである。
日本人は善良な人が多いので、実際にやる人は少ないだろうが、このコロナで仕事にあぶれているような人や、会社に行きたくない、出来ればコロナになって自宅待機になりたい、なんて思っている人なら、やりかねない。
「そんなこと解説したらやる人が出てくるだろう!!」
とお叱りを受けそうだが、こんなことちょっと考えれば誰でも分かる。
もちろん太陽生命自身もそのリスクは重々承知しているはずだ。
それでも目先の契約が欲しいので、射幸心を煽ることを止めない。
そしてそれが下手をすればコロナ拡大の一翼を担ってしまうかもしれない。
「保険会社としてどうなのかな?」
というのが素朴な疑問。これが2つ星と低評価の理由でもある。
なお、太陽生命の関係者に聞くと、本商品かなり売れているが、同時に相当数の給付請求も来ていて、現状、その収益は「真っ赤か」というところらしい。
だがそれでも良いのだろう。
とりあえずは新契約の数が増えるし、また契約者の中には「入ったら忘れてしまう」という粗忽者も少なくない。
そのため、コロナが収束しても一定数の契約は継続され、そこで回収できると踏んでいるのかもしれない。
だが、それでも「わずか数千円の保険料で数十万円」は、率直に言って魅力的であり、誰しもがコロナになる可能性がある昨今では、「俺も、私も貰えるかも・・・」と思う気持ちは分かる。
保険の本質からは「外れまくっている商品」ではあるが、人間の恐怖と欲をキャッチーに捉えた商品であることは間違いない。
そういう意味では、やや皮肉ではあるが「太陽生命も毒食らったな」という印象を受ける。
弱点3 先進医療が10年更新
先進医療が10年更新しか選べない。そのため、10年ごとに保険料が上がる。
他社では保険料がずっと一定の「終身型」も多い。
詳細は、以下コラムを参照のこと。
弱点4 注意喚起情報!!
この情報はほとんど流れていないが、現状、一度でもコロナになった人の保険加入はかなり難しい。
後遺症などが明確になっていないため、現時点ではほとんどの保険会社が「新型コロナに感染歴のある人」の新規加入を断っている。
そのため、先にのべた「わざとコロナになった人」には、その後、他の保険に入れないというペナルティがある。
また、率直に言って数十万円程度のお金で、自分の健康を害するようなことは止めた方が良い。
筆者の知人でもコロナに感染した方が何人かいる。
確かに軽症で済んだ人もいるが、中には入院して結構大変な治療を受けた人もいたし、自宅療養中に呼吸困難で「死ぬかと思った」という人もいた。
そして、今も後遺障害に苦しんでいる人もいる。
目先の数十万円は誰にとっても魅力的で、特に若い人にしては大金だろうが、それで長い間苦しむことになるなら割に合わない。
それに仮に軽症で済んで大金をゲットしたところで、そんな「格好悪いこと」を誰かに胸を張って言えるだろうか?
どうか馬鹿なことはやめて欲しい。
商品の構成について
メインとして、以下の3つからどれかを選択(重複選択も可能)
1 入院一時金 1~30万円の範囲で選択
2 がん・重大疾病予防保険
3 働けなくなったときの保険〔Ⅰ型〕
その上で、以下の特約を選択。
・感染症プラス入院一時金保険
・生活習慣病入院一時金保険
・手術保障保険
・先進医療保険
・死亡に備える がん・重大疾病予防保険
付けるべき特約!!(先進医療)
先進医療特約
1回の先進医療治療に最大1,000万円、通算2000万円まで補償。また別途、治療の10%を支援金として受け取れる。
弱点4で述べた通り、「10年更新」であることがネックだが、本商品に加入するのであれば付けておいた方が良い。
付けても良いかも?な特約!!(がん・重大疾病予防保険、死亡に備える がん・重大疾病、等)
・がん・重大疾病予防保険
がんと診断された時や、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、慢性腎不全、他の病気の時に一時金が受け取れる。
がん、心筋梗塞、脳卒中の支払い要件は他社なみで、これらの病気になった時には支払われる可能性は高いが、他の病気に関してはかなりハードルが高い(糖尿病の場合、網膜症の手術や指の切断などが条件など)
保険料は他社比較でも高いが、どれも大きな病気であり、このような時の一時金はあればありがたい。
予算に余裕があるなら付けておいても良い。
・死亡に備える がん・重大疾病予防保険
先の特約に「死亡に備える」と付けてある特約で、つまり、がんや脳卒中などで入院した時に一時金を受け取れる特約に死亡保険もついている内容。
先の特約の場合、がんや脳卒中の時に一時金を受け取れるが、死亡した場合には何もないが、こちらの特約の場合、死亡した場合も一時金相当額が死亡保険金として受け取れることになる。
ネットで売ろうとしているわりに、同じような名前を並べるあたり「ものすごく分かりにくい」
恐らくこのあたりの特約は本気で販売しようと思っていないのだろう。
悪い特約ではないので、予算があれば検討しても良い。
・手術保障保険
その名の通り、手術をした時に給付金を受け取れる保険。
別になくても良いのだが、やはり手術というのは結構大変で、自分の体にメスを入れるのは大きな負担になる。
そのような時に何もないよりは、10万円程度でもあった方が良いだろう。なるべくなら付けておいた方が良い特約。
参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら
『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。
付ける必要なし、な特約!!(入院一時金、健康祝金、通院支援)
・生活習慣病入院一時金
・感染症プラス入院一時金
生活習慣病や、感染症(不慮の事故も含む)だからと言って、特に入院費用がかさむようなこともなく、更には10万円程度で何かが変わるわけでもない。
付ける必要はない。
これを付けるなら、「本当に重い病気」である、がんや脳卒中の時に一時金を受け取れるがん・重大疾病予防保険に予算を当てた方が良い。
口コミ・評判(契約者から)
20代女性 独身さんからの口コミ
コロナ対応ということで入りましたが、他社でもコロナは支払い対象なのですね・・・近々見直したいと思います。勉強不足でした。
謝礼Amazonギフトカード300円!! アナタの口コミ教えて下さい!!
保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。
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