提供会社:あんしん生命
商品名:メディカルKit エール

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この保険の弱点はここだ!!
参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら
あんしん生命は緩和型医療の「雄」として、保険業界では昔から知られた存在だったが、近年はライバル達(メディケア、オリックス、はなさく、ネオファーストなど)に保障内容、保険料で差をつけられ随分苦戦していた。
それが2020年8月。商品名も「メディカルKit ラブ」から「メディカルKit エール」に変更し、大きくテコ入れをしてきた。
が、商品スペック(保障内容)を「他社並」に揃えてきただけ。保険料もそれほど安くない。ライバルたちとの差が「少なくなった」というだけで、引き続きこれを勧める理由は薄い。
保険料だけに限れば、40~50歳前半くらいの女性に限り「他社との差がほとんどない」という状況(それでも一番安いわけではない)
他社と差別化出来るところは、先進医療特約について
「加入してすぐでも満額支払う」
という点。他社では加入1年以内は50%支払いというルールのところが多いのだが、うーん、やや弱いかな。という気もする。
弱点1 保険料高め
先に書いた通り、全年齢層、特に男性で他社より1割程度高い印象。
この商品ならでは、というような特約があるわけでもなく、わざわざ高い商品を選ぶ必要もないかな?とは思う。
弱点2 健康還付金特則だけの解約は不可
本商品では「健康祝金特則」というものがあるが、webやパンフレットなどを見ると、かなり「推して」いるののが分かる。
5年間ごとに入院日額の10倍が「お小遣い」として支給される。
入院日額5,000円のプランなら10倍の5万円ということになる。
仮にこの5年間のうちに入院をしても、その分を引いた金額が支給される。
例えば、2泊3日で入院した場合、その時の給付金は3日分(5,000円×3日)で1.5万円となるが、5年後の「お小遣い」は5万円からその1.5万円を引いた3.5万円を受け取れることになる。
ただし、この5年間で、入院や手術で5万円以上の給付金を受け取っていた場合は、お小遣いはなし。
他社では似たようなオプションとして、「無事故祝金」というようなものがあり、こちらはお小遣いを受け取るには、文字通り「無事故(入院や手術をしない場合)」である必要があるが、本商品では途中に入院しても、その差額が支給されるところがやや新しい。
が、こう思う。
別にどうでもよくない?
と。
何のために保険に入るのか?
いざという時に家計のバランスを崩さないためだろう。
5年に1回の5万円のお小遣いなんてどうでも良い。
自分で貯めろ。そう言いたい。
実際、この商品でも、この特則では以下の保険料を上乗せして支払っている(入院日額5,000円の場合)
40歳 男性 725円 5年で43,500円
50歳 男性 715円 5年で42,900円
60歳 男性 680円 5年で40,800円
70歳 男性 615円 5年で36,900円
4万円前後しか支払っていないのに5万円戻ってくるのは、一見「お得」のような気がするが、入院や手術をすれば戻ってくる金額は目減りするか、もしくはゼロだ(5年間で5万円以上の給付金を受け取った場合)
この点、より詳細に例を挙げて説明した。
例1 入院給付金3日分 15,000円を受け取った場合
還付金 50,000円ー15,000円=35,000円
つまり4万円弱のお金を支払って3.5万円のバックだから、損をしていることになる。
もちろん手前で1.5万円の給付金を受け取っているので、「トータルでは5万円を受け取れているような」気がするが、それは間違いだ。
1.5万円の給付金はこの余計な特則を付けなくても(基本契約だけで)受け取れるということに気付いていない。
つまり、この特則だけで4万円弱払って3.5万円しか戻ってきていないので「損」していることになる。
この特則はそのあたりが巧妙。
更に言えば、10日以上の入院や手術などをして5万円を受け取れば、この特則の部分の保険料は丸々没収されていることになる。
なお、更に重要なのは、この特則は途中で解約出来ない。
要は健康な若い時だけの「勝ち逃げ」は許しませんよ。ということで、歳を取ればいつかは保険料を没収されるときがくる。
先に挙げたこの特則の保険料が、保険にしては珍しく歳を取れば取るほど「安くなる」のも、要は契約者が高齢になれば入院するリスクも上がり、勝てる確率(無事に5年間を過ごすこと)が減るからだ。
本商品では、このような特則を前面に出すことで、商品自体の保険料の高さをごまかしているのかもしれない。
弱点3 先進医療特約が10年更新
これは些細な弱点。本商品では先進医療特約が10年更新となっており、つまりは10年ごとに保険料が上がる。他社では終身型と言って、加入時の保険料が一生涯上がらないタイプもある。
今後、先進医療は増加の一途をたどり、それにつれて保険会社の支払金額も増えてくると言われている。そうなると先進医療特約の保険料も上がるだろう。
その点、10年ごとに保険料が上がるのは契約者にはデメリット。
詳細は、先進医療特約は「終身型」を選びなさい!!を参照。
弱点4 特定治療支援特約が5回まで
以下の条件に該当した時に一時金が支払われる。
がん 初回は診断(がんです、と言われる)だけでOK 2回目以降は手術、放射線治療、抗癌剤治療が必須
心疾患、 手術 or 20日以上の入院
脳血管疾患 手術 or 20日以上の入院
1年に1回、合計5回までというルール。
他社で言うところの「3疾病一時金」のようなものだが、他社は「何回でも」というところが多い。
実際のところ、この一時金を5回も手にする人は稀だし、5回もこれらの病気を経験するのはかなり嫌だが、他社では制限がないのに、本商品では「ある」という点はデメリットだろう。
あまり気にしなくても良いとは思うが。
弱点5 がん診断給付金が2年に一回
がんと診断された時に一時金が支給されるがん診断給付金特約。前項の特定治療支援が、がん、心疾患、脳血管疾患の3つを対象としているのに対し、こちらはがんだけ。
この給付条件が2年1回となっているが、これは「かなり古い」
他社では「1年に1回」が主流で、最近出た商品の中で未だに「2年に1回」と言っているのは、この商品くらい。
明確な弱点。と言うより、これを付けずに「特定治療支援を付けろ!!」ということなのだろう・・・・
参考コラム:診断給付金、1年に1回と、2年に1回、どちらが良いか?
商品の構成
主契約(メイン部分)
基本構成に以下3つが含まれる。
・入院給付金
3,000円~10,000円まで1,000円刻みで選択可能
・手術給付
手術の種類によって40倍、20倍、10倍、5倍の給付金が受け取れるⅢ型と、一律10倍(外来手術は5倍)のⅠ型から選択
・死亡保険金
0~500倍から選択。「死亡保険金は必要ない」場合は0倍を選択。基本医療保険と死亡保障は別物として考えた方が良いのだが、本商品は既に持病などがある方向けで、そうなると通常の死亡保障には入れない場合もあるだろう。必要なら付けても良いかもしれない。
特約・特則
・健康祝金特則 ✕
弱点2参照
・払込免除 △
がん、心疾患、脳血管疾患などで所定の条件に該当すると、以後の保険料が免除される。
筆者自身は必要ないと思うが、好きな人は好き。予算があるなら自分で判断すれば良い。
参考コラム:保険に「払込免除特約」は必要か?
・先進医療医療特約 多少難点あるも基本必要 ◯
保険適用外の先進医療を受けた場合、2,000万円まで実費をカバー
詳細は弱点3参照
参考コラム:保険に「払込免除特約」は必要か?
・3大疾病入院支払日数無制限特約 出来ればあった方がベター △
がん、心疾患、脳血管疾患が原因で入院した場合、1回あたりの入院日数が無制限となる。脳系の病気などは入院が長くなる傾向もあるため、出来れば付けておきたい。
・通院特約 ✕
特約の保険料も高く、かなりの日数「通院」しないと元が取れない。1回あたりの給付も少なく、さほど役に立たない。原則必要ない。
参考コラム:通院特約は付けるべきか?
・特定治療支援特約 △
弱点4参照
・がん診断特約 ✕
詳細は弱点5参照
・特定悪性新生物保険金前払特約 ◯
かなり難しい特約。まず主契約で死亡保険金があることが前提で、以下のような状態になった時に保険金を「年齢・性別」に応じた率で支払ってくれる。
ステージⅢかⅣ
がんの再発
がんの転移
言い方は悪いが「かなり厳しい状況」になった時に、本来は死亡後にしか払われない保険金の一部を生前に払ってくれるというもの。そのお金を使って治療を受けても良いし、「助からない」と覚悟を決めたのであれば、何か好きなことに使っても良い。
こちらの特約は無料なので、死亡保険金があるなら付けておくことを勧める。
・手術給付金の追加払に関する特約 ✕
手術給付金を「上乗せ」してくれる特約。まあ普通の契約でも手術給付金はあるので、別に増やす必要はないだろう。
口コミ・評判(販売側から)
・衣替えしてからはかなり公表。女性の場合、保険料で勝負出来る。また還付金特則も女性にウケが良い。逆に男性は変なプライドを傷つけてしまうのか、「5万、10万なんていらん」と反抗する人が多い笑。保険料だけで言えば、オリックス、メディケアの後塵を拝しているが、特約などにエッジが効いているので、セールスしていて楽しい商品ではある。
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口コミ・評判(契約者から)
30代女性 独身さんからの口コミ
複数社比較してもらい、一番保険料が安いこちらに商品にしました。20代から難病指定を受けている関係で、保険は諦めていたのですが、「告知に該当しなければ入れる」とのことで、現在、定期的に半年に1回の検査だけなので、無事加入出来ました。使うことがないよう祈っております。
比較した方が良い商品
オリックス生命 医療保険 CURE Support Plus[キュア・サポート・プラス] ★★★☆☆
参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら
『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
それでは、この商品の弱点について解説をしていこう。
各社の緩和型医療保険の一覧はコチラ
編集後記