提供会社:オリックス生命
商品名:特定疾病保障保険With(ウィズ)
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この商品の弱点はここだ!!
参考コラム:終身保険総論 終身保険の「まとめ」
オリックス生命の特定疾病保障。終身保険に3大疾病の保障を含めたようなもので、ひまわり生命や、ネオファースト生命が競合。
その中では、保険料の安さで優位性を保っている。
なお、特定疾病保障のメリット・デメリットについては、以下のコラムにてまとめてあるので、商品の各論の前に「特定疾病保障とは何?」というような方は、そちらをご一読頂きたい。(特に以下のコラムではオリックスの商品を参考に執筆しているので参考になると思う)
3大疾病の保障が付いた終身保険「特定疾病保障」は得か、損か?
特定疾病保障タイプの商品は各社から販売されており、日本円の「円建」と、米国ドルの「ドル建」の2つがある。
本商品は円建。その中ではトップだろう。
しかし、筆者は「どうせ入るならドルの方が良いのでは?」と考えており、当サイトではドル建の特定疾病保障タイプの終身保険を星4と評価しているため、そこよりは一つランクダウンで星3つとした。
ジブラルタ生命 米国ドル建特定疾病保障終身保険(低解約返戻金型) ★★★★☆
商品自体には、定期タイプと終身タイプがあるが、オリックスの人間に聞くと、「契約の8割は終身」とのこと。
同種の他社比較では頭一つ飛びぬけている印象もあるが、「弱点」といういうか注意点のようなものもいくつかある。
弱点1 急性心筋梗塞、脳卒中は基本的には手術しないと受け取れない
本商品では、死亡、高度障害に加え、3大疾病に関して以下の条件で保険金が支払われる。
・がん 診断(がんです、と言われただけ)
・急性心筋梗塞 手術 or 60日以上の労働制限
・脳卒中 手術 or 60日以上の労働制限
がんに関しては分かりやすい。診断のみで支払われる。
注意しないといけないのは、急性心筋梗塞と脳卒中。
手術 or 60日以上の労働制限とあるので、要は「手術をする」か「手術をせずに60日以上働けない」ということが支払条件となる。
手術は分かりやすい。
急性心筋梗塞であれば、カテーテル手術やバイパス手術、脳卒中であれば開頭して当該部分の処置をする手術などがある。
これらを受ければ対象となる。
だが「手術をせずに60日以上働けない」とは、どんな状況だろうか?
急性心筋梗塞も脳卒中も、基本的には血栓(血のかたまり)が血管に詰まることで発生する(ことが多い)
治療では、これを取り除くのだが、先の手術以外でも「血栓を薬で溶かす」という方法もある。
症状が軽度、急を要しない、外科的手術ではアプローチ出来ない、このような場合に薬を使うのだが、これで「手術をせずに60日以上働けない」というのは、なかなかレアケース。
心臓ではほぼない。少なくとも筆者は聞いたことがない。
脳で、麻痺などが残り、リハビリなどを要するために、「働けない」が60日を超えることが「まあ、あるかもしれないね」という感じ。
つまり、どちらもハードルはかなり高い。
そのため、急性心筋梗塞、脳卒中に関しては、「実質的には手術しないと貰えなんだろうな」くらいに思っていた方が良い。
なお、ネオファースト生命の同種商品であれば「30日以上の入院」で保険金を受け取れるので、60日の労働制限よりはハードルが低い。
だが、こちらの商品は、これはこれで「保険料が高い」、「高度障害で保険金が出ない」等々のデメリットが多く、総合的には「60日以上」という条件をのんだ方がマシかな、とは思う。
ネオファースト生命 ネオdeとりお(特定疾病保障型終身保険) ★☆☆☆☆
弱点2 定期型では、総支払保険料が保険金を上回るリスクあり
弱点と言うより、考察に近いが、本商品を検討する際に、
定期型が良いか?終身型が良いか?
という選択肢がある。
これに対する答えは、
若いうちに三大疾病にかかるか、死亡するなら定期型の方が良い
ということになる。
保険料が安いからだ。
だが、当然ながらそんなこと分かるはずがない。
では改めてどちらが良いのか?
結論としては、
「保険料を払えるなら終身型の方が無難だろう」
ということになる。
例えば、30歳の男性が1,000万円の保険金(死亡+3大疾病)を用意する場合、
終身型 24,930円/月(60歳払込)
定期型 3,620円/月(10年間)
となる。
終身型は24,930円を30歳から60歳まで払えば、それで終わり。
一方の定期型は10年毎に更新され、都度、保険料が上がる。そして90歳まで更新が可能。
単純計算で、終身型の総支払保険料は、約897万円となる(24,930円×12ヶ月×30年)
対して、定期型は、
30歳~ 3,620円 × 12ヶ月 × 10年 43万円
40歳~ 7,240円 × 12ヶ月 × 10年 87万円
50歳~ 16,840円 × 12ヶ月 × 10年 202万円
となっている。
ここまでの小計で、332万円。
終身型では60歳までに897万円を払い込みことになるので、それよりは随分安い。
そのため、仮に「60歳までに死亡するか三大疾病になるなら」、定期型の方が良いことになる。
これは冒頭で述べた通り。
だが、実際問題として、死亡も3大疾病もリスクが上がるのは60歳以降。
厚労省のデータなどを見ても、60歳までに死亡するのは全体の2%、3大疾病になる人が15%程度。
しかも、「死亡した人」と「3大疾病になった人」とは被っている(がんで死亡、など、どちらにもカウントされている)場合も多いので、それらを統合すると15~16%くらいだろうか。
つまり、残りの84~85%は60歳以降に「何か」が待っていることになる。
この保険に入っていれば、84、5%の人は60歳以降も更新することになるので、以後も保険料が続く。
60歳時の保険料は38,470円。60歳から10年間、70歳までに461万円を負担することになるので、若い頃からの保険料の累計は793万円となる。
だが、それでも、まだ終身型の897万円より安い。
で、70歳の更新。保険料は69,740円/月に跳ね上がる。
70歳なんて、正直、いつ死んでも、がん、急性心筋梗塞、脳卒中になってもおかしくない。
そのため保険会社としても、かなりリスクを高く見ているのだろう。
69,740円は1年間で約84万円。
70歳時点までに支払ってきた総支払保険料は793万円だったものが71歳の時には877万円となり、終身型の897万円と「ほぼ並ぶ」
71歳3ヵ月目で、負担していた保険料は終身型を上回ることになる。
ちなみに、この保険を続けていくと、総支払保険料は73歳ごろに1,000万円を超え、80歳には1631万円となる。
何かあった時に受け取れる保険料は1,000万円なので、631万円も「赤字」になってしまう。
こちらも確率論で言うと「生涯で3大疾病を経験する人」が、全体の70%と言われているので、残りの30%は「経験しない」ということになり、そのような方が、この保険に入っていれば、
「いつまで経っても保険金貰えず80歳になっちゃった・・・」
ということもあり得るだろう。
つまり、30%は保険料を払過ぎて赤字になる可能性がある。
意外と高いな・・・と感じる方が多いのではないだろうか?
話をまとめると、以下のようになる
・若いうちに死亡や3大疾病が起こるなら定期型の方が得
・だが、そんなことは分からない
・どの年齢で比較しても、終身型、定期型の総支払保険料は70代前半で逆転する。
・70代中盤で、保険金とほぼ同じ保険料を負担。その後は「赤字」
こう考えると、本商品に入るのであれば、「終身型の方が無難じゃない?」ということにはなる。
なお、20代、30代で
「とりあえず何かあった時のために、一時的に入っておく。ずっと続けるつもりはない」
ということであれば、それはそれで良い判断だと思う。
死亡だけでなく、3大疾病でもまとまったお金が受け取れるため、3大疾病以外の「軽い病気・怪我」に対応できる程度の貯金をもっているのであれば、医療保険などにも入らず「これ一本でも良い」という考え方も出来る。
これはこれで非常に合理的。
口コミ・評判(販売側から)
・特定疾病という商品自体があまりメジャーでなく、案内をすると「そんな商品あるんですか?」と言われることが多い。
興味を持った方には、円建でオリックス、ひまわり、ドル建でジブラルタ、ソニーなどを見せて比較している。
外貨にアレルギーのある方であれば、大抵はオリックスで決まるいイメージ。保険料も高くなり、かつ低解約型なので解約もしづらく、代理店にとってはありがたい商品。
謝礼Amazonギフトカード300円!! アナタの口コミ教えて下さい!!
保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。
口コミ・評判(契約者から)
年齢性別不詳
・良い商品だと思います。医療保険に、がんや3大疾病に関するオプション色々付けて高くなるより、断然こちらの方が良いのではないでしょうか?
いつかは確実に保険金を受取ることが出来ますし、若いうちにがんなどになれば500万円を受け取れるので、無駄のない保険だと思っています。
ネオファーストの同じような保険も提案されましたが、保険料が高いことと、担当の方が保険会社としてはオリックスの方が信頼出来るということで、こちらにした次第です。
比較した方が良い他社商品は?
SOMPOひまわり生命 新・誰でも終身(無選択型終身保険) ★★★☆☆
ソニー生命 リビング・ベネフィット20(特定疾病保障型終身) ★☆☆☆☆
ネオファースト生命 ネオdeとりお(特定疾病保障型終身保険) ★☆☆☆☆
編集後記