提供会社:住友生命
(格付:S&P A)
商品名:個人年金保険みらいプラス
この保険の弱点はここだ!!
これから年金保険の検討を始める方は、まずは以下の総論をお読み頂きたい。
参考コラム:年金保険料控除対象の「年金保険」どうやって比較検討するべきか?考察
年金保険料控除の対象となる年金保険。
富国生命のみらいプラスはその中でも下位グループに属する。
商品のタイプとしては、
・通常型(例:65歳まで積み立てて、65歳から年金開始)
・据置型(60歳まで積み立て、その後5年間寝かし、65歳から年金開始)
の2つがある。
通常型より据置型の方が、丸々5年間を運用した後に年金が始まるため、返戻率はやや高い。
それでも、当サイト調べてでは上位の日本生命、住友、明治安田などに劣る。
返戻率で劣り、格付けでも劣っている(上位グループはA+、富国はA:A+の方が、Aより高い)ので、富国生命を選ぶ理由はない。
30歳 男性 65歳から10年年金 返戻金比較
このあたり、富国生命も難しいところだろう。
富国生命のような古くからある大手保険会社としては、年金保険料控除の対象となる年金保険はラインナップとして持っていなくてはいけない。
契約者から「年金ないの?」と聞かれることも多いので、一応は用意しておく必要があるからだ。
ただ、年金保険は儲からない。
年金保険の性質上、契約者から預かったお金は将来、契約者に必ず返す。
しかも、多少なりとも増やして返さないといけないのだが、現在の市場環境ではそれが難しい。
国債の利回りが0.2%前後なので、そんなものに投資しても、ほんんど増えないのである。
例えば0.2%に30年間投資しても、+6%程度にしかならない。ここまで低いと複利効果もほとんどない。
では他のもので運用すれば良いではないか?そう思うかもしれないが、保険の運用方法は法律でがんじがらめになっており、特に年金保険においては、実質的に国債(もしくは地方債など)くらいしか投資先がないのである。
そのため、預かっても増やせない。
だが、「契約行為」が発生する以上、そこには営業職員が動き、その営業が持ち帰った書類を処理し「保険」にするためのバックオフィスも必要。
つまりコストがかかる。
先ほど、100を106%程度にしか出来ない、と言ったが、そこからこれらのコスト(人件費、管理費など)を得ようとすれば、契約者に返すお金は104%とか105%とかになってしまうのである。
しかし、先ほどの比較資料を見て頂くと、返戻率トップクラスの日本生命や住友、明治安田などは、軒並み106%前後の返戻率で返している。
これは「ここで儲けるつもりがない」ということ。
スーパーの軒先に並ぶお得商品のようなもので、この商品をきっかけとして、まずは契約者になってもらい、その他の商品を買って貰えれば、それで良いという考え方なのだ。
その点、富国生命は健全とも言える。
適性な手間賃は頂いた上で、年金として返却する。
そうなると、このあたり(103%~104%くらい)になってしまう。(と言うか、これでも実質的には利益はないだろう。)
少々穿った見方をすれば、先に挙げた日本生命、住友、明治安田などは、規模もデカく、体力もあるのだが、対して富国生命は中堅。
売上でも業界最大手の日本生命は8兆円を超えているのに対し、富国生命は9000億円程度とその差は歴然。
これらの違いから、前者は年金商品を営業上の戦略商品として扱えるが、富国生命の規模ではそれが出来ないのかもしれない。
また、仮に返戻率で並んだとしても、「同じ」であれば知名度でニッセイ、住友、明治安田に客は流れる。
正直、運用面からもマーケティング的な観点からも打つ手がない。
そのため「客から求められた時に出せれば良い」という程度の商品に仕立てているのだろう。
「ずっと富国生命にお世話になっているので、今更他の保険会社とは契約しない」
そんなロイヤリティ(忠誠心)が高く、他社と比較をしないような自社顧客向けという印象。
大手との真っ向勝負を避けている、という点では賢いが、契約者としてはメリットはない。
但し、返戻率が低いと言ったところで、1,2%程度の差であり、どんぐりの背比べのような話。
富国生命の営業職員と信頼関係があるのであれば、別にこれでも良いのでは?とは思う。
参考コラム:「お付き合い保険」の断り方と「お付き合い保険」に入るメリット
口コミ・評判(販売側から)
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比較した方が良い商品
本商品よりわずかに返戻率良いか?・・・
日本生命 みらいのカタチ 年金保険 ★★☆☆☆
中高年でも月7000円(年間8.4万円)で加入できるのがメリット
JA共済「ライフロード 」★★★☆☆
ドル建なのに年金保険料控除の対象
マニュライフ生命 こだわり個人年金[外貨建] ★★★☆☆
編集後記