提供会社:ジブラルタ生命
商品名:就労不能障害介護保障型家族収入保険
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この保険の弱点はここだ!!
収入保障保険に
・身体障害による就業不能(働けない)
・精神疾患による就業不能
の保障を上乗せした商品。
「死亡・高度障害」だけを支払対象とした収入保障保険に「働けない」時のための就業不能の保障をセットにして販売するのは、昨今の流行りである。
死亡・高度障害だけの収入保障は、内容がシンプルであるが故、保険料勝負になりやすいが、「就業不能」という新たなポイントを設けることで、多少保険料が違っても
「働けない時の保障内容が違うんです!!」
と内容勝負が出来るからだ。
そもそもジブラルタ生命は保険料の安さで勝負している会社でもない。
わりとスタンダードな通常型の収入保障保険である「高度障害療養加算型家族収入保険」も、保険料高く、当サイトでの評価は低い。
(以下、参照)
ジブラルタ生命 家族収入保険(高度障害療養加算型) ★☆☆☆☆
注:一般的には収入保障保険と言われるが、ソニー生命、プルデンシャルグループ(ジブラルタはプルデンシャルグループ)では、伝統的に「家族収入保険」とネーミングされている。内容は同じ。
そこで「就業不能機能」を付けたものを開発したのだろう。
本商品は収入保障+就業不能の分野としては後発商品なので、先行する他社より「多少は条件が良い」かな?という感じ。
つまり働けない時に、支払われやすいということ。
なのだが・・・
率直に言って「わかりにくい」
ほとんど誤差のレベルで、保険料ほどの差は感じない・・・
弱点(デメリット)では、そのあたりを見ていきたい。
弱点1 他社比較で「多少条件は良い」のだが、高い保険料を説明出来るほどのものではない
就業不能、つまり「働けない」という状態は定義が難しい。
例えば下半身麻痺の車いす。
保険の業界では「高度障害」となり、もちろん「働けない認定」をされるのだが、実際働けないか?と言われるとそうでもない。
今は大手企業では全社員の2.3%は障害者を雇用しないといけないので、車いすでもパソコンなどが使えれば、引く手あまたという状態だ。
これはあくまで一例でしかないが「働く」というのは本人の意思や、持っているスキルによるので、「なにをもって働けない」とするかは、非常に微妙なのである。
現状、これを決めるアプローチは2つある。
1つは「医師の意見に重きを置く」タイプ。ライフネットやアフラックなどの就業不能保険はこのタイプ。
医師が「働けない」と言ったら、給付金を支払うというもの。
対して、障害等級や、保険会社独自の「所定の状態」など、明文化されたもので「働けない」を定義している商品もある。
参考コラム:就労不能保険「損保系」、「特化型」、「特約型」の違いを理解しよう
本商品はこのタイプで、以下の状態に該当した場合に支払い対象となる。
・障害等級1級、2級
・会社所定の状態
前2つの障害等級1,2級と要介護2以上は、他社でも同じ条件を掲げているところが多く、これはほぼ横一列なので差はない。
しかし、「会社所定の状態」については、各社が
この病気の時には、こういう状態になれば支払う
と病気ごとに定義をしているので、会社ごとに内容が異なるのである。
実際の例を見てみよう。
本商品と構成が似ているひまわり生命の「じぶんと家族のお守り」を比較してみたい。
ここではがんについての定義を挙げる。
ひまわり生命 悪性新生物(がん)による就業不能状態の定義
つぎのすべてに該当するものを就業不能状態としている。
1 赤血球数が250(万/mm3)未満のもの
2 血色素量が8(g/dl)未満のもの
3 ヘマトクリットが20%未満のもの
4 総蛋白が4(g/dl)未満のもの
何言ってる分からないだろうが、要は「どの程度、身体が弱っているか?」ということを表す数値である。
で、次にジブラルタ(本商品)
1 赤血球数が350(万/mm3)未満のもの
2 血色素量が10(g/dl)未満のもの
3 ヘマトクリットが25%未満のもの
4 総蛋白が5(g/dl)未満のもの
おわかりか?
各項目、ジブラルタの方が少しだけ高く設定されている。
例えば1の赤血球数は通常、400以上が健康体と言われているので、250よりは350の方がクリアしやすいことになる。
各項目の数値はジブラルタの方が「ハードルが低く」設定されているので、つまりは就業不能状態と認定されやすい。
だが・・・
話が細かすぎる
まあ、推測するに先行するライバル各社の約款をコピペして、そこの数値をちょっと下げたり、上げたりしたのだろう。
但し、これをもって、本当に「払われやすいのか?」という点については疑問。
実際、先のがんの数値に関しても「すべての項目が該当している」ことが条件なので、どれが1つでも基準値から高ければ、その時点でひまわりでも、ジブラルタでも「支払対象外」になってしまう。
そもそも、病気ごとに就業不能状態を定義しているタイプの商品では、がんでの就業不能は払われにくいので(がん治療を行っているため、各数値が「ずっと」基準値以下という状態が少ないため。)、この部分の基準値が多少多くても、少なくても「クリア出来ない」可能性が高いのである。
つまり、このような細かい部分をいじったところで大差がないと言うか、言い方は悪いが「ジブラルタの独りよがりだな」という気がしてしまう。
で、次に保険料。
ここでは「30歳 男性」、「月額20万円」、「65歳まで」という条件で比較してみたい。
ジブラルタ 13,180円/月
ひまわり 10,260円/月(非喫煙・健康体割引あり)
11,820円/月(非喫煙・健康体割引なし)
12,300円/月(喫煙・健康体割引あり)
12,520円/月(喫煙・健康体割引なし)
ひまわりの方では、タバコを吸う/吸わない、健康体割引あり/なしなどがあるが、ジブラルタにはそのような制度はない。
しかし、どのプランでもジブラルタが高い。
但し、この2つ。
完全の条件が揃っているわけではなく、特に精神疾患系のところで違いがある。
ジブラルタの方は精神疾患等で入院した場合、3年分の年金(720万円)を一括で受け取れる「特定就労不能障害給付金」が受け取れるが、一方のひまわりの方では「メンタル疾患保障付七大疾病保障特約」と言って、精神疾患と7大疾病(がんなど)の保障がセットになっている。つまり精神疾患だけでなく、7つの病気も一緒にカバーされている。しかし、こちらは2年分。
しかし、ジブラルタの方では、精神疾患が180日以上継続し、かつ入院をするレベルでないと支払われないが、ひまわりの方はもうちょっとハードルが低く、60日以上の入院で対象となるなど、条件が全く同じというわけではない。
本当に重いうつ病や統合失調症などで180日以上入院するならジブラルタの方が良いが、60日程度の入院ならひまわりの方が良いし、ひまわりなら精神疾患だけでなく七大疾病でも「就業不能とは認定されないけど、結構辛いよね」という時に支払ってくれる。
どちらが良いか?という点は、なかなか判断が難しい。
要するに就業不能保険は「論点が多い」ので、なかなか比較が困難なのである。
で、筆者の考えだが、正直に言ってこのあたりはいくら検討したところで、よく分からない。
どんな理由で働けなくなるか?など、あまりに色々なパターンがあって推測は不可能だろう。
なので、あまり気にしない方が良い。
率直に言えば
「脳系の病気で後遺障害が残った時に対象になれば良いんじゃない?(働けない、の最大理由は脳系の病気だから)」
という気がしていて、これはどこの保険会社でも対象となっている。
その部分さえカバーされていれば、その他の部分はオマケと言うか、先の精神疾患に関する条件が両社で違うように各社、独自の条件を出しているので、比べようがないだろう。
なので、そのような枝葉の話を無視すれば「安い方が良いよね」ということになる。
その点、本商品は枝葉が多すぎて、それが保険料が高いことへの納得感につながっていないように感じる。
弱点2 セットになっている商品構成
本商品。死亡保障、高度障害、就業不能、精神疾患と内容盛り沢山だが、すべてがセットになっていて、個々のパーツを外すことが出来ない。
特に精神疾患に関しては「自分には必要ない」とおっしゃる方も多い。
これが標準的にセットされていることも、保険料が高い原因である。
他社なら、精神疾患はオプション扱いになっていて、外す、付けるは自由。
そちらの方が良いのではないか?
この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)
まあ、商品の内容自体は悪いものではないが、弱点1,2 で述べたように、保険料が割高で構成もガチガチで自由度はない。
また、他社では「非喫煙割引」や「健康体割引」などもないので、それを利用した場合と比較してしまうと、どうしても保険料の差が開いてしまう。
そのため、本商品に合う方は、
・死亡、高度障害、就業不能、精神疾患、全部不安・・・
・タバコを吸うの非喫煙割引が使えない、健康体割引も無理っぽい・・・
というような方であれば、他社(一切割引がない場合の保険料)とそこまで保険料の差はないので、そうなれば本商品は約款上「多少は就業不能のハードルが低い」ということを考えれば、
まあ、これでも良いんじゃない?
という気はする。
ただ、ジブラルタは結構診査がうるさいので、健康体割引が使えないような健康状態だと、入れないかもね・・・という感じではあるが・・・
口コミ・評判(販売側から)
・ジブの顧客は、我々、LC(ライフプランコンサルタント)とがっちり信頼関係を築いている方が多いので、コンペになりにくい。そのため、本商品も「働けないリスク」について納得してもらえれば、結構な割合で申し込んでもらえる。但し、単純に「死亡+就業不能」の保険と見れば、やはり保険料は高いほうだと思う。稀に他社の商品と比較されることがあるが、そのような時には実際苦戦する。
そのような時には、うちの商品がどれほど色々な就業不能のケースに対応しているかと丁寧に説明するしかなないが、話がかなり難しくなってしまうので、正直、お客様が飽きてしまうことも多い。
他社と比較されると弱いので、そんなこともありこの商品は代理店には扱わせず、ジブの直販部隊だけが売れるようになっているのだと思う。
注:ジブラルタの商品は「乗合代理店」などでも販売出来る商品と、直販部隊のみが扱える商品に分かれている。
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保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。
口コミ・評判(契約者から)
・30代 男性 既婚さんからの口コミ
ジブラルタに転職した大学時代の友人に勧められ加入した。「人生のあらゆるピンチを救う」ということを言っていたが、実際、働けない時もカバーしてくれるので、死亡だけの保険よりは良いのではないかと思っている。保険料は加入時には比較していない。
比較検討した方が良い商品
以下の商品が当サイトで高評価。
本商品のライバルとなる。
アクサダイレクト生命 アクサダイレクトの終身医療 ★★★★☆
アフラック 医療保険EVER Prime プラス ★★★★☆
SOMPOひまわり生命 健康をサポートする医療保険 健康のお守り ★★★★☆
編集後記