この保険の弱点はここだ!三井住友海上あいおい生命「定期保険(法人用)」

提供会社:三井住友海上あいおい生命

商品名:定期保険(法人用)

この保険の弱点はここだ!!

100歳までの長期の死亡保障。

法人向けの長期定期としては、全般的にパフォーマンスは「良い方」だろう。

だが、加入する年齢、性別によっても変わってくる。

あいおいは50代後半などの年配経営者に強いイメージで、30代、40代の若手経営者の場合、同じ損保系のあんしん生命、ひまわり生命、もしくは外資のアクサや大手の第一生命などに負けることが多い。

但し、2019年の法人保険の税制改正以降は、

・保険料の損金性が低下

・将来の返戻率も低下

したため、企業側でも長期定期を導入するメリットがなくなってきている。

このあたりは以下コラムに詳しい。

参考コラム:法人保険の「節税」今、昔。原則的に保険で節税は出来ないよ、という話

あいおいの知人によると、本商品も以前は「売上の柱」であったが、現状では

「『ちょっとだけ損金』になって『お金が貯まるのであれば嬉しい』という経営者がたまに入るくらい」

という感じらしい。

あくまでその知人の感覚だが「全盛期の1/10程度しか売れていない」とのこと。

なお、本商品には100歳定期だけでなく、10年定期などの短期も用意されているのだが、これが意外と「安い」ことが多い。

特に30代、40代などの若い経営者が「借金をしたので、仮に死亡した時にはその返済分くらいの保険に入っておきたい」というような場合、各社の比較などをするとあいおいが良いということが間々ある。




この保険の弱点、こう考えろ!!

本商品は、健康体割引、非喫煙割引、SD割引(ゴールド免許割引)の3種類の割引制度があるため、それらの組み合わせによって保険料や将来の返戻率が変わる。

例えば50歳 男性で保険金額1億円の場合、以下のような範囲で変動する。

割引3種適用  保険料:2,966,000円 返戻率86.6%(65歳時点)
割引2種適用  保険料:3,036,200円 返戻率83.9%(65歳時点) 非喫煙&SD
割引1種適用  保険料:3,038,500円 返戻率83.8%(65歳時点) 非喫煙のみ

現在の法人保険の税制ルールは「最高返戻率が何%なのか?」により「保険料の何割を損金に出来るか?」ということが決まるので、本商品においては

・健康状態(健康体割引が使えるか?)

・タバコを吸うか?(非喫煙割引が使えるか?)

・ゴールド免許をもっているか?(SD割引が使えるか?)

によって、将来の最高返戻率が変わってくるため、落とせる損金の額も変わってくる。

但し、上記の3つのうち、タバコとゴールド免許に関しては割引を適用させるか、しないかを「恣意的」に使うことが可能。

例えばタバコを吸わないのだが、あえて「非喫煙割引」を使わずに最高返戻率を85%以下にして、保険料の4割を損金にする等の調整が出来る。

だが、ここで肝心なことは、

「現行のルールでは、基本的には節税にはならない」

ということ。

保険の営業マンがいかに詭弁を言ったところで、こればかりは事実。

例えば300万円 4割損金で返戻率が85%だった場合を想定してみよう。

【保険をやった場合】

10年間支払った場合、総額3,000万円。損金はその4割なので1,200万円となる。

1,200万円の損金はそのまま利益を圧縮してくれるので、法人税が30%だとすると360万円の節税が見込める。

一方、10年後に解約をした場合、3,000万円の85%は2,550万円。

この段階で450万円を保険会社に取られていることになる(死亡保障の対価として)

また、2,550万円戻ってきても、今まで4割を損金で落としているので、会計上、支払った保険料の6割1,800万円は保険積立金として資産計上されていることになる。

1,800万円の資産計上に対して、実際に戻ってきたのは2,550万円なので、その差額750万円は「雑収入」となる。

そして、この雑収入にも法人税がかかるので、30%とすると225万円となる。

つまり、保険会社に450万円取られ、最後の解約時に法人税で225万円取られ、マイナスの合計は675万円。

対してプラスは節税分の360万円。

差し引き315万円のマイナスとなる。

【保険をやらなかった場合】

この場合、保険で発生するはずの損金1,200万円が「ない」ので、その分の法人税360万円がかかる。

つまりマイナス360万円。

このように比較してみると、

保険をやった場合    315万円のマイナス

保険をやらなかった場合 360万円のマイナス

となるので、一見保険を「やった方」が45万円ほど得ではある。また10年間、死亡保障をもつことも出来る。

だが、これは10年間での話。1年にならすと4.5万円でしかない。

そしてそのために年間300万円、10年合計3,000万円ものお金を「塩漬け」しないといけない。

これが最大のデメリット。

事業における資金の効率的な利用という観点で見れば「やらない方が良い」とは思う。

以上のことから、本商品のような長期定期に加入するのは、こんな法人が合っていると言える。

・税金払うくらいなら、死亡保障があった方が良い

・かつ、キャッシュが豊富で、数千万円くらい10年程度寝かせておいても問題ない

正直なところ、こんな会社「そんなにないんじゃないの?」とは思う。

また、実際にさほど売れていないところを見ると、こんな会社は少ないのだろう。

なお、長期定期は、あんしん生命、ひまわり生命、アクサ、第一生命、あたりが強い。

保険ショップに行けば一覧で見積もってくれるので、参考資料として入手すると良いだろう。

口コミ(販売側から)

なし

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口コミ(契約者から)

なし

比較した方が良い他社商品は?

 

 




編集後記

約款

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