この保険の弱点はここだ!アクサ生命「アクサの就業不能保障プラン」

提供会社:アクサ生命

商品名:アクサの就業不能保障プラン

この保険の弱点はここだ!!

うーん、何とも中途半端な商品。

「就業不能」と大々的に打ち出してはいるが、実際のところ「本当にそうか?」という気がする。

では具体的な弱点を見ていこう。

弱点1 就労不能の全てのリスクをカバーしていない

この商品では、

1 死亡
2 高度障害
3 急性心筋梗塞より60日以上の労働制限が必要な場合
4 脳卒中で60日以上、後遺障害が継続した場合
5 介護状態
6 不慮の事故により180日以内

この6つのケースで保険金を支払うという。

1の死亡を除き、2~6までで「就業不能(働けない)リスク」をカバーしようとしているが、このケースに当てはまらなくても「働けない」場合は色々とある。

例えばがん。

がんの転移、再発で入退院をしていたり、もしくは既に手術が出来ず、毎月の抗がん剤治療が必要だったり。

抗がん剤治療は、1週間入院、その後1週間は自宅療養(体調が悪い)ので、月のうちの1/2、約2週間を治療に要する。

このような状態では到底働けないが、この商品では支払いの対象外となってしまう。

また、腎臓(人工透析など)、肝臓(重度の肝硬変など)が原因で就業不能に陥ることもある。

つまり、この商品には「ヌケ」が多い。

筆者の感覚としては、

「就労不能の7,8割はカバーしているかな」

という感じ。

本当に就業不能が心配なのであれば、それ専用の就業不能保険を検討した方が良い。

ライフネットからも就業不能保険が販売されているし、勤務先が損害保険会社と契約し、社員に提供(保険料は社員負担)している場合もある。




弱点2 介護は「オマケ」程度

この商品は「介護リスク」の対策としては、オマケ程度に考えておいた方が良い。

まずは、アクサ生命が「介護」と定義している内容を確認してみよう。

主に2つある。

1つは身体的な機能の条件。

a ベッド周辺の歩行が自分ではできない

まず、これが大前提で、更に以下の4項目から「2つ以上適合」している必要がある。

b 衣服の着脱が自分ではできない。
c 入浴が自分ではできない。
d 食物の摂取が自分ではできない。
e 大小便の排泄後の拭き取り始末が自分ではできない。

つまり、a+2つ(b~eの4つの中から)という状態を「介護」と定義している。

また、もう一つ「認知症」を原因とした「介護」に関するものもある。

器質性認知症と診断確定され、意識障害のない状態において見当識障害があり、かつ、他人の介護を要する状態

これも「介護」状態と認定される。

なお、「器質性うんぬん、意識障害うんぬん」という長い文章は介護の保険の「条件」として保険業界でよく用いられる文章で、簡単に言えば

「意識がしっかりしている(眠っていない)状態で、人や時間や場所が分からない」

という状態のこと。結構重い。

前者の「a ベッド+2つ」にしても、後者の認知症にしても、この状態になると、恐らく要介護4~5程度。
(アクサの商品説明にも要介護4相当、との記載がある)

他社の就業不能や介護の商品では「要介護2」から出すものが多いので、この商品はそれらに比べハードルが高い。

つまりは払われにくい、ということ。

参考:要介護2以上で保険金を支払う保険会社及び商品名
・ジブラルタ生命 介護保障付終身保険(低解約返戻金型)
・東京海上日動あんしん生命 低解約返戻金型終身介護保険
・日本生命 みらいのカタチ 介護保障保険

要介護4と言うと、ほとんど「認知症の最終局面」、「死の直前」という感じなので、ここで保険金が払われてもちょっと遅いだろう。

前項で説明した通り、就業不能保険としも弱いのだが、介護のハードルも高く、「介護」はあくまでオマケ程度に考えた方が良い。




弱点3 保険料が?

今まで説明してきたように、この商品は

死亡保険をベースにして

・就業不能の7,8割のリスクカバー
・介護の最終局面(要介護4)

という保障を乗っけているようなイメージ。

この保険料として、商品サイトには、以下のような例があった。

30歳 男性 
70歳まで
2,000万円
保険料:15,320円

本商品は「色々な保障のごった煮」のようになっているので、プロの筆者でも、この保険料が安いのか、高いのか分からない。

そのため、同じアクサグループのアクサダイレクト生命から販売されている「定期保険2」と比較してみた。

30歳 男性 
70歳まで
2,000万円
保険料:5,890円

但し、こちらは死亡保障と高度障害のみで、就業不能や介護は付いていない。

つまり、この差額

15,320円-5,890円 = 9,430円

が、

・就業不能の7,8割のリスクカバー
・介護の最終局面(要介護4)

の費用と言える。

9,430円もあれば、もっと範囲の広い就業不能保険と、要介護2から出る介護保険にも入れるだろう。

同じ保険料で、

・死亡/高度障害2,000万円
・本商品より範囲の広い就業不能保険
・要介護2から出る介護保険

という構成が取れるのであれば、つまりは本商品の保険料は

内容を考慮するとちょっと高い・・・

というのが筆者の感想。

比較した方が良い商品

ライフネット生命 就業不能保険「働く人への保険2」 ※作成中

三井住友海上あいおい生命 新総合収入保障 ★★★★☆/★★☆☆☆

SOMPOひまわり生命 じぶんと家族のお守り ★★★☆☆

FWD富士生命 FWD収入保障 ★★★★☆

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。