提供会社:第一生命
商品名:ジャスト 就業不能保険
ページコンテンツ
商品の構成について
参考コラム:
就業不能保険の種類が気になったら
就労不能保険「損保系」、「特化型」、「特約型」の違いを理解しよう
をご覧頂きたい。
第一生命が提供する就業不能のリスクに対応した商品。
なお、第一生命自体が堂々と「就業不能保険」と名乗ってはいるが、この商品を「就業不能保険」と呼ぶのには抵抗がある。
他の会社の就業不能保険と比較すると「ちょっと」と言うか、「だいぶ」スペック不足。
最大で5年程度までしか保障が続かないので、例えば脳梗塞で半身麻痺や、交通事故などで重い障害を負った場合など、
長期間の就業不能
には対応できない。
「軽い就業不能」には強いが、本当に深刻な事態となる「一生涯働けない」というような状況はカバーできないので、就業不能「風」保険と言った方が良いだろう。
しかし、悪い商品か?と言われると、そうでもない。
医療保険と就業不能保険の「中間」に位置するようなものなので、就業不能保険としてではなく、むしろ医療保険の代わりに入る方が良いような気がする。
まずは、基本構成を見てみよう。
-支払条件について
本商品の支払条件や支払対象は以下の通り。
入院 or 在宅療養が条件で、更に精神疾患、異常分娩も対象となる。
反面、他社で多く見られる
「障害等級1級 or 2級に該当すれば支払う」
という条件は設定されていないので、
既に治療は終了したが、障害が残ってしまい働くことが出来ない・・・
というような状況だと、入院でも在宅療養でもないので支払い対象とはならない可能性が高い。
-保障内容について
本商品は
・短期就業不能給付金
・就業不能給付金
の2つの保障から構成されている。
「短期」は14日間以上入院すると受け取れて、但し、給付金は月額の50%。
例えば、就業不能時の給付金を月額20万円で契約していれば、その50%の10万円が受け取れる。
半月(14日間)入院したから半分
ということだろう。
その後、入院が長引き、30日を超えた段階で、本丸の「就業不能給付金」が受け取れる。
その際にはまとめて「6か月分を給付」するので、毎月20万円の契約であれば一度に120万円が受け取れることになる。
これが計10回を上限に支払わられる。
実際の給付のイメージとしてはこんな感じ。
ケース1 うつ病で60日間入院 月額20万円の場合
短期就業不能給付金(50%)+ 就業不能給付金(6か月分)
短期 10万円 + 20万円×6か月分 = 130万円の給付
ケース2 がんで長期の入退院 月額20万円の場合
初回のがんで30日入院
短期就業不能給付金(50%)+ 就業不能給付金(6か月分)
短期 10万円 + 20万円×6か月分 = 130万円の給付
6か月後にも治療が終わらず、症状がひどくなった時に入院、改善すれば在宅療養という生活
改めて就業不能給付金(6か月分)を給付
20万円×6か月分 = 120万円の給付
この場合、この半年ごとの給付が最高で10回続く。
内容としてはシンプルで分かりやすい。
-保険料について
10年更新であるため、全体的に保険料は安い。
就業不能保険にしては珍しく、割引制度があり、保険料は以下の3段階が設定されている
・通常 割引なし
・健康診断割引(基本割引:健康診断を出しただけで割引される)
・健康診断割引(優良割引:健康診断の内容が良い場合、割引率が高くなる)
保険料は以下の通り。(月額20万円の場合)
健康診断の結果を出せば一定の割引が効き、その結果が良好で、第一生命の規定する条件をクリアしている場合(血圧、身長、体重など)には更に割引率が高くなる。
20代、30代では保険料も1,000円台であるため、かなりお手頃な印象を受ける。
以上が商品の概要。
では弱点の解説に入ろう。
参考コラム:
就労不能保険の種類が気になったら
就労不能保険「損保系」、「特化型」、「特約型」の違いを理解しよう
をご覧頂きたい。
各社の就労(就業)不能保険の☆評価一覧はコチラ
この保険の弱点はここだ!!
弱点1 就業不能保険ではない
ばっさり斬ってしまって申し訳ないが、冒頭でも述べた通り本商品は就業不能保険とは言えない。
理由は「最長で5年しか給付されない」から。
本商品は就業不能が続く限り、「半年に一回、6か月分」がまとめて給付されるが10回までという上限がある。
10回貰うと自動的に契約は消滅する。
6ヶ月 × 10回 =60ヶ月(5年)
が最長ということ。
仮に脳卒中で半身麻痺になったり、交通事故、スポーツ中の事故で重い障害を負った場合、それらの障害と一生付き合って生きていく必要がある。
そんな時、この保険では「5年で終わり」なので、その後の保障は何もない。
他社の一般的な就業不能保険は、「働けない状態」が続く限り、満期(60歳や65歳など)まで支払ってくれる。
5年もあれば十分では?
という意見もあるかもしれないが、むしろ本当のリスクは「長期の就業不能」であり、その点、この保険ではカバー出来ない。
以上の点から、この商品は「就業不能保険風」ではあるが本当に意味での就業不能保険ではない。
だが、使い方として「医療保険の代わり」として入るのなら良いと思う。
月額の設定が20万円の場合、14日間以上の入院で10万円、1か月以上入院すれば更に120万円(6か月分)が受け取れる。
14日以内の入院など、実のところそれほどお金もかからないし、医療保険に入っていても、大した給付は受けられないことが多い。
特に手術をしなかった場合は手術給付金がないので、数万円で終わってしまうこともある。
であるなら、医療保険には入らずに、この保険だけでも良いだろう。
30日以上の入院となると、結構な病気だが、合計130万円が給付されれば十分。
「わりと重い病気の時だけ」
の手当のためなら、この保険は良いスペックだと思う。
但し、繰り返しになるが長い「働けない」には対応できないので、過度な期待をしてはいけない。
弱点2 保険料が安いが、安さには理由がある
パッと見て保険料の安さが目を引くが、これは弱点1でも書いた通り「最長でも5年しか給付しない」という内容なので、保険会社からすれば
重度の病気・ケガで働けなくなって65歳まで毎月給付金を支払う
というような高額な保険料を支払うリスクがない。
そのため保険料が安く設定されている。
また、保険料自体が「10年更新」であるため、10年ごとに保険料が上がる。
20代、30代では就業不能になるリスクなど極めて小さいので、保険料もこの程度で済むが、更新を続け40代、50代になると、それなりの保険料になるはず(サイトには記載がないので未確認)
そういう意味では、スタート時には安くても、段階的に高くなっていくので、トータルでは結構な保険料を負担することになるだろう。
但し、冒頭でも書いたが、「若いうちに医療保険の代わり」として入るのであれば悪くないかもしれない。
特約 Good & Bad!!
Bad 払込免除特約
この商品に特約(オプション)を付けることで、以下の条件に該当した場合、保険料が免除される。
・がんと診断
・急性心筋梗塞で手術または60日以上の労働制限
・脳卒中で手術または60日以上の後遺障害
・障害者手帳3級以上
・要介護2以上
但し、そもそも保険料が1,000円台のものなので、これが免除されたところで、たかが知れている。
筆者は必要ないと考える。
参考コラム:
払込免除特約について悩まれている方は・・・
『保険に「払込免除特約」は必要か?』
をご覧いただきたい。
比較した方が良い商品
参考コラム:
就労不能保険の種類が気になったら
就労不能保険「損保系」、「特化型」、「特約型」の違いを理解しよう
をご覧頂きたい。
各社の就労(就業)不能保険の☆評価一覧はコチラ