提供会社:第一生命
商品名:ジャスト(総合保障:パッケージ型)
この保険の弱点はここだ!!
同社の看板商品だが、大手のパッケージ商品の中でも一番特徴がない印象。
ジャストという名前の元、ありとあらゆる保障が「パーツ」として用意されており、契約者のニーズに合わせて自由に組立られるようになっている。
だが、ホテルのブッフェのようなもので、和食、洋食、中華、イタリアンと何でも揃ってはいるが、一つ一つは専門店に及ばない。
そんな感じ。
このあたりは、以下コラムに詳しい。
参考コラム:古い日本の保険会社が提供する「パッケージ型商品」総論
動画(音声)でも解説中!!
保険料も総じて高く、また色々な保障がゴテゴテ盛り込まれてしまうので、契約者自身が「どんな保険か」理解していないことが多い。
筆者自身は、このようなパッケージ商品には否定的。
率直に言って「ずっと第一の担当者にお世話になっている」とか「友人、先輩が第一生命だから」とか「第一生命と仕事の関係があるから」など、第一生命に何かしらの義理があり「入らないといけにい」という方でなければ、選ぶ必要はないのかな。と思う。
参考コラム:「お付き合い保険」の断り方と「お付き合い保険」に入るメリット
なお、本商品「ジャスト」はパッケージ商品ではあるが、その中でも「これは単体で勝負できそう」というパーツは独り立ちさせ、下記の商品についてはそれぞれの単独の商品として見せている。
しかし、マーケティン上の理由で、あたかも「単品」のように見せているだけで、実際には「大きなジャスト」の中の一つの構成要素(パーツ)に過ぎない。
弱点1 10年更新
パッケージ型の商品の最大のデメリットと言うか「面倒臭い」部分がこれ。
保険が10年更新であること。
10年ごとに保険料が1.5倍から2倍に上がり、その都度、セールスレディと会って「この部分を下げて」、「新商品への切り替えを」など、ごちゃごちゃやらないといけない。
もちろん10年更新にはメリットもある。
若いうちは保険料が安いというということ。
昔の日本では、年齢が上がれば給料も上がるという「終身雇用」が当たり前であり、20代、30代、40代の昇給に合わせて、保険料が上がるというのも、それなりに合理的ではあった。
だが、今の日本では歳を取ったからと言って自動的に給料が上がることなどない。
若いうちは安くても、将来どれだけ上がるか分からない保険など、怖いだけだ。
弱点2 弱い部分を諸々列挙
本商品。とにかく「パーツ」が多い。
そのため一つ一つを解説していると、キリがない。
筆者が約款を査読した中で気になる点を列挙する。これらを見ても、それぞれの分野に特化した専門商品にくらべ弱い(そして、その割に保険料が高い)
・特定状態定期保険アシストワイド
上皮内がんが対象外、急性心筋梗塞では「手術をしない場合」、60日以上の労働制限が継続しないと貰えない。脳卒中でも同じく「手術をしない場合」には60日以上の後遺症が継続しないと対象外。条件が厳しい。
要介護状態において、他社では要介護1以上で払う場合が多いが、本商品は要介護2以上。こちらも条件が厳しい。
・特定状態定期保険アシストワイドプラス
ワイドに更にプラス。もうこのあたりのネーミングセンスは理解不能だが、前項の特定状態定期保険アシストワイドの「プラス版」
こちらだと上皮内がんも対象になり、急性心筋梗塞、脳卒中も「入院しただけ」で対象となる。
また要介護も1以上で対象となる。
付けるならこちらの方が良いかな?という気もするが、こちらの方が断然保険料が高い。
・特定状態収入保障保険インカムサポートワイド
イメージ的には、病気で働けないケースを想定した保障。
・がん
・急性心筋梗塞(手術 or 60日以上の労働制限)
・脳卒中(手術 or 60日以上の後遺症)
・要介護2以上
・身体障害手帳3級以上
のどれかに該当した場合、年金(100万円など)を最長10年間受け取れるのだが「10年後はどうするの?」というところ。
他社の同種商品では、「65歳まで」など長期で払うものが多い。
10年で打ち切るのは無責任かと。
・特定疾病定期保険/特定疾病充実保障定期
がん、急性心筋梗塞、脳卒中、死亡のどれかに該当した場合、保険金を受け取れる。
しかし、高度障害は対象外。(他社ではほとんどの商品で死亡=高度障害)
但し上皮内がんが対象外で、上皮内がんでも保険金を受け取りたい時は、充実保障定期にする必要がある。
しかし、前述の特定状態定期保険などと「かなり似ている」ため、一般的には理解不能。
何故にこのような同じようなものを乱立させるのか分からない。
・介護年金
要介護2以上で対象だが、他社では要介護1以上が主流。
・生存給付金付定期保険
サイトの契約例によると、死亡時1,000万円の保険がベースだが、3年毎に生存していれば30万円(死亡保険金の3%)が受け取れて、保険期間満了時には300万円(死亡保険金の30%)が受け取れるとのこと。
要は貯金+保険ということだが、注意書きには「生存給付金の受取総額は保険料の累計額を下回ります」とある。
つまり、100支払って100戻ってくるわけではなく、100支払っても90程度しか戻ってこないということ。差額の10は保険料として徴収されているのだろう。
だったら、養老保険や普通の終身保険の方が良い。
年齢にもよるが、ある程度若ければ、万が一の死亡保障が付いた上で、老後まで続ければ「支払った以上の返戻金」が戻ってくる。
・就業不能保険
詳細は上記を参考にして欲しいが、就業不能保険としては低スペックで、率直に言って「就業不能を名乗る」ほどの商品ではない。
・総合医療一時金保険
下記参照
うーん、ちょっと厳しすぎる気もするが、大手のパッケージ商品の中でも、一番ゴチャゴチャしている印象を受ける・・・
弱点3 健康割の割引率が今ひとつ・・・
本商品には健康割という制度があり、毎年健康診断結果を出すだけで割引が受けられる。
また、その結果が良好であれば、更に割引率が上がる。
最近大手では住友生命のVitalityや、明治安田のベストスタイルのように
「健康促進に取り組む方に保険料を割引(もしくはキャッシュバック)します!!」
という動きが多いが、それらに比べても第一の制度は粗い。
一体、どうなれば割引が受けられるのか?といった情報がブラックボックスで、そして割引率も低い。
健康診断結果という最もグレードの高い個人情報を毎年出させるわりには、その対価が低い。
またそもそも保険料が高いので「割引されても高いよね・・・・」という感じ。
比較した方が良い商品
当サイトではパッケージ商品には否定的。
各分野から、自分にあった商品を個別に選ぶことをおすすする。
編集後記