この保険の弱点はここだ!ジブラルタ生命「どるフィン」

提供会社:ジブラルタ生命

商品名:どるフィン

 

この保険の弱点はここだ!!

参考コラム:
ドル建商品の検討ってどうすればいいか?悩んだら
『ドル建商品の比較検討はこうすれば良い!!』
をご覧ください。

ジブラルタ生命の販売する「どるフィン」は、ドル建終身保険をベースとして、

3年に一回、生存給付金が受け取れる(保険金の3%)

ということを売りにした商品。

なお、商品ではこの生存給付金のことを「ジャンプボーナス」と呼んでいる。

保険料の払込期間は「15年間」に限定されていて、その間、3年ごと(3,6,9,12,15年目)にジャンプボーナスが支給される。

まず結論から言う。

この商品に既に加入されている方には申し訳ないが、仮に筆者が知人などから、

「どるフィンに入ろうと思うが、どうか?」

と相談されたら、

「やめておけ」

と言う。

その理由を「弱点(デメリット)」の中で解説していきたい。




弱点1 結局のところ利回りの先食い

生存給付金は言ってみれば「お小遣い」のようなものだろう。

まあ、好きな人は好きだが、このようなものは専門的には

利回りの先食い

と言う。

要は、将来発生するであろう「利回り」を手前で受け取る(先食い)しているだけ。

さらには「先に貰う」分、かなりディスカウントされてしまい、運用の面から見ればメリットは何もないどころか弊害が大きい。

これを分かりやすく説明するために、ちょっと例え話をしたい。

こんな商品があったとする。

100万円を年利3%で30年間預ける。(複利運用)

年利3%だから、翌年には103万円になり、その翌年には106万900円になる。

子の調子で20年後には180万円、30年後には243万円に。

つまり「今」は100万円の価値しかないが、「30年後」には243万円になることが決まっているということ。

さて、もしあなたがこれを「買ってくれ」と言われたらいくらで買うだろうか?

元本100万円と「3%複利が30年間続く権利」をセットにしたものだ。

年利3%なんて、今の超低金利から考えたらあり得ないので、喜んで買う人も多いだろう。

では243万円で買うか?

いやいや、それはないでしょう!!ほとんどの人がそう思う。

「だって30年間も待たないといけないんだよ?『待つ分』だけ安くしてよ!!」

普通はそういう話になる。

ではいくらが妥当なのか?これは人によって感想が異なるが、150万円くらいなら、という人もいれば200万円までなら出す。という人もいるかもしれない。

いずれにせよ安くなる。

これが「利回りの先食い」によるディスカウントだ。

将来増えるのが分かっていても、それを手前で受け取れば「時間分」割り引かれる。

当然、その「時間」が長ければ長いほど割引率は高くなる。

では実際の商品で、それを証明してみよう。

同社ではこのどるフィンとは別に、下記の3つの「ドル建終身」のラインナップがある。

米国ドル建終身保険
米国ドル建終身保険(低解約返戻金型)
米国ドル建介護保障付終身保険(低解約返戻金型)

この中で、最もスタンダードな米国ドル建終身保険とどるフィンを比較してみよう。

30歳 女性のケース

・どるフィン 
保険金 5万ドル(15年払込) 保険料 160.45ドル
15年間の総支払保険料 28,881ドル

・米国ドル建終身保険
保険金 5万ドル(15年払込) 保険料 100.35ドル
15年間の総支払保険料 18,063ドル

どるフィンでは3年ごと、計5回、生存給付金が発生する。

生存給付金は保険金の3%なので、毎回1,500ドル(5万ドル×3%)

それが5回なので、7,500ドルを15年目の払込終了までに受け取ることになる。

どるフィンは15年間で28,881ドルを支払うので、7,500ドルは支払った金額の約26%にあたる。

つまり、15年目の時点で比べると、

どるフィン     支払った保険料の26%が既に手元に戻っている
米国ドル建終身保険 何も戻ってこない 0%

という状況。

では、一気に時計の針をすすめて、この30歳女性が70歳になった時、40年後を見てみたい。

この時、解約した場合、両者の返戻率の差が凄い。

どるフィン     100.0%
米国ドル建終身保険 159.9%

どるフィンは70歳時点で100%だから、支払った総額28,881ドルと解約した場合の返戻金が同じ、ということ。

だが以前、生存給付金として7,500ドル(26%相当)を受け取っているので、トータルのリターンは126%ということになるだろう。

対して、米国ドル建終身保険のリターンは159.9%。

約34%もの差がある

要は、この分だけディスカウントされている。ということ。

投資として考えれば、若いうちにお小遣いを貰わず、ずっと放っておいた方が断然得ということが分かる。

この点だけ見ても、この商品はおススメ出来ない。

 

参考コラム:
ドル建商品の検討ってどうすればいいか?悩んだら
『ドル建商品の比較検討はこうすれば良い!!』
をご覧ください。

各社の外貨建終身保険の☆評価一覧は、コチラ




弱点2 保険料が高い

これも一目瞭然。

先ほどの比較を改めてみてみよう。

・どるフィン 
保険金 5万ドル(15年払込) 保険料 160.45ドル
15年間の総支払保険料 28,881ドル

・米国ドル建終身保険
保険金 5万ドル(15年払込) 保険料 100.35ドル
15年間の総支払保険料 18,063ドル

同じ「5万ドルの終身保険」なのに保険料が1.6倍も違う。

どるフィンは3年ごとに1,500ドルのお小遣いが受け取れるが、こんなに保険料に差があるのなら、米国ドル建終身保険に入って、差額を貯めておいた方が良い。

毎月の差額は約60ドル。年間720ドル。3年で2,160ドルが手元に残る。

こっちの方が1,500ドルより全然多い。

これだけを見ても、どるフィンを選ぶ理由はない。

少々偏見的な言い方で申し訳ないが、この手の「おこづかい商品」はわりと女性に受ける。

3年ごとに1,500ドル(日本円で16万円程度)貰える

と言われると、何となくお得に感じてしまうのかもしれないが、他の商品ともしっかり比較し、長い期間で考える視点を持った方が良いだろう。




弱点3 15年払込しかない

もうダメ押しでしかないが、本商品は15年払込しか選択できない。

一方、通常のドル建終身では5年払込から、30年、40年など色々と選択肢がある。

 

参考コラム:
ドル建商品の検討ってどうすればいいか?悩んだら
『ドル建商品の比較検討はこうすれば良い!!』
をご覧ください。

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