提供会社:はなさく生命
商品名:かんたん告知 はなさく収入保障
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この保険の弱点はここだ!!
持病などがある方でも入りやすい商品を「緩和型」と言うが、本商品は緩和型の収入保障保険という珍しいもの。
「なかなか面白いところを狙ってきたな」
というのが率直な感想。
緩和型の「普通の定期保険」などはかなり商品数が多いが、緩和型の収入保障保険というのはほぼ未開拓であり、現時点(2022年12月)では本商品以外にはFWDの「収入保障 引受緩和型」しかない。
契約者からすれば、FWDなどという訳の分からない保険会社(香港のPCCWという財閥の傘下で、しっかりとした保険会社ではあるが、日本ではマイナー)より、「日本生命グループ」という金看板を掲げるはなさく生命の方が安心。
「マイナー保険会社しかいないニッチなマーケットに日本生命グループが進出してきた」
という感じで、マーケティングとしては良いところを狙っていると思う。
地元の人しか知らないマイナースーパーしかない場所に「イオン」が来た。そんな感じだ。
では、次に「収入保障保険」とは何か?という点について触れたい。
収入保障保険は、万が一の時に「毎月〇〇万円」というお給料形式で保険金が受け取れる保険。
例えば、「15万円 65歳まで」というような形で契約をしておけば、仮に一家の大黒柱のお父さん(もしくはお母さん)亡くなっても、毎月15万円をお父さんが「65歳になる年まで」支払ってくれる。
つまり、定年退職まで働いた分の給与を保険会社が支払ってくれるので、この保険からの給付+遺族年金などで、元気に働いていた時と同程度の収入を確保できるのである。
そのため、お子さんがいらっしゃる家庭などで人気があり、保険業界の今のトレントで言えば
お子さんがいらっしゃる=死亡保障は収入保障保険で準備
という感じで認識されている。
そのため、ほぼ全ての保険会社から同種の商品が販売されており、各社保険料で熾烈な競争をしている。
非喫煙割引や健康体割引(BMI、血圧などがクリアしていればOK)などを提供している会社もあり、それらが適用されると保険料はかなり安くなる。
しかし、冒頭で述べた通り、収入保障保険の「緩和型」というのはほとんど提供されておらず、実質的にFWDとはなさく生命の2社しかない。
何故か?
一言で言えば「リスクが大きすぎる」ということ。
収入保障保険では、保険金が「給料方式」で支払われるため、死亡保険は「若ければ若いほど多くなる」という特徴がある。
例えば、先で挙げた「15万円 65歳まで」という条件で、30歳男性が加入した場合、35歳で亡くなれば保険金の受取総額は
15万円 × 12ヶ月 × 30年(35歳から65歳まで) = 5,400万円
となる。
これが、55歳で死亡した場合、受取総額は
15万円 × 12ヶ月 × 10年(55歳から65歳まで) = 1,800万円
と、年齢が上がったことで1/3程度まで減る。
「65歳まで」というケツが決まっているので、若くして亡くなればそこまでの時間が長い(受け取れる期間が長い)、年を取ってから無くなれば時間が短い(受け取れる期間が短い)ということになるからだ。
しかし、保険料はずっと同じ。
若い頃も年を取ってからも同じ保険料を支払っている。
だが、普通の健康状態の方であれば、若いうちに死亡リスクは低く、そのリスクは加齢とともに上がっていくので、保険料がずっと一定であっても
若いうち = 死亡保険金が多い でも 死亡リスクが低い
中高齢 = 死亡リスクが高い でも 死亡保険金が少ない
というバランスが取れるのである。
だが、緩和型となると「あまり細かいことは聞かずに加入させる」ため、保険会社からすると「どんな病気を持った人」が入ってくるか分からない。
実際、本商品でも
1 過去3ヵ月以内に医師より入院、手術、検査を勧められたか?
2 過去2年以内に、病気や怪我で入院、手術、先進医療をうけたことがあるか?
3 過去5年以内に悪性新生物または上皮内癌、肝硬変、認知症、アルコール依存症、統合失調症の診察を受けたことがあるか?
という3つの質問をクリアすれば加入出来る。
例えば、難病、遺伝性の糖尿病などに罹患している方でも「前の検査から3ヵ月1日経過」した段階で、2年以内に入院、手術をしていなければ入れる。
保険会社からすればこれは怖い。
特に収入保障保険は「入ってからすぐに死亡した」場合、かなり高額な保険料を支払うことになるので、仮に先の3つの質問を上手くすり抜けた契約者が、すぐに死亡してしまうと大打撃である。
そのため、多くの保険会社が「手を出せない分野」なのである。
だが、契約者サイドから見れば確実にニーズはある。
実際、20代、30代でも難病や遺伝性の病気で苦しんでいる方は多く、その中には家庭があり、お子さんがいらっしゃる方もいる。
出来れば、家族のために収入保障保険に入りたい・・・
と望んでいる人にとってはありがたい商品だろう。
そのような状況の中で、まずFWDが、そして次にはなさく生命が商品をリリースした。
どちらも新興の保険会社ではあるが、FWDにはPCCW、はなさくには日本生命という「後ろ盾」があり、多少のリスクなら取れる。
そのため「まあ、どうなるか分からないけど、やってみるか」という感じなのかもしれない。
また、本商品では緩和型ではあるものの、保険料払込免除を付けることも可能。
但し、その場合は先の3つの質問に加え、
4 過去2年以内に医師の診察・検査、また健康診断・がん検診・人間ドックにおいて、がん、子宮頚部異形成、ポリープ、主要、腫瘤、胸のしこりについて指摘されたことがあるか?
5 過去2年以内に心疾患、脳血管疾患、糖尿病合併症で医師の診察をうけたことがあるか?
という2つの質問をクリアする必要がある。
なお、払込免除については後述「この保険の弱点こう考えろ!!」にて述べているので、参考にして頂きたい。
以上、商品概要。
弱点1 高度障害が対象外
「仕方がないかな?」という気もするが、本商品は死亡だけが支払い対象で、高度障害状態は支払い対象外となっている。
対して、通常の保険は「死亡 or 高度障害」で保険金が受け取れるので、これは大きなデメリットである。
なお、先行しているFWDの緩和型収入保障でも、同じく高度障害は対象外となっているし、原則的に緩和型の死亡保障では「高度障害は対象外」となっているので、弱点とまでは言い難いのだが、一応注意喚起の意味で記しておく。
参考コラム:緩和型死亡保険で「高度障害」が対象外なワケ
弱点2 保険料が高い
緩和型というのは、持病や健康状態に問題のある方が入る保険なので、当然ながら保険会社からすれば「支払うリスクが高い」ということになる。
必然的に保険料も高くなる。
本商品の場合、年齢、性別にもよるが、通常の収入保障保険と比べると、2倍から3倍程度高い。
これをどう考えるべきか?
それは人によって異なる。
仮に死亡してもそこまで大きな保険金を必要としないのであれば、無理して本商品に入る必要はないし、逆にお子さんがいらっしゃって、万が一の時には大きな保険金が必要。それなのに健康状態が問題で、通常の保険には入れない。そんな方は入るしか無い。
結局のところ、高い保険料に対して「それだけの価値があるか?」というのは、ご本人しか判断できないだろう。
この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)
前述の通り、高度障害は対象外だし、保険料も高いので、万人受けする商品ではない。
そのため、星3つ評価とした。
だが、筆者自身は「良い商品」だと思う。
健康状態が悪くなるのは、50代、60代から。20代、30代なんて多少無理したって健康。
それが一般的な認識だろうが、実は若い頃から健康に問題をかかえている方は多い。
暴飲暴食、運動不足などで身体を壊しているなら自業自得だし、それらを改めれば良くなるし、改められないならそれも本人の選択。
しかし、遺伝的な体質で血糖値が高く、子供の頃から糖尿病と戦っているような方もいるし、ある日突然、難病になってしまう方もいる。
要は「自分のせい」でも何でもなく、深刻な健康問題に悩まされている方は結構いらっしゃるのである。
当然、普通の保険には入りにくい。
だが、その人生には「普通の人」と同じく恋愛があって、結婚があって、出産がある。
そうなればやはり保険が必要だ。
そんな時、本商品はかなり有効な選択肢になり得る。
確かに保険料は高いが、背に腹は代えられないし、高いと言っても、そもそも収入保障保険の保険料自体が数千円程度。
それが2倍、3倍になったとしても「負担できない」という程にはならない。
であるならば、やっぱり入っておいた方が良いと思う。
保険料は、性別、年齢、保険期間などによっても変わってくるが、先行するFWDと比較すると「ちょっと安いかな?」という感じ。
冒頭でも述べたようにマイナーなFWDよりは、日本生命ブランドのはなさくの方に安心感を覚える方がほとんどだろうし、更に保険料も安いのであれば、こちらを選んでおいた方が無難だろう。
だが、FWDの方も、ここまで真正面に商品をぶつけてこられてはたまったものではないので、早晩、保険料を改定(下げて)くるかもしれない。
そのため、タイミングによって「どちらが安いか?」は変わってくるだろう。
そこまで変わらないのであればは「なさくかなぁ・・・」という感じ。
なお、本商品には払込免除もあるが、筆者は「いらない」と思う。
そもそも保険料が高い商品でもあり、そこに払込免除を付けると更に2,3割ほど上がってしまう。
また、免除されると言っても数千円の話であり、これが免除されただけで、そこまで生活へのインパクトはないだろう。
口コミ・評判(販売側から)
某代理店担当者様から
数は多くはないが、「収入保障保険が必要だけど入れる保険がない」という方が稀にご相談にいらっしゃる。そのような方には良いと思う。
FWDとのコンペになると思うが、健康状態に不安をかかえている人向けの商品だけにバックグラウンドにいる日本生命という金看板が効いて、こちらの方が売れそう。
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保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。
口コミ・評判(契約者から)
・なし
比較検討した方が良い商品
編集後記