この保険の弱点はここだ!PGF生命「新・家族収入保険」

提供会社:PGF生命

商品名:新・家族収入保険

この保険の弱点はここだ!!

PGF生命が提供しているが、実際の販売は三菱UFJ銀行の窓口に限定されている。

要はPGF生命が三菱専用に開発した商品。

通常の収入保障保険の支払い対象は「死亡」と「高度障害」だけだが、そこに

・就業不能時

・精神疾患時

の保障も上乗せしたような商品で、言わば収入保障保険の「拡張版」というようなイメージ。

従来は

・死亡/高度障害 → 収入保障保険(PGFが属するプルデンシャルグループでは「家族収入保険」と呼ぶ)

・就業不能    → 就業不能保険

と役割ごとに商品が別れていたが、昨今、就業不能の機能を収入保障保険にセットにしたものが増えている。

本商品もその流れに乗ったものと言える。

支払い条件としては、以下の通り。

・死亡 

・高度障害

・就業不能
 1 障害等級1,2級
 2 約款所定の状態

・精神疾患(パンフレット上では特定障害と言う)
 1 障害基礎年金のうち1級の第10号に該当
 2 約款所定の状態

但し、精神疾患に関しては、給付は最長3年間で終了する。

このように眺めてみると、色々なリスクをカバー出来ているようには思うのだが・・・

以上、商品概要。

では弱点。




弱点1 就業不能、精神疾患のハードルが高い

一口に就業不能(働けない)と言っても、実に様々な状況がある。

軽度なものであれば、病気や怪我で1ヶ月間入院していても「就業不能」だし、寝たきりのような状態になっても、もちろん「就業不能」である。

だが、例えば事故などで頸髄を損傷し、下半身麻痺で車いす状態となったとしても、仕事をする方もいる。

このように、ちょっと例を挙げただけでも、就業不能状態は千差万別で、また仮に障害があったからと言って、必ずしも「働けない」とも限らない。

その点、誰が見ても一目瞭然の「死亡」とは異なり、就業不能は定義が難しい。

しかし、保険会社としては「支払うための基準」が必要であり、そのため、

うちの会社は「就業不能は◯◯の状態」と定義します!!!

と約款上で宣言をしないといけないわけだ。

これが保険会社ごとにかなり違う。

代表的な定義を軽い順に言えば

・入院中(例:30日以上、入院が継続した場合)

・在宅療養中(医師の指示のもと、在宅で療養している状態)

・障害等級3,4級

・障害者手帳3級/障害等級2級

・障害者手帳2級/障害等級1,2級

・障害者手帳1級/障害等級1級

こんな感じ。

なお、就業不能保険においては、基準として障害等級1,2級を採用している会社と、障害者手帳1,2,3級を採用している会社、もしくはその両方を採用している会社があるが、これはほぼ同じレベルの基準と考えて良い。

障害等級も、障害者手帳もどちらも国の制度なのだが、障害等級は障害者年金という年金制度に紐付く基準であり、障害者手帳は各自治体が交付するもので、税の優遇だったり、交通機関の割引などを受ける際に提示するもの。

この2つの認定基準は厳密には異なるのだが、レアケースを除けば、障害等級1,2級と障害者手帳1,2,3級は「だいたい同じくらい」

障害等級1級であれば、おおよそ障害者手帳も1級になることが多いが、障害等級2級の場合には、障害の程度や場所などによって、障害者手帳が2級になることもあれば、3級になることもある、という感じ。




で、話は本題に戻る。

本商品では、前述の通り、就業不能状態を

・就業不能
 1 障害等級1,2級
 2 約款所定の状態

と定義している。

これは就業不能の基準の中でも一番ハードルが高い。

要は「簡単には貰えない」ということ。

具体的に一番困るのは「がん」だ。

がんの場合、スパッと斬って、それで治るのであれば良いが、再発、転移などを繰り返して長期間の治療を要することがある。

このような時、本商品では対象にならないことが多い。

がんの治療をしていて、体は弱っているが障害等級を認定されることはないからだ。

そうなると「約款所定の状態」に該当するか?という点が争点となるのだが、これがまた厳しい。

まず、以下の「すべて」に該当することが前提。

1 赤血球数 350万/mm3以下
2 血色素量 10g/dl未満
3 ヘマトクリット 25%未満
4 総蛋白  5g/dl未満

かつ、

・歩行や身のまわりのことは出来るが、ときに少し介助が必要なこともあり、軽労働は出来ないが、日中の50%以上は起居している

という状態である必要がある。

なかなか厳しい。

後半の「身の回りうんぬん」というのは、わりと主観的な基準なので本人と家族の申告次第でもあるが、血液系の基準の「すべて」をクリアしていないといけないのは、結構厳しい。

その点、他社の就業不能保険であれば、

・医師の指示で在宅療養

であれば、支払ってくれるので、この点では本商品の方が条件が悪いことが分かる。

また、精神疾患の方も、他社では「入院していれば払う」ということが多いが、本商品では

・精神疾患(パンフレット上では特定障害と言う)
 1 障害基礎年金のうち1級の第10号に該当
 2 約款所定の状態

とある。

障害基礎年金1級の10号とは、

10号「精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められるもの」

とあり、前各号とは、1号から9号までの定義で、両眼失明や下半身麻痺、座っていられない、もしくは立ち上がれない、などなどが並ぶ。

いずれも、普通の方が想像する1級障害状態であり「それと同等の精神疾患」が10号が定義するところである。

これも「結構厳しいよね」という感じ。




弱点2 65歳までしか選べない

本商品はPGF生命が三菱UFJ専用に作った商品であるが、何故か保障を65歳までしか伸ばせない。

年金受取は65歳までが最長で、それ以上の年齢は受けていない。

昨今、晩婚化の影響もあり、40代で子供をもうけることも少なくない。

例えば夫45歳、妻38歳という年齢で子供が生まれた場合、子供が22歳で大学を卒業する時には、夫は67歳となっている。

そのため、万が一の時でも67歳までは毎月の給付を受けられるように設計することが一般的。

だが、本商品では65歳までしか組めない。

この自由度の低さはデメリットであろう。

弱点3 保険料が高い

これはある意味仕方がないのだが、基本の収入保障保険に「色々なものが付いている」ので、どうしても保険料が高くなってしまう。

同種の商品を販売するライバルに比べると、1.5倍から2倍程度高い印象。

この保険の弱点、こう考えろ!!(解決策)

結論としては、やめておいた方が良いかな?という感じ。

保障内容、保険料などで、本商品より良いものはいくらでもある。(文末、「検討した方が良い商品」を参照)

また、このような「純粋な保険」を銀行の窓口で入ることにも違和感がある。

貯蓄系の商品などであれば、銀行の窓口で入るのも、それなりには理解出来るが、収入保障保険などは

「万が一のことがあった場合に一番頼りになる保険」

であり、まさに保険の中の保険という感じ。

銀行の窓口の担当者は、2,3年おきにコロコロ変わるので、そのようなところで入るよりは、いざという時にしっかりとサポートしてくれるプロの保険屋から入った方が良いのではないか?

もしくは「担当なんていらない」と思うのであれば、割り切ってネット系の方が全然安いので、そちらをオススメする。

いずれにせよ、本商品を紹介されたのであれば、すぐに決めるようなことはせず、保険ショップにでも行って、

収入保障+就業不能がセットになったものの見積もりが欲しい

とお願いしてみて欲しい。

おそらく、嫌になるくらい資料を渡されるので、その中で保険料の安さ1,2,3位、保障内容の良さ1,2,3位あたりと、本商品を比較してみてはいかがか?

口コミ・評判(販売側から)

正直、銀行窓口で売るような商品ではないので、ほとんど販売されていない・・・
また保険料も高いので、それだけで窓口の相談員から敬遠されてしまっている。

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口コミ・評判(契約者から)

なし

検討した方がいい他社商品

基本部分の収入保障と「上乗せ保障」の就業不能、精神疾患などが別れていることが多い。

アクサダイレクト生命 収入保障2 ★★★★☆

FWD生命 FWD収入保障 ★★★★☆

オリックス生命 Keep ★★★★☆

T&Dフィナンシャル生命 家計にやさしい収入保障 ★★★★☆

はなさく生命 はなさく収入保障 ★★★★☆

三井住友海上あいおい生命 新総合収入保障 ★★★★☆

メットライフ生命 収入保障保険マイディアレスト ★★★★☆

SOMPOひまわり生命 じぶんと家族のお守り ★★★☆☆

メディケア生命 メディフィット収入保障 ★★★☆☆

編集後記

約款