提供会社:メディケア生命
商品名:USドル建IS養老保険
法人向けなら・・・・
個人向けなら・・・・
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この保険の弱点はここだ!!
個人、法人、どちらでも加入可能だが、主に法人向けの商品。
ドル建の割にそこまで利率も高くないので個人向けとしては星1つ、但し法人向けとしては福利厚生プランに使う前提で星3つとした。
なお、そもそも「養老保険って何?」という方は以下コラムをお読み頂きたい。
参考コラム:養老保険総論 養老保険の「まとめ」
本商品は法人の福利厚生プランにて、従来の円建の養老保険の代りに使用されることが多い。
参考コラム:全員加入の養老の保険料を1/2損金で落とす!!の「落とし穴」
円建に比べれば、ドル建の方が利率が高いので、その点が魅力。
反面、為替リスクもあるので、「高い利率」と「為替の変動」を天秤にかけてどちらが良いか?という感じだろう。
筆者の個人的な見解では、為替の変動など、さほどのリスクでもないので、円建よりはドルの方が良いと思う。
なお、最近では株価などに連動する「変額養老」という商品も出てきており、こちらもリスクはあるものの、インフレに対応出来るため割と選ばれているようだ。
筆者自身も、福利厚生プランの提案には、ドルか、変額かを使うことが多い。
採用されるのは3:7くらいで、ドル:変額という感じ。
さて、本商品。ドルの養老保険というかなりニッチな商品だが、この分野でのプレイヤーはさほど多くない。
メットライフ、ソニー、ジブラルタ、プルデンシャルくらい。
その中で本商品の返戻率は「1位」か「2位」であることが多く、その点では優秀。
ただし、1位と言っても2位、3位との差はごくわずかで、これだけが頭一つ飛び出しているわけではない。
そもそも、ドル建の養老保険などは、間接的に米国債を買っているようなものだ。
実質的には米国債をだけで運用されているものが多い。
そのため、ドル建養老の利率は、ほぼ米国債の利回りとリンクしている。
本稿を書いている2023年2月時点での本商品の利率は2.88%となっている。
サンプルの資料を見ると、30歳 男性 5万ドル 15年の養老で、保険料は269.45ドル
15年間で48,501ドルを支払って、満期時には5万ドルなので、返戻率は103%。
これはちょっと物足りと言うか、米国債の利回りが3%後半で推移しているのに
「随分慎重な利率だな」
という感じ。
もうちょっと強気の利率を設定しても良さそうなものだが、このあたりは同業他社の動向を見て設定しているのだろう。
なお、商品名に「IS」という文字が含まれているが、ISとは「利率変動型:Interest rate Change」という意味。
そのため、本商品は毎月利率が変わる仕様となっている。
以上、商品概要。
では弱点。
弱点1 利率変動型である
本商品の利率が変動することは先に述べたが、対して他社商品では利率が加入時に固定されているものが多い(ソニー、ジブラルタ、プルデンシャルなど)
これには、良し、悪しがある。
例えば今のように米国債の利回りが高い時には、どこの会社も利率を高めに設定する。
そのため、利率固定型はそれが契約終了まで続く。
対して、本商品のような変動型は、良い時は高くなるが、悪い時は下がってしまう。そのため、結果が読めない。
個人的には今のような高金利(米国債の利回りが高い)の時期なら「固定」の方が良い気もする。
逆に1,2年前のようにコロナ禍で米国債の利回りが低い時には、将来の上昇を見据えて「変動」の方が良い。
本商品は変動型。
「今」は他社が高い利率で固定してきているので、やや逆風かもしれない。
弱点2 為替手数料が結構高い
メットライフは為替手数料が結構高い。
為替手数料とは1ドル買うごとにかかる手間賃のようなものだが、メットライフではプラスマイナス0.5円となっている。
つまり1ドル130円の時には、130.50円で買わないといけない。
なお、ジブラルタも0.5円、プルデンシャルが0.25円、ソニーはグループ内にソニー銀行がいる関係からなのか、激安に0.01円となっている。
先に挙げたサンプルでは、30歳 男性 5万ドル 15年の養老でトータル48,501ドルを支払い、5万ドルを受け取るが(返戻率103%)、48,501ドルを買うということは
48,501ドル × 0.5円 =24,250円
の手数料を支払うことになる。
これがプルデンシャルなら0.25円なので、更に半分の12,125円、ソニーなら4,850円で済む計算。
為替手数料などは何の利益も生まないただの「コスト」でしかないので、安いに越したことはない。
また、5万ドルを日本円で受け取る時にも、ドル→円で為替手数料を取られるので、この時にも24,250円かかる。
トータル48,500円。
これがソニーなら9,700円なので、約4万円ほどメットライフの方が割高ということ。
満期金5万ドルで1ドル120円だとすると、日本円で600万円になるが、4万円はそれの0.67%にあたる。
つまり実質的には返戻率が0.67%悪化しているということ。
そのため、仮に15年間での返戻率が、メットライフ103%、ソニー102.5%だったとしても、為替手数料を考えると
メットライフ 102.33%(1ドル120円、満期金を600万円として、48,500円を引く)
ソニー 102.34%(1ドル120円、満期金を600万円として、9,700円分を引く)
と、僅差でソニーの方が良いということになる。
細かい話だが、法人の福利厚生プランで導入するならば、保険料も高額になるので、為替手数料もバカにならない。
これだけをもって「本商品は良くない」と言うつもりはないが、一応、ここに挙げておきたい。
この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)
以上、結構厳しい指摘をしてきたが、基本的にはライバルより返戻率も高めなので、悪い商品ではない。
そこまで増える商品でもないので、個人でやる意味はないと思うが、法人の福利厚生プランなら、十分競争力はあるだろう。
現状、マイナス金利政策の影響で円建の養老保険はボロボロ。
ほとんどのケースで逆ザヤとなってしまう。
それよりはドル建の方がマシだろう。
ライバルとしては、ドル建養老に限れば、先に挙げたソニー、ジブラルタ、プルデンシャルなどだが、変額タイプの養老なども検討してみた方が良いかもしれない。
特に法人の福利厚生で導入する場合、ドル建だと保険料が為替の影響を受けるので、支払い保険料が読めないという点がネック。
反面、変額養老であれば、保険料は一定なので、その点は安心だろう。
まずは各社のドル建養老や変額養老の資料を保険ショップなどで集めて「返戻率がどんなものなのか?」という点を調査することをおすすめする。
なお、当サイトでも法人保険の相談を有料で受け付けているので、ご興味ある方は以下をご参照頂きたい。
参考コラム:法人保険のご相談を受け付けています!!
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比較した方が良い商品
ジブラルタ生命 養老保険/ドル建養老保険(法人用) ★★★☆☆
プルデンシャル生命 ドル建リタイアメントインカム ★★★☆☆
編集後記: