提供会社:三井住友海上プライマリー生命
商品名:通貨選択型特別終身保険
別名
幸せの贈りもの:三井住友銀行、SMBC信託銀行、SMBC日興証券
想いの架け橋2:みずほ銀行、みずほ証券
やさしさ、つなぐ:りそな銀行、埼玉りそな、関西みらいFG、等
やさしさ、つなぐプラス介護2:三井住友信託銀行
参考コラム:
外貨建一時払終身保険特集!!
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「超」わかりやすい!!予定利率と利回りの違い!!』
この保険の弱点はここだ!!
三井住友海上プライマリー生命は三井住友海上グループの保険会社で、同グループの保険会社として三井住友海上あいおい生命が有名だが、プライマリーの方は主に銀行窓販向けの商品の開発・販売を行っている。
本商品は以下のような特徴を持つ
・まずまとまったお金を預け、外貨に換え、運用を開始する
・スタート直後から毎年、年金を受け取れる。その年金を子や孫に贈与しても良い
シンプルに考えればお金を預けて、それが年金形式で戻ってくるだけなので、自分の口座からお金を引き出すことと何ら変わりがないのだが、その一式を保険会社に委託することで以下のような効果が期待出来る。
・外貨で運用するので多少は増える
・預けたお金は年金として受け取るので徐々に減っていくが、減っていく資産を運用してくれるので、資産を「長持ち」させることが出来る
例
1000万円を年間100万円 → 10回受け取れば終了
1000万円を外貨に換えて年1%前後で運用 → 多少増えるので11回受け取れる
・年金を子や孫に渡すことで、世代間の資産移転が出来る
・その際、毎年渡す年金を110万円以下に調整してくれる
例
毎年 1万ドルを渡すとすると、1ドル110円なら100万円、1ドル120円など120万円となる。
しかし、贈与税は「110万円まで非課税」というルールがあり、これを超えると贈与税を納税しなくてはいけない。
その納税の金額がどうこうより、面倒くさい。
そのため、本商品では自動的に為替を計算して、毎年の年金を110万円以下に調整してくれる機能がある。
・死亡時には預けた金額以上の保険金がある(あくまでドルベース)
まあ、全体的に「凝ってるな」という感じ。
あれここれも盛り込んでいる印象。
但し、この保険会社の商品はネット上から約款が見れないので、いまいち細かいところは分からない。
と言うか、このご時世に約款を見せない(探しにくい)というのはどういう了見なのだろうか?
高齢者に見られたくないのかぁ~
などと、やや嫌味なことを考えてしまう。
と言うことで、盛り沢山の機能の全てまでは分からないものの、商品開発の担当者が色々知恵を絞って考えたんだろうな。とは感じる。
また、このような商品を使っておくと、保険会社という「公的な機関」が入ることで、本来であれば毎年作成しないといけない贈与契約書などを省けるし(とは言っても、ちゃんと作っておくに越したことはない)
あら、今年贈与するの忘れちゃった・・・
などといううっかりミスがなくなる。
商品のキャッチコピーとしては、
貴方の代わりに贈与業務を代行します!!
そして外貨でちょっとでも増やすために頑張ります!!
そんなところだろう。
では、弱点。
参考コラム:
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弱点1 ほとんど増えないのに外貨にする意味あるか?
本商品の利率は外貨建てなのに低い。
支払回数や、死亡保険金を残す、残さない(年金として全額受け取ってしまう)など、様々なパータンがあり、それぞれ利率が違うが、2020年6月現在、最も高いものでも
米ドル 0.59%
豪ドル 0.31%
という程度。
保険会社としては、死亡保険金も用意しないといけないし、毎年の年金は払わないといけないし、その金額は贈与税の非課税枠に収まるように調整しないといけないし、等々
やることが多すぎて
運用どころではないのだろう。
保険会社側が「何か」をやれば、つまりサービスを提供すれば、その分、コストが発生する。
そのコストは顧客から預かった資産の運用益から頂くしかない。
分かりやすく日本円で説明すれば、1,000万円預けて、翌年1,010万円になっても、この増えた10万円から保険会社が手間賃を取るわけだ。
この商品はとかく、やることが多いので、顧客に返すことが出来るリターンが0.59%程度なのだろう。
まあ、外貨建商品で0.59%は低すぎる。
考えても見て欲しい。1ドル110円が109円になっただけで、
約1%も価値が下がっている
のである。
外貨にするということは、そのリスクを引き受けるということで、その対価が0.59%では割が合わない。
もし、私の親がこの商品に入ると言いだしたら、
普通に日本円で毎年110万円贈与してくれ
とお願いする。
それを私が運用した方がよっぽどマシだ。
確かに贈与を自動的にやってくれる機能は便利ではあるものの、
この利率でわざわざ外貨にする必要なくね?
というのが率直な感想。
贈与額を非課税の110万円以下に調整してくれる、という機能も「年金を外貨にしちゃったから」起こりえる問題であり、そもそも日本円で渡していれば、調整する必要すらない。
弱点2 あんまりやり過ぎない方が良い
高齢者の贈与で良くあるのが、
やり過ぎちゃった
ということ。
要は、子供たちに資産を渡し過ぎてしまって、思いもかけず自分が長生きしたり、大病をやったりして、お金が必要になった時に、手元資金が心もとない。という状態。
そうであれば、子供たちに「返せ!!」と言えば良いだけなのだが、金が絡むと人間関係はややこしくなる。
それが例え親子であっても「一度貰った金は俺のもの」とばかりに意外と渋る。
いやー、子供たちにもお金がかかちゃってさー、ちょっと助けてあげられないんだよー
なんて平気で言うバカ息子もいるし、そんな例はいくらでも見てきた。
もちろん暦年贈与(毎年の贈与)は相続税対策には有効ではあるが、無理のない範囲でやること。
自分自身の人生があってこその贈与で、やり過ぎてはいけない。
本商品は一度入ると、自動的に贈与が続く。
途中で「ヤバイ!!自分たちのためのお金が必要だ!!」と思った時に融通が利かない。
弱点1でも述べたが、リスクをとって外貨にしてもほとんど増えないし、年金形式にすることで、資産を自由に使うことも出来なくなる。
注:途中解約も可能だが、短期で解約をすると損をする仕組みになっている
老後など何が起こるか分からないのに、為替リスクをとってまで、わざわざ自分の資産に鍵をかける必要もあるまい。
手元に持っておいて、自分の意思で贈与するなり、老後を楽しむために使うなりすれば良いのではないか?
参考コラム:
外貨建一時払終身保険特集!!
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