この保険の弱点はここだ!大樹生命「ドリームロード」

提供会社:大樹生命

商品名:ドリームロード(一時払外貨建生存給付金付特殊養老保険)

この保険の弱点はここだ!!

一時払の外貨建商品。

外貨は米ドルか、豪ドル、期間は5年、10年、15年から選択可能。

契約時には契約初期費用という「申込手数料」のようなものが取られ、2022年8月現在、以下のようになっている。

預け期間 5年   2.3%
預け期間 10年 4.0%
預け期間 15年 4.0%

また、預けている間の利率は、毎月1日、16日に発表され、申込時のものが適用される。

例えば2022年8月1日の利率は以下のようになっている。

豪ドル 5年 3.25% 10年 3.45% 15年 3.65%
米ドル 5年 3.05% 10年 2.95% 15年 2.90%

この利率は2022年8月1日から同15日までの申し込みに有効で、8月16日以降はまた16日に発表される利率が適用されることになる。

実際の例を見てみよう。

例えば500万円を米ドルに5年間預けたとする。

前述の通り、初期手数料2.3%が取られるので、500万円のうち11万5,000円は無条件で引かれてしまい、残り488万5,000円が米ドルとなる。

1ドル130円なら、37,576.92ドルとなる。

これが先に提示した利率、米ドル5年なら3.05%で運用されていくことになる。

なお、運用の途中でも「保険関係費」という

保険契約の維持、死亡保障などにかかる費用(パンフレットから抜粋)

がかかるのだが、この中身は年齢や性別などによっても変わってくるので、良く分からない。

おそらく大樹生命の内部でも商品を企画した部署しか知らない情報で、現場の営業も一体何なのか理解していないだろう(だいたいどこの保険会社もそう。この部分はブラックボックスになっていることが多い)

だが、商品の性質から考えて、そこまで高額な費用がとられていることは考えにくので、このあたりは設計書で確認するしかない。

また、本商品では毎年、生存給付金という「お小遣い」のようなものが受け取れる。

パンフレット上では、具体的にいくらくらいになるかは不明だが、基本的には「その年に増えた分の一部」が配られるようなイメージ。

以上が商品概要で、実質的には「外貨預金」のようなものなのだが、一応「保険」を名乗っているだけあって、死亡時には「支払った保険金」が戻ってくる。

先の例で言えば、500万円を支払っているので、死亡時には500万円が戻ってくるということ。

500万円支払って500万円戻ってくるだけなので、これを保険と言って良いのか迷うところだが、高齢者などには

・外貨はリスクがあるけど、途中で死亡した場合は支払った保険料がまるまる戻ってくるので安心

・途中、毎年お小遣いも受け取れる

・定期預金でお金を寝かせておくよりは良い

というようなトークが効くのだろう。

なお、外貨建の一時払系商品としては、オーソドックスな「ターゲット機能」、「年金機能」などが用意されている。

ターゲット機能については、以下コラムをご覧頂きたい。

参考コラム:ターゲット?保険金保障?外貨建一時払商品に「よくある」特約を解説!!

年金機能は、そのまんま。

満期金を、分割で年金払いにすることが出来るというだけ。

では、弱点の解説に移る。




弱点1 初期手数料もかかる、外貨預金で良いじゃん

うーん、何だか良く分からない手数料が多い。

初期手数料もかかるし、運用中の保険関係費もかかるし、何だから色々言い訳をつけて預けたお金が「削られる」ような印象を持つ。

これに預けるなら、普通に外貨預金で良くない?

それが本音。

試しに2022年8月時点での米ドルの外貨預金の金利を調べてみると、住信SBIネット銀行で、3年もので3.0%となっている。

本商品は5年で3.05%なので、ちょっとだけ高いが、その代わり初期費用も取られるし、3.05%で運用した中から保険関係費も取られるので、おそらくは外貨預金で「年利3%」で運用した方が増える。

本商品のメリットとしては、死亡時に「預けた金額(日本円)」が戻ってくるという点ではあるが、そのために色々と手数料を取られることを考えると、さほどのメリットにも思えない。

筆者は外貨預金の方が良いと思う。

弱点2 早期解約にはペナルティあり

本商品だけに限った話ではないが、保険会社が提供するこの手の「一時払の外貨商品」には、早期解約に対して市場調整価格というペナルティがある。

市場価格調整については、以下コラムにて解説しているのでご参照頂きたい。

参考コラム:市場価格調整とは?

この保険の弱点、こう考えろ!!(解決策)

本商品。当サイトでは星1つと「酷評」してはいるが、それは

・そもそも保険じゃない

・初期手数料がある(同種のもので初期手数料が「ない」ものもある)

・外貨預金に負けてしまう

・早期解約でペナルティあり

ということで、低評価となっている。

だが、反面、「入らない方が良い」というほど悪いものでもない。

何が「悪くない」のか?

それは、大樹生命の営業職員との「お付き合いで入る」なら、まあ悪くはないんじゃない。という意味。

本商品、外貨建の一時払商品としては、さほどメジャーでもなく、保険ショップや銀行の窓口でも、これを紹介されるようなことはない。

つまり販売しているのは大樹の営業職員だけということ。

「お金が〇〇〇万円ほど余ってる。何も運用していない」

そんな相談をされた時に、この商品が出てくることが多い。

前述の通り、他社で本商品より好条件の商品もあるし(初期手数料などがかからない)、外貨預金の方が良いとは思うのだが、そのようなことを積極的にやっている人は、そもそも大樹の営業職員に相談などしないだろう。

そのような人にとっては、この商品「でも」良いんじゃない?という感じ。

初期手数料などは、実質的には営業職員の手間賃のようなものだが、自分で外貨預金をやろうと思えば、銀行口座を開いたり、ネット上で手続きしたりと色々と面倒くさい。

そのような手間を全て代行してくれるのだから、ある意味では2、3%の手数料が取られるのも仕方がないだろう。

例えば米ドル5年物の場合、初期手数料として2.3%が取られるが、その後は3.05%で運用してくれるので、8,9ヵ月で元本を回復する計算。

要はこの分が、営業職員への助言料、手間賃ということで、自分ではなかなか動けないのであれば、代行費用としてこれらのコストがかかるのも仕方がないだろう。

タダでは誰も動いてくれないということ。

「騙されてる!!」というような商品ではないので、お付き合いで入るなら別に問題ないと考える。

口コミ・評判(販売側から)

・なし

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保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。

口コミ・評判(契約者から)

・なし




比較検討した方が良い商品

外貨建の一時払商品は各保険会社から販売されており、また金融機関などでもそれを代行販売している。

それらは本商品のように、毎月1日、16日に利率が変わるので、一概に「どこか良い」とは言いにくい。

そのタイミング次第でも変わる。

本商品と比較したいなら、保険ショップなどに設計書を持っていき

「これより良いものがあったら紹介して欲しい」

と言うのが早いだろう。

但し、同じ外貨でも、株式市場などと連動するようなものもあるので要注意。

「単純な外貨建で、固定利率、変額(株式連動商品)などは含まないで、この商品と同じ期間で、より増えるものが欲しい」

と言えば良い。

なんだか理解出来ない商品を勧められたら、他の保険ショップに行った方が良い。

編集後記

約款