提供会社:プルデンシャル生命
商品名:逓減定期保険
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この保険の弱点はここだ!!
何とも懐かしいと言うか、ノスタルジーを感じる商品。
だが化石のような商品でもあり、保険料も高いので一つ星評価。
逓減定期とは「定(逓)期的に減っていく定期」という意味で、当初の保険金が時間の経過とともに徐々に減少していく保険。
例えば、スタート時3,000万円の保障があっても、5年後には2,000万円、10年後には1,000万円、15年後には500万円などに目減りし、以後は500万円がずっと続くような感じ。
そのため、保障を図にすると右肩下がりの階段のような形となる。
何故にこんな変な内容なのか?
主に利用用途は2つある。
1つは学費の保障。
万が一、お父さんが亡くなった時に、それでも子供たちがしっかりと学業に専念出来るためにこのような保険に入っておくのである。
学費というのは、子供が小さければ小さいほど(お父さんが若ければ若いほど)「たくさん用意」しておく必要がある。
小学校、中学、高校、大学と、まだまだ先が長いからだ。
しかし、子供が高校生くらいまでに成長すれば、そこでお父さんが亡くなっても、あとは高校数年+大学4年の学費で済む。
つまり、「必要な保障額」が減っていくのである。
そこで、この逓減定期。
若いうちのお父さんが死ねば、小さな子供たちのための多くの保険金を。
お父さんがそれなりの年齢で死ねば、子供たちも残り期間に応じた金額を遺せる。
その点「時間の経過に応じて減っていく」というのは合理的である。
2つ目が会社の借入金対策。
例えば会社が1億円の借金をした。
仮に社長が死んでしまうと、この1億円が会社に重くのしかかるので、その対策として「社長が死亡した時に1億円」という保険に入る。
しかし、こちらも返済がすすめば、借金の金額は減っていく。
5年後に8000万円、10年後に6000万円というような形で、残債額に応じて、保険金も減らしても良いので、このようなケースでも逓減定期が利用されるのである。
まあ、なかなか特殊な事情でないと使わない保険なのだが、筆者がこの仕事を始めた25年ほど昔にはわりと良く提案されていた。
だが、昨今では全て「収入保障保険」に取って代われている。
収入保障は、別名お給料型保険とも呼ばれ、万が一の時に「毎月〇〇万円 〇〇歳まで」というような形で保険金を受け取れる。
例えば、15万円 65歳まで、という内容で契約しておけば、お父さんが死亡した場合でも、以後、お給料のように毎月15万円が「お父さんが生きていれば65歳になる年」まで払われる。
まさに「お給料の代わり」に保険会社が15万円を65歳という定年まで支払ってくれるのである。
なお、こちらも「時間の経過と共に保険金が減る」という特徴がある。
仮にお子さんがいらっしゃるお父さんが35歳で死亡した場合、子供たちもまだ小さい。
この時の保険金(受取総額)は
15万円×12ヶ月×30年(35歳から65歳まで)=5,400万円
となる。
だが、55歳で死亡した場合は、こうなる
15万円×12ヶ月×10年(55歳から65歳まで)=1,800万円
既にお子さんたちも大きくなっているだろうから、そこまでのお金も要らない、ということだ。
「時間の経過に伴い一定割合で保険金が減っていく」という意味では、この収入保障も逓減定期の一種である。
そして、逓減定期より収入保障保険の方が「分かりやすい」
逓減定期は一時金で計算するため、今は3,000万、来年は2,800万円、その次は2,600万円などと一定割合で金額が減っていくのだが、正直、「今保障金額がどの程度あるのか?」というのを把握しずらい。
対して収入保障保険であれば、俺が死んだら15万円が65歳まで受け取れる、というように内容が明確である。
そのため、昨今はこの収入保障保険が主役になっている。
学費も生活費も含めて「毎月15万円くらいあれば」という感じで決めてしまうのである。
以上のような事情から、昨今ではこの逓減定期を商品としてもっている保険会社も少なくなってきている。
プルデンシャルの知人に聞いても「ほとんど売れていない」とは言っていたが、稀に法人の借入金対策(前述の使い方その2)で販売されることがあるらしく、
「一応残している」
という感じらしい。
以上、商品概要。
なつかしさもあり、おもわず長文になってしまった。
弱点1 収入保障保険で十分だし、そっちの方が安い
前述の通り、現代では収入保障保険でほぼ代用できる。
逓減定期は「一時金(保険金2,000万円など)」、収入保障保険は「毎月払(保険金毎月15万円など)」という違いがあるのだが、実は収入保障保険の方でも一時金払が選択できる。
一度にまとめて下さい
と申し出れば、毎月支払う分をまとめて払ってくれる(但し、将来の分も「今」受け取るため、10%前後目減りする)
そのため、収入保障保険でも逓減定期とほぼ同じ使い方が出来るのである。
また、プルデンシャルの商品は総じて保険料が高く、それはこの逓減定期も例外ではない。
収入保障保険は、現在、各社がしのぎを削って保険料競争をしている分野なので、他社では健康体割引、非喫煙割引などの制度もあり、それを利用することで保険料はかなり下げられる。
他社の収入保障を使って、本商品を「代用」しようとすれば、下手をすれば1/2程度の保険料になるのではないか?
そういう意味では本商品には競争力はない。
この保険の弱点、こう考えろ!!(解決策)
本稿を読んでいるということは、プルデンシャルのライフプランナー(同社では営業職をそう呼ぶ)から逓減定期を提案されているということだと思うが、前項でも述べた通り、他社の収入保障保険の方が絶対に良い。
商品内容、保険料では他社に太刀打ちできないし、本商品でないといけない、というような特徴もない。
あとは、ライフプランナーとの人間関係の話。
何かの義理や人情があって付き合ってあげたいなら、まあ、それも一興だろう。
参考コラム:「お付き合い保険」の断り方と「お付き合い保険」に入るメリット
口コミ・評判(販売側から)
なし
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保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。
口コミ・評判(契約者から)
なし
検討した方がいい他社商品
以下の収入保障保険で代用可能。
T&Dフィナンシャル生命 家計にやさしい収入保障 ★★★★☆
編集後記