この保険の弱点はここだ!エヌエヌ生命「定期/終身 逓増定期特約Ⅱ」

提供会社:エヌエヌ生命
格付:S&P A+

商品名:定期保険/低解約返戻金型逓増定期特約Ⅱ
終身保険/低解約返戻金型逓増定期特約Ⅱ

この保険の弱点はここだ!!

法人向けの節税商品。

メインの契約を、「掛け捨ての定期保険」か「貯蓄性の終身保険」にするかを選択し、その上に低解約返戻金型の逓増を乗っける構成。

メイン部分は「50万円」で設定されることが多く、保険金として少額、保険料としても少額なので、定期でも終身でもどちらでも良い。

エヌエヌの関係者に「何故2つあるのか?」と聞いても「今までの歴史的背景」とか、よく分からないことを言っていた。

定期であれば、上に乗っかっている逓増と一緒に損金扱い出来るので、一般的には定期を主契約としていることが多いように思う。

逓増部分は「返戻金のピーク」を5年、7年、10年、それ以上の長期、など用途に応じてコントロール出来るようになっており、例えば目先5年くらいで何か使いたいイベント(経営者の退職、新工場設立など)があれば、5年ピーク型を、特に予定はないが、なんとなく節税しながら内部留保したいという場合には長期のものを使う。

星の評価は1つ。

逓増定期の分野では、日本生命、明治安田、あいおい、あんしん、などが強いのだが、それらライバル勢に対して、特に優位性はない。

逓増定期の目的は「目先の節税」+「内部留保(お金を貯める)」という2つであり、重要なのは返戻率。

その点で、ライバル達に大きく負けている。

年齢、性別によっても異なるが、短期間(10年以内)では日本生命、明治安田あたりが強く、長期(10年超)ではあんしん、FWD、あいおい、第一あたりがランキング上位を占める。

エヌエヌはどちらでも下位に沈んでいる。

弱点1 「わざと」85%以下

但し、エヌエヌの逓増の返戻率が低いのは、ある意味では「わざと」でもある。

2019年の法人保険の税制改正により、それまでは保険料の半分が損金として落とせていた逓増定期は、

最高返戻率 85%以下 4割損金
最高返礼率 85%超  最高返戻率×0.9を資産計上、残りを損金

というルールに変わった。

例えば、最高返戻率が95%の場合、85.5%が資産計上で、損金になるのは14.5%のみ。

つまり、返戻率が高ければ高いほど「ほとんど節税にならない」ということで、正直なところ逓増定期の魅力はガタ落ち。

税制改正で、

逓増は死んだ

と言われていた。

だが、返戻率が85%以下であれば、まだ4割を損金で落とせるので、「目先の節税」にはなる。

とにかく今期、来期の税金を抑えたい。そんなニーズはそれなりに拾えるからだ。

だが、支払った保険料のうち85%しか戻ってこないということは、15%は保険会社が「抜く」ということ。
注:もちろん保障を提供しているので、その分の費用ではあるが。

目先の節税のために、保険会社に15%を取れらるのだが、トータルでは節税にもならず、貯蓄という面でも

「税金支払ってフリーキャッシュを手元に持っている方がマシ」

ではある。

普通の経営者であれば、そんなことは分かるのだが、それでも「目先の節税を」という人は結構いる。

このあたり、合理性はないのだが、「今、払うのは嫌!!」という人の心理の話であり、このあたりは何とも不思議なものだ。

で、エヌエヌ。

この心理に沿うべく、逓増の商品群では「最高返戻率85%をギリギリ超えないように」設計されている。

つまり4割損金で処理できるようにしているのである。

その効果もあって「それなりに売れる」らしい。

しかし返戻率が85%以下なので、返戻率だけを比較すると、前述の通り、他社と比較すると「ボロ負け」ということになる。

なお、保険の節税については、以下コラムでも紹介しているので、ご参照まで。

参考コラム:法人保険の「節税」今、昔。原則的に保険で節税は出来ないよ、という話




弱点2 エヌエヌ生命の信頼度

以下参照

保険会社総論

この保険の弱点、こう考えろ!!(解決策)

「4割損金」という特殊なマーケットでは、それなりに強い。

だが、筆者は「入る意味はない」と思っている。

85%しか戻ってこないのであれば、4割損金だとしても「大損」だ。

例えば、保険料250万円のケースで考えてみる。

4割損金なので、毎年100万円を損金として処理出来る。

そのため、毎年の節税額は100万円 × 30%(法人税) = 30万円となるだろう。

この100万円の損金があることで、30万円節税出来ている計算。

10年で300万円を「節税出来ている」

しかし、10年後、解約すると、トータルで支払ってきている保険料 2,500万円のうち、返ってくるのは2,120万円ほど(返戻率84.8%)

ここで380万円「損」している。

また、この2,120万円にも課税される。

10年間の保険料は、以下のように振り分けられているのだが、

損金   1,000万円(100万円×10年)
資産計上 1,500万円(150万円×10年)

資産計上分は1,500万円しかない。それのに2,120万円が戻ってきたので、この差額「620万円」は雑収入となり、法人税の課税対象。

620万円×30%=186万円

保険会社にとられる380万円と合わせれば、566万円となる。

300万円を節税するために、566万円を使う。

普通なら「バカらしい」と思うのではないか?

「どうしても目先の税金を抑えたい。そのために後からお金を失っても良い」というような事情(そんな事情があるとは思えないが)がある方以外はやるべきではないのでは?とは思う。

口コミ・評判(販売側から)

・一時期、エヌエヌの逓増を売りまくったが、今は厳しい。それでも不動産業などで、「2,3年は売上が多いがその後はダメになる」というような方には、4割損金はニーズはある。
2,3年だけ4割損金を取って、その後のことはその時に考える。そんな短絡的な経営者には未だに受ける。4,5年後に解約した時、85%しか返ってこないので、冷静に考えれば損をしているのだが、それなりにまとまったお金を返せるので、経営者としては、それはそれで良いようだ。

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口コミ・評判(契約者から)

・なし

比較した方が良い商品

短期間(10年以内の逓増)では日本生命、明治安田あたり、長期(10年超)ではあんしん、FWD、あいおい、第一あたりがランキングと比較した方が良い。

また、4割損金が欲しいだけなら、逓増にこだわらず長期定期(100歳までの定期保険)なども比較対象になってくる。

最近、ひまわりやジブラルタ生命などが販売を開始した長期定期では、10年くらい支払って、その後「払済」にすることで、その後、徐々に返戻率が上がるようなものもある。

商品の最高返戻率は「85%以下」なので、4割損金で落とせるのだが、「払済後」に85%を超え、長期で寝かせておけば90%を超えることもある。

編集後記

約款