提供会社:ソニー生命
商品名:米ドル養老保険
この保険の弱点はここだ!!
ドル養老は、ソニー、ジブラルタ、メットライフなどが商品として提供しているのだが、ソニーのものが、どの年齢帯、性別でも、最も保険料が高く、返戻率も悪い。
注:メットライフが一番条件(返戻率)が良いことが多い。
養老保険などは「お金を貯める」ことがメインの目的の保険で、特に付加価値もない。
そのため「他社に負けている」のは致命傷。
かわいそうだが、「これには入るなら他社の方が良い」としか言えない・・・・
なお、本商品は主に法人の福利厚生プランで使われるものだろう。
福利厚生プランについては、以下コラムにて解説しているのでご参照頂きたい。
参考コラム:全員加入の養老の保険料を1/2損金で落とす!!の「落とし穴」
現状、福利厚生プランで使われるのは、昔ながらの円建の養老、一部外資系などが販売している特殊養老(若いうちの死亡保障を減らして、その分、貯蓄性:返戻率を高めている)、ドル建養老、変額保険などだが、変額は仕組みが難しく、要は投資信託を買っているようなものなので、あまり頭の宜しくない経営者には理解出来ない。
そのため「なかなか話が進まない」という事態に陥りやすいのだが、その点、ドル建養老は「円がドルになっただけ」という単純さに加え「それなのに返戻率がグッとあがる」ということから、わりと人気がある。
ドル建であるが故、為替リスクなどもあるが、福利厚生プランを導入する中小企業など、そもそもが「リスクの塊」ようなもので、その経営者などは人生が博打のようなものだ。
為替リスクなんて、屁ほどもびびらないだろう。
筆者も何件がドル建の養老で福利厚生プランを販売したが(筆者はメットライフ)、昨今の円安で含み益がかなり出ており、喜ばれている。
話は少々横道に逸れるが、やはり最近の円の不安定な動きに対して、「うーん、円、大丈夫かね?」と思っている経営者が増えているような気がする。
これだけ急に円安に振れると(本稿を執筆している2022年6月は日米の金利差により、1ドル135円を突破した)、国際的に見た円の信認が落ちていることを、まざまざと感じる。
このような状態だと、
「御社の資産の一部を『ドル化』して、資産を保全を図っては?」
そんなセールストークにも、それなりに説得力が出てくるのだろう。
ソニーの知人に聞いても、このドル養老も結構販売が伸びているようなことを言っていた。
だが、冒頭で述べた通り、メットライフ、ジブラルタなどに比べると、返戻率は悪い。
ソニーのドル建は結構強いので、何故にここまで負けているのかよく分からないが、そのことをソニーの知人に聞いても
「ライフプランナーは中小企業の経営者のオヤジに深く刺さってる奴が多いから、多少返戻率が悪くても取れる、会社がそう思ってるんじゃないの?」
とのことだった。
従来の保険のおばちゃんに比べれば、スマートな印象がある同社のライフプランナーだが、実際には結構泥臭いTHE・営業も多く、飲み会にゴルフに女に旅行、と社長にとことん付き合い、信頼を勝ち取っているタイプも結構いる(私の知人もその系統)
確かに、そのような人間関係があれば中小企業のオヤジなど、義理人情に厚い人が多いので「返戻率が高いからメットライフでやるよ」なんていうことは言われないだろう。
まあ、本当にそれをあてにしているのかは知らないが、返戻率が一番悪いのに「それなりに売れている」と言うのだから、そこにはコンペがない、ということでもある。
このあたり、ソニー生命の底力を感じさせる商品でもある。
参考コラム:「お付き合い保険」の断り方と「お付き合い保険」に入るメリット
この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)
ほとんど同じような商品なので、以下の解説も参考にして欲しい。
前項でも述べた通り、返戻率だけを見れば他社より低いが「法人でドルに投資をする」という点では魅力がある。
ソニー生命のライフプランナーと深い付き合いがあり、信頼できるのであれば福利厚生プランの一つとして導入しても良いのではないか?
そうではなく、たまたま知り合いからソニーを紹介されただけ、という程度の関係であれば、ジブラルタ、メットライフも比較してみた方が良い。
メットライフは前身のアリコジャパンが一度潰れそうになっているので「会社としてどうなのか?」という気がしないでもないが、ジブラルタなどはプルデンシャルグループなので、メットライフよりは安心かな、という印象。
参考コラム:
ドル建商品の検討ってどうすればいいか?悩んだら
『ドル建商品の比較検討はこうすれば良い!!』
をご覧ください。
比較した方が良い商品
ジブラルタ生命 養老保険/ドル建養老保険(法人用) ★★★☆☆
プルデンシャル生命 ドル建リタイアメントインカム ★★★☆☆
編集後記