この保険の弱点はここだ!ソニー生命「総合医療保険」(販売停止)

提供会社:ソニー生命

商品名:総合医療保険(販売停止)

注!!:本商品は販売停止となっています。
現在、ソニー生命ではメディケア生命の以下の医療保険を販売しています。

メディケア生命 新メディフィットA ★★★★☆

解説を動画でご覧になりたい方はコチラ

同社から2018年5月2日より後継の医療保険「メディカル・ベネフィット」が販売されている。

この保険の弱点はここだ!!

フローチャートでまるわかり!5つの質問!アナタに必要は保険はこれだ!!

参考コラム:
医療保険の検討ってどうすれば良いの?と迷ったら

『医療保険。こう考えれば、スッキリ決められる!』
をご覧いただきたい。

それでは、この商品の弱点について解説をしていこう。

ソニー生命の「総合医療保険」

古い商品で、今では同じ会社から後継の「メディカル・ベネフィット」という医療保険が販売されているのに、何故に未だに販売を続けているのか疑問。

ソニー生命の方に聞いても「最近は紹介すらしない」と言っていた。

ざっと見た感じても「古っ!!」と言う印象で、主な弱点としては以下の3つが挙げられる。

弱点1 5日目以上からの給付

今どき「入院5日目以降からの給付」というのは相当珍しく、珍獣的な印象を受けるが、この商品ではそれが脈々と受け継がれている。

とは言え、10年前はどこの商品もこんなものだった。

「短期入院ならお金はかからない。だから5日目以降から払う」

という理屈で、これはこれで合理性があったのだが、膨れ上がる医療費の削減のために国が「入院の短期化」を進めたため、一気に入院日数が短くなった。

その結果、1週間程度の入院ばかりになり、「5日目以降ルール」だと7日入院しても4日分は免責なので、3日分しか支払えない。

1日 5,000円だとすると3日で1.5万円。

契約者からすれば、

何の足しにもならない

というのが正直なところだろう。

そこで、いくつかの保険会社が「初日から」というのを大々的にPRしてきて、他社もそれに追随して今の「初日からが当たり前」という風潮になっている。

このソニー生命の商品でも「入院初期給付特約」というものを付ければ、一応は「初日から」になるが、それには別途特約の保険料が必要。

また、この特約を付けても「日帰り入院」は対象にはならず、これも他社では対象としているところが多い。



弱点2 特定疾病一時金が1回だけ

特定疾病診断給付金特約というものがあり、これは「がん(悪性新生物)」、「急性心筋梗塞」、「脳卒中」の時にまとまった一時金を受け取れるもの。

他社でもよく見かけるものだが、だいたい「1年に1回」とか「2年に1回」とかが上限になっている。(会社によって異なる)

つまり、がんになって、それらが再発しても1年(もしくは2年)経過していれば、再び一時金を受け取れるのだが、本商品は「1回こっきり」

1回だけ受取ったら以後、この特約は消滅してしまう。

もちろん「1回だけ」だから、その分特約料金は安く設定されているが、がんにせよ心筋梗塞にせよ、再発や転移などで「2回目以降」の方が大変だし、お金もかかるのだから、

「1回払ったら後は知らん」

では困る。

これも弱点だろう。

入るなら他社の同様の特約の方が良い。

参考コラム:
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弱点3 先進医療特約が「5年更新」

保険適用外の治療の実費を保障してくれる「先進医療特約」

今や医療保険の特約としては必須だが、ソニー生命の本商品の場合、以下の点で他社に劣る。

他社    保険料が一生涯変わらない or 10年毎に値上がり
ソニー生命 5年ごとに値上がり

「5年更新」はあまり見かけない。と言うか初めて見た。

更新型が弱点となる理由は以下の通り。

先進医療は現時点ではそれほど利用する人はいないが、今後は絶対的に増えていくことが予想されている。

そのため保険会社も、特約の保険料をいくらにするか悩んでいるのである。

現在では、おおよそ「毎月100円」を徴収しているところが多く、ほとんど使う人がいないわりには「高い」と言われている。

しかし、今後新しい治療法はどんどん開発されていくだろう。

そしてそれらがすぐに「保険適用」されて、3割負担で受けられるか?と言えばそうではない。

ただでさえ逼迫している日本の社会保障制度。

効果があるからと言って高額の新しい治療法をすんなり保険適用することは出来ないはずだ。

そのため、

「効果は高いが、治療費も高い治療法」

は今後増えていく。これは間違いない。

そんな時に先進医療特約に入っていれば、実費を保障してくれるのだが、これらの先進治療を受ける人が増えれば、「月100円」ではとても保障を提供出来ないだろう。

しかし、「一生涯100円で良いです。(終身型)」と言う保険会社もある。

一方、手堅い考え方をする会社は「10年更新」で様子を見ている。

支払いが増えた時、10年更新であれば特約の保険料を上げられるからである。

保険会社からすれば10年更新の方が安全。契約者からすれば一生特約の保険料が変わらない「終身型」の方がありがたい。

注:このあたりの事情は、先進医療特約は「終身型」を選びなさい!!を参照のこと。

で、ソニー生命は5年更新なので、保険会社の立場としては「更に手堅い」と言える。

現状では5年更新でもそれほど保険料が上がっていないだろうが、今後は分からない。

その点でも、この先進医療特約はいだけない。

5年更新というのは実は筆者も初めて見た。



弱点のまとめ

以上、3つの弱点を解説したが、正直なところ本商品は検討する必要はないだろう。

もっと他に良い商品はあるし、そもそも同じソニー生命からメディカルベネフィットという後継商品も出ている。

そのため冒頭の「紹介すらしない(ソニー生命の営業マン)」ということになっているのだと思う。

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商品の構成について

商品構成はシンプルで、特約や特則(どちらもオプション)も少ない。

入院日額

3,000円から20,000円まで選択可能。

原則、5日目から入院給付金が支給。
つまり、4日以内の入院は支給されないうえ、例えば7日入院しても3日分(7日-4日)しかでない。

但し、後述する「入院初期給付特約」を付ければ初日から受取れる。

入院限度日数

60日、120日、360日、730日から選択可能。

手術給付金

手術の種類に応じて、入院日額×10・20・40のいずれかを受け取れる。

入院初期給付特約

4日以内の入院について、日数分を支給する。

元々の内容では、5日以上の入院でないと受け取れないため、本特約で4日以内の入院をカバーしている。

ただし、他社では「日帰り入院」でも入院給付金がでるが、この特約を付けても2日以上からとなる。

日帰り入院は対象外である。



退院給付金特約

5日以上の入院をして退院した場合に給付金が受け取れる。

他社でも同様の特約があるが、「5日以上の入院」などという条件はついていない。

しかし、そもそも退院に給付金が必要なのか?という素朴な疑問がある。

退院出来たのであれば、それで良いではないか。

別に上乗せしてお金を貰う必要もないし、そのために特約保険料を支払うのもムダな気がする。

筆者であれば付けない。

通院医療特約

5日以上の入院をした後に通院した場合に給付金が受け取れる。

これも前項の「退院給付特約」と同様「5日以上」という条件が付く。

他社では付かないので、通院の保障が必要なのであれば、もっと条件が緩い(支払われやすい)会社の方が良いのでは?

なお、通院関係の特約は総じて「高い」

通院1回で入院した日額と同じお金を受取れるのは安心かもしれないが、「そもそもいくら支払うのか?」ということはしっかり考えた方が良い。

例えば、この特約(例:通院あたり5,000円)の保険料が毎月プラス600円だとすれば、年間7,200円。10年間で7万円ほど支払っていることになる。

10年間で14回以上通院しないと元が取れない計算で、しかも「5日以上入院した病気」に関するものでないといけない。

どうだろうか?

損得だけで言えば、必要ないような気もする。

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特定疾病診断給付金特約

1 がん(悪性新生物)と「診断」

2 急性心筋梗塞で「60日以上の労働制限」

3 脳卒中で「60日以上の後遺症」

の場合に診断一時金が受け取れる。

ただし、弱点2でも述べた通り「1回こっきり」

がんについては、他社と同様の条件だが、急性心筋梗塞・脳卒中の条件は厳しい。他社では入院や手術をしただけでも受け取れる場合が多い。

同じような特約を望むのであれば、何度も受取れて、かつ「支払条件が緩い」ところにした方が良いだろう。

成人医療特約

がん(悪性新生物)、糖尿病、心疾患、高血圧性疾患、脳血管疾患による入院・手術をした時に、日額に「上乗せ」して保障を受けられる特約。

例えば、1日5,000円の基本プランに成人医療特約「5,000円」を付けておけば、該当する病気で入院した時には、

5,000円 + 5,000円 = 10,000円/日

の給付金が受取れる。

これもわりと「古いタイプ」の特約で、他社では最近見かけなくなったが、だからと言って悪い保障ではない。むしろ筆者はこの特約が好きだ。

特に脳血管系の脳梗塞や脳溢血などは入院も長くなる傾向があるので、その時に1日あたりの給付金が増えることは良いことだと思う。

いくら「入院が短期化」しているとは言え、「長期の入院」がなくなったわけではないし、そのリスクは常にある。

その点、このような特約に入っていると安心ではある。

特約保険料もそれほど高いものではないで、「本当に危機的な長期入院」に備えるためには、良い選択肢かもしれない。



女性医療特約

女性特有の病気や五大成人病(がん(悪性新生物)、糖尿病、心疾患、高血圧性疾患、脳血管疾患)に関する入院・手術をした時に、日額に「上乗せ」して保障を受けられる特約。

考え方としては、前項の成人医療特約と同じで、それの女性版という感じ。

範囲が広くなったので、成人医療特約よりは保険料は割高。

「女性特有の病気」

と言われると、何となく女性は不安を感じるし、実際に多い。

筆者も今まで、内膜症や子宮筋腫などで結構な数の支払いをしてきた。

しかし、特に入院が長くなることもないし、女性特有の病気だからと言って、普通の病気よりお金がかかるわけでもない。

合理的に考えれば、女性でも前項の「成人医療特約」でも良いような気がするが、特約料金がそれほど変わらないのであれば、「やっぱり婦人系の病気は心配だから」と付けておかれる女性は多いかもしれない。

先進医療特約

弱点3参照のこと

『先進医療特約は「終身型」を選びなさい!!』




抗がん剤治療特約

抗がん剤治療を受けたときに月毎に一時金が受け取れる。

保険料払込免除特約

以下の条件に当てはまった場合、以後の保険料が免除される。

・がん(悪性新生物):診断

・急性心筋梗塞:60日以上の労働制限

・脳卒中:60日以上の後遺症

・要介護状態

他社に比べて、可もなく不可もなく。と言うところ。

特約の保険料もほぼ他社なみ。

あくまで筆者の考えだが、医療保険自体、月々数千円程度で、それほど高額なものでもない。

もちろん「今後支払わなくて良い」と言われれば嬉しいかもしれないが、生活にどれほどの影響があるだろうか?

だったら、別に保険料を上乗せして「保険に保険をかける」ような真似をしなくても良いのではないかと思う。

この手の特約の保険料は意外と高いので、しっかりと考えて頂きたい。

詳細は、『医療保険の払込免除は必要か?』をご参照頂きたい。

入院時手術給付特約

この特約を説明するまえに、手術給付金の対象となる手術について説明する。

手術給付金の対象となる「手術」の定義には、以下の2つの方法がある。

1 保険会社が定めている88種のカテゴリー(その中に600種類の手術を含む)

2 公的医療保険に連動した1000種類

1の「88種型」が古いタイプで、2の「公的1000種型」が新しいタイプと言えるが、本商品は1である。

つまり約600種類の手術に対応しているのだが、これだと1000種類に比べ「400種類」も給付金対象外の手術があることになる。

そこで本特約を付けることで、従来の600種類に加え、400種類も支払い対象とすることが出来る。

要は「88種型」を「公的1000種型」にするための特約であるが、だったら初めから「公的1000種型」の医療保険に加入すれば良いだけの気もする。

古いタイプの医療保険を強引に、最新型にモデルチェンジさせるための特約のようで、なんだかスッキリしない特約である。

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口コミ・評判(契約者から)

・60代 男性さんからの口コミ(保険見直し相談者) 

20年近く前に加入し、その後もずっと続けてます。担当のライフプランナーさんからも特に見直しの提案などなく、何の疑問も持たずに加入しておりましたが、先日、初めて1週間ほど入院(軽度の肺炎)したところ、「5日目以降が対象」とのことで、給付金はほとんどありませんでした。

5日目以降ということは、理解していたものの、やはり実際に入院すると、5日免除は随分と長いような気もしました。

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検討した方がいい他社商品

☆評価の高い医療保険は・・・

アクサダイレクト生命 アクサダイレクトの終身医療 ★★★★☆

オリックス生命 新CURE ★★★★☆

 

参考コラム:
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編集後記:約款

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