この保険の弱点はここだ!太陽生命「スマ保険 就業不能重点プラン」

提供会社:太陽生命ダイレクト

商品名:スマ保険 就業不能重点プラン

この保険の弱点はここだ!!

この商品を「就業不能保険」と言ってしまうのは、少々違和感を感じると言うか、端的に言えば

本当に「働けない時」に出るのかね?

という感じ。

詳しくは後述するが、おそらく「がん」での就業不能には対応できないだろう。

当サイトでは「がん未対応」の就業不能は低評価としている。

そのため、2つ星。

意味がないというほど酷評する商品というわけではないものの「あまりお勧め出来ないかな?」というのが感想。

まずは、商品概要を見てみよう。

本商品では、加入時に、支払条件に該当した場合毎月受け取れる金額「保障月額」を決める。

参考例:30歳 男性で、10万円 65歳まで、という条件で2,890円/月。

なお、本商品の支払い条件は、下記の4つがあり、このうちの「どれか」に該当すれば支払われる。

1 継続入院中

2 当社の定める就業不能状態が180日以上継続した時

3 器質性認知症、かつ、意識障害のない状態において見当識障害があると診断確定されたとき

4 公的介護保険制度の要介護2以上に限定された時

1の入院は分かりやすいとしても、2~4の条件は結構厳しい。

2の「当社の定める」とあるのは、

a 歩行
b 着替え
c 入浴
d 食事
e 排泄

の5つのうち「2つ以上」が「全部介助または一部介助の状態に該当した時」とあるので、例えば下半身不随で車椅子生活になった場合でも、それ以外のことは自分で出来れば、5つのうち1つしか該当しないので、「支払い対象外」となる。

実際のところは、着替えや入浴などを「一部介助」などと多少誤魔化して申告して、支払い対象となる可能性が高いが、それでもそのあたりはグレーゾーンであり、約款上は明記されていない。

あくまで約款上の取り決めでは、ハードルは高いと思われる。

また、3の「器質性認知症うんぬん」というのも、本商品に入るような現役世代(働いている世代)では稀と言うか、若年性認知症などもないわけではないが、相当なレアケースである。

また、この表記では軽度の認知症では該当せず、「結構症状が進んだ認知症」が支払い対象ということになる。

このあたりは、以下、コラムに詳しいので、詳細はそちらに譲る。

参考コラム:認知症の基礎。器質性認知症、見当識障害、MCIとはどんな状況?

4はこれはこれで分かりやすい。

介護保険の要介護2以上。しかし、これも前項と同じで、30代、40代、50代では「なかなかないよね」という感じ。

以上4パターンを理解した上で、本商品の弱点(デメリット)を見てみたい。

弱点1 本質は「長期入院保険」、就業不能機能はオマケ程度、本当に「働けない」に対応出来るのか?

先程の支払い4条件を見た上で、筆者が思うのは、本商品の本質は「長期入院対策」なのかな?ということ。

入院に関しては「30日以上継続」してれば、その都度、月額が給付される。

ただ、これも最大5回までなので、30日✕5回、合計150日の入院までしかフォローされない。

つまり、この後は、下記の3つの「どれか」に該当しないと給付は停止されてしまう。

・会社所定の条件(歩行、着替え、入浴、食事、排泄の2つ以上が介助、半介助)

・器質性認知症

・要介護2以

例えば、これに該当する代表例としては、

・交通事故で脊髄を損傷し、全身麻痺、下半身麻痺

・脳の病気(脳梗塞、脳出血など)で右半身(もしくは左半身)付随

・若年性認知症などが「かなり進んだ」状態

などだろう。

このような場合は文句なく支払われるし、おそらく太陽生命の想定しているのもこんなケースだろう。

だが、これだけで「働けない状態」を全て網羅しているわけではない。

色々と「抜け」がある。

その最大が「がん」

がんで入退院を繰り返すような状態で、毎月抗がん剤をやっているような場合、到底仕事はできない。

最近では「がんによる貧困対策」として、随分協力的な企業も出てきてはいるが、まだまだ少数。

基本的には戦力にならない社員は切られてしまう可能性の方が高く、2,3ヶ月ならまだしも、半年も1年も仕事ができなければ、クビになってしまうことの方が多い。

これも「働けない状態」なのだが、本商品では支払い対象外。(何を見ても該当するものがない)

また精神疾患で働けない場合も多いが、それも対象外。
注:とは言え、精神疾患は多くの就業不能保険で対象外となっているが・・・

入院に関しても、5ヶ月で終わってしまうので、就業不能の中でも

・ごくごく初期(半年程度まで)

・最悪のケース(生活に介助が必要、認知症、要介護2など)

という両極端だけしか抑えておらず、6ヶ月以上の入院、がんの入退院という「中期のリスク」がごそっと抜けている。

各種のデータを見ても「働けない理由」は、ほぼがんと脳系の病気、それと交通事故やスポーツ中の事故に障がいで9割を占めている。

そのうち、がんが抜けている以上、本商品を本当に「就業不能保険」と呼ぶべきか、は疑問である。

就業不能という意味では、それだけに特化した専用商品の方が良いと思う。

以下に当サイトで高評価の就業不能系の商品を列記する。

アクサダイレクト生命 働けない時の安心 ★★★★☆

SBI生命 働く人のたより ★★★★☆

口コミ・評判(契約者から)

30代 独身男性さんからの口コミ

ネットで検索し、手軽に入れるので加入しました。医療保険と就業不能がセットになっているイメージで、かつ保険料も安かったので、満足しています。
ただ心配な点は、この商品の就業不能の条件が、どの程度、有効なのか?という点と、働けないと言っても色々あるので、この保険でどの程度カバーできてきるのか?というところです。
もし宜しければ、そのあたりを解説頂けると助かります。(本稿はこのご要望により作成。回答は本文参照のこと)

謝礼Amazonギフトカード300円!! アナタの口コミ教えて下さい!!

保険会社勤務、代理店勤務の方でも、販売現場の情報や、当サイトで指摘していない弱点(デメリット)などには謝礼(amazonカード300円)をお支払い致します。

比較した方が良い商品

アクサダイレクト生命 働けない時の安心 ★★★★☆

SBI生命 働く人のたより ★★★★☆

アフラック 給与サポート保険 ★★★☆☆

編集後記

約款