この保険の弱点はここだ!明治安田生命「じぶんの積立 」

提供会社:明治安田生命

商品名:じぶんの積立

この保険の弱点はここだ!!

明治安田生命の「じぶんの積立」は、5年間保険料を積み立てる商品。

保険料は5,000円~選択できる。

その特徴は以下の4つとなる。

1 いつ解約しても元本保証

2 5年間支払った後、そのまま放っておく。
そこから2年後(開始から7年目)には101.3%。
5年後(開始から10年目)には103%の返戻金が約束される。

3 亡くなった場合、その原因が病気であれば「払込んだ金額全額」
事故や災害などの場合、「払込んだ金額全額×1.1倍」が死亡保険金として受け取れる。

 例:30歳で契約。33歳で死亡。それまで積み立てた金額を20万円とする。

 病気で死亡    → 死亡保険金 20万円
 事故や災害で死亡 → 死亡保険金 22万円(10%上乗せ)

4 生命保険料控除の対象

実態としては「ただの定期預金」ではあるが、7年後に101.3%、10年目に103%が戻ってくるのは、今の低金利下ではなかなか凄いことではある。

しかし、そのあたりに弱点が潜む・・・・

弱点1 面談必須。NOと言えない人は要注意。

本商品に加入するためには「必ず」、明治安田生命の営業マン(セールスレディ)と面談をしなくてはいけない。

何故なら本商品は

「新規顧客と面談をするための販促商品」

だからだ。

保険業界にいる者なら、本商品のスペックが「あり得ない」ことは誰でも分かる。

いつ解約しても元本保障。7年目に101.3%、10年目に103%。

しかも生命保険料控除の対象となるので、控除を受けることが出来て、結果、還付金まで受け取れる。

なお、保険料控除や還付金について知りたい方は、下記コラムを参照のこと。

一から解説、控除って?何で保険で還付金が戻ってくる?

保険会社では、契約時に営業や事務方など多くの人間が動く。

通常であれば、それらのコストは長い契約期間の中で、「当初数年の間」に回収する。

そのため、一般的な保険は、早期に解約をすると損をするようになっているのである。

しかし、本商品はいつ解約しても100%、しかも7年、10年という保険にしては「ごく短期間」で数%とは言え、オマケまで付けると言う。

はっきり言って、本商品だけに限って言えば大赤字だろう。

しかし、これは居酒屋などである「乾杯ビール1杯10円!!」というようなもので、まずは新規のお客さんを呼び込むための餌だ。

特に明治安田のように古い会社がなかなかアクセス出来ない若い層との接点を持つために必死で、

「赤字でも良い!!とにかく会うこと、まずは顧客になってもらうこと!!」

と、内部のお偉いさんが号令をかけたのではないだろうか?

そのため、本商品はネットや郵送などでは入れず、必ず明治安田のセールスレディーと会わないといけない。

客寄せパンダなのだから、それは仕方ない。

色々なところから話を聞くと、この面談には2パターンあるらしい。

1つは「初回で何とか食い込む系」

セールスレディーからしても、こんな商品の契約だけ持って帰ったところで、社内的には何のポイントにもならない。

そのため、この商品だけでなく、「医療保険は?死亡保険は?年金は?」と色々と売り込みをかける。

わりと年配のセールスレディーはこちらで、初回面談からバンバン来る。

ビール1杯10円だけじゃ返さないわよ!!

という感じだろう。




もう一つのパターンは、「あっさり手続きだけで好印象系」で、こちらは若いセールスレディーが多いそうだ。

初回からしつこくしても嫌われるに決まっている。そのことを承知し、まずは「あっさり」いく。

手続きだけさらっと済まし、あとは雑談。

「何かあったらまた宜しくお願いしますぅ~」

という感じで帰っていくが、その後、半年に1回程度、

「どうですか?お変わりございませんか?」

という感じで、連絡がある。

鬱陶しいと言えば、鬱陶しいが、忙しければ電話に出なければ良いだけでのことだから、こちらのタイプは楽だ。

問題は前者。

強烈なタイプに捕まってしまうと、なかなか厄介かもしれない。

また、いずれにせよ個人情報はばっちり取得されるので、解約するまではそれなりに追いかけられるだろう。

10年で3%のリターン + 生命保険料控除枠の利用

これと引き換えに「保険会社とのお付き合いが始まる」ということは理解しておいた方が良い。

特に初めから保険会社側は赤字を抱えての「お付き合い」だから、それなりにはセールス活動してくるだろう。

NOと言えない人や、情にほだされやすい人は要注意。

弱点2 保険機能はほぼない

分かりきったことだが、本商品には保険機能は「ほぼない」

死亡した時、病死であれば「支払った金額が全額戻ってくる」だけなので、貯金と変わらない。

交通事故などで死亡した場合のみ、支払った金額の1.1倍を保険金として支払うが、上乗せ分の0.1倍が保険金ということになる。

実質的には「ほとんどない」と言って良いだろう。




この商品の弱点、こう考えろ!!(解決策)

保険でも何でもない商品ではあるが、まだ何も保険に入っておらず、生命保険料控除枠を使っていない人や、少しでも割の良い貯蓄商品を探している人には悪くない。

この商品で、生命保険料控除枠を埋めれば、年収(所得税の税率)や保険料にもよるが還付金が3,000円から2万円くらい戻ってくる。

参考コラム:一から解説、控除って?何で保険で還付金が戻ってくる?

仮に本商品に毎月1万円を支払った場合、年間12万円。それで5,000円でも戻ってくるなら、実質的な運用としては4%程度の利回りを確保していることになる。

年収が高い方で、所得税の税率も高ければ、1万円くらい戻ってくることもあるので、その場合は利回り8%だ)(12万円払って1万円のリターン)

「超」低金利で、銀行にお金を預けてもほとんど増えない中、安全、かつ定期的に4%以上の利回りを保障してくれるのはありがたい。

その点では魅力がある。

弱点1でも挙げたが、唯一、気がかりなのは保険会社からすれば「撒き餌」のような商品であるため、「その他の商品」も売り込まれること。

質の悪い営業マンであれば、

「この自分の積立だけだと赤字なんですよぉ」

くらいのことは言われるかもしれない。

そのため、気の弱い人や、押しに弱い人は、要注意ではある。(逆に、そんなこと一切気にせず、ドライな態度に徹することが出来る人はこの点は考える必要はない)

しかし、これからの世の中、金融商品の良し悪しを判断し、時には上手く断ることも「スキル」の一つである。

仮に他の商品を売り込まれたところで、そこは是々非々で判断すればよいだけ。

明治安田としても「赤字」で出しているわけだから、せめて提案くらいはちゃんと聞いてあげて欲しいが(まあ、これは礼儀だろう)その上で、良いと思ったら入る、悪いと思ったら断る。

それくらい毅然とした態度が取れないと、大人としてダメだろう。

なお、明治安田は学資保険などでも良い商品があるので、何もかもダメというわけでもない。

提案のチャンスはあげた

保険会社にはそれだけでもありがたい話であり、それを「お返し」として考える。

それで良いのではないだろうか?

参考:積立・貯蓄・資産運用にかかわる商品について
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